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使用人体験

たんじょうび、ろく

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俺が誕生日パーティの片付けを終え、雪風の部屋へ行くまでに雪風はシャワーを浴びていなかった。仕事の進捗が気になるとかでパソコンを弄っていたらしい。それも靴下は脱ぎかけ、ベルトは外しかけのだらしない姿で。

「真尋、もう来たのか……悪い、つい仕事やってた。まだシャワー浴びてないんだ。あっ、一緒に入るか?」

俺に気付いた雪風はパソコンを閉じ、机に置くとシャツのボタンを外し始めた。

「…………いや、風呂はもういい」

不安症が再発していたのもあって俺は一刻も早く雪風を抱きたかった。快楽で我を忘れるのが一番手っ取り早く不安を失くす方法だから──分かりやすく言うなら「一人で居ると色々考えて怖くて、原因は寂しいことなんだからたくさんかまって欲しい」かな。

「わっ……! 真尋……?」

中途半端に仕事着のままの雪風を押し倒すと彼は不思議そうな顔で見つめ返してきた。俺との経験も俺以外との経験も山ほどあるくせに、歳上のくせに、どうして時々幼さが見えるのだろう。

「え……ちょっ、真尋、待ってくれよ。最後にシャワー浴びたの昨日なんだよ。今日は忙しいのと急いでたので全然暇がなくて……」

「別にいいよ、一日分くらい。むしろ興奮する」

「えぇ……お前変態だな」

そう言いながらも抵抗しないどころか服を脱がす俺に協力的だ。下着を脱がす時に腰を浮かせたのには思わず笑ってしまった。

「……俺だけ全裸かよ。お前は?」

「俺にも脱いで欲しいのか?」

「そりゃお前の身体好きだし。一人だけ裸ってなんか恥ずかしいじゃん……いや、それはそれで……」

流石NGプレイ無しの色情狂、俺とは格が違うな。

「じゃあ脱がせよ」

「おぅ、真尋の肉体美楽しむとするか」

俺に覆いかぶさられたままの雪風が俺の服に手を伸ばす。服の下に仕込んである誕生日プレゼントが喜ばれるかどうか不安で鼓動が騒がしくなっていく。

「ん? なんだこれ……紐? リボンか?」

早速胸元のリボンの蝶結びが見つかってしまった。

「……全部脱がして見てみろよ」

「この体勢じゃキツいって、一回起こせ」

せっかく押し倒したのに雪風に手を貸して起こし、ベッドに向かい合って座り、雪風に服を脱がされた。

「……っ、マジかお前。え、パーティの時から……? マジか、うわ……何それ。最高」

脇の下と胸筋の下を通るように巻いた赤いリボン。胸が強調されるようにキツめに巻いたリボンの結び目は上側の真ん中にあり、胸筋の谷間に蝶結びが垂れている。

「今日は雪風の誕生日だから俺がプレゼントってコンセプトでヤろうと思ってさ」

「雄っぱいをくれると……?」

雪兎もそうだったけれど、男の胸筋をおっぱい呼ばわりするのはどうなんだ? 確かに谷間は作れるし力を入れなければ柔らかいが、脂肪の塊とは比べ物にならないだろう。

「……下もあるけど」

「マジで? ちょっと脱がさせろよ」

雪風にズボンと下着を脱がしてもらい、リボンだけを身にまとった姿になる。リボンは陰茎に巻き、カリ首に蝶結びを作っている。

「おぉ……! エッロいなこれ」

「亀甲縛りと迷ったんだけどさ、抱く側が縛られてんのも変かなって……後、リボンの長さが足りなくて」

「亀甲縛り! それもいいな。でもこれもいいぞ、めちゃくちゃいい! 誕生日プレゼントってことは今日はマジでここ好きにしていいんだよな?」

雪風は俺の胸と陰茎を交互に指差し、嬉しそうにはしゃいでいる。喜んでくれてよかったと安心しながら頷くと雪風は俺の首に腕を回した。

「……雪風?」

「本当に……めちゃくちゃ嬉しい。ありがとな、真尋。愛してる!」

「…………俺も。愛してるよ、雪風。誕生日おめでとう」

「へへへへ……ほら、最初はお前が下! お前はプレゼントなんだからな」

ふにゃりと笑った雪風に見とれていたら押し倒されてしまった。

「誕生日くらいマグロしてもいいんだぞ?」

「それは俺がやだ」

「……あぁそう、楽だと思うけど」

「縛られてそれはいいけど、ただ動かないのとかストレスでしかないだろ」

「ふーん?」

俺の上に跨った雪風は舌なめずりをして俺の胸のリボンを指先で撫でた。

「……さて、プレゼントならリボンはほどくべきだが、正直可愛いからほどきたくねぇ」

「好きにしろよ」

「そのつもりだけど、迷うよなぁ」

リボンの手触りを楽しむように雪風の指が赤いリボンを辿る。リボン越しに触れられる焦れったさに呼吸のリズムが崩れ始める。

「……ん? まーひろぉ、なんかここ主張が激しくなってきたなぁ?」

胸の周りで動き回る細い指先に期待した乳首が尖り、目ざとい雪風に気付かれてしまった。俺はあえて何も言わずに二の腕で胸を寄せ、軽く背を反らして胸全体を強調した。
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