冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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かなりの怪力 (〃)

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イルカのような質感の青白い肌。顔や腹など鱗が生えていない箇所は全てその肌で、人間の姿のペールオレンジの肌は今は存在しない。臍よりも下にあるスリットを手のひらで覆うように全体を圧迫する。

「んっ……ぅ」

人間の場合、下腹を押しても開発を進めてからではないと快感を得られない。だが荒凪の性器は体内に収納されている、圧迫による快感は他の彼氏達よりも得やすいはずだ。

「……っ、ん」

「荒凪くんのってイルカとかと同じなんですね。総排出腔タイプじゃなくて……ワニの動画やっぱ参考にならないかもですよ」

「……! 見ないで!」

荒凪がそう叫んだ直後、身体が浮き上がった。

「えっ?」

荒凪達が遠のく。プールに落ちる。空気を吐き出し水を呑む。

「ミツキ!」

細い腕が脇に通され、持ち上げられる。俺自身でも底を蹴って水面を目指した。

「ぷはっ! はぁ……な、何が起こったの? なんで俺、落ちて……」

「……アラナギの尾に跨っていただろう? 彼が尾を振ったんだ、それで吹き飛ばされた」

「そっか……強いなぁ荒凪くん。情けないや」

プールに落とされたのは幸いだ。床だったら怪我をしかねなかった。この幸運も彼氏達がミタマに俺の安全を祈ってくれているおかげだろうか、なんて皆の愛を想像して喜んだりして。

「よっ、と」

プールサイドに上がり、ぐしょ濡れの服を絞る。

「水月……ごめんなさい」

「荒凪くん。いいよ、大丈夫。俺は無事だし」

「……水月、軽かった。水月……僕達が思ってたより、すごく弱い。水月っ、僕達気を付ける、頑張る」

人間を簡単に壊してしまえる怪力を持つ人外、その力を必死に抑えて人間と触れ合おうとする人外……キャラとしては非常に萌えるのだが、実際に相対すると怖いな。

「俺こそごめん……辱めるつもりはないんだよ、ただ君の身体は俺達にとってすっごい未知なんだ、分からないことばかりなんだよ。次からは見ないでするように頑張るから、今回だけは我慢してくれる?」

「がんばる……」

唇を触れさせ合うだけのキスをし、再度スリットを弄る。圧迫し、筋をなぞり、筋を挟むように人差し指と中指を置いて、くぱぁっと拡げてみる。

「……~っ! 恥ずかしい……やだ、開くの……やだっ!」

「荒凪、違うとこ見て気ぃ紛らわせろ」

「ちがうとこ……?」

「この辺で一番見応えあるのって言ったらそこの美形だろ」

「……水月?」

顔を上げて微笑みかけると、荒凪もぎこちないながらに笑顔を作ってくれた。荒凪が少しでもリラックス出来るよう、俺は笑顔を持続させなくては。そう意識しながらスリットを弄る。

「こっちがスリット……おちんちんが収納されてるとこで、こっちはお尻の穴だと思うんだ」

足がなければ肉が他より多く付いている箇所もないから尻と呼べる部位がないし、前に付いているから後孔と呼んでいいのかも分からないが、とりあえずこれが肛門だ。俺が挿入したい場所……腸液を採りたいのだが、そこまで濡れていない。

「スポイト使います? 一滴だけでも検査は可能ですよ、実験するなら一瓶欲しいってだけで」

「そうですか? じゃあ……とりあえず少しずつ」

左手で荒凪の穴を拡げ、右手で持った細長いスポイトを穴にそっと押し込む。

「きゅぅう……やだ……きゅっ!? 水月っ、痛い……!」

「……っ!? ごめん!」

吸ってみると荒凪が悲鳴を上げた。慌ててスポイトを抜き、穴の中を覗いてみるも、何も分からない。淡いピンク色の肉が微かに濡れ、淫靡に光を反射しているばかりだ。

「肉吸っちゃったんじゃないですか?」

「ぁ……それかも。ごめんね荒凪くん。もう腸液取れたから、もうしないからね? あの、この量でいいですよね」

「まぁ……有害性の確認くらいなら出来るでしょう」

「ごめんね荒凪くん」

「……荒凪、手ぇ離せ」

「きゅ……? うん……」

秘書は荒凪と手を繋いで押さえてくれていた。そんな手を離し、秘書は自身の左手をじっと見つめてため息をついた。

「……秘書さん? どうされました?」

「折れた。分かります? ほら、小指」

秘書な左手小指は外側から強い力で押されたようにひしゃげている。

「……真尋、怪我した? 僕達が……させた?」

「頑張って握り返してたんですけど、負けちゃいましたね」

そりゃ200まで測れる握力計でも上限に達するような握力に人間が勝てる訳ないだろう。

「手当てしてきます。荒凪、掴む物なくても我慢出来そうか?」

「きゅ……きゅっ? ま、真尋、怪我……ごめんなさい」

「俺の羽織り掴んでろ。じゃ、水月くん。後は頼みます」

「……えっ? いや、指っ、大丈夫なんですか!?」

「大丈夫じゃないから手当てするんですよ」

「ひ、一人でイケます?」

「手が足りなければあなたの弟でも頼りますよ。じゃ」

アキの部屋とプールを隔てる扉をくぐり、秘書の姿は見えなくなった。指が折れた人間の反応か? アレ。痛覚ある?

「水月、僕達……真尋、怪我させた」

「うん……ま、まぁでも何ともなさそうだったし、ちゃんと謝れたろ? 落ち込まないで」

「きゅうぅ……」

「…………俺ちょっと様子見てくるよ。な? 多分元気だから」

荒凪の頭を撫で、アキの部屋へ。しかし秘書どころかアキも居ない、ベッドの上ではミタマが狐の姿で眠っている。

「あれ……? あっ、手当て……救急箱あっちか」

救急箱はこの部屋にはない。家の方に行ったのだろう、アキが手当てをちゃんと出来るのかも含めて様子を見に行かないと。
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