冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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おまけ

おまけ 媚薬を盛ろう! 前編

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※ヒト視点 時系列不問。最近本編にR18シーンがなかったので。




今日、鳴雷さんはフタのところに遊びに来ている。挨拶はしに来てくれたから顔は見られたけれど、その程度で満足出来る訳がない。全く腹立たしい。来週の金曜日、バイトが終わったら私を尋ねると約束してあるけれど、そんなのじゃ足りない。

「……特別に持ち帰らせていただいた、会員制の超高級寿司店の稲荷寿司です」

二十九年間オカルトを信じた瞬間なんてなかったし、今も疑ってはいるけれど、鳴雷さんの「コンちゃんはお願いを叶えてくれるすごい神様なんですよ!」という言葉を信用し、頼ることにした。

「ほう、ほう! 素晴らしいのぅ! かような貢物、ヌシがタダで渡すはずもあるまい。一体何が望みじゃ? 人の命に関わることは頼まんでくれよ」

「…………鳴雷さんの」

「みっちゃんの?」

「理性を吹き飛ばし、私を精根尽き果てるまで抱くようにしてください」

「ほぅ……」

「本気で抱いて欲しいんです。私の経験が浅いのもあって、鳴雷さんは気遣って抱いてくださって……いえ、抱く時以外でもそうです。とても優しくて、紳士的で……それが嫌な訳ではないんですが、私は剥き出しの鳴雷さんに求められたいんです」

「なるほどのぅ」

鳴雷さんと恋に落ちるまで男同士なんて考えたこともなかったから、知識もなかった。少しでも身に付けようと私は色々調べて、ボーイズラブの小説をいくつか読んだ。その中にあったのだ、普段優しく身体を気遣って大人しいセックスばかりする恋人に催眠術をかけて遠慮も配慮もないセックスをするという話が! 私もアレやりたい。

「次の金曜、催眠術か何かで鳴雷さんの理性や良心を吹っ飛ばしてください」

「……いやワシ出来んよそんなこと。ワシが叶えられる願いは幸運の範疇での出来事じゃ。過度に物理法則を無視したり、ましてや性格を歪めたりなど出来ん」

「一日だけですよ、出来ないんですか?」

「催眠術は無理じゃ。幸運なら与えられる。みっちゃんがそういうぷれいをしたくなるのか、頭でもぶつけて一時的に人が変わってしまうのか……それは分からんが、ヌシの願いを叶えられはするぞぃ」

「……出来るんですね? ならやってください」

「稲荷寿司もうちょいくれんか?」

「では成功報酬で」

「むぅ……分かった。ではやるぞぃ」

稲荷寿司を一つ頬張ると、彼は私の前に立って鈴を持った。細かな鈴がいくつも付いている、神社の巫女なんかが振っているアレだ。神楽鈴とか言ったかな。

「ふぅー……」

シャン、シャン、シャン、と鈴が頭の上で振られる。

「……ついでに鳴雷さんをちょっと意地悪にするとか出来ますか?」

「いっぺんに言うてくれんかのぅ」

鈴を頭の上で振られるなんとも不愉快な時間は数十秒続いた。

「よし、完了じゃ。じゃが気ぃ付けぃ。理性を飛ばし、何故か意地悪になったみっちゃんが金曜にここに来るのか……ヌシが何かした結果みっちゃんがそうなるのかは分からん。運を信じ、流れに身を任せよ、よいな」

「立ち尽くすな、ということですね。分かりました」

大金が手に入りますようにと願うだけでは金は手に入らない。宝くじを買うなり、ギャンブルをするなり、行動を起こさなければならない。願いは全自動では叶わない、それはよく分かっているつもりだ。



水曜日、ボスから電話があった。届いた小包を開けながら、スマホを頭と肩で挟んで応対する。

『届いてるか?』

「はい、今開けてます。これは……何ですか? 粉?」

『自白剤の失敗作。脳のある働きを抑えて嘘をつけなくする薬を作ってたんだが、上手くいかなくてな。欲求に忠実に動くようになる薬が出来ちまった。何故か加虐性も引き出されるし、情報吐かせるにはちょっと不向きなんだよ』

「はぁ……それをどうして私に?」

『処分してくれ。俺はちょっと忙しくてな、会社を離れられないんだ。会社で捨てたら社長に変な薬作ったことバレて怒られる。燃やすなりしてしっかり処分してくれよ。適当に捨ててもしバカに拾われて飲まれたら……欲求に忠実になる訳だから、店ん中でいきなり寝だしたり商品食いまくったり、最悪強姦し始める可能性がある。よろしくな』

通話が切られた。

「ボス……私を信用してくださってるんですね」

危険な薬の処分を秘密裏に任されたことに喜んだ後、ふと思い至った。これはあの狐に願った結果なのではないかと。

「欲望に忠実に……加虐性も……」

そうに違いない。当たりくじや万馬券を換金するのと同じだ、私が起こすべき行動とはこの薬を鳴雷さんに盛ることだ。



金曜日、昼前にやってきた鳴雷さんと映画を見た。映画の中でコーヒーを飲むシーンがあり、鳴雷さんが珍しくコーヒーを飲みたいと言い出した。

「すいません、淹れてもらっちゃって……普段コーヒー飲みたいって気持ちにはあんまりならないんですけど。ぁ、カッコ悪いんですけど、俺苦いの苦手で……」

「コーヒー0.8杯、ミルク4杯、砂糖3杯ですよね」

「あれ、ヒトさんに言ったことありましたっけ」

「秋風さんが教えてくれました」

「ぅ……兄の痴態を言い触らすなんて……」

「痴態だなんて大げさな。甘いものを好むのは頭を使ってる証拠です、私も甘いもの結構好きですし……甘いものが好きな人のことも、好きですよ」

僅かなコーヒー、たくさんのミルクと砂糖の後、適量の薬を入れて掻き混ぜた。

「どうぞ、鳴雷さん」

「ありがとうございます」

鳴雷さんはすぐにコーヒーを一口飲んだはずなのに、彼の唇がカップに触れるまでをとても長く感じた。



映画を見終えてテレビの電源を落とし、私は鳴雷さんの手を握った。

「……寝室に行きませんか、鳴雷さん。準備は済ませてあります、ベッドも……私も」

そう誘うと鳴雷さんは二つ返事で私に着いてきた。

「俺ちょっと汗臭いかもですし、シャワー浴びてきますね」

「ソファで隣に座っていたって気になりませんでしたよ、私もう待ちきれません……今すぐあなたに抱かれたいんです」

シャワー中に薬が効いてきて、シャワーを中断して私に襲いかかるならいいけれど、自慰で発散されたら意味がない。それに、小説で読んだ汗臭い雄の匂いに発情してしまう──という展開が私に起こるのか試してみたい。

「ヒトさん……でも、おれ…………? すいません、ちょっと目眩が……」

「大丈夫ですか? 座ってください」

来たか? 薬効。鳴雷さんがコーヒーを飲み干してからだいたい三十分経っている、次盛る時のためにも覚えておかなければ。

「鳴雷さん」

ベッドに腰掛け、膝に肘をつき、頭を抱えた彼の隣に座る。そっと太腿を撫でると手を払われた。加虐性が出てきたのか?

「すい、ません……触らないで、ごめんなさい……触らないでください、すいません」

「……?」

違うな、加虐性が表に出始めた訳じゃない。じゃあ何だ?

「…………あの、水……ください」

「はい、すぐ取ってきます」

寝室を離れ冷蔵庫へと急ぐ。冷たいミネラルウォーターを取って振り返ると、音もなく立っていたあの狐にぶつかりそうになった。

「……っ、分野さん……驚かさないでください」

「ククッ、すまんすまん。みっちゃんに何か盛ったな? ワシが授けた幸運で手に入れたものか?」

「おそらくそうです。ちょっと素直になるだけのお薬ですよ。で? 何か用ですか?」

「言っておこうと思ってな。みっちゃんはここ二日くらい誰ともヤれとらん。一人で抜く時間もあまり取れんかった。ワシがそう仕向けてやった、クカカッ、ヌシには溜めろとは願われんかったが、さぁびすじゃ。楽しめ」

「……ありがとうございます! そうか、溜め……思い付いていませんでした。素晴らしいサービスですね」

思っていたより有能なヤツかもしれない。そう狐の評価を変えつつ寝室に戻る。

「鳴雷さん、お待たせ致しました」

返事はない、顔を上げもしない。そんな彼にミネラルウォーターを手渡す。彼はぎゅっと目を閉じたまま水を半分飲むと、大きく息を吐いて立ち上がった。

「鳴雷さん……!」

とうとう私を襲ってくれるのか?

「……すいません。帰ります……なんか、体調悪いみたいで」

「えっ……? な、何言ってるんですか、シましょうよ」

これはどうしたことだ、体調不良と誤認するような副作用があったのか? 処分しろと言われた薬だ、副作用まで詳しくは聞いていない。

「あ……ほら勃ってるじゃないですか、せめてこれだけでも抜かないと電車で痴漢扱いされちゃいますよ。ほら鳴雷さん、あなたの好きな……ぉ、おっぱい、ですよ?」

自分の胸筋をおっぱい呼ばわりするのには慣れる気がしない。

「鳴雷さん……」

右手で彼の張った股間を擦りながら、左手で彼の手を掴んで胸を揉ませる。

「……っ、ふぅ……ふー……ヒトさん、離して……ふっ……フーッ……」

「鳴雷さん……?」

「フーッ……フーッ…………はなし、て、おねがい……」

声が震えている。やはり何か重い副作用があったのだろうか。私はなんてことを……いや私は悪くない、あの薬は狐の力で手に入れたものだ、変な副作用があったのならそれは狐のせいだ。

「ちょっと待っててくださいね鳴雷さんっ」

鳴雷さんの肩を押して再びベッドに座らせ、私はスマホを手に取った。

「…………ぁ? ヒトさん……誰に、電話ですか」

「ボスです。少し待っていてくださいね……あっ、もしもし、お世話になっております、ヒトで──」

ボスにあの薬の副作用について尋ねようとしたその瞬間、鳴雷さんが乱暴に私の手を払った。スマホは幸いにもベッドの上に飛び、割れなどの心配はなさそうだ。

「──す……? な、鳴雷さん何をっ」

「アンタは! 俺の男だろうが!」

「え……」

胸が締まるような錯覚、これが……キュン?

「俺の前で堂々と……ふざけんなよ、浮気は許しませんよ、俺はしてますけど、あなた達がするのは許しません」

ぶつぶつと呟きながら鳴雷さんは私を乱暴にベッドに突き飛ばした。強い。踏ん張ってもバランスを崩しはしそうな強さだった、温和な彼がこんな力任せに私を押し倒すなんて……! 薬すごい!

「流石ボス……」

こんなすごい薬を作ったボスはやっぱりすごい。

「…………ぁあ?」

「……あっ」

そうだった、鳴雷さんは私がボスと話そうとしたから怒ったんだった。妬いているんだ、可愛い。

「はぁーっ……分からせる、抱き潰す、誰のモンかケツで覚えさせてやる…………すいませんなんか今日変なんです俺、なんか……抑えが、効かない」

「鳴雷さん……」

「ごめんなさい、ヒトさん、ちょっとなんか殴るとか締めるとかして、落としてください。お願いします、我慢出来ない」

辛そうに歪んでいる顔はやっぱり美しい。

「……大丈夫です鳴雷さん。一度あなたに乱暴に抱かれてみたかったんです」

瞳孔、ずっと開いてる……可愛い。

「だから……鳴雷さん?」

生肉を目の前にした肉食獣のような瞳をうっとりと見つめていたのに、彼はまた目を閉じてしまった。硬く閉じて、首を横に振っている。

「…………鳴雷さん」

あぁ、そうか。副作用に苦しんでいるとか、そういうんじゃない、我慢しているんだ、優しいから……理性を吹っ飛ばすような薬を盛ったのに、それでも失くし切れなかった理性が、優しさが、私を欲望のままに貪ってはいけないと歯止めをかけているんだ。

「……ごめんなさい、鳴雷さん、私あなたに薬を盛ったんです。えぇと、その……欲望のままになるって言う、お薬……だから今からあなたが何をしても、それは私が望んだことなんですよ」

告白しながらネクタイを緩め、ベルトを緩め、スラックスの間に手を入れてシャツガーターを外す。シャツのボタンを外していく。

「鳴雷さんはすごいです、薬に抗って理性保って……でもいいんですよ、我慢しなくて。私がそう仕向けてるんですなら、そんな私を気遣う必要なんてありません。私を想うあなたの優しさ十分伝わりました、貴方の愛情とても嬉しいです……次はあなたの欲望を、全部、ください」

シャツの前をゆっくりと開く。鳴雷さんの呼吸が早くなっている。口角が上がるのを抑えられない。

「……っ、ひぁあっ!?」

乳首をシャツで隠すのをやめた瞬間、それをぢゅゔゔ~っと吸い上げられた。

「あぁっ、あっ、あっ!? あっ、ひぃいんっ!」

乳首を吸われてビリビリと快感が胸中に広がる。鳴雷さんは私の胸に吸い付いたまま強引にスラックスを脱がせて、靴下とソックスガーターだけが残る間抜けな姿にしてしまった。

「はっ、はぁっ……あっ、鳴雷さんっ、だめ、そこ汚っ、ぃ、からぁあっ……!」

下着を押し上げる陰茎を下着ごとまたぢゅゔゔっと吸われた。まだ尿道に留まっている先走りの汁が無理矢理外へ出されていくのを感じる。

「あっ…………? 鳴雷さん? ぁはっ……見つけました?」

息が切れるまで私の陰茎を下着ごと吸うと、鳴雷さんは私の下着を脱がして太腿を鷲掴みにし、乱暴に足を開かせて硬直した。硬直した理由はすぐに分かった、私の後孔にすっぽりハマったアナルプラグに気が付いたんだ。

「鳴雷さんが来る前にほぐしたんです、ローションも仕込んであります。言ったでしょう? 私の準備も出来てるって……すぐに入れてもっ、ひっ……ぁあぁあっ!」

鳴雷さんはアナルプラグの持ち手に噛み付いて、乱暴にそれを引き抜いた。多めに入れたローションがどぷっと溢れる。映画を見ている間は気持ち悪くて仕方なかったけれど、その我慢をした見返りはきっとある、鳴雷さんが興奮してくれているはずだ。

「はぁっ、はぁ……鳴雷さん、早く……ぉ、おち……おちん、ぽ……入れてっ?」

小説では下品な言葉でねだると抱く側の男は興奮していた、鳴雷さんも同じかもしれない。

「…………ひと、さん……ヒトさん、ヒトさん……ねぇ、ヒトさん……」

「……! な、なんですか?」

下品な言葉遣い、嫌だった? そう不安になりながら、ゆっくりと身体を起こしていく鳴雷さんを見つめる、鳴雷さんはため息をつきながら自分のベルトを外し、乱雑に太腿まで布を下ろして陰茎を露出させた。

「あ……!」

すっごい勃ってる……私で興奮してくれてる。

「鳴雷さんっ、ここですよここ」

足を抱え、きゅんきゅんと疼く後孔を二本指で拡げ、示す。

「人のモン見ただけでトロ顔晒しやがって……ヒトさん、ねぇヒトさん…………覚悟、出来てんですよね?」

「はいっ!」

痛いくらいのときめきに任せて返事をすると、鳴雷さんは大きな舌打ちと深過ぎるため息を私に聞かせた。

「ぇ……?」

怒った? なんで? すぐ返事したのに、大きな声で返事出来たのに……そう混乱する私の後孔に、極太の肉棒が突き立てられた。

「あっあぁあああーっ!?」

「……っざけんなよ、ふざけんなよっ、ふざけんなよ、んだよそのエロさ!」

「ひっ、あっ、あぁっ、抜いちゃやだっ……あぁあんっ!? んぁっ、待っ、深いっ、深いぃいっ! ゃあぁあっ、あぁああーっ!?」

「無理、もう無理、無理、クソ、んだよ、クソッ」

慣らし不足の穴をどぢゅどぢゅと強引に掘削されていく。それなりに男らしく大きいはずの私の陰茎は汁を撒き散らしながら情けなくぶるぶる揺れた。

「あぁっ、なるかみひゃっ、なるかみひゃんっ、かっこいぃい……! ひあっあぁああっ!」

「なんなんだよ薬って、激しいのがシたいなら、言ってくれれば……あぁもうっ!」

「ぁひぃいっ!? しょこイぐっ、なるかみひゃんっ、イぐっ、イぎましゅっ、イぐぅうぅーっ……!」

前立腺を捏ねくり回されて、精嚢を轢き潰されて、ぶびゅるる……と精液が勝手に漏れていく。雄の威厳の欠片もない射精を果たしたことに興奮していると、絶頂したばかりの前立腺が無慈悲に狙い撃ちされ始めた。

「ゔあぁああーっ!? イっだ、しょごイぎまひだぁっ!」

コリコリに張った私の前立腺でカリ首を刺激したいらしい。私の都合なんて、絶頂なんて、余韻に浸りたい気持ちなんて、完全に無視した腰振りに、私の胸は更に苦しくときめいた。
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