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夏休み

がまんがまん、じゅうさん

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大きく開脚して膝を曲げて腰を落とし、床に緩く握った両手をつく。尻は床に触れさせないようにし、犬らしさを演出するため口を開けて舌を出してはぁはぁと荒く息をする。

「……うん、可愛い。可愛いワンちゃんだね」

「わん」

「僕の可愛いワンちゃん、これ舐めて」

雪兎は椅子に深く腰掛けたまま少しも動かず、左腕で首輪のリードを巻き取って俺の顔を引き寄せる。右手で俺の髪を掴んで引っ張り微調整をし、突き出した舌を陰茎に触れさせる。

「はっ、はっ……は、ん……わんっ……ん」

「ただ舐めるんじゃなくて考えて舐めなよ?」

「わんっ」

尖らせた舌先をカリ首に押し付け、細かく揺らして責めてみる。雪兎が深く息を吐いたのを確認したらビンタでもするような気概で亀頭に舌の腹をぺちぺちとぶつける。

「いいね、それ気持ちいいよ」

舌を突き出してひたすら舐めている今は返事がしにくい。口をすぼめてしゃぶっている方が話しやすい。

「ねぇワンちゃん、犬と言えば舐めるのはもちろんだけど、すりすりしたりもするよね? 僕のこと好き? 好きなら頬擦りしたら?」

「……わんっ」

唾液と先走りの汁で濡れた雪兎の陰茎に頬を擦り寄せる。雪兎の頬は赤子の肌のように素晴らしい感触をしたもち肌だが、俺の頬なんて大したものじゃない。まぁヒゲが生えていないだけ歳と体格の割にはマシだと思うが。

「可愛い……はぁ、ポチ、分かる? めちゃくちゃ好みの顔した男が自分のに頬擦りしてる快感。こっち見て、そう僕の目……ぁあ、イイ、最高、完全に堕ちてる顔だね」

「くぅうん……」

「……っ、ふふふっ! ダメ、ダメだよぉポチぃ、そんな可愛く鳴いても入れてあげたりはしないんだから」

「きゅうぅん……」

口角を吊り上げて興奮の最高潮に登り詰めている様子の雪兎にねだれば叶えてもらえるのではないだろうか、そんな希望を胸に俺は貞操帯を外すことではなく挿入をねだり続けた。

「くぅん、きゅうん……」

顔にも体格にも歳にも何にも似合わない甲高い甘えた声で鳴くだけで、雪兎は俺のおねだりの内容を察してくれる。

「僕も入れたいけどさぁっ……まだ焦らしたいんだもん。ダメ」

見開かれた赤紫の瞳から目が離せない。そういえば雪兎の特殊な能力は何なのだろう。雪風は心を読むことで、祖父は記憶を読むこと。雪兎も似たような力だから俺の言いたいことを分かってくれているのだろうか? それともこれはただの絆?

「あぁポチ可愛いっ、ちょっと髪使わせて。その綺麗な真っ黒の髪使わせて!」

俺は許可を下す立場ではない。雪兎は俺が返事すらしないうちから俺の側頭部の髪を掴み、俺の頭頂部の髪に陰茎を擦り付け始めた。

「切ったばかりだからかな? ちょっとチクチクして気持ちいい。長い時にもやっとけばよかったね、なら比べられたのに。ポチの髪は太くて立派だよね、短くすると硬さも際立っていい感じ」

頭皮を撫でられることすら快感に出来る俺だが、頭に陰茎を擦り付けられるのは……まぁ興奮はするが、感触が薄くて快感は微妙だな。

「ぁ、やば……出そう、ポチちょっとどいて」

「わぅ……?」

俺にかけるか飲ませるかしないのか? 不思議に思いながらもどくと、雪兎は急いで俺の朝食の前に屈み、プレートに白濁液をぶっかけた。

「……っ、ふぅ……」

一仕事終えた顔をした雪兎は立ち上がりながら俺に微笑みかけ──

「よし」

──と朝食のプレートを指差した。
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