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みんなでシような! (水月+荒凪・セイカ・秋風・ミタマ・サキヒコ)

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シャワーブースの手前に置かれたカゴに脱いだ服を入れていると、背後でザバッと音がした。

「水月!」

べた、ぺたっ、ぺたべたっ、と濡れた手でプールサイドを這う音もする。

「荒凪くん、ただいま」

四本の腕でプールサイドに這い上がった彼は、未だ水中に残している長い魚の尾を振り回して喜んだ。

「水月、水月おかえり。どこ行ってた」

「遊園地。荒凪くんも行ける方法あるかなぁ……連れてってあげたいけど。あ、お土産あるよ。後で渡すね」

「おみやげ」

シャワーブースのカーテンは閉めず、荒凪と話しながら汗を洗い流した。さっぱりした身体をバスタオルで包み、濡れた髪にタオルを乗せ、荒凪の傍に屈む。

「……スプラッシュ系のアトラクション避けても、夏場じゃ放水系のイベント多いしなぁ。冬場の方がいいかな?」

「冬?」

「雨とか雪もダメだよね、ちゃんと天気予報確認して遊びに行かなきゃ……来年またネザメさんが別荘誘ってくれたら、海で遊べるね」

「海……きゅるるっ」

「……荒凪くん淡水魚じゃないよね?」

「たんすいぎょ?」

淡水魚かどうか鱗の形で分かればいいのに、なんて考えながら荒凪の手の甲に生えた鱗を撫でる。鱗の流れに逆らわないよう、慎重に。

「水月、遊ぼ」

「……プールで?」

「きゅ!」

荒凪は期待に満ちた笑顔で俺を見つめている。だが今は正直、プールに入る気分じゃない。遊園地で一日中遊んだ次の日だ、サキヒコと夢の中で騒いだのもあって上手く眠れず疲れが残っている。

「他の遊びにしない? 俺今日ちょっと疲れてるんだ」

「きゅう……? 水月、疲れてる?」

「うん、ごめんね」

「きゅうぅ……きゅるるる…………僕達、プールやめる」

「え、上がるの? ごめんね本当……服持ってくるよ、ちょっと待ってて」

用意するのを忘れていた俺の服を取りに行くついでに荒凪の服も用意した。髪を乾かすのを手伝ってやり、剥がれ落ちた鱗などを片付けた。

「ただいま」

荒凪と手を繋いでアキの部屋に戻る。アキは床に寝転がってスマホを弄り、セイカはベッドに横たわっていた。

「にーに! にーにぃ」

袖のない肌着と下着だけを身に付けたアキがその長い手足を俺に絡める。

「相変わらず部屋ではセクシーなカッコしてるなぁ」

外出時は長袖長ズボンに身を包み、決して露出することのない四肢。それを俺に惜しげもなく晒してくれている。とてつもない優越感と、独占欲が満たされる心地良さを味わい、アキを抱き締め返した。

《なぁ兄貴、昨日来た半分野郎がさ、俺絶対有名人なれるって言うんだよ。兄貴どう思う?》

「ん……? セイカー?」

返事はない、聞こえなかったようだ。眠っているのだろうかと視線をやった。

「……!」

セイカはうつ伏せで寝ている。俺の服を握り締め、それに顔を押し付けている。何より目を引くのはテディベアを股に挟んでいることだ、そして腰を僅かに揺らしている。

「…………セーイーカーたんっ」

足音を消して忍び寄り、傍に屈んで耳元で名前を呼んだ。

「……っ、な、何っ? あっシャワー終わったんだ、何? 秋風なんか言った?」

「手伝おうか?」

「な、何……を?」

「オナニーを?」

「してない!」

「してたじゃーん、恥ずかしがるなよ。俺がした方が絶対気持ちいいって、ほらこっち向いて」

亀のように蹲るセイカの身体を力づくでひっくり返し、開かせる。昔は俺がこうやって蹲ってセイカの暴力を耐えていたなぁ、なんて思い返しながら。

「もー、したいんならしたいって言ってくれたらすぐするのに」

「違うって言ってるだろ!」

「寂しくさせてごめんな?」

「ち、ちがうって……バカ! 離せっ、秋風ぇ!」

《なに兄貴、エロいことすんの? 俺も混ぜて。実は俺もさっきシャワー浴びたばっかなんだよ、朝のトレーニング終わってさぁ。しばらく汗かきたくねぇし、涼みながらみんなでぬるーくヤろうぜ》

「……っ、この変態兄弟!」

何を言ったのか分からないが、多分アキは俺に賛成しているのだろう。

「水月、遊ぼ」

セイカを押さえる腕を荒凪が弱く引っ張る。

「……! ほら鳴雷、荒凪が構って欲しそうだぞ。あやとりなり何なりしてやれよ」

「荒凪くんもする? 気持ちいいこと。前教えたよね、おちんちん触るヤツ」

「前、した?」

「そうそう」

「きゅ! 僕達あれすき。きもちいい。しよ、水月」

荒凪も味方に付いた。快楽に素直な子で助かる、無知なのもいい具合に働いているな、そこにつけ込んでいる罪悪感はあるけれど。

「荒凪くんも参加してくれるってさ。セイカもしよ」

「……荒凪も秋風も居るなら十分だろ、三人でヤってろ」

「四人でヤろうよ~」

「四より三の方が縁起いいぞ」

「何だよそれ、縁起なんて関係ないだろ?」

タオルケットに包まるセイカをしつこく誘っていると、首に細腕が絡みついた。

「ワシらは誘ってくれんのか?」

「ミタマ殿! 私は別にっ……」

「コンちゃん、サキヒコくん! ごめんごめん、忘れてた訳じゃなかったんだけど見えてなかったから……参加してくれるの? 嬉しいなぁー……セーイカっ? 後はセイカ一人だぞ~? 前は「俺の時間なくなる」って可愛く素直になってくれたのにぃ」

「……っ、みんなの前で言うなよバカ!」

アキは日本語が分からないし、荒凪も多分よく分かっていない、ミタマとサキヒコは多分当時の話を聞いていた、そう言い訳したら余計怒るだろうな。

「……………………する」

どう説得したものかと考え込む俺の耳に、セイカの微かな声が届いた。

「セイカ……?」

「…………して、くれ。ごめんなさい……俺と、シてください……」

「そ、そんな泣きそうな顔するなよぉ、俺こそごめんな意地悪だったな? よーしよしよしさぁセイカからなっ、ほら丸まってないでおいで」

《兄貴俺も~》

「水月、しよー」

両腕をそれぞれ引っ張られる。可愛い子達だが、今はセイカの相手をしなくては……

「……!」

きゅ、とシャツを引っ張られる。セイカだ、俯いたままだがタオルケットに包まるのをやめて俺の服を引っ張っている。

「セイカぁ……! よっしみんなでシようなぁ!」

アキと荒凪には一旦腕から手を離してもらい、それからみんなをまとめて抱き締めた。手の長さと数が足りず全員に触れられはしなかったけれど、気持ちは伝わったと思いたい。
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