ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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夏休み

どっぐらん、いち

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裂ける細工を施されたデニムを履かされ犯された昨晩。行為の後にデニムを脱いで素足になった時、硬い生地に圧迫されていた足が開放された瞬間は性感が伴わない中では最高の快感だった。

「……またデニムですか」

だから、朝起きて着替えとして雪兎に渡されたのがデニムだった時は一瞬顔を顰めてしまった。足の血行が悪くなっているのが体感出来るデニムなんてしばらく履きたくない。

「今度は破れやすい加工とかしてないよ、安心して着てね」

「お出かけはデニムで行くんですか? ドレスコードとかさなはそうで安心しました」

「君はいつも通りに過ごしてくれればいいよ」

昨日のものと違って俺に合ったサイズのデニムを履き、足を軽く曲げ伸ばししてみる。案外と動きやすい、尻も太腿も膝も自由だ。

「機能性は高め。それ履いたまま寝れるし、スポーツも出来るよ」

「すごい……あの、上は?」

「これ。ネルシャツ。肌触りいいよ」

白いシャツか、普通だな。男物にしては少し丈が長いかな? ベルトは完全に隠せそうだ。昨日着たシャツに比べれば厚いが、ニップルリングの鈴の位置は分かる。

「……あの、乳首のは……これ、つけたままでいいんですか?」

「なんか変な位置に乳首あるみたいだね」

ゆったりとしたシャツに乳首は浮いていない。だから少々大きすぎて不自然なものの、鈴が乳首のように見える。

「上着もあるから大丈夫だよ」

渡されたのは紺色のジャケット。生地は柔らかくよく延びて着心地がいい。

「うんうん、カッコイイねポチ。似合うと思ってたんだ」

「はぁ……ありがとうございます。ユキ様もそろそろ着替えますか?」

「ポチのお着替えはまだ終わってないよ」

屈むように言われ、雪兎の前に跪くと犬耳飾り付きのカチューシャをはめられた。立つように言われてその通りにすれば、ベルトを通す部分に犬の尻尾飾りをつけられる。

「……ユキ様、これは」

「このカチューシャと尻尾すごいんだよ、カチューシャが脳波を読み取って君が喜んでると尻尾が揺れる仕組みなんだ」

「出かけるのにこういう物つけるんですね。恥ずかしいんですけど……まぁオモチャよりはマシか」

後孔に挿入されていたら揺れっぱなしだっただろうな。

「首輪にはもちろん紐つけて……グローブとブーツはいいや。次は僕だね、着替えさせて」

雪兎は綺麗に畳んだ自分の服を俺に渡し、俺の前にただ立った。手を広げるでもなく、ただ俺を見つめている。

「えっと……それを脱がしてこれを着せればいいんですね?」

とりあえず着る予定の服は置いて、先に雪兎を脱がそう──その前にどんな服を着るのか見ておこう。
白に紺色、リボンに帽子─それをなるほどセーラー服だな。セーラー服と言っても女子高生をイメージするものではなく、水兵服に近い。錨の刺繍まである。

「……なんかベルトに振動が」

「尻尾振ってるね。どうしたの? 僕が今から着る服じーっと見て、何がそんなに嬉しいの? 僕が着てるとこ妄想したの? その服好きなの?」

「い、いえ……ただ、可愛いんだろうなぁと」

雪兎は水着にもセーラーモチーフの服を着がちだ。だからだろうか? 最近、メイド服の次にセーラー服が好きになってきたように思える。短パンに入り切らなかった眩しい太腿なんてたまらない、シャツの丈が短くて腕を上げると臍が見えるのもいいな。

「……すっごい揺れてる」

デニム越しにぺちぺちと尻尾飾りが尻に当たっている、自分の感情が目に見えるというのはなかなか複雑な気分だ。
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