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使用人体験
おしごとたいけん、しゅーりょー
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生まれつき分厚い皮膚と鍛えていた筋肉のおかげで皿の破片は深くは刺さらなかった。しかし流石にガラス片は深々と刺さった。まぁ、神経などが傷付くことはなかったから歩行に支障はない。
「──って訳で、何の問題もありませんよ。跡も残らなさそうって話です」
包帯を巻いた足を水泳のシンクロ競技のように持ち上げ、カメラに映す。
『ふーん……』
足の治療が終わった後、祖父はただ一言謝って別棟に戻り、次の日から使用人が戻ってくるからと俺をクビにした。そんな訳で俺は元通りの生活に戻り、真昼間恒例の雪兎とのビデオ通話を楽しんでいる。
「ユキ様、怒ってます?」
『当たり前。飼い主の許可なく勝手に怪我しちゃダメに決まってるでしょ? それに理由がおバカ過ぎるよ、何? 棚の上の方の皿取ろうとして引っ張り倒したって。よく足だけで済んだね』
雪兎には祖父の手伝いをしていた話も祖父が食器棚を倒したことも教えていない。俺がドジを踏んだのは真実なのだから、多少事実を歪めて報告したって許されるだろう。
『……本当にびっくりしたんだよ、ポチが食器棚の下敷きになったって聞いた時は』
雪兎の声に幼さが戻り、祖父よりは大人びた顔が下を向く。
「使用人さん達、大忙しだそうですよ」
雪兎の一言で若神子邸の棚やタンスは倒れないように壁や床に固定するよう決められた。地震などの対策としてはいいことだが、俺のドジが原因で仕事を増やされた使用人達とは顔を合わせにくくなった。
『そもそも対策してなかったのがわるいの! ゆきのポチに怪我させちゃう家なんて、犬小屋以下だよ!』
年齢一桁台のような甘ったれた口調に思わず笑みが零れる。雪兎はほのかに頬を赤らめ、パソコンを置いてあるのだろう机をバンと叩いて通話画面を揺らした。
『勝手に怪我したポチにはお仕置きだよ、怪我治ったら水責めするからね』
「水責め……! どんなものか聞いてもいいですか? その方が恐怖もあると思うんです!」
お仕置き、水責め、その二つの言葉に俺の頬は緩みきっている。代わりとでも言うように俺の陰茎は硬くなり始めている。
『……今はもう使ってないけど水車小屋があるんだ』
「へぇ、和風のとこあったんですねこの家」
『敷地は無駄に広いからね。そういうスペースもあるよ、建て直そうかって話も出てたけど、耐震とかの問題はないし、ひいおじいちゃんが気に入ってるからそのままなんだ』
曽祖父……会ったことがないな。
「それで、水車をどうするんですか?」
『知らないの? 水車に縛り付けて回して責める拷問。水車だから当然下は水でしょ? 水車が回れば水に浸かって、すぐ引き上げられるんだけど、またすぐ沈められて……遠心力も加わるから結構キツそうだよね。ポチ……どんな顔するのかな』
机の上に置かれていた雪兎の両腕が見えなくなる。ズボンと下着を脱いだのだろう。パソコンの脇に置いていたらしいローションと俺の穴を模したオナホを取った。
『適当に使用人さんに縛ってもらって、動画撮ってもらうんだけど……直接も見たいなぁ、ふふ……よかったら定番のお仕置にしようか。ねぇポチ、ポチって溺れさせられたらどんな顔するの?』
雪兎の顔がどんどん赤くなっていく。ローションをオナホに絡めているのだろうくちゅくちゅという水音が俺を興奮させ、下を脱がせた。
「ゲホゲホ言っちゃって、口開けたままになっちゃって、よだれなんか垂らしちゃうかなぁ。水吐いてさ、目なんか真っ赤になって、虚ろになって……ぁ、元々虚ろだったね。ふふっ……ぐったりして嫌だって言うことも出来なくなっても続けられて……ふふ、ふふふっ」
雪兎の陰茎を模したディルドにローションを絡め、後孔に押し当てる。
俺達は言葉で示し合わせることなくリモートセックスを開始した。
「──って訳で、何の問題もありませんよ。跡も残らなさそうって話です」
包帯を巻いた足を水泳のシンクロ競技のように持ち上げ、カメラに映す。
『ふーん……』
足の治療が終わった後、祖父はただ一言謝って別棟に戻り、次の日から使用人が戻ってくるからと俺をクビにした。そんな訳で俺は元通りの生活に戻り、真昼間恒例の雪兎とのビデオ通話を楽しんでいる。
「ユキ様、怒ってます?」
『当たり前。飼い主の許可なく勝手に怪我しちゃダメに決まってるでしょ? それに理由がおバカ過ぎるよ、何? 棚の上の方の皿取ろうとして引っ張り倒したって。よく足だけで済んだね』
雪兎には祖父の手伝いをしていた話も祖父が食器棚を倒したことも教えていない。俺がドジを踏んだのは真実なのだから、多少事実を歪めて報告したって許されるだろう。
『……本当にびっくりしたんだよ、ポチが食器棚の下敷きになったって聞いた時は』
雪兎の声に幼さが戻り、祖父よりは大人びた顔が下を向く。
「使用人さん達、大忙しだそうですよ」
雪兎の一言で若神子邸の棚やタンスは倒れないように壁や床に固定するよう決められた。地震などの対策としてはいいことだが、俺のドジが原因で仕事を増やされた使用人達とは顔を合わせにくくなった。
『そもそも対策してなかったのがわるいの! ゆきのポチに怪我させちゃう家なんて、犬小屋以下だよ!』
年齢一桁台のような甘ったれた口調に思わず笑みが零れる。雪兎はほのかに頬を赤らめ、パソコンを置いてあるのだろう机をバンと叩いて通話画面を揺らした。
『勝手に怪我したポチにはお仕置きだよ、怪我治ったら水責めするからね』
「水責め……! どんなものか聞いてもいいですか? その方が恐怖もあると思うんです!」
お仕置き、水責め、その二つの言葉に俺の頬は緩みきっている。代わりとでも言うように俺の陰茎は硬くなり始めている。
『……今はもう使ってないけど水車小屋があるんだ』
「へぇ、和風のとこあったんですねこの家」
『敷地は無駄に広いからね。そういうスペースもあるよ、建て直そうかって話も出てたけど、耐震とかの問題はないし、ひいおじいちゃんが気に入ってるからそのままなんだ』
曽祖父……会ったことがないな。
「それで、水車をどうするんですか?」
『知らないの? 水車に縛り付けて回して責める拷問。水車だから当然下は水でしょ? 水車が回れば水に浸かって、すぐ引き上げられるんだけど、またすぐ沈められて……遠心力も加わるから結構キツそうだよね。ポチ……どんな顔するのかな』
机の上に置かれていた雪兎の両腕が見えなくなる。ズボンと下着を脱いだのだろう。パソコンの脇に置いていたらしいローションと俺の穴を模したオナホを取った。
『適当に使用人さんに縛ってもらって、動画撮ってもらうんだけど……直接も見たいなぁ、ふふ……よかったら定番のお仕置にしようか。ねぇポチ、ポチって溺れさせられたらどんな顔するの?』
雪兎の顔がどんどん赤くなっていく。ローションをオナホに絡めているのだろうくちゅくちゅという水音が俺を興奮させ、下を脱がせた。
「ゲホゲホ言っちゃって、口開けたままになっちゃって、よだれなんか垂らしちゃうかなぁ。水吐いてさ、目なんか真っ赤になって、虚ろになって……ぁ、元々虚ろだったね。ふふっ……ぐったりして嫌だって言うことも出来なくなっても続けられて……ふふ、ふふふっ」
雪兎の陰茎を模したディルドにローションを絡め、後孔に押し当てる。
俺達は言葉で示し合わせることなくリモートセックスを開始した。
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