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使用人体験
うらのおしごと、じゅうさん
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湯気が立ち込める浴室に肉がぶつかり合う音が響く。水音も混じっている。床にどっちの何かもよく分からない体液が滴っていく。
「……っ、はぁっ……はぁ……」
湿気が多い、息苦しい、この低酸素状態の脳はたまらなく心地いい、だる重い腰をもっと振りたくなる。
「んぁっ! あぁあっ! ぁ、ひっ、イぐぅぅっ……! ぅ、あっ、もぉ、イかしぇないれぇっ、もぉほじくんないれっ、ぁああっ、イくっ、ぅゔぅぅっ!」
「はぁ……ぁ、はぁ…………ふぅ、もう、無理」
何発目かも分からない射精を果たし、俺の陰茎はようやく萎えた。柔らかくなった陰茎でほぐれきった腸壁を擦り、抜く。
「ん、ぅ、あっ、あっ、あぁっ……!」
ぬぽんっ……と情けない音を立て、身体の繋がりを切る。ぐったりとしている雪風を床に座らせ、まずは背を反らして腰を軽く叩く。
「ふー……雪風、雪風……? あぁ……寝たのか」
気絶するまでだとか、失神してもやめないだとか言ったけど、疲れているのに雪風の分の後処理もしなければならないのかと考えると──あぁ、嬉しいな、幸せだ。睡眠中は生物の最も無防備な時間だ、つまり愛しい人が俺への信頼を示してくれてるんだ、こんなに嬉しいことは他にない。
「……とか思わないと、なぁ? 雪風……あぁ、大丈夫だ雪風、安心しろ。俺ってば自分に言い聞かせたことにいつの間にか自分も騙されちゃうからさ」
寝息を立てている雪風の身体を洗いながら、暇な口も動かした。
雪風と共に浴室を出て、タオルやドライヤーなどで頭と身体を乾かして、それでも眠り続ける雪風をベッドに寝かせる。保湿液などを全身に塗りたくり、服を着せる。
「……どんな夢見てんだ?」
穏やかな寝顔を見て思わず笑みが零れる。ベッドに腰掛け、ゴミ箱を足に挟んで雪風の手を取った。
「爪伸びてんな。俺のはいいけど、雪風の綺麗な肌引っ掻いたらヤバいからな」
爪用のヤスリを角度に気を付けながら丁寧にかけ、雪風の伸びた爪を丸めさせていく。終わったら舐めて最終確認、舌が異常を感じ取れなかったら削りカスを舐めとって終わり。感じ取ったらもう一度ヤスリがけだ。
「……本当、綺麗な爪だな」
手の十本が終わったら俺も寝るか、いや足の爪もしておこう。伸びていればの話だが。
二十枚全ての爪に丁寧なヤスリがけを施し、その後ようやく眠ることが出来た。
「おやすみ雪風……」
自室に戻る気力はなかったため、毛布を被った雪風の隣にバスローブ一枚で眠りに就いた。気付けば雪風が毛布をかけてくれていて──なんてことは起こらず、熟睡した俺達はほぼ同じタイミングで目を覚ました。
「……おはよう、まひろぉ」
俺より数時間先に眠っていたはずなのに、どうして目を覚ますのは同時なんだ。そうは思ったが寝起きのふにゃんとした笑顔を見て全て吹っ飛んだ。
「おはようっ、雪風……! 起きてすぐお前の顔見ると、天国に来ちまったかって勘違いするよ。なぁ天使様、今日はなんでまた人間界に?」
「んー……? お前とヤりに来た」
「ははっ、とんでもねぇ堕天使だ」
俺の大切な人、二人の天使様、俺の全ては彼らのためにある。
「天国からの追手が来ても俺が守り通してみせますよ」
「……いつまでそれ続けんの?」
いつまでもこうやって笑い合うために出来ることは何でもしよう。叔父の殺害もしよう、怪異の凶刃からの盾にもなろう──雪兎と雪風以外の全て、俺も含め、俺の愛の炎の薪にする。
「……っ、はぁっ……はぁ……」
湿気が多い、息苦しい、この低酸素状態の脳はたまらなく心地いい、だる重い腰をもっと振りたくなる。
「んぁっ! あぁあっ! ぁ、ひっ、イぐぅぅっ……! ぅ、あっ、もぉ、イかしぇないれぇっ、もぉほじくんないれっ、ぁああっ、イくっ、ぅゔぅぅっ!」
「はぁ……ぁ、はぁ…………ふぅ、もう、無理」
何発目かも分からない射精を果たし、俺の陰茎はようやく萎えた。柔らかくなった陰茎でほぐれきった腸壁を擦り、抜く。
「ん、ぅ、あっ、あっ、あぁっ……!」
ぬぽんっ……と情けない音を立て、身体の繋がりを切る。ぐったりとしている雪風を床に座らせ、まずは背を反らして腰を軽く叩く。
「ふー……雪風、雪風……? あぁ……寝たのか」
気絶するまでだとか、失神してもやめないだとか言ったけど、疲れているのに雪風の分の後処理もしなければならないのかと考えると──あぁ、嬉しいな、幸せだ。睡眠中は生物の最も無防備な時間だ、つまり愛しい人が俺への信頼を示してくれてるんだ、こんなに嬉しいことは他にない。
「……とか思わないと、なぁ? 雪風……あぁ、大丈夫だ雪風、安心しろ。俺ってば自分に言い聞かせたことにいつの間にか自分も騙されちゃうからさ」
寝息を立てている雪風の身体を洗いながら、暇な口も動かした。
雪風と共に浴室を出て、タオルやドライヤーなどで頭と身体を乾かして、それでも眠り続ける雪風をベッドに寝かせる。保湿液などを全身に塗りたくり、服を着せる。
「……どんな夢見てんだ?」
穏やかな寝顔を見て思わず笑みが零れる。ベッドに腰掛け、ゴミ箱を足に挟んで雪風の手を取った。
「爪伸びてんな。俺のはいいけど、雪風の綺麗な肌引っ掻いたらヤバいからな」
爪用のヤスリを角度に気を付けながら丁寧にかけ、雪風の伸びた爪を丸めさせていく。終わったら舐めて最終確認、舌が異常を感じ取れなかったら削りカスを舐めとって終わり。感じ取ったらもう一度ヤスリがけだ。
「……本当、綺麗な爪だな」
手の十本が終わったら俺も寝るか、いや足の爪もしておこう。伸びていればの話だが。
二十枚全ての爪に丁寧なヤスリがけを施し、その後ようやく眠ることが出来た。
「おやすみ雪風……」
自室に戻る気力はなかったため、毛布を被った雪風の隣にバスローブ一枚で眠りに就いた。気付けば雪風が毛布をかけてくれていて──なんてことは起こらず、熟睡した俺達はほぼ同じタイミングで目を覚ました。
「……おはよう、まひろぉ」
俺より数時間先に眠っていたはずなのに、どうして目を覚ますのは同時なんだ。そうは思ったが寝起きのふにゃんとした笑顔を見て全て吹っ飛んだ。
「おはようっ、雪風……! 起きてすぐお前の顔見ると、天国に来ちまったかって勘違いするよ。なぁ天使様、今日はなんでまた人間界に?」
「んー……? お前とヤりに来た」
「ははっ、とんでもねぇ堕天使だ」
俺の大切な人、二人の天使様、俺の全ては彼らのためにある。
「天国からの追手が来ても俺が守り通してみせますよ」
「……いつまでそれ続けんの?」
いつまでもこうやって笑い合うために出来ることは何でもしよう。叔父の殺害もしよう、怪異の凶刃からの盾にもなろう──雪兎と雪風以外の全て、俺も含め、俺の愛の炎の薪にする。
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