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放置を続けるか否か (〃)

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熱い肉と蕩けたひだに吸い付かれ、絡み付かれながら、萎えた陰茎を穴からゆっくりと引き抜いた。ぢゅぽんっと間抜けな音が鳴り、トロトロと精液を零す穴がヒクヒク震えながらきゅうっとすぼまっていく。

「……閉じんの早くない?」

疲れた足腰を休めるため床に座り、アキを見上げて呟く。アキは自身の頭に引っ掛けていた右足を外し、下ろし、俺の隣に座った。

《兄貴、五発くらい出しやがったか? 流石にちょっと疲れたぜ。兄貴もそうか? 兄貴の弾切れって見たことねぇけど、まだ勃つ?》

「鳴雷、まだ勃つかって」

「え、まだシたいの? どぅふふふ大歓迎……なんだけど、これ以上ヤったら明日腰ヤバいからヤるならアキ上で頼むよ。いや乗られるの辛いか……バックが一番楽かな? どう思うセイカ」

「……いや、鳴雷が、その……限界来たの見たことないから、座ったから、気になって聞いてみただけで……まだしたいって感じかどうかは」

「あ、違うの? お兄ちゃんはまだまだイケるぞぉ~? ふふ……」

白い髪を撫でてかき上げ、額にキスをする。そのまま前髪を手で押えてオールバックにしてみる。

「アキは可愛いからデコ出しも似合うなぁ~!」

重たく長い前髪を上げてしまうとかなり印象が変わる。可愛くて可愛くてたまらない、額に何度もキスをしてやった。

《なんだよもぉー……兄貴ぃ、へへ……》

「はぁあ可愛い。ちっちゃい頃から一緒に居たかったなぁ……ショタアキとか最高じゃない?」

「……その場合でもお前は秋風に手ぇ出すのか?」

「ハッ……! 赤子から一緒に育った弟に手ぇ出すのは、最近ようやく出会った弟に手ぇ出すのとはやっぱ違う……よな?」
 
「…………そうだな。俺がほむらに手ぇ出すようなもん……うわぁ、ないないない、想像すんのも苦痛だわ」

違う種と胎から生まれ互いの存在を知らず十余年を過ごした俺達と、ずっと共に生きてきた兄弟とでは感覚が違う。考えるまでもなく分かることだ。

「じゃあ穂張兄弟丼は夢のまた夢なのかなぁ」

「…………」

「セイカたんのドン引きフェイスhshs。でも生まれた時から一緒って訳じゃないし……全力で土下座すれば一回くらいヤらせてくれるかなぁ。誕生日とかにひっくり返って駄々こねるとか」

「……もう、いいから……秋風とヤんの終わりなら、フタの相手してやれよ」

ずっとぐずりながら俺の名前を呼んでいるフタに視線をやる。彼は俺と目が合ったことに気付くとパァっと笑顔になり、セックスも縄を解くことも要求せずただヘラヘラと笑顔を見せ続けた。

《秋風、もう終わりだろ? さっさと風呂入って寝ろよ、寝不足になっちまう》

《そうだな。スッキリしたし、もう終わりでいいか。腹八分目って言うもんな、シャワー浴びてくるわ》

「鳴雷、秋風シャワー浴びてくるって」

プール脇に設置されたシャワールームへと向かうアキに視線を向けると、彼はにっこり微笑んで手を振り、扉の向こうへと消えていった。

「次はふーちゃんか? 縄ほどくか?」

「ゃ、まだ。今日一晩はこのままだよ」

「む……随分厳しいのぅ、鬱血してしまわんか?」

「だって……躊躇なく人を殺せる人を自由にして寝るの、嫌じゃない? 腕の固定以外は割と緩めだから鬱血はしないよ、固定してるから多少肩痛めたりとかはしそうだけど」

「躊躇なく人を殺せる者は怖い、か……くふふっ、みっちゃん、そんな建前ワシには要らんぞぃ」

「勃つ勃たないのインターバルじゃなくて、単純に体力のインターバルが欲しい。後、もうちょい焦らしたい。コンちゃんの件の恨みまだ晴れてないから……もっと本気で泣いてくださいね、フタさん」

俺の話を聞いていないのか、頬に触れるとフタは満面の笑みを見せた。

「泣かせるって言ってるのに」

「みっちゃんえらい怒っとったんじゃのぅ」

「俺を殺すって俺に来るのはいいけど、彼氏はダメだよやっぱり。フタさんが彼氏じゃなかったらコンちゃんにガチめの呪詛を願ってたかもしんない、アキのお父さん以上のヤツ」

「みっちゃん……気ぃ付けぇよ? ワシみたいなんは人間の影響よう受けるんじゃから、そういう願いは控えとくれ」

「……やべぇ神様になるってこと?」

「コト」

「俺はそれでも美味しいけどなぁ……今度こそ形州のお兄さんに祓われそうで怖いし、控えないとだね」

「怖っ! 控えとくれ控えとくれ」

人間の影響をよく受ける、か。なら俺がえっちなお兄さん的なのを想像し続け、願い続けていたら……ミタマはすごくえっちな子になるのか?

「…………ぅへへっ」

「みっちゃん? 何考えとるんじゃ?」

「触りたい! じゃなくて触らせてもらいたい! って思わせてくれる人ってイイよね」

「話の変わりやすい子じゃのぅ……くふふっ、じゃがみっちゃん、触りたいじゃなく触らせて欲しいと思える子、可愛いぃてワシは好きじゃよ」

「はぅ……! 今すっごい刺さった、心の柔らかいところが硬くなった」

「心にちんちん持っとるのぅ……」

フタの頬を撫で、揉みながらミタマと話していたが、その手にかかる重みが突然増えて会話を中断する。

「みつきぃ、触ってくれてんの嬉しいけどぉ、お話もしてよぉ……俺と話すの嫌ぁ? つまんないかなぁ……みつき……」

俺の手に頭を乗せて、ぐずる。

「クッ……!? 可愛い……! これ以上泣かせたくない……どうしようコンちゃん、俺復讐を完遂出来ないかもしれない」

「ならやらんでええじゃろ」

「いや……俺はやるよ、コンちゃんの仇を打つんだ!」

「生きとる生きとる、ワシ生きとる」

「放置の準備をしよう、コンちゃん!」

「おぅ、生きとるワシが手伝うぞぃ」

使う玩具を考えるため、玩具箱を覗き込む。俺と同じように中を覗いたミタマと頭をぶつけてしまい、笑い合った。
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