ポチは今日から社長秘書です

お盆

ふつかめ、なな

尻を揉まれる快感で溜まる焦れったさは、同じく尻を揉まれる快感で勝手に打ち消される。焦れるばかりの胸や腹や太腿とは大違いだ。

「んっ、んん……」

うつ伏せになっているから勃起した上に蝋に先端を覆われている陰茎が辛いが、許容範囲だ。

「あっ……？　ユキ、様？」

「どうしたの？」

尻を揉みながらも雪兎の手はしっかりと俺の肌を洗っているため、同じ箇所にずっと触れているわけではない。分かってはいても雪兎の指が割れ目の方に向かっているのは必要以上に気になったし、親指が僅かに後孔の縁に触れると甲高い声を上げてしまった。

「ひぁうっ！」

「もー、さっきからどうしたのさ」

「い、いえ、その、穴……というか割れ目の方に、指が」

「そりゃ洗ってるんだから全部触るよ」

そう言って笑う雪兎は左手で割れ目を軽く開きながら右手の人差し指と中指を割れ目に差し込んだ。

「ひ、ぁっ……あぁっ……」

尾骶骨をこりこりと弄び、尻の割れ目の始まりをしっかりと擦る。汗をかいて汚れを溜めやすいそこを念入りに洗わなければいけないのは理解しているが、どうしても愛撫に感じてしまって甘えた声が漏れる。

「あぁあっ！　ぁ、あっ、ユキ様っ、ユキ様ぁっ……そ、こっ……！」

雪兎の指が後孔の縁まで降りると俺はもう声を上げるどころか背を反らしてしまっていた。義務的な動きをする指に焦れた穴の縁は必死に吸い付き、剥がされる度に空気混じりの水音を鳴らす。

「ひぁっ、あっ、ぁ、あぁっ……！」

ぢゅぱぢゅぱと下品な音が甲高い声と淫らなハーモニーを作り出す。羞恥心から手に力を込めてしまっても頭の後ろで手を組んでいる今は、自分の手の甲を引っ掻くだけだ。

「ふ、あっ……ぁあっ……そ、こはっ……」

雪兎の指が会陰に触れた。後孔と陰嚢の間の何もない部分だが、俺のそこは妙にぷにぷにと柔らかく触っていて楽しい感触のはずだ、雪兎にイタズラする気がなくても手慰みに押してしまうはず──

「ぁああんっ！」

──やっぱり押してくれた。会陰を押されると前立腺に響くのだ、腸壁越しに押されるのもいいが会陰からの刺激も好きだ。尿道からも……好きは好きだが頻繁には嫌だ、電流刺激もたまにがいい。

「ぁ、あぁっ……ユキ様ぁ、も、イかせてくださいぃ……」

「次足洗うね。体勢は……太腿の前はさっき洗ったからよくて……うん、そのままでいいよ」

雪兎は俺の尻の上に腰を下ろした。生尻が直接触れ合って、汚れを落としたばかりの濡れた肌は吸い付き合い、快感とは少し違うたとえようのない気持ちよさを覚えた。

「ぁあぁああっ……！」

太腿の裏をぬる～っと撫でられる。泡まみれの手で身体を撫で回されるだけで声が出てしまう、俺が身も心も完璧な犬になれている証拠だ。

「情けない声出しちゃって」

雪兎が俺の上から降りて俺の足首を掴み、膝を曲げる。どうやら膝から下を洗うようだ。すねやふくらはぎなんて性感帯とは思えないのに、焦らされているからか呼吸は乱れたし足の指は悩ましげな伸び曲がりを勝手に行った。

「こんな情けない姿、従弟の子が見たらどう思うかなぁ……ふふ、一回犬のカッコして会ってみる？　君のお兄ちゃんはもう人間じゃないんだよーって教えてあげたいなぁ」

「……っ！？　ダメですそんなっ、國行はまだ小学生なんですよ！？　俺が売られたこと気にしてるしっ、そんなの見せたらトラウマになる！」

「分かってるよ、子供に見せつけるような最低な性犯罪なんて僕がやらかす訳ないだろ？　冗談だよ、ふふふ……子供の國行くんには見せないよ」

含みのある言い方だが、冗談でよかった。いや、冗談だと分からないなんて主人を信用していない駄犬である証拠じゃないか、反省しなければ。