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価値観破壊系男子 (水月+シュカ・カンナ・歌見・リュウ・レイ・セイカ・カサネ・ハル)
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左手を受け皿として添え、丁寧に俺に生ハムとレタスを筒状に丸めた物を食べさせようとしてくれている。誰だと思う? ハル? レイ? 違う、シュカだ、シュカなんだ、シュカがアーンしてくれてるんだ!
「……! あーん」
感動を噛み殺し、口を開く。
「んん……!」
幸せを噛み締めて、口を閉じる。
「おいひぃ……」
泣きそうだ。
「……そんなにですか? ぁむ……ん、確かに美味しいですけど」
「もっと食べさせて」
「甘えないでください」
よりかかってみるも冷たい態度で押し返された。ツンが復活したな、こちらから押し過ぎるとせっかく増えたデレが消えてしまう……いやしかし、シュカは多分デレるのを恥だと考えている、他の彼氏達が居る前でデレさせると後々恥ずかしがるのでは?
(今はお義母さまの件などで精神的に参って所構わずわたくしにデレてしまっているだけ、心が回復し思い出したら恥ずかしゴロゴロするに違いありませんぞ)
以前から二人きりの時はデレてくれていたし、食事を終えたら二人きりになれる時間を作ろう。穂張三兄弟とカミア以外の彼氏全員を集めた状態では、物理的に不可能ではないかと思えてしまうけれど。
「みぃ、くん……あーん」
「カンナもアーンしてくれるのか? 嬉しいなぁ」
ひとまずは食事を進めよう。シュカと二人きりになる方法を考えながらで、上手くカロリー計算が出来るだろうか。
「ん……?」
ズンと重みを感じる。シュカがもたれてきている。何も言わず、視線も寄越さずに。
(えぇえかわゆい! きゃわゆい!)
シュカがこんなに甘えてくるなんて! 今すぐ押し倒したい、やばい勃っちゃう勃っちゃう。
「あー、水月? 仲良いのはいいんだが、あんまりイチャつき過ぎるなよ。ノヴェムくんが見てるってこと忘れるな、見るもんによってはトラウマになるぞ」
「先輩は俺が飯の場でナニをおっぱじめると思ってんですか!?」
モロ見えハードセックスくらいじゃなきゃトラウマとまでは行かないだろう。
「いちゃいちゃ、なら……せー、くん……のが、すご……もん」
僅かに頬を膨らませて、カンナは不満そうにしながらセイカ達を指差した。セイカはアキの膝の上で、アキと手を繋ぎ、アキの手で与えられている。
「アーンだけで飯食ってる、だと……!?」
「アーンで稼いどるみたいやな」
「飯一緒に食うだけのパパ活ママ活っすね」
「……おい」
好き勝手に話す彼らをセイカがジトっとした目で睨む。
「はぁ……俺は歌見の意見に賛成派だ、ノヴェムは鳴っ、んむ、秋風今俺話してるから後でな……鳴雷のことかなり好きみたいだし、あんまり恋人っぽい振る舞いはノヴェ、むぐ……んん、今話してっ、むーっ!」
アキはセイカが喋っていることなど構わず口に食事を押し込んでいく。日本語が分からないからとかそういう話じゃない、アキはそういう性格なんだ。
「…………まぁ、言いたいことは分かったよ。ノヴェムくんにとって水月は憧れのお兄さんって訳だ」
「見る目あらへんなぁ、ド変態やで」
「お前にだけは言われたくないぞリュウ!」
「せんぱい確かに変態っすしたまに奇行も多いっすけど」
たまになのか多いのか。
「カッコイイっすからねぇ……子供の頃に見たらそりゃ脳焼かれちゃいますっす、今後の人生支障きたすっすよ~」
「……水月、脳焼くんですか?」
俺の肩に頭を預けたままシュカはくりんと首を回して俺の顔を見上げた。
「可愛いっ! 焼けた!」
「脳裏に焼き付くが語源? のネットスラングでー……すごいもう、光みたいな人? 言葉? で脳みそ焼かれちゃって、もう夢中~! 生き方変えざるを得ない! 的な感じっすよね、軽めに言うと」
「……で、いいのかな?」
俺は言葉をなんとなくで使っているので、改めてそれはどういう意味だと聞かれると困ってしまう。
「なるほど……ふふ、確かに。水月は光ですね」
猫が甘えるようにシュカは頭を俺の肩に擦り寄せる。また俺を見上げて、微笑む。
「秋風がたまに言ってるよ、鳴雷は太陽みたいって。温かくて明るくて、ないと生きてけないって。でもたまに眩し過ぎて嫌って」
「へー、俺はせんぱい眩し過ぎて嫌ってなったことは……ぁー、でも、くーちゃん事変の時のは……そうかもっすね。大事だったから、遠ざけたのに……来ちゃって」
「…………繰言はどう思う?」
「へっ!? 俺!?」
暗くなり始めた雰囲気を変えようと思ったのか、歌見がカサネに話を振った。注目を受けカサネはどんどんと顔色を悪くしていく。
「俺は正直、光ってほど盲信してはないつもりだが……俺に生まれて初めて愛されてる実感ってのをくれた人だ、水月の方から俺を裏切らない限り俺は水月に全て捧げるよ」
「歌見先輩……!」
予想外のタイミングでの重く熱い気持ちの告白に昂る。
「ぉ、俺は……」
カサネも何か言ってくれるのか? 何を言ってくれるんだ?
「一人でよかったのにっ、一人が……よかったのに…………か、勝手に人のなか土足で入り込んでっ、あんのも知らなかった変な扉無理矢理開けてっ、ずっと居座ってるようなっ…………そんな、ヤツだと」
「あ~……分かる!」
「分かんの!? 今ので!? じっ、じじ、自分でも何言ってんだ俺って感じだったのにっ……」
「めっちゃグイグイ来るのに顔が良過ぎて突っぱねにくいから困るみたいな話だろ?」
「割とそう……」
「めっちゃ可愛がられて価値観壊されるぞ、覚悟しとけよ~?」
「あんまり頭触んないでぇ……」
歌見はカサネの頭をぐりぐりと撫で回している、先輩風を吹かせるのがよほど楽しいらしい。
「価値観壊されるっての超分かる。鳴雷も秋風も俺のこと可愛い可愛いって……俺はもしかしてめちゃくちゃ可愛いのか? ってなってくる」
「めちゃくちゃ可愛いよ!」
「安心しなよせーか、顔的にはそこそこで性格的にはそこまでだから」
「だよな……助かるわ霞染…………本当、大事にされるからさ、怪我しないように気ぃ遣ったり……身体綺麗で健康に保たないとって気にさせられる。今までそんなこと微塵も気にしてなかったのに……早く、死にたかったのに。鳴雷のせいで生きさせられる……」
「俺も時短したいのにせんぱいがうるさいっすからちゃんとしたご飯三食食べてるっす。結構な手間っすよ」
「なんで俺文句言われてんの……!?」
ちゃんと自分の身体の面倒を見ていないヤツが悪いのに。いや、危険域まで太った末に激痩せした極端な俺が言えた説教ではないが。
「……! あーん」
感動を噛み殺し、口を開く。
「んん……!」
幸せを噛み締めて、口を閉じる。
「おいひぃ……」
泣きそうだ。
「……そんなにですか? ぁむ……ん、確かに美味しいですけど」
「もっと食べさせて」
「甘えないでください」
よりかかってみるも冷たい態度で押し返された。ツンが復活したな、こちらから押し過ぎるとせっかく増えたデレが消えてしまう……いやしかし、シュカは多分デレるのを恥だと考えている、他の彼氏達が居る前でデレさせると後々恥ずかしがるのでは?
(今はお義母さまの件などで精神的に参って所構わずわたくしにデレてしまっているだけ、心が回復し思い出したら恥ずかしゴロゴロするに違いありませんぞ)
以前から二人きりの時はデレてくれていたし、食事を終えたら二人きりになれる時間を作ろう。穂張三兄弟とカミア以外の彼氏全員を集めた状態では、物理的に不可能ではないかと思えてしまうけれど。
「みぃ、くん……あーん」
「カンナもアーンしてくれるのか? 嬉しいなぁ」
ひとまずは食事を進めよう。シュカと二人きりになる方法を考えながらで、上手くカロリー計算が出来るだろうか。
「ん……?」
ズンと重みを感じる。シュカがもたれてきている。何も言わず、視線も寄越さずに。
(えぇえかわゆい! きゃわゆい!)
シュカがこんなに甘えてくるなんて! 今すぐ押し倒したい、やばい勃っちゃう勃っちゃう。
「あー、水月? 仲良いのはいいんだが、あんまりイチャつき過ぎるなよ。ノヴェムくんが見てるってこと忘れるな、見るもんによってはトラウマになるぞ」
「先輩は俺が飯の場でナニをおっぱじめると思ってんですか!?」
モロ見えハードセックスくらいじゃなきゃトラウマとまでは行かないだろう。
「いちゃいちゃ、なら……せー、くん……のが、すご……もん」
僅かに頬を膨らませて、カンナは不満そうにしながらセイカ達を指差した。セイカはアキの膝の上で、アキと手を繋ぎ、アキの手で与えられている。
「アーンだけで飯食ってる、だと……!?」
「アーンで稼いどるみたいやな」
「飯一緒に食うだけのパパ活ママ活っすね」
「……おい」
好き勝手に話す彼らをセイカがジトっとした目で睨む。
「はぁ……俺は歌見の意見に賛成派だ、ノヴェムは鳴っ、んむ、秋風今俺話してるから後でな……鳴雷のことかなり好きみたいだし、あんまり恋人っぽい振る舞いはノヴェ、むぐ……んん、今話してっ、むーっ!」
アキはセイカが喋っていることなど構わず口に食事を押し込んでいく。日本語が分からないからとかそういう話じゃない、アキはそういう性格なんだ。
「…………まぁ、言いたいことは分かったよ。ノヴェムくんにとって水月は憧れのお兄さんって訳だ」
「見る目あらへんなぁ、ド変態やで」
「お前にだけは言われたくないぞリュウ!」
「せんぱい確かに変態っすしたまに奇行も多いっすけど」
たまになのか多いのか。
「カッコイイっすからねぇ……子供の頃に見たらそりゃ脳焼かれちゃいますっす、今後の人生支障きたすっすよ~」
「……水月、脳焼くんですか?」
俺の肩に頭を預けたままシュカはくりんと首を回して俺の顔を見上げた。
「可愛いっ! 焼けた!」
「脳裏に焼き付くが語源? のネットスラングでー……すごいもう、光みたいな人? 言葉? で脳みそ焼かれちゃって、もう夢中~! 生き方変えざるを得ない! 的な感じっすよね、軽めに言うと」
「……で、いいのかな?」
俺は言葉をなんとなくで使っているので、改めてそれはどういう意味だと聞かれると困ってしまう。
「なるほど……ふふ、確かに。水月は光ですね」
猫が甘えるようにシュカは頭を俺の肩に擦り寄せる。また俺を見上げて、微笑む。
「秋風がたまに言ってるよ、鳴雷は太陽みたいって。温かくて明るくて、ないと生きてけないって。でもたまに眩し過ぎて嫌って」
「へー、俺はせんぱい眩し過ぎて嫌ってなったことは……ぁー、でも、くーちゃん事変の時のは……そうかもっすね。大事だったから、遠ざけたのに……来ちゃって」
「…………繰言はどう思う?」
「へっ!? 俺!?」
暗くなり始めた雰囲気を変えようと思ったのか、歌見がカサネに話を振った。注目を受けカサネはどんどんと顔色を悪くしていく。
「俺は正直、光ってほど盲信してはないつもりだが……俺に生まれて初めて愛されてる実感ってのをくれた人だ、水月の方から俺を裏切らない限り俺は水月に全て捧げるよ」
「歌見先輩……!」
予想外のタイミングでの重く熱い気持ちの告白に昂る。
「ぉ、俺は……」
カサネも何か言ってくれるのか? 何を言ってくれるんだ?
「一人でよかったのにっ、一人が……よかったのに…………か、勝手に人のなか土足で入り込んでっ、あんのも知らなかった変な扉無理矢理開けてっ、ずっと居座ってるようなっ…………そんな、ヤツだと」
「あ~……分かる!」
「分かんの!? 今ので!? じっ、じじ、自分でも何言ってんだ俺って感じだったのにっ……」
「めっちゃグイグイ来るのに顔が良過ぎて突っぱねにくいから困るみたいな話だろ?」
「割とそう……」
「めっちゃ可愛がられて価値観壊されるぞ、覚悟しとけよ~?」
「あんまり頭触んないでぇ……」
歌見はカサネの頭をぐりぐりと撫で回している、先輩風を吹かせるのがよほど楽しいらしい。
「価値観壊されるっての超分かる。鳴雷も秋風も俺のこと可愛い可愛いって……俺はもしかしてめちゃくちゃ可愛いのか? ってなってくる」
「めちゃくちゃ可愛いよ!」
「安心しなよせーか、顔的にはそこそこで性格的にはそこまでだから」
「だよな……助かるわ霞染…………本当、大事にされるからさ、怪我しないように気ぃ遣ったり……身体綺麗で健康に保たないとって気にさせられる。今までそんなこと微塵も気にしてなかったのに……早く、死にたかったのに。鳴雷のせいで生きさせられる……」
「俺も時短したいのにせんぱいがうるさいっすからちゃんとしたご飯三食食べてるっす。結構な手間っすよ」
「なんで俺文句言われてんの……!?」
ちゃんと自分の身体の面倒を見ていないヤツが悪いのに。いや、危険域まで太った末に激痩せした極端な俺が言えた説教ではないが。
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