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御曹司に代わって好みの調査 (水月+セイカ・荒凪)
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細いバイブ、小さめのアナルパールを両手に持ち、プールサイドにしゃがむ。
「こっちは水の中で使っていいけど、こっちは電化製品だからプール上がってから使ってね。無理に突っ込んじゃ怪我になっちゃうからダメだよ」
金曜日の朝、登校前に俺は荒凪に玩具を渡しておくことにした。一人で居る間にムラムラしてスリットや後孔を鋭い爪が生えた指で無理にほじくったらと思うとゾッとする。不慣れな彼に玩具を託すのも不安だが、彼自身の指より危険性は低いだろう。
「……水月、学校行く?」
「ん? うん。もう風邪治ったみたいだからね」
「水月学校行き過ぎ」
「毎日行くものなの! 寂しく思ってくれてるのかな……ごめんね? 帰ってきたらいっぱい遊ぼう?」
荒凪は水面から顔を半分だけ出して、口から息を吐き続けてぶくぶくと泡を立てている。これは人魚の抗議の仕草……? 猫が尾を振ったり、うさぎが床を踏み鳴らしたりするようなものだろうか。
「あ、オナホも一応置いてくね。この穴におちんちん入れて擦るんだよ。柔らかいし、手でやるより気持ちいいと思うんだ」
「ありがとう。水月。でも僕達、水月と一緒がいい」
「そりゃ俺も同じ気持ちだよ……」
「……昨日、楽しかった。水月ずっと一緒」
「うん、楽しかったねぇ昨日」
セイカの俺を呼ぶ声が聞こえる。もう時間だ。
「行ってきます」
「……行ってらっしゃい」
不満げにしながらも荒凪は尾を振って俺を見送ってくれた。手を振り返し、プールを後にする。
「行こうか、セイカ」
「うん」
昨日一日休んだだけなのに、陽の光を浴びるのが久しぶりに思えた。真夏の眩しい日差しに顔を顰めながら車椅子を押していく。
「今日も暑いなぁ」
マスクを外したい。でも、今日は盗撮防止のためだけではなく彼氏達に風邪を伝染させないためでもある。
「……なぁ、鳴雷」
「ん?」
「指輪、着けるならどんなのがいい?」
「んー……一応全種コンプしてあるんだけど、やっぱり大空のリングかなぁ。なんだかんだね。アニマルリングはちょっと可愛過ぎるかな、好きなんだけどさ、身に付けるとなると分からない人には違和感持たれないくらいのグッズがいいじゃん?」
「いや漫画のグッズとかじゃなくてさ」
「……え? なら別にないよ」
「宝石ついてるのがいいのか、ついてないのがいいのか……デザインはどんなのかとか。そういうの聞いてんの」
「俺本当に自分のファッションに興味ないんだよ。カッコイイと思われたいから流行り試したりはするけどさ」
キモオタデブス時代を引きずっているとか、そんなんじゃない。本当にただただ興味がないんだ、世間一般の人間が少年漫画原作のアニメは観ても萌えアニメは観ようとしないのと同じこと。俺は自分のファッションには興味が持てないんだ。
「そうか……じゃあもらっても嬉しくないのか?」
「嬉しいよ。セイカにも見せたと思うけど、前ノヴェムくんがモールで指輪作ってくれたんだ。アレすごく嬉しかった」
「……気持ちが嬉しいんだよな? 物じゃなくて」
「んー……まぁ、そうかな? 知らない子供にモール指輪もらっても俺捨ててるだろうしな……知らないヤツにもらって嬉しいのって金目の物くらいじゃないか? いや、怪しいから受け取らないけどさぁ……なんでそんなこと聞くんだ? あっ、もしかしてセイカ、俺に指輪くれようとしてたり?」
「な訳ないだろ。雑談だよ雑談……好きな宝石ってあるか?」
「フォス! 幸せに暮らして欲し」
「現実に存在する石のことだけ考えて答えてくれるか」
「彩度高いヤツ。黒白茶色系がダメって訳じゃないんだけど、やっぱ宝石っぽいのってキラキラカラフル系だろ? 魔法少女に変身出来そうなヤツが好き、セボスタみたいな」
セイカはため息をついている。
「……セイカ? あっ、セボスタ知らない? スーパーとかでは見ないもんなぁ、お菓子屋さん行くとあるんだけど。女児に人気らしいんだけど俺も結構好きなんだよ、値段の割に作り結構細かくてすごいんだぞ。今度一緒に買いに行こう」
「話変わるけどさ」
話変えられちゃったよ。せっかくテンション上がってきてたのに。
「昨日繰言来てたぞ」
「えっマジ? うわ、入れ違いじゃん……」
「お前居ないって聞いてヘコんでた。後、秋風の将来……動画配信者コース、相談乗ってくれるってさ。パソコンとかネットとか詳しいみたいだ」
そりゃ動画投稿者だからな、あの人。
「ヘコんでたんだ、メッセの返事なんか急に減っててさ……怒らせたかなって不安だったんだけど」
「そんな感じには見えなかったぞ」
「そっか、よかったぁ」
「俺の感覚だからあんまり信用するのもどうかと思うけど……今日来てたら自分で確かめてみろよ」
「来てるといいなぁ」
家を出る前に通知欄を確認したが、カサネからのメッセージはなかった。だから会えたら渡そうと思っているパグ犬のぬいぐるみも今日は持ってきていない。しかし、昨日もメッセージはなかったのに昨日は登校していたとセイカは言う。
「出欠連絡ちゃんとして欲しいよ」
「学生間、しかも先輩後輩でそれやってんの変な話だよな」
登校を嫌がる彼が連日登校しているとは考えにくいけれど、念の為に再会した時にかける言葉を考えておくかな。
「こっちは水の中で使っていいけど、こっちは電化製品だからプール上がってから使ってね。無理に突っ込んじゃ怪我になっちゃうからダメだよ」
金曜日の朝、登校前に俺は荒凪に玩具を渡しておくことにした。一人で居る間にムラムラしてスリットや後孔を鋭い爪が生えた指で無理にほじくったらと思うとゾッとする。不慣れな彼に玩具を託すのも不安だが、彼自身の指より危険性は低いだろう。
「……水月、学校行く?」
「ん? うん。もう風邪治ったみたいだからね」
「水月学校行き過ぎ」
「毎日行くものなの! 寂しく思ってくれてるのかな……ごめんね? 帰ってきたらいっぱい遊ぼう?」
荒凪は水面から顔を半分だけ出して、口から息を吐き続けてぶくぶくと泡を立てている。これは人魚の抗議の仕草……? 猫が尾を振ったり、うさぎが床を踏み鳴らしたりするようなものだろうか。
「あ、オナホも一応置いてくね。この穴におちんちん入れて擦るんだよ。柔らかいし、手でやるより気持ちいいと思うんだ」
「ありがとう。水月。でも僕達、水月と一緒がいい」
「そりゃ俺も同じ気持ちだよ……」
「……昨日、楽しかった。水月ずっと一緒」
「うん、楽しかったねぇ昨日」
セイカの俺を呼ぶ声が聞こえる。もう時間だ。
「行ってきます」
「……行ってらっしゃい」
不満げにしながらも荒凪は尾を振って俺を見送ってくれた。手を振り返し、プールを後にする。
「行こうか、セイカ」
「うん」
昨日一日休んだだけなのに、陽の光を浴びるのが久しぶりに思えた。真夏の眩しい日差しに顔を顰めながら車椅子を押していく。
「今日も暑いなぁ」
マスクを外したい。でも、今日は盗撮防止のためだけではなく彼氏達に風邪を伝染させないためでもある。
「……なぁ、鳴雷」
「ん?」
「指輪、着けるならどんなのがいい?」
「んー……一応全種コンプしてあるんだけど、やっぱり大空のリングかなぁ。なんだかんだね。アニマルリングはちょっと可愛過ぎるかな、好きなんだけどさ、身に付けるとなると分からない人には違和感持たれないくらいのグッズがいいじゃん?」
「いや漫画のグッズとかじゃなくてさ」
「……え? なら別にないよ」
「宝石ついてるのがいいのか、ついてないのがいいのか……デザインはどんなのかとか。そういうの聞いてんの」
「俺本当に自分のファッションに興味ないんだよ。カッコイイと思われたいから流行り試したりはするけどさ」
キモオタデブス時代を引きずっているとか、そんなんじゃない。本当にただただ興味がないんだ、世間一般の人間が少年漫画原作のアニメは観ても萌えアニメは観ようとしないのと同じこと。俺は自分のファッションには興味が持てないんだ。
「そうか……じゃあもらっても嬉しくないのか?」
「嬉しいよ。セイカにも見せたと思うけど、前ノヴェムくんがモールで指輪作ってくれたんだ。アレすごく嬉しかった」
「……気持ちが嬉しいんだよな? 物じゃなくて」
「んー……まぁ、そうかな? 知らない子供にモール指輪もらっても俺捨ててるだろうしな……知らないヤツにもらって嬉しいのって金目の物くらいじゃないか? いや、怪しいから受け取らないけどさぁ……なんでそんなこと聞くんだ? あっ、もしかしてセイカ、俺に指輪くれようとしてたり?」
「な訳ないだろ。雑談だよ雑談……好きな宝石ってあるか?」
「フォス! 幸せに暮らして欲し」
「現実に存在する石のことだけ考えて答えてくれるか」
「彩度高いヤツ。黒白茶色系がダメって訳じゃないんだけど、やっぱ宝石っぽいのってキラキラカラフル系だろ? 魔法少女に変身出来そうなヤツが好き、セボスタみたいな」
セイカはため息をついている。
「……セイカ? あっ、セボスタ知らない? スーパーとかでは見ないもんなぁ、お菓子屋さん行くとあるんだけど。女児に人気らしいんだけど俺も結構好きなんだよ、値段の割に作り結構細かくてすごいんだぞ。今度一緒に買いに行こう」
「話変わるけどさ」
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「昨日繰言来てたぞ」
「えっマジ? うわ、入れ違いじゃん……」
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「そんな感じには見えなかったぞ」
「そっか、よかったぁ」
「俺の感覚だからあんまり信用するのもどうかと思うけど……今日来てたら自分で確かめてみろよ」
「来てるといいなぁ」
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「出欠連絡ちゃんとして欲しいよ」
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