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保健室は青春の場? (水月×セイカ)

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ダンスルーム使用時間が終わった。残りは外で競技の練習だ、俺の場合は二人三脚と綱引きだな。

「ハル、悪い。俺セイカ保健室連れてくからリレーやっててくれ」

二人三脚でペアを組んでいるハルにまず断りを入れる。

「え、せーか体調悪かったの? えー全然分かんなかった、ごめんね? お大事に~」

複数クラスが合同でそれぞれの競技に分かれて練習するため、教師の目は隅々まで行き届いていない。サボるなら今だ。

「あぁ、先生には一応言っといてくれ」

「OK~」

だが、俺は顔の良さと委員長という立場、セイカは髪色と欠損でそれぞれ目立つ。なので他の生徒に伝言を頼んだ上で保健室に行くという正当な手段でサボりを行う。それはサボりと言えるのか?

「さ、行くぞセイカ」

「ん……」

この学校では授業中に保健室を利用する場合、養護教諭に入室時刻を専用の紙に書いてもらい、それを後で抜けた授業の担当教員と担任に渡すというルールがある。俺とセイカが立てた計画で大事になってくるのが、退室時刻は書かれないという点だ。体育教師か担任教師のどちらかが養護教諭に口頭で確認を取らない限り、保健室に一分しか居なかったのに授業には数十分帰らなくてもサボりがバレることはない。

(そう! つまり! 合法的授業中セックスという訳です!)

保健室に行って、セイカの熱でも測ってもらって、スポドリでも飲ませてもらったら、日陰で見学するからとでも言って保健室を出よう。その後は階段の裏にでも行って、声を殺してセックスセックス。

「ぐふふふふ」

「鳴雷笑い方気持ち悪い」

「違うだろセイカ、二人きりの時は俺をなんて呼ぶんだった?」

「…………水月」

「ゲヘッ、ゲヘへへ……」

「流石にわざとだろ」

「うん今のはわざと。でもさっきのは素だからキモがられてちょっと傷付いた……」

なんて話しながら保健室へ。扉を叩き、返事がないので仕方なく扉を開ける。誰も居ない、養護教諭はどこだ?

「あれ……保健の先生居ないな。どこ行ったんだ?」

「メモあるぞ」

部屋の真ん中の白い机、その上に置かれたメモ。熱中症で倒れ病院に搬送された生徒に付き添うため留守にするとの内容。

「……生徒倒れたら先生着いてくんだ。病院行くんだから別にいいと思うんだけどな、その間学校に保健の先生居ない方がヤバいと思う」

「状況説明とかも授業やってた教師とかのが出来るだろうしな……どうする?」

「入室記録の紙はここにあるから勝手に書いとこう。時間のメモなんか誰がやってもいいだろ別に」

「生徒が書いたもんじゃ信用がないって言うか、効力ない気がするけど」

「ハンコ押すわけじゃないんだから平気だって。先生居なかったから自分で時間メモしましたって渡す時に言うし……大抵、俺のことよく知らない大人は俺の言うこと全面的に信用するしな」

「世の中顔かぁ」

「それよりセイカぁ、先生居ないってことは……だ。ベッド使えるんじゃないか!? 保健室でセックス! 青春だよなぁ」

「そんな青春知らない……」

「ゴム付けるし、タオルも敷けば大丈夫。汗はまぁ普通に使っても染み込むだろうしいいだろ」

「タオルって、それ? 既にしっとりしてるけど……」

セイカの視線は俺の首にかけてある汗拭き用のタオルに注がれている。激しいダンスでかいた汗を吸ったタオルだ、首と顔くらいしか拭いていないとはいえちょっと湿ってるし汗臭い。

「…………でもセイカこういうの好きだろ?」

「別に好きじゃない……嗅いでいい?」

一行矛盾。

「腰の下に敷くからだーめ。代わりに体操服貸してやるからこれで我慢しろ」

「……こっちのがいいかも。ありがと鳴雷っ、ぁ…………みつ、き」

毛布をどかし、腰が乗る辺りにタオルを敷いたベッドの上にセイカが横たわる。欲情と羞恥が混じった赤い顔を見つめるとそっぽを向かれた。

「脱がすよ」

肌を隠す布を取り去り、義足を外す。

「ぅ……」

下半身だけ産まれたままの姿になった彼は俺の体操服を抱き締めて恥ずかしそうに足を閉じている。

(あまり急ぎたくはありませんが、ゆっくりしてる時間はないんですよな)

ベッドに膝立ちになった俺はズボンと下着をずり下ろし、用意しておいたコンドームを陰茎に被せた。ローション付きで今回のような短時間のセックス向きの製品だ。

「セイカ、ほら足開いて。ゴムつけないと」

「……ん」

ゆっくりと足を開いたセイカは真っ赤にした顔を俺の体操服で隠す。普段家でテディベアを使って顔を隠す仕草と同じだ、新たに癖になったのだろうか。

「ローション入れるよ。ゴムについてるのだけじゃ不安だし」

「ん……」

膝上で切断された短い足。その断面に口付けて、太腿の裏を撫でつつ、もう片方の手でセイカの後孔にローションを塗り込んでいく。

「……っ、く、んんっ……! んぅっ、ん……」

このまま前戯を楽しみたいけれど、そんな時間はない。癪だが、忌々しい強制売春の結果を活用する時が来たと考えるべきだろう。

「中熱い……興奮してくれてる? 嬉しいな。もう入れていい? 我慢出来ない」

セイカには急いでいることも、緩い穴だからすぐに入れられると考えたことも悟られたくない。膨れた陰茎を会陰に押し付けて硬さを伝え、俺の我慢が弱いことを理由にする。

「うん……来て、水月」

俺の体操服が少し捲れて片目が覗く。潤んだその目に微笑みかけ、丁寧に挿入を進めた。

「……っ、ぁ……ひっ、ゔ……んんんっ!」

ようやく俺を見つめる気になってくれた目がぎゅっと閉じる。体操服を掴む手の力も増している。

「はぁ……可愛いな、セイカ。んっ……行き止まりだな。ちょっと止まるよ」

「ん……あり、がと」

結腸まで入れてしまうとセイカの体力が削れ過ぎて午後の学校生活に支障が出る。亀頭が結腸口に触れたら腰を止め、熱い腸壁が俺の陰茎に馴染むのを待った。

「ふー……」

陰茎を熱く柔らかな肉に包まれている快感、締め付けの物足りなさ、色々なものを感じながら深く息を吐き、上体を僅かに反らし顔を上げる。

「…………!」

隣のベッドとの仕切りとして使われているカーテンが僅かに開いている。カーテンを押さえる手も見える。隣に人が居たのだ、気付かなかった、確認を怠った、俺はなんて愚かなんだ。

「はっ、ぁ……はぁ…………みつきぃ? 動いて……も、いいから、はやく」

腰に絡んだ足が律動を誘う。俺だって動きたい、でもそんな場合じゃない、隣人をどうにかしなければ。

(コンちゃん、記憶消去とか出来ませんかな)

セイカの可愛い姿をこれ以上知らない男に見せる訳には……ん? カーテンからはみ出てる髪、白いな。さっきは黒い髪が見えていたはずだ。

「…………ふっ。あぁ、セイカ、今動くよ」

「……? はやくぅ……」

自然と安堵の笑いが零れた。セイカに不思議に思われていないといいのだが。
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