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アイドルとジュース共有 (〃)
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カミアとジュースを分け合ったりしつつ、次のジェットコースターに向かった。
「次は屋外! 足がぶらぶらするのが売りなんだよ☆」
「大阪の……ぇー、プテラのヤツみたいな?」
「あぁ、あったねぇ! 確かにちょっと似てるかも?」
「乗ったことないけど。夏休みせっかく大阪行ったんだからついでに遊びに行けばよかったかなぁ」
「今度僕と行こうよ☆ 大阪は割と仕事で行くこと多いし」
今日のように呼び出される場合、大阪は遠いなぁなんて答えながら飲み終えたジュースの容器を眺めた。
「結構しっかりしたコップだな、プラゴミって感じじゃない」
「持って帰る人がほとんどだよ。込みの値段だし。色違うけどみぃくんどっちがいい?」
コップは透明で、白でロゴが描かれている。色が付いているのは底だけだ。透明感のある青と緑、爽やかな飲み口と同じで夏らしい。
「どっちも可愛いな、カミアは青と緑どっちが好きなんだ?」
「緑! 芝生みたいで好き~。そのコップの緑はあんまり芝生みないけど」
芝生が好きなのか……?
「じゃ、俺青な」
「いいの? みぃくん緑じゃなくて」
「あぁ、俺はちょうど青が欲しいと思ってた」
「……ほんとかなぁ」
疑うような目つきでジロっと俺を見上げる。もちろん冗談交じりのあまり鋭くない目で、だ。
「ふふっ、ほんとほんと」
「ならいいけど、緑の方がよかったら言ってね? 僕青も好きだから」
「ありがとう、本当に俺は青がいいんだよ」
鞄の内ポケットに常備するようにしているビニール袋にコップを入れ、鞄に押し込んだ。
「あ、ジュースいくらだった? 半分くらい飲んだし一杯分は払うよ」
「それより写真代だよぉ。いくらだったの?」
「……こんな人混みで財布開ける訳にもいかないし、この話はまた後でだな」
「そだねぇ、ふふふ……」
笑い合いながらプレミアムパスの列に並んだ。順番は数分で回ってきて気持ちを落ち着かせる暇がなく、ベルトが下りた後に深呼吸を始めた。
「……ぅわっ、ほ、本当に足ぶらぶらする」
発信前、席が傾いて宙ぶらりんになる。足を乗せるところはなく、ぶらぶらと空中に揺れている。ベルトは今まで乗ってきたジェットコースターとは比べ物にならないほどガッシリと締まっており、安全なのだろうが、怖い。
「…………や、やっぱ降りるっ」
「もう無理だよみぃくん」
「吊られるの思ったより怖いんだよ……! これ本当に大丈夫なのか? すっぽ抜けたりしないか?」
「大丈夫大丈夫、事故起こしたなんて聞いたことないから」
「一度目が俺達の番じゃないとは言えないだろ……!」
「心配性なんだぁ、みぃくん可愛いかも」
くすくすと笑っているカミアの顔は安全バーに隠れて見えない。こんなにも強靭な安全バーが必要ということは、それだけ振り回されるということで……あぁ、胃がキリキリしてきた。
「楽しみ楽しみ~」
カミアは足をプラプラさせている、俺はとても足を動かせそうにない。
「……っ、あぁあああああっ!?」
今まで乗ったジェットコースターとは比べ物にならない速度で坂を落ち、回転し、俺を振り回した。降りた後には俺はふらつき、カミアに支えられて荷物を置いた棚まで歩いた程だ。
「大丈夫?」
「あぁ……結構慣れてきたのか酔いはしなかったけど、怖かった。次これより怖いんだよな? ヤバいな」
「次はVRのヤツだけど、どうする? 休憩で別のアトラクション乗る?」
「なんかあるのか?」
「濡れる系」
「ボート乗るヤツ?」
「そうそう、ほんとはボートじゃなくてレールの上走るだけなんだけど。チェーンソー振り回す系殺人鬼に扮したハロウサちゃんがサメに乗って追っかけてくるから逃げるっていう」
訳が分からないな。でも、楽しそうに説明してくれたカミアに正直な気持ちは伝えにくい。
「……面白そうだな」
「面白いよ! 行く?」
「濡れるのはなぁ。今日ジメッとしてて乾きにくそうだし」
「ふっふっふ……これなーんだ☆」
カミアは鞄を大きく開いて中身を見せた。舐めしゃぶりたくなる指が差しているのはナイロンの何か、袋ではない。ボタンも見える。レインコートか?
「カッパ☆ 二着あるよ」
「全くお前は最高だぜカミア……」
しかも、ボートのアトラクションはVRを使ったジェットコースターへの道中にあるらしい。回り方を心得ているようだ、流石この遊園地の大ファンと言うべきか。
「みぃくんのカッパLサイズにしたけど、大丈夫そう?」
「あぁ、しっかり着れてる……カミア、カッパって言うんだな。なんか意外」
「……? そう? カッパ変?」
「変じゃないけどさ、レインコートとかそっち系の言い方なイメージあったよ」
「えー、長いじゃん。ふふ」
カミアが用意してくれたレインコートは紺色で透けておらず、顔を隠すのにもぴったりだった。カミアにその意識はないようだが……本当に芸能人か? 何故変装に頓着がないんだ?
「ハロウサ、最初は確か右手奥の方から来るからそっち見てるといいよっ☆」
ボートを模した乗り物には安全バーもベルトもない、急な坂下りや回転などはないのだろう。酔うことも怖がることもなく楽しめそうだ。
「次は屋外! 足がぶらぶらするのが売りなんだよ☆」
「大阪の……ぇー、プテラのヤツみたいな?」
「あぁ、あったねぇ! 確かにちょっと似てるかも?」
「乗ったことないけど。夏休みせっかく大阪行ったんだからついでに遊びに行けばよかったかなぁ」
「今度僕と行こうよ☆ 大阪は割と仕事で行くこと多いし」
今日のように呼び出される場合、大阪は遠いなぁなんて答えながら飲み終えたジュースの容器を眺めた。
「結構しっかりしたコップだな、プラゴミって感じじゃない」
「持って帰る人がほとんどだよ。込みの値段だし。色違うけどみぃくんどっちがいい?」
コップは透明で、白でロゴが描かれている。色が付いているのは底だけだ。透明感のある青と緑、爽やかな飲み口と同じで夏らしい。
「どっちも可愛いな、カミアは青と緑どっちが好きなんだ?」
「緑! 芝生みたいで好き~。そのコップの緑はあんまり芝生みないけど」
芝生が好きなのか……?
「じゃ、俺青な」
「いいの? みぃくん緑じゃなくて」
「あぁ、俺はちょうど青が欲しいと思ってた」
「……ほんとかなぁ」
疑うような目つきでジロっと俺を見上げる。もちろん冗談交じりのあまり鋭くない目で、だ。
「ふふっ、ほんとほんと」
「ならいいけど、緑の方がよかったら言ってね? 僕青も好きだから」
「ありがとう、本当に俺は青がいいんだよ」
鞄の内ポケットに常備するようにしているビニール袋にコップを入れ、鞄に押し込んだ。
「あ、ジュースいくらだった? 半分くらい飲んだし一杯分は払うよ」
「それより写真代だよぉ。いくらだったの?」
「……こんな人混みで財布開ける訳にもいかないし、この話はまた後でだな」
「そだねぇ、ふふふ……」
笑い合いながらプレミアムパスの列に並んだ。順番は数分で回ってきて気持ちを落ち着かせる暇がなく、ベルトが下りた後に深呼吸を始めた。
「……ぅわっ、ほ、本当に足ぶらぶらする」
発信前、席が傾いて宙ぶらりんになる。足を乗せるところはなく、ぶらぶらと空中に揺れている。ベルトは今まで乗ってきたジェットコースターとは比べ物にならないほどガッシリと締まっており、安全なのだろうが、怖い。
「…………や、やっぱ降りるっ」
「もう無理だよみぃくん」
「吊られるの思ったより怖いんだよ……! これ本当に大丈夫なのか? すっぽ抜けたりしないか?」
「大丈夫大丈夫、事故起こしたなんて聞いたことないから」
「一度目が俺達の番じゃないとは言えないだろ……!」
「心配性なんだぁ、みぃくん可愛いかも」
くすくすと笑っているカミアの顔は安全バーに隠れて見えない。こんなにも強靭な安全バーが必要ということは、それだけ振り回されるということで……あぁ、胃がキリキリしてきた。
「楽しみ楽しみ~」
カミアは足をプラプラさせている、俺はとても足を動かせそうにない。
「……っ、あぁあああああっ!?」
今まで乗ったジェットコースターとは比べ物にならない速度で坂を落ち、回転し、俺を振り回した。降りた後には俺はふらつき、カミアに支えられて荷物を置いた棚まで歩いた程だ。
「大丈夫?」
「あぁ……結構慣れてきたのか酔いはしなかったけど、怖かった。次これより怖いんだよな? ヤバいな」
「次はVRのヤツだけど、どうする? 休憩で別のアトラクション乗る?」
「なんかあるのか?」
「濡れる系」
「ボート乗るヤツ?」
「そうそう、ほんとはボートじゃなくてレールの上走るだけなんだけど。チェーンソー振り回す系殺人鬼に扮したハロウサちゃんがサメに乗って追っかけてくるから逃げるっていう」
訳が分からないな。でも、楽しそうに説明してくれたカミアに正直な気持ちは伝えにくい。
「……面白そうだな」
「面白いよ! 行く?」
「濡れるのはなぁ。今日ジメッとしてて乾きにくそうだし」
「ふっふっふ……これなーんだ☆」
カミアは鞄を大きく開いて中身を見せた。舐めしゃぶりたくなる指が差しているのはナイロンの何か、袋ではない。ボタンも見える。レインコートか?
「カッパ☆ 二着あるよ」
「全くお前は最高だぜカミア……」
しかも、ボートのアトラクションはVRを使ったジェットコースターへの道中にあるらしい。回り方を心得ているようだ、流石この遊園地の大ファンと言うべきか。
「みぃくんのカッパLサイズにしたけど、大丈夫そう?」
「あぁ、しっかり着れてる……カミア、カッパって言うんだな。なんか意外」
「……? そう? カッパ変?」
「変じゃないけどさ、レインコートとかそっち系の言い方なイメージあったよ」
「えー、長いじゃん。ふふ」
カミアが用意してくれたレインコートは紺色で透けておらず、顔を隠すのにもぴったりだった。カミアにその意識はないようだが……本当に芸能人か? 何故変装に頓着がないんだ?
「ハロウサ、最初は確か右手奥の方から来るからそっち見てるといいよっ☆」
ボートを模した乗り物には安全バーもベルトもない、急な坂下りや回転などはないのだろう。酔うことも怖がることもなく楽しめそうだ。
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