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使用人体験
たいせつなしごとのまえに、に
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腕立て伏せの要領で身体を持ち上げ、たった今まで密着していた雪風を見下ろす。
「ぁ、は……ぁ、ぁ……?」
眉目秀麗の四文字が似合う美男、それを理解して言動に演技を混ぜるナルシスト。それが雪風の表の顔、キザったらしいのに憎めないどころか惚れてしまう若々しく美しい社長だ。
「雪風、俺が分かるか?」
ただ立っているだけで札束が飛んできそうなクールビューティ。それが今はどうだ、快楽にとろけてしまっている。
色素の薄い肌は紅潮が分かりやすいだけなんて言い訳は使わせない、耳まで真っ赤だ。艶やかな薄紅色の唇は半開きになって唾液が端から垂れている。
「まぁ、ひぃ……ろぉ?」
鮮やかな赤色の瞳は淫らに濡れ、髪と同じく白い眉は下がり、赤い顔から浮いている。
「ん? マイヒーロー? 可愛いこと言うなぁ、でも違うぞ」
「ちぁう……まひ、ろぉ」
お喋りな口の呂律が回っていない。雪風のこんな姿、部下達は知らないだろう──いや、知っている者も多いかもな。あぁ、優越感を覚えようとしたのに腹が立ってきた。
「んゃっ……!」
形のいい耳にはピアスホールなどはない。歴代の恋人にピアス好きは居なかったのだろうか、セフレばかりでそんな要求をする奴は居なかったのか、雪風が嫌がっていただけか。ピアッサーが怖くて嫌がっていたと考えると可愛いな。
「なぁ雪風、俺の声で何回イった?」
耳をつまんだまま耳の穴に吐息を入れるように囁く。
「ひぅうっ……!? か、数えてねぇよっ、そんなもん……」
「数えられないほど?」
「…………そう、だよ……お前っ、いい声すぎるんだよっ!」
自分ではそうは思わない、雪風の方がずっといい声をしていると思う。低く甘く、決して人を不愉快にさせないトーンで話す彼の声はずっと聞いていたくなる。
「俺がいい声してるって言うか、俺が好きだから声でも感じるんだろ?」
好きな人だから声も好き、それが正解なんだろう。雪風と同じ声のはずなのに彼の実兄である雪凪の声には殺意が湧くし。
「そうかもな……声で感じるって言うのやめろよっ、耳元で声出されりゃ耳気持ちよくなるだろ!」
「じゃあ耳から離そうか?」
耳から口を離し、顎をこめかみに当てる。骨伝導を意識して演技がかった低い声で話す。
「可愛いよ、雪風」
「……っ! ぅ……」
「好き」
跳ねた雪風の腰がぶつかる。
「イけ」
短く震えたのを確認してから顔を浮かせ、潤んだ瞳で俺を睨む雪風を見下げて微笑む。
「そんなに俺が好きかよ、可愛いな雪風」
「……ふん。機嫌治ったみたいでよかったよ」
「あぁ、他の男としたがってるかどうかは身体に聞いた方が早いな。嘘つかねぇし」
薄らと腹筋があるもののふにふにと柔らかい腹を撫でる。内臓の位置を探るような気持ちで少し強めに押しながら手を動かす。
「んっ、ぁ……はぅっ…………んっ、真尋……真尋ぉ、俺は……口も顔も嘘つかねぇぞ」
「……ベッドならな」
「カッコつけんなよ……所構わずサカるくせに……んっ! んぁっ……! ぁ、はぁんっ……」
悪態をついていても腹を強めに押してやると甘えた声を上げる。
「これ好きか?」
「ん……好き、だけどっ……欠点があるな」
「欠点? なんだ? やっぱりちょっと痛いとか……?」
「気にし過ぎだろお前、可愛い奴。腹の奥刺激されるから……入れて欲しくなるってだけだ、今日は挿入ナシなんだろ?」
切なげな顔を見てコックリングに勃起を維持させられている陰茎が疼く。
「はぁ……もう、お前見てると抱かれたくなる。意識逸らしてくれよ、前でイかせてくれ。後ろ触んなよ、半端にやると欲しくなる」
後孔を焦らされる辛さはよく分かる。何日我慢することになるのかも分からないし、今日は言うことを聞いてやろう。
「……っ、ん……ぁ、真尋の手っ、ぁんっ……」
下着の中に手を入れて硬くなった性器を掴み、俺の声だけで絶頂してきた証拠が絡んでいると感触で理解し、自由に射精出来る雪風を少し羨ましく思った。
「ぁ、は……ぁ、ぁ……?」
眉目秀麗の四文字が似合う美男、それを理解して言動に演技を混ぜるナルシスト。それが雪風の表の顔、キザったらしいのに憎めないどころか惚れてしまう若々しく美しい社長だ。
「雪風、俺が分かるか?」
ただ立っているだけで札束が飛んできそうなクールビューティ。それが今はどうだ、快楽にとろけてしまっている。
色素の薄い肌は紅潮が分かりやすいだけなんて言い訳は使わせない、耳まで真っ赤だ。艶やかな薄紅色の唇は半開きになって唾液が端から垂れている。
「まぁ、ひぃ……ろぉ?」
鮮やかな赤色の瞳は淫らに濡れ、髪と同じく白い眉は下がり、赤い顔から浮いている。
「ん? マイヒーロー? 可愛いこと言うなぁ、でも違うぞ」
「ちぁう……まひ、ろぉ」
お喋りな口の呂律が回っていない。雪風のこんな姿、部下達は知らないだろう──いや、知っている者も多いかもな。あぁ、優越感を覚えようとしたのに腹が立ってきた。
「んゃっ……!」
形のいい耳にはピアスホールなどはない。歴代の恋人にピアス好きは居なかったのだろうか、セフレばかりでそんな要求をする奴は居なかったのか、雪風が嫌がっていただけか。ピアッサーが怖くて嫌がっていたと考えると可愛いな。
「なぁ雪風、俺の声で何回イった?」
耳をつまんだまま耳の穴に吐息を入れるように囁く。
「ひぅうっ……!? か、数えてねぇよっ、そんなもん……」
「数えられないほど?」
「…………そう、だよ……お前っ、いい声すぎるんだよっ!」
自分ではそうは思わない、雪風の方がずっといい声をしていると思う。低く甘く、決して人を不愉快にさせないトーンで話す彼の声はずっと聞いていたくなる。
「俺がいい声してるって言うか、俺が好きだから声でも感じるんだろ?」
好きな人だから声も好き、それが正解なんだろう。雪風と同じ声のはずなのに彼の実兄である雪凪の声には殺意が湧くし。
「そうかもな……声で感じるって言うのやめろよっ、耳元で声出されりゃ耳気持ちよくなるだろ!」
「じゃあ耳から離そうか?」
耳から口を離し、顎をこめかみに当てる。骨伝導を意識して演技がかった低い声で話す。
「可愛いよ、雪風」
「……っ! ぅ……」
「好き」
跳ねた雪風の腰がぶつかる。
「イけ」
短く震えたのを確認してから顔を浮かせ、潤んだ瞳で俺を睨む雪風を見下げて微笑む。
「そんなに俺が好きかよ、可愛いな雪風」
「……ふん。機嫌治ったみたいでよかったよ」
「あぁ、他の男としたがってるかどうかは身体に聞いた方が早いな。嘘つかねぇし」
薄らと腹筋があるもののふにふにと柔らかい腹を撫でる。内臓の位置を探るような気持ちで少し強めに押しながら手を動かす。
「んっ、ぁ……はぅっ…………んっ、真尋……真尋ぉ、俺は……口も顔も嘘つかねぇぞ」
「……ベッドならな」
「カッコつけんなよ……所構わずサカるくせに……んっ! んぁっ……! ぁ、はぁんっ……」
悪態をついていても腹を強めに押してやると甘えた声を上げる。
「これ好きか?」
「ん……好き、だけどっ……欠点があるな」
「欠点? なんだ? やっぱりちょっと痛いとか……?」
「気にし過ぎだろお前、可愛い奴。腹の奥刺激されるから……入れて欲しくなるってだけだ、今日は挿入ナシなんだろ?」
切なげな顔を見てコックリングに勃起を維持させられている陰茎が疼く。
「はぁ……もう、お前見てると抱かれたくなる。意識逸らしてくれよ、前でイかせてくれ。後ろ触んなよ、半端にやると欲しくなる」
後孔を焦らされる辛さはよく分かる。何日我慢することになるのかも分からないし、今日は言うことを聞いてやろう。
「……っ、ん……ぁ、真尋の手っ、ぁんっ……」
下着の中に手を入れて硬くなった性器を掴み、俺の声だけで絶頂してきた証拠が絡んでいると感触で理解し、自由に射精出来る雪風を少し羨ましく思った。
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