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雰囲気ブレイカー
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194センチの長身を覆い隠すほど長く、多い髪。先端がくりんっと巻いているからギリギリ地面に擦れずに済んでいるその黒髪は先端まで真っ黒だ。腰まで伸ばせば先の方は焦げ茶っぽくなってしまうと聞いたことがあるのだが、そんな常識はサンには通用していないらしい。足首の隣まで真っ黒だ。
「はぁ……本当、綺麗な髪」
ヒトが伸ばせと命令し、髪に使う物を決め、育て守ってきたらしい黒髪。頻繁にサンの家に泊まるフタが乾かしてやったり、櫛を通すことも多いらしい黒髪。三兄弟の絆を感じられるこの美しい黒髪を堪能する権利が、俺に与えられている。
「…………最高」
「水月はボクの髪好きだねぇ」
「うん、すごく好き……髪だけじゃないけどさ」
プレゼントの包装紙を丁寧に剥がすようにワクワクとトキメキをお供にしてゆっくりと髪を分け、広げ、倶利伽羅龍の刺青が彫られた背中を露わにする。
「背中も綺麗だよ。筋肉の付き方とかさ、広さとか……何よりこの刺青、すごく好き」
肩甲骨から脇腹へ、そっと撫で下ろしていく。
「んっ……くすぐったいよ~、その触り方やだ。撫でるんならもっとしっかり触って」
じっとこちらを睨みつける倶利伽羅龍、その迫力に息を呑む。サンの白い瞳と目が合うことはないのに、この龍とは目が合っている気がする。
「すべすべ……」
「彫ると産毛なくなるからかな~?」
するすると下ろしていった手が尻に着いてしまった。同級生の彼氏達ほどのハリはないが、体格ゆえか筋肉質ゆえかずっしりと重量感のある尻に指を沈めていく。
「ん……」
「はぁあもっちもち、やっべぇもっちもち」
「……水月ぃ、揉んでもらってもボクそんなに気持ちよくないんだけど~」
「もちもちもちもち……えっ? あっ、ごめん! すごいんだこれ、もっちもちで」
「自分のだから分かるよ。ほら水月、そんなにもちもち言うんだったらおもちみたいに硬いので突いてよ。もっと柔らかく美味しくなるよ?」
サンは人差し指と中指でピースサインを作るように尻の割れ目を開いた。割れ目までは刺青は彫られておらず、サンの本来の肌が、赤らんだ肌が見えた。肌を黒く染めた刺青のせいなのか、何だか何も彫っていない子以上に見てはいけないものを見てしまったという感覚が強い。
「は、はい! 突きます!」
「敬語使わなくてていいってば~、ふふふ……初めて家まで会いに行った時に言ったねぇこれ。水月、なかなか敬語外さなくてさ~……」
楽しげに思い出を語るサンの背後で、ローションを右手に絡める。指を擦り合わせて慣れたぬめりを確認し、サンの後孔へ恐る恐る手を近付けた。
「ひっ……ぅー…………冷たいんだよねぇ、それ……んっ、ぁ……んんっ……はいっ、て……きて、るっ」
指を二本揃えてゆっくりと押し込んでいく。冷たく濡れた指で熱い肉をかき分け、指を開いて穴を拡げる。淫らな水音とサンの控えめな喘ぎ声が部屋に響く。
(本番直前のこの空気感たまらんですな。ヒトさんの方もチラリ)
サンはまだ痴態と呼べるまでの姿を晒してはいないが、喘ぎ声は十二分に上げた。身体を震わせていたのも隣からならよく見えただろう。
(実弟の喘ぎ声聞いたり、そういう姿見るってどんな気分なんでしょう)
俺にとってアキは恋人としての方に比重が傾いている。会う数日前まで存在を知らず、顔を見たのも会った時、出会ってから恋人になるまで数日しかかからずその間兄弟らしいこともしなかった。だから、俺には兄弟の感覚は分からない。
(ヒトさんちゃんとこっち見てますよな?)
最強の振動で前立腺を責めるローターに、ヒトのたくましい足はビクビク跳ねて悶えている。手は胸元で何やら細かく動いている、乳首を弄っているようだ。
「んっ……ん……ふ、ぅ…………んんっ」
俺の視線に気付くとヒトは「ちゃんと言いつけを守っていますよ」とでも言いたげな顔で乳首を弄る手の動きを少しだけ激しく変える。可愛い。
「はっ……ぅ……ぁ…………ねぇ水月っ、まだ入れらんないの?」
「ゃ、イケるのはイケるんだけど……もう少しサンの中触ってたいなって。熱くて、キツくて、でも柔らかくて……ちょっと吸い付いてて、触ってるの楽しくってさ」
「んっ、う……イケるならもう入れてよぉっ」
普通「入れて」とねだるようになるには時間がかかる、かなり焦らさなければならない。しかしサンは前戯を始める前からねだっていた、もう焦らす必要もないだろう。
「ちょっと待ってね。ゴムつけるから……」
先走りの汁を軽く拭ってゴムを被せる。四つん這いの姿勢を整え直したサンの背後で膝立ちになり、彼の腰を掴む。
(……! 厚み!)
俺よりも背が高い筋肉質な男の腰には厚みがある。痩せ型のハルや低身長のミフユとは違う。細い腰を掴んだ時の興奮とは別種の興奮が湧き上がってくる。
「ふーっ…………入れるよ」
ある程度の理性は保ちたい。気持ちを落ち着けるため深く息を吐き、尻の割れ目に陰茎を這わせる。
「うん……あっ、ちょっと待って」
「えっ? う、うん……」
どうしたんだろう、直前で尻込みするような性格ではないと思うのだが。
「ごめんね、ギリギリで」
「全然いいけど、どうしたの?」
「ちょっとね…………いぇーい兄貴~! 見てる~? 今から水月に抱かれま~す! 順番通り~、ボクが先ぃ~!」
「……そんなNTRビデオレターみたいな」
「何? それ」
「知らなくていぇーい見てる~とか言えるもんなんだ人間って」
ちょっと興奮が冷めた。助かる。これで本能に任せて激しくし過ぎる可能性が少し下がった。
「いいよ、入れて」
「うん……」
「雰囲気ぶち壊しでしょう」
「うるさい、一人でオナってろ」
「はぁ……鳴雷さん、こんな雰囲気ブレイカーよりやっぱり私を抱きませんか?」
「ボクが先なんだってば! ここまで来てまだ言う?」
「あなたが雰囲気ぶち壊して意味の分からない煽りを言うからでしょう!」
「はぁ!?」
「ごめんもう入れていいかな本当にさぁ!」
「あっごめんごめん……コホンっ、来て、水月」
咳払いをし、今まで一度も聞いたことのない可愛こぶった声で俺を誘う。ヒトはそんなあからさまなものでは……と呆れた様子だが、俺は単純なので簡単に興奮の度合いが最高潮へと戻ってしまった。
「はぁ……本当、綺麗な髪」
ヒトが伸ばせと命令し、髪に使う物を決め、育て守ってきたらしい黒髪。頻繁にサンの家に泊まるフタが乾かしてやったり、櫛を通すことも多いらしい黒髪。三兄弟の絆を感じられるこの美しい黒髪を堪能する権利が、俺に与えられている。
「…………最高」
「水月はボクの髪好きだねぇ」
「うん、すごく好き……髪だけじゃないけどさ」
プレゼントの包装紙を丁寧に剥がすようにワクワクとトキメキをお供にしてゆっくりと髪を分け、広げ、倶利伽羅龍の刺青が彫られた背中を露わにする。
「背中も綺麗だよ。筋肉の付き方とかさ、広さとか……何よりこの刺青、すごく好き」
肩甲骨から脇腹へ、そっと撫で下ろしていく。
「んっ……くすぐったいよ~、その触り方やだ。撫でるんならもっとしっかり触って」
じっとこちらを睨みつける倶利伽羅龍、その迫力に息を呑む。サンの白い瞳と目が合うことはないのに、この龍とは目が合っている気がする。
「すべすべ……」
「彫ると産毛なくなるからかな~?」
するすると下ろしていった手が尻に着いてしまった。同級生の彼氏達ほどのハリはないが、体格ゆえか筋肉質ゆえかずっしりと重量感のある尻に指を沈めていく。
「ん……」
「はぁあもっちもち、やっべぇもっちもち」
「……水月ぃ、揉んでもらってもボクそんなに気持ちよくないんだけど~」
「もちもちもちもち……えっ? あっ、ごめん! すごいんだこれ、もっちもちで」
「自分のだから分かるよ。ほら水月、そんなにもちもち言うんだったらおもちみたいに硬いので突いてよ。もっと柔らかく美味しくなるよ?」
サンは人差し指と中指でピースサインを作るように尻の割れ目を開いた。割れ目までは刺青は彫られておらず、サンの本来の肌が、赤らんだ肌が見えた。肌を黒く染めた刺青のせいなのか、何だか何も彫っていない子以上に見てはいけないものを見てしまったという感覚が強い。
「は、はい! 突きます!」
「敬語使わなくてていいってば~、ふふふ……初めて家まで会いに行った時に言ったねぇこれ。水月、なかなか敬語外さなくてさ~……」
楽しげに思い出を語るサンの背後で、ローションを右手に絡める。指を擦り合わせて慣れたぬめりを確認し、サンの後孔へ恐る恐る手を近付けた。
「ひっ……ぅー…………冷たいんだよねぇ、それ……んっ、ぁ……んんっ……はいっ、て……きて、るっ」
指を二本揃えてゆっくりと押し込んでいく。冷たく濡れた指で熱い肉をかき分け、指を開いて穴を拡げる。淫らな水音とサンの控えめな喘ぎ声が部屋に響く。
(本番直前のこの空気感たまらんですな。ヒトさんの方もチラリ)
サンはまだ痴態と呼べるまでの姿を晒してはいないが、喘ぎ声は十二分に上げた。身体を震わせていたのも隣からならよく見えただろう。
(実弟の喘ぎ声聞いたり、そういう姿見るってどんな気分なんでしょう)
俺にとってアキは恋人としての方に比重が傾いている。会う数日前まで存在を知らず、顔を見たのも会った時、出会ってから恋人になるまで数日しかかからずその間兄弟らしいこともしなかった。だから、俺には兄弟の感覚は分からない。
(ヒトさんちゃんとこっち見てますよな?)
最強の振動で前立腺を責めるローターに、ヒトのたくましい足はビクビク跳ねて悶えている。手は胸元で何やら細かく動いている、乳首を弄っているようだ。
「んっ……ん……ふ、ぅ…………んんっ」
俺の視線に気付くとヒトは「ちゃんと言いつけを守っていますよ」とでも言いたげな顔で乳首を弄る手の動きを少しだけ激しく変える。可愛い。
「はっ……ぅ……ぁ…………ねぇ水月っ、まだ入れらんないの?」
「ゃ、イケるのはイケるんだけど……もう少しサンの中触ってたいなって。熱くて、キツくて、でも柔らかくて……ちょっと吸い付いてて、触ってるの楽しくってさ」
「んっ、う……イケるならもう入れてよぉっ」
普通「入れて」とねだるようになるには時間がかかる、かなり焦らさなければならない。しかしサンは前戯を始める前からねだっていた、もう焦らす必要もないだろう。
「ちょっと待ってね。ゴムつけるから……」
先走りの汁を軽く拭ってゴムを被せる。四つん這いの姿勢を整え直したサンの背後で膝立ちになり、彼の腰を掴む。
(……! 厚み!)
俺よりも背が高い筋肉質な男の腰には厚みがある。痩せ型のハルや低身長のミフユとは違う。細い腰を掴んだ時の興奮とは別種の興奮が湧き上がってくる。
「ふーっ…………入れるよ」
ある程度の理性は保ちたい。気持ちを落ち着けるため深く息を吐き、尻の割れ目に陰茎を這わせる。
「うん……あっ、ちょっと待って」
「えっ? う、うん……」
どうしたんだろう、直前で尻込みするような性格ではないと思うのだが。
「ごめんね、ギリギリで」
「全然いいけど、どうしたの?」
「ちょっとね…………いぇーい兄貴~! 見てる~? 今から水月に抱かれま~す! 順番通り~、ボクが先ぃ~!」
「……そんなNTRビデオレターみたいな」
「何? それ」
「知らなくていぇーい見てる~とか言えるもんなんだ人間って」
ちょっと興奮が冷めた。助かる。これで本能に任せて激しくし過ぎる可能性が少し下がった。
「いいよ、入れて」
「うん……」
「雰囲気ぶち壊しでしょう」
「うるさい、一人でオナってろ」
「はぁ……鳴雷さん、こんな雰囲気ブレイカーよりやっぱり私を抱きませんか?」
「ボクが先なんだってば! ここまで来てまだ言う?」
「あなたが雰囲気ぶち壊して意味の分からない煽りを言うからでしょう!」
「はぁ!?」
「ごめんもう入れていいかな本当にさぁ!」
「あっごめんごめん……コホンっ、来て、水月」
咳払いをし、今まで一度も聞いたことのない可愛こぶった声で俺を誘う。ヒトはそんなあからさまなものでは……と呆れた様子だが、俺は単純なので簡単に興奮の度合いが最高潮へと戻ってしまった。
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