冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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カラフル変化 (水月+カサネ・セイカ・リュウ・シュカ・カンナ・ネザメ・ミフユ)

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腰の重だるさを抱えたまま、セイカと共に学校へ向かうため彼が座った車椅子を押す。

「……アキは締まりが良くて、積極的で……上に乗って動いてくれるし、体力があって絶倫で長時間ヤれる。NGプレイも今んとこナシだ……前からも後ろからも下も上もOK、舐めても舐めさせても文句言わないししゃぶった後でもキスしてくれる……にゃんにゃん鳴くのも超可愛い。最高だ、最高なんだが、最高だからこそ腰が辛い」

「俺に聞かせてどうしたいんだお前」

「コンちゃんに腰痛くなりませんようにってお願いしたのにな」

「いつもよりマシなはずじゃぞ。ヤり過ぎじゃ」

確かに、普段ならもう少し腰が痛いかも……え、ミタマの加護、この程度なの? 宝くじで百万を当てさせる力はあるのに?



彼氏達と順番に会い、愛を囁いたりしつつ、学校へ。下駄箱を抜けたところで紫色の髪に黒っぽいメッシュを入れた少年が俯いていた。

「…………ハッ、このイケメンオーラは……鳴雷くんっ!」

「えっ……!?」

「あっ、あの……下の、名前は…………人、多いから……ちょっと」

「カ、カサネ先輩……?」

カサネだ。この卑屈な態度、目を合わせない話し方、声、顔、間違いなくカサネだ。だが彼の髪は黒と白のツートンカラーでストレートだったはず。今日は紫色で黒っぽいメッシュ入りのウェーブヘア……髪の長さはそんなに変わらないけど、微妙に違う。ちょっと短い気がする。

「あの後美容院行ったんですか? 紫も似合ってますね、美術館に迷い込んだ青薔薇の方って感じ」

「えらい詩的やのぉ」

「何言いたいのか分かりませんね」

リュウとシュカが俺の背後でヒソヒソ話している。

「ぁ……わ、分かる? へへっ……イメージして、作ってみましたー……メッシュの数とか入れ方は変えてるけど。な、鳴雷くんは……その、髪型とか色の好みとか、ある?」

「え、好みですか……特には。先輩どんな髪でも似合いますよ」

「…………ロ、ロングとショート、どっちが好き?」

「うーん、どっちも好きですけど……先輩は清楚な感じなので、ロングの方が合うかも? でも先輩がやりたい髪が一番ですよ」

カサネは案外と俺に合わせてくれるタイプみたいだ。どんな髪型が好きか言えばその髪型にしてくれるのだろう、でも俺は髪型にこだわりはないからなぁ……似合ってればいいと思う。

「先輩、俯いた時に目元隠せる髪型がベストって感じでしょう? ショートでその前髪の長さは不自然かもですし、やっぱりボブくらいの長さは必須ですよね」

「…………よく見てるな、俺の……仕草?」

「はい。先輩、仕草がすごく可愛いので……」

「水月、そろそろ行かないと着替える時間なくなりますよ」

「あっ……ごめんなさい先輩、また今度!」

シュカに腕を引っ張られ、名残惜しそうにするカサネを残して下駄箱の前から去った。一、二時間目は体育祭の練習だったからあまり時間がなかったのだ。

「あの人もう落としたんですか?」

「あぁ」

ダンス練習用の鏡の前、CDの準備をするカンナの尻を凝視しながらシュカに答えた。

「手が早いですねぇ」

「そんなんどうでもええからはよ抱いてぇや水月ぃ……ずーっと身体熱うてしゃあないんやけど……なぁ水月ぃ、今日の昼休みはぁ?」

「昼休みは私でしょう? 水月」

「自分昨日もヤっとったやんけ!」

「私、毎日ヤらないとダメなんです……ね、水月、私を疼きから助けてくれるでしょう?」

他人が居ないからとシュカは俺の首に腕を絡め、俺を誘惑する。

「ややぁ! 水月、今日は俺!」

反対側から涙目のリュウが俺の腕を引っ張る。焦らされた身体が相当疼いていると見える。

「……れん、しゅっ……する、よ! 並……で!」

カンナが怒った。

「あなたの昼休みは私のものですからね、水月」

「もう焦らされんのややぁ……頼むで水月ぃ」

各々セリフを置いて俺から離れ、ダンス練習の準備を整えた。



三、四時間目の授業を越えて昼休み。生徒会長室の前へ行くと長い翠の髪をした少年が部屋の前に立っていた。

「あっ……鳴っ、み、水月……くん。は、話したいことあってさっ、下駄箱のとこで待ってたのに出来なくて、目的全然果たせないとかマジバカサネクオリティって感じなんですけど」

「カサネ先輩!? その髪は……」

「あっ、あぁ、ロングがいいって言ってたからっ、まだセット出来てないんだけどっ……ど、どう? お前の見立て合ってた? お前みたいなスーパーイケメンのお眼鏡にかなうなんて思ってないけどさ」

「よくお似合いです、可愛いですよ。髪を下ろした電子の歌姫って感じですね」

「……! へへへ……ツインテにしようかな~? さ、流石にイタいか……」

「今更ですよ。先輩、もしかしてコスプレが趣味です?」

「今更……!? とっくの前からイタいってコト……!? あっ、趣味? ゃ、趣味とかじゃない趣味とかじゃないっ、衣装は全然……ただ、その、カツラ買う時に、似合うかとか馴染むかとか考えず……グッズ感覚で色々買っちゃって」

やっぱりカツラか。紫色の時は長さがほとんど変わっていなかったから染めた可能性もあったけれど、ここまで急に伸びるとなればカツラしかないからな。

「……もしかして普段の真っ二つヘアもカツラです?」

「ちっ、違うっ! アレは地毛! 地毛染めてんの! この下にあるし!? へへへ変なこと言うなよなっ!」

アレもカツラか。確か、抗癌剤の副作用には髪が抜けるというのがあったような……関係あるのかな?

「…………鳴っ、みっ、水月……くん? だっ、だから顔傍で見せんなって! 良過ぎるんだよSAN値が減るんだって不定入っちゃう!」

「色々持ってるんですね。見るの楽しみです。衣装揃えてないなら、合う服買いに行くデートもいいかもしれませんね。ヘアアクセも選んであげたい……ふふ」

「ひぃいい顔が良い……顔が良いよぉ、造形師泣かせだよぉ……」

「お得感すごいです。キャラ買ったらスキンいっぱい付いてたみたいな」

「分かりやすぅ……」

「お昼持ってきてます? 一緒に食べましょうね。お話ゆっくり聞かせてください」

腰に腕を回して抱き寄せる。

「ひゃっ……」

小さく短い悲鳴を上げつつも逃げたり嫌がったりする素振りはなく、怯えた目で俺を見上げている。

「すまない皆の者! 遅れた、待たせたな」

「ごめんねぇ、三四時間目が体育で手間取っちゃった」

ミフユが小走りで、ネザメがゆっくりと歩いて現れた。その瞬間カサネは俺の腕を引き剥がし、走り出した。

「……っ、サキヒコくんコンちゃん!」

逃げていく彼の背に向かって叫ぶ。以心伝心、何もない空間から突如現れた二人はカサネを捕まえてくれた。
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