ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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お盆

せんじょう、はち

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舌の裏も表も精液にまみれた歯ブラシで擦られる。満遍なく擦り終えると雪兎は舌先ではなく舌の腹をつまみ、舌先を擦った。

「……っ、ふ、ぅ、うぅっ……ふっ、ふ、ぅうぅっ」

「血まみれの舌もえっちだったけど……やっぱり、僕のの方がいいね。舌は赤いんだから、白の方が目立って似合うのは当然だよ」

「ぅあっ……」

舌を離された途端、精液の味がよく分かるようになった。口を閉じて咀嚼したいと思っているのに俺の口は開口具によって閉じられず、溢れ出す唾液で精液を洗い流そうとしてしまっている。

「舌そのまま出しておける?」

雪兎の指は離れたけれど指示があったので、仕方なく舌の付け根が痛むくらいに舌を突き出した。満足そうに微笑んだ雪兎は俺にスマホを向け、シャッター音を鳴らした。

「……うん、最高。お口真っ白でとってもえっちだよ、ポチ」

「うぅ……」

「はぁっ……あぁもう、喋れないポチ最高。犬らしくて可愛いよぉ。ポチとのお話も好きなんだけど、同じくらい話せないポチが好きなんだ。ポチの意思聞けないのちょっと不安なんだけどね?」

T字型の金属棒による拘束で背も首もろくに曲がらないが、頬を撫でる雪兎の手の方へ少し顔を傾けるくらいは出来る。

「…………ふふ、やっぱりあんまり不安じゃないかも」

「んぅ」

「うん……もうだいたい歯ブラシ通したけど、ちゃんと綺麗になったかな? しっかり見たいから一回開口具外そっか、僕のついたままじゃ見にくいし……もったいないけどうがいもしよっか」

雪兎は洗面所から今精液を溜めているものと同じプラスチック製のコップと、洗面器とタオルを持ってきた。開口具が外されて久しぶりに口を閉じることが許され、開き疲れた顎を休めた。

「ん……んっ……」

上顎に舌を擦り付けて雪兎の精液を味わう。濃厚な雄の味が脳を蕩けさせ、優秀な雄の匂いが屈服を促す。

「ポチ? うがいして、うがい。一旦首の外してあげるから」

T字型の金属棒による拘束具、その棒の先端に取り付けられた首輪が外される。首に向かって伸びた棒を避けて整理体操のように首を曲げ、はぁ……と息を吐く。

「うわっ、ポチ口臭いよ」

「ユキ様のでしょ」

「そうなんだけどさ、ポチの口からその匂いがするのも興奮するんだけどさぁ、あんまりいい匂いじゃないよー……ほら、うがいしてうがい」

手の拘束は外されていないのでコップを口元まで持ってきてもらい、水をすすり、ぐちゅぐちゅと頬の内側を洗う。

「ここにぺっしてね」

洗面器が顔の下に差し出されたので、口をすぼめてちょろちょろと水を吐き出す。口内をすすいだ水を見られるのには言い表しようのない恥ずかしさがあった。

「喉の方もしないと」

もう一度水をすすり、今度はガラガラと喉奥の方を洗う。また吐き出し、白濁液が混じった水を見つめる雪兎の真剣な顔から目を逸らす。

「お口、おっきくあーん。舌突き出してね」

大きく口を開けて舌を突き出す。口内をスマホのライト機能で照らされ、後孔を観察される際にも似た羞恥を味わい、陰茎どころか乳首まで勃たせる。

「…………ユキ様? どうでした?」

雪兎がスマホを下ろしたので口を閉じて尋ねる。しかし、雪兎が応えるよりも前に答えが分かってしまった。

「喉のずっと奥の方のが取れてない。そんなとこまで指入れられたの? 流れ込んじゃったのかな……ムカつくなぁ」

不機嫌そうな、悔しそうな、恨めしそうな顔。負の感情に歪んだところで雪兎の美貌は一切損なわれない。そんな美顔に見とれたせいか、もう開口具は外されたのに口をだらしなく開けたままにしてしまった。
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