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和装キャットファイト (〃)

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三人の目の前で自慰をしろと言われた。

「ミツキなら出来るだろう、ついさっき私とアラナギに擦り付けて達したくせに……」

 抱き締めた相手に服越しに擦り付けるのと、射精の説明をするために三人に見られながら自慰をするのとでは話が違うだろ。しかもそのうち一人は彼氏じゃない、母親の上司的立ち位置の人なんだぞ?

「なんか躊躇ってますね……オカズが必要なら、ほら」

「うわあぁああぁっ!?」

秘書がサキヒコの着物をはだけさせた。突然肩と胸を露出させられたサキヒコは叫びながらしゃがみ込み、涙目で着物を整える。

「何をするんですか!」

「彼氏でしょ? オカズになってあげてくださいよ」

「恥じらいのないあなたがすればいい!」

サキヒコは秘書の着流しの裾を掴み、腕を振り上げながら勢いよく立ち上がる。

「ちょっ……! 俺緩めに着てるんだからやめてください! 見えちゃダメなとこまで見えちゃう!」

「見えてはいけないものが見えてこそミツキの興奮も高まるというもの!」

「俺今日パンツ履いてないんですよ! 彼氏なんだったらアンタがオカズになるべきでしょうが!」

「あなたは以前ミツキに足や胸を見せつけただろうが露出狂の変態め! 今更何を躊躇する!」

和装同士のキャットファイト、服の脱がせ合い、イイな……勃ってきた。

「からかい半分に見せるのと目の前でシコられるために脱ぐのは違うっ! マジでやめてホント離して本当に俺今パンツ履いてないんだってマジやめろちゃ言いよんやろがクソガキャアッ!」

「サキヒコくん頑張れ! 俺えっちなお兄さんのちんちんと生ケツ見たい! 絶対ヤれない相手だからこそ見たい!」

「着けてんのはフラット貞操帯だからちんこは見れねぇよバァーカ!」

「えっ何それ……より見たい!」

「クソガキ共ぉっ! あぁクソっ、最終手段……魂縛の札!」

秘書は両手で着流しの裾を押さえるのをやめ、片手で懐を探り、何やら札を取り出すとサキヒコの額に貼り付けた。いや、サキヒコの額は綺麗に切り揃えられた前髪で隠れているので正確には前髪の上だ。

「ぅ……! な、何だ? 動けない……!」

「除霊する前に事情を聞かなきゃならないタイプの幽霊や生霊の動きを封じるための札ですよ。はぁ……結構高いんですよ? 貴重な札使わせやがって。さーて、どこから脱がしてやりましょうかねぇ」

動けなくなったらしいサキヒコの手から着流しの裾を取り戻すと、秘書は意地の悪い笑顔を浮かべてサキヒコの背後に回った。

「さっきみたいに肩出します? 俺にやったみたいに下捲り上げてみましょうか?」

「……! ミ、ミツキ、助けて……」

「帯で! 帯であーれ~ってやるやつやってください!」

「ミツキぃっ!」

「あっごめん彼氏が目の前で他の男に脱がされるとか最悪なはずなんだけど勃起が止まらなくて……すいませんやめてくださいサキヒコくんとは初夜がまだなんです!」

「初夜が済んだらしてもいいみたいな言い方はやめろ!」

「冗談ですよ。全部。ほら、勃ったんならさっさとシコってください」

「え、ぁ……冗談……そ、そうですか、よかった」

「ちなみにノーパン貞操帯の件ですがそちらは……」

「……! そ、そちらは?」

「秘密です」

「ンンンンンッ……! 俺に何の感情も抱いてないくせに俺を弄ぶえっちなお兄さん最高……」

「……ミツキ、いつの間にかアラナギがぷぅるの中に帰ってるんだが」

「えっ嘘呼び戻して! ごめんごめん荒凪くん勝手にこっちで盛り上がってごめん! 真面目に射精教えるから戻ってきて!」

真ん丸な大きな瞳をジトーっとした目つきに変えた荒凪が顔の上半分だけを水面から出す。

「……そ、そこで見るんならそれでもいいけど……ちゃんと見ててね? 俺もだいぶ恥ずかしいから。いや本当に…………あの、秘書さんはどっか向いててくれませんか? 流石に……いくらえっちなお兄さんとはいえ彼氏以外に見られんのキツいです」

「俺のことえっちなお兄さんって呼ばないでください気持ち悪い。マジで気持ち悪い。はいはい向こう行ってますよ、荒凪の精液採取出来たらこれに入れてください。尿道球腺液、腸液はこれとこれ。じゃ」

「待て! 私の札を剥がしてから行け!」

「はいはい」

秘書は小瓶を三つ俺の傍に置き、サキヒコに貼った札を剥がすと、ヒラヒラと手を振りながらアキの部屋へと続く扉を抜けていった。

「はぁ……ようやくリラックスしてオナニー出来る。オカズ……さっきの光景でも十分だけど……あ、そうだサキヒコくん、俺の耳元で何か囁いたり吐息かけたりしてくれない?」

「そ、そんなのでいいのか? 急に控えめになったな……」

耳責めボイスの良さを知らないらしいサキヒコは困惑しながらも快諾し、俺の隣に膝立ちになり、俺の首に腕を回し、俺の耳に唇を触れるか触れないかという距離まで近付けた。
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