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寝る場所どうする? (水月+荒凪・歌見・リュウ・シュカ・ミフユ・スイ・カンナ)
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荒凪としばらくプールで遊んで、くたびれた俺は一旦プールから上がることにした。
「はぁ……ごめんね、ちょっと疲れちゃって」
昼間、カサネと一緒に逃げ回って疲れたのはもちろん、シュカと普段より多めにヤったことも疲労の原因だ。
「キュ~……」
「そ、そんな声出さないでよ。今日ホント疲れちゃってて……ごめんって。また明日遊ぼう、ね?」
「分かった」
拗ねたような声色だったが、駄々を捏ねたりはせず、とぷんっと小さな音を立ててプールに潜った。
「はぁ……」
熱いシャワーを浴びて冷えた身体を癒し、アキの部屋へ戻った。一人部屋としては広い方だが、この人数では狭く見える。時間が深いためかみんな寝転がりたがったらしく、互いを枕にし合っていたりするのが何とも可愛らしい。
「水月、荒凪くんは?」
「プールですよ。俺はちょっと付き合う体力尽きちゃいまして……あれ、ノヴェムくん寝ました?」
胡座をかいた歌見の足の上でノヴェムはその小さな身体を丸めている。
「お前と遊べなくて若干拗ねてたぞ」
「ぅ、罪悪感……今日忙しいんですからしょうがないじゃないですかぁ……」
「俺達で構ってたのに、ずっとちょっと不満そうだった。不甲斐ないよ」
金色の巻き毛を撫でる、褐色の無骨な手。なんだか萌える光景だ。
「結構頑張ったんだけどなぁ……ちっちゃい子の扱いは難しい、全然懐いてくれなかったよ」
「……膝の上で寝てるのはだいぶ懐いた証拠では?」
「眠けりゃどこででも寝るだろ」
誰にも懐いていないなら部屋の隅にでも丸まるだろう、膝の上で寝るなんて相当懐かれているはずなのに、歌見はそれを認めない。見た目に反して自分に自信がない人だからなぁ。
「とりりんも眠そうやで」
「眠くないです」
「目ぇ据わっとるがな、眠いんやろ」
「眠くないです」
ベッドの上、リュウと並んで座っているシュカは確かに眠そうな顔をしている。
「ネザメ様もそろそろ寝かさなければ」
「俺も眠い、足痺れてきたしノヴェムくん下ろしたい」
「寝る場所考えとるんか? この人数雑魚寝でもキツいやろ」
「うーん……考えてないってのが正直なところなんだけど、スイさん」
「え、アタっ、俺? 何?」
「スイさん一人で寝たいですか?」
先日は俺の部屋を一人で使ってもらったが、この人数ではそうもいかない。だがスイが一人部屋がいいと言うのなら考えなくてはならない。
「そりゃみんなほぼ初対面だし、抵抗はあるけど~……そこまでじゃないし、別に雑魚寝でいいよ? なんならオールでもいいし……ぁ、でも明日もみんなのボディガードで朝から学校か~。普段みたいに夜更けまで飲んだりとかしてちゃダメよね」
スイはかなりの酒飲みのようだな、度数の高い酒を好んでいるらしいし、レイ以上にスイにも気を配らなければならないようだ。
「シュカは一人じゃなきゃ寝れないよな」
「眠くないです」
「さっきから同じことばっかり言うとる、相当眠いでこれ」
「眠くないです」
「眠けりゃ寝れるのかな……? 確かセイカが睡眠薬持ってた気がするけど、一個もらって飲むか?」
「薬事法違反や多分。なぁ年積はん」
「処方された薬を他人に流す行為は危険を伴う。まさか普段からやっているのか? いけないぞ鳴雷一年生」
「やってませんよ、俺も母さんも超健康体ですし……我が家の薬は全部セイカのです」
シュカもアキも他人と一緒に寝るのが得意ではない、過酷な生育環境によるものだ。この悲しい癖が治る日がいつか来て欲しい、俺によって治って欲しい。
「あ、俺ん家和室あるんだよ」
「知っとるよ、何回も来とるもん。いつも閉めとるけど何の部屋なんアレ」
「和室……ただの、和室……特に使ってない」
「使とらへんねやったらあっこアキくんの部屋にしたらよかったんになんでせぇへんかったん?」
「さぁ……?」
そんなこと俺が知る訳がない。アキ、アキの母、セイカ、荒凪と同居人が増えていくにも関わらず使われない和室に俺も違和感を覚えてはいた。
「なに、か……いわく……つき?」
「え、怖……やめてくれよカンナ。どうなんだ? リュウ」
「俺に聞いてもしゃあないて、俺そういうん分かれへんねんから」
「まぁサキヒコくんもコンちゃんも何も言ってないから何もないとは思うぞ。あの和室確か押し入れあってな、押し込んである冬用の布団とか出せば中で寝れると思うけど……シュカ、どうだ?」
「眠くないです」
「botだよコイツ。ミフユさん、ネザメさんのベッドは持ってきてるんですか? 前、えーっと……レイん家泊まった時でしたっけ、持ってきてましたよね、膨らませるヤツ」
「あぁ、場所を取るから場所を決めてから膨らませようと思っている。だから早く決めて欲しい、ネザメ様はもう歯磨きも済ませているのだ」
相変わらず過保護だな。
「シュカは押し入れで寝てもらうとして……ベッドはアキのだからアキ寝るかな、セイカも多分そこだろ。後一人くらい詰めれば入りそうだけどな~……ノヴェムくん一緒に寝ていいか後で聞くか。俺の部屋、は……」
「ぷぅ太、いる……から、ぼく……そこで、寝た……ぃ」
「そっか。カサネ先輩もそうかな? ネザメさんはアキの部屋と俺の部屋どっちにします? 俺の部屋は今多分ちょっと犬臭いです」
「こちらの部屋だ」
返事をしたのはミフユだが特に驚くことはない、ネザメへの質問の八割くらいはミフユに回答されるものだ。
「場所はどうにかなるけど……問題は布団だな、二人で一つ使ってもらっても、冬用引っ張り出しても足りなさそう……うーん」
俺は知らない布団がないか、代用品になりそうなものがないか、母に聞いてみようかな。
「はぁ……ごめんね、ちょっと疲れちゃって」
昼間、カサネと一緒に逃げ回って疲れたのはもちろん、シュカと普段より多めにヤったことも疲労の原因だ。
「キュ~……」
「そ、そんな声出さないでよ。今日ホント疲れちゃってて……ごめんって。また明日遊ぼう、ね?」
「分かった」
拗ねたような声色だったが、駄々を捏ねたりはせず、とぷんっと小さな音を立ててプールに潜った。
「はぁ……」
熱いシャワーを浴びて冷えた身体を癒し、アキの部屋へ戻った。一人部屋としては広い方だが、この人数では狭く見える。時間が深いためかみんな寝転がりたがったらしく、互いを枕にし合っていたりするのが何とも可愛らしい。
「水月、荒凪くんは?」
「プールですよ。俺はちょっと付き合う体力尽きちゃいまして……あれ、ノヴェムくん寝ました?」
胡座をかいた歌見の足の上でノヴェムはその小さな身体を丸めている。
「お前と遊べなくて若干拗ねてたぞ」
「ぅ、罪悪感……今日忙しいんですからしょうがないじゃないですかぁ……」
「俺達で構ってたのに、ずっとちょっと不満そうだった。不甲斐ないよ」
金色の巻き毛を撫でる、褐色の無骨な手。なんだか萌える光景だ。
「結構頑張ったんだけどなぁ……ちっちゃい子の扱いは難しい、全然懐いてくれなかったよ」
「……膝の上で寝てるのはだいぶ懐いた証拠では?」
「眠けりゃどこででも寝るだろ」
誰にも懐いていないなら部屋の隅にでも丸まるだろう、膝の上で寝るなんて相当懐かれているはずなのに、歌見はそれを認めない。見た目に反して自分に自信がない人だからなぁ。
「とりりんも眠そうやで」
「眠くないです」
「目ぇ据わっとるがな、眠いんやろ」
「眠くないです」
ベッドの上、リュウと並んで座っているシュカは確かに眠そうな顔をしている。
「ネザメ様もそろそろ寝かさなければ」
「俺も眠い、足痺れてきたしノヴェムくん下ろしたい」
「寝る場所考えとるんか? この人数雑魚寝でもキツいやろ」
「うーん……考えてないってのが正直なところなんだけど、スイさん」
「え、アタっ、俺? 何?」
「スイさん一人で寝たいですか?」
先日は俺の部屋を一人で使ってもらったが、この人数ではそうもいかない。だがスイが一人部屋がいいと言うのなら考えなくてはならない。
「そりゃみんなほぼ初対面だし、抵抗はあるけど~……そこまでじゃないし、別に雑魚寝でいいよ? なんならオールでもいいし……ぁ、でも明日もみんなのボディガードで朝から学校か~。普段みたいに夜更けまで飲んだりとかしてちゃダメよね」
スイはかなりの酒飲みのようだな、度数の高い酒を好んでいるらしいし、レイ以上にスイにも気を配らなければならないようだ。
「シュカは一人じゃなきゃ寝れないよな」
「眠くないです」
「さっきから同じことばっかり言うとる、相当眠いでこれ」
「眠くないです」
「眠けりゃ寝れるのかな……? 確かセイカが睡眠薬持ってた気がするけど、一個もらって飲むか?」
「薬事法違反や多分。なぁ年積はん」
「処方された薬を他人に流す行為は危険を伴う。まさか普段からやっているのか? いけないぞ鳴雷一年生」
「やってませんよ、俺も母さんも超健康体ですし……我が家の薬は全部セイカのです」
シュカもアキも他人と一緒に寝るのが得意ではない、過酷な生育環境によるものだ。この悲しい癖が治る日がいつか来て欲しい、俺によって治って欲しい。
「あ、俺ん家和室あるんだよ」
「知っとるよ、何回も来とるもん。いつも閉めとるけど何の部屋なんアレ」
「和室……ただの、和室……特に使ってない」
「使とらへんねやったらあっこアキくんの部屋にしたらよかったんになんでせぇへんかったん?」
「さぁ……?」
そんなこと俺が知る訳がない。アキ、アキの母、セイカ、荒凪と同居人が増えていくにも関わらず使われない和室に俺も違和感を覚えてはいた。
「なに、か……いわく……つき?」
「え、怖……やめてくれよカンナ。どうなんだ? リュウ」
「俺に聞いてもしゃあないて、俺そういうん分かれへんねんから」
「まぁサキヒコくんもコンちゃんも何も言ってないから何もないとは思うぞ。あの和室確か押し入れあってな、押し込んである冬用の布団とか出せば中で寝れると思うけど……シュカ、どうだ?」
「眠くないです」
「botだよコイツ。ミフユさん、ネザメさんのベッドは持ってきてるんですか? 前、えーっと……レイん家泊まった時でしたっけ、持ってきてましたよね、膨らませるヤツ」
「あぁ、場所を取るから場所を決めてから膨らませようと思っている。だから早く決めて欲しい、ネザメ様はもう歯磨きも済ませているのだ」
相変わらず過保護だな。
「シュカは押し入れで寝てもらうとして……ベッドはアキのだからアキ寝るかな、セイカも多分そこだろ。後一人くらい詰めれば入りそうだけどな~……ノヴェムくん一緒に寝ていいか後で聞くか。俺の部屋、は……」
「ぷぅ太、いる……から、ぼく……そこで、寝た……ぃ」
「そっか。カサネ先輩もそうかな? ネザメさんはアキの部屋と俺の部屋どっちにします? 俺の部屋は今多分ちょっと犬臭いです」
「こちらの部屋だ」
返事をしたのはミフユだが特に驚くことはない、ネザメへの質問の八割くらいはミフユに回答されるものだ。
「場所はどうにかなるけど……問題は布団だな、二人で一つ使ってもらっても、冬用引っ張り出しても足りなさそう……うーん」
俺は知らない布団がないか、代用品になりそうなものがないか、母に聞いてみようかな。
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