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顔に反した面倒な性格
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ダンス修行を終え、二人三脚の練習を少しして、今日の体育祭の練習は終わり。三、四時間目からは行儀よく椅子に座って授業を受けなければならない。
(日本史A、現国ですか。現国は割と得意教科でそ)
十二薔薇は名門校だけあって教師の質も良く、眠ってしまいがちな体育後の歴史の授業も楽しく受けられることが多い。中々興味を唆る話し方をしてくれるのだ、俺は日本史を元にしたゲームやアニメにハマったこともあるし、そもそも物語なら何でも一応聞いてはみたくなる。ただ年表を棒読みするだけの授業でないのは、俺にとって幸運だ。
「…………なんですか?」
教師の目を盗んで振り返ると、真面目にノートを取っていたシュカが怪訝な顔をした。
「……リュウ起きてるか?」
「寝てます」
シュカは僅かに身体を横にズラし、机に突っ伏して眠っているリュウの姿を俺に見せた。ちなみにリュウの隣のハルは、机の上にメイク道具を広げ、鏡を見ながらメイク直しをしていた。汗で化粧が崩れでもしたのかな。
「しょうがないヤツだな……」
俺は黒板に向き直り、板書を続けつつ左手でポケットをまさぐった。朝、リュウから預かったリモコンを掴み、手探りでスイッチを入れる。
「んっ……!?」
ガタンッ、と椅子の足が床に勢いよくぶつかる音がした。
「……アレがジャーキングだ。保健体育はどうか知らんが、日本史のテストには出ない。出るのはこっち、よく聞いとけー」
リュウが集めた視線を一瞬で奪い返した教師は授業を再開した。
「ふっ、ぅ……んっ……んん……」
英語の時間などは教室も騒がしくバイブの音もリュウの吐息も気にならないが、特に静かな日本史の時間はそれらが目立つ。振動を最低まで弱めてみる。
「…………っ、ふーっ……ぅ……ん、ぅう……」
それでもリュウの呼吸は不規則だが、目立たなくはなった。ローターならともかく、後孔をみっちりと埋め尽くしたバイブが微かにでも震えていれば、起きていても授業は聞けないかもしれないな。
三、四時間目と授業を乗り越えて、学校で一番楽しみにしている昼休み。快適な生徒会室で愛情と栄養と旨味たっぷりのお弁当を受け取る。
「ありがとうございます! ミフユさん、毎日の楽しみなんです。ふへへ幸せの重み~」
ずっしりとしたお弁当の中身は、どれも手間のかかる美味しい料理ばかり。ミフユからの愛情を深く強く感じる。
「いただきまーす」
示し合わせることなく声を揃えて手を合わせ、箸を持つ。
「ね~しゅー、昨日何したの~? しゅーが自分からみっつんの休み狙うとか~、激レアじゃん! どんなデートしたの~?」
「シ足りなかったのでヤっただけですよ」
「え~……みっつんそうなの~?」
「……あぁ、最高のひと時だったよ」
シュカは昨日のことを隠したがるだろうから、協力しておいてやろう。
「そうそう、シュカバイクの免許取っててさ、見せてもらったよ。黒くてカッコイイの買ったんだよな」
「そうなの~? 見たい見た~い、写真とかないの~?」
「ありません」
「撮ってきてよ~」
俺が金を出したことは黙っていた方がいいだろう。あんな高い買い物、みんなにねだられたら破産する。
「水月ぃ、今日の……えー、三時間目、三時間目や、急に動かしよって……」
「寝てたから起こしてやったんだろ?」
「びっくりしたがな。声押さえんの大変やったし」
「静かだったからなぁ……興奮したんだろ? このマゾ豚」
「……へへっ」
返事変わりの淫らな笑顔。そろそろリュウを抱きたい、いや、まだ焦らすか? 数日バイブだけで、挿入はもちろん愛撫もなし、軽く話す程度でほぼ放置して悶々とさせて寂しくさせて、心身共に熟したところを……!
(うん! イイ! まだまだ余裕がありそうなので、収穫はもう少し待ちまそ~)
下腹の切なさに耐え切れず、リュウの方から俺にねだるようになってからが本番だ。来週以降になりそうだな。
「鳴雷一年生、繰言二年生とは話せたか?」
「メッセージでは一応……っていうかミフユさん、セイカには教えないでって言ったじゃないですか」
「むっ……気付いたか。すまん、やはり数が居た方がいいかと思ってな」
セイカの方から紹介を頼んだことは監視アプリで分かっている。セイカを庇うか、まぁそうするよな、ミフユなら。そういうところが好きだ。
「…………まぁ、別にいいですけど」
「そう妬まずとも狭雲一年生は貴様から乗り換えたりなどせんだろう」
「そういう問題じゃ、ない……」
「……本気で落ち込んでいるようだな。そんなに面倒臭い性格とは思わっ、いや、そんなに傷付けるとは思わなかった。すまない。狭雲一年生、頼んでおいて悪いが……あまり、話さないでやってくれ」
そんなに面倒臭い性格とは思わなかったって言いかけたな、ミフユめ。嫉妬深いのはこの顔には似合わないのだろうか、最近キモオタ感が漏れている気がするし改めてキャラを練り直さないと。
(日本史A、現国ですか。現国は割と得意教科でそ)
十二薔薇は名門校だけあって教師の質も良く、眠ってしまいがちな体育後の歴史の授業も楽しく受けられることが多い。中々興味を唆る話し方をしてくれるのだ、俺は日本史を元にしたゲームやアニメにハマったこともあるし、そもそも物語なら何でも一応聞いてはみたくなる。ただ年表を棒読みするだけの授業でないのは、俺にとって幸運だ。
「…………なんですか?」
教師の目を盗んで振り返ると、真面目にノートを取っていたシュカが怪訝な顔をした。
「……リュウ起きてるか?」
「寝てます」
シュカは僅かに身体を横にズラし、机に突っ伏して眠っているリュウの姿を俺に見せた。ちなみにリュウの隣のハルは、机の上にメイク道具を広げ、鏡を見ながらメイク直しをしていた。汗で化粧が崩れでもしたのかな。
「しょうがないヤツだな……」
俺は黒板に向き直り、板書を続けつつ左手でポケットをまさぐった。朝、リュウから預かったリモコンを掴み、手探りでスイッチを入れる。
「んっ……!?」
ガタンッ、と椅子の足が床に勢いよくぶつかる音がした。
「……アレがジャーキングだ。保健体育はどうか知らんが、日本史のテストには出ない。出るのはこっち、よく聞いとけー」
リュウが集めた視線を一瞬で奪い返した教師は授業を再開した。
「ふっ、ぅ……んっ……んん……」
英語の時間などは教室も騒がしくバイブの音もリュウの吐息も気にならないが、特に静かな日本史の時間はそれらが目立つ。振動を最低まで弱めてみる。
「…………っ、ふーっ……ぅ……ん、ぅう……」
それでもリュウの呼吸は不規則だが、目立たなくはなった。ローターならともかく、後孔をみっちりと埋め尽くしたバイブが微かにでも震えていれば、起きていても授業は聞けないかもしれないな。
三、四時間目と授業を乗り越えて、学校で一番楽しみにしている昼休み。快適な生徒会室で愛情と栄養と旨味たっぷりのお弁当を受け取る。
「ありがとうございます! ミフユさん、毎日の楽しみなんです。ふへへ幸せの重み~」
ずっしりとしたお弁当の中身は、どれも手間のかかる美味しい料理ばかり。ミフユからの愛情を深く強く感じる。
「いただきまーす」
示し合わせることなく声を揃えて手を合わせ、箸を持つ。
「ね~しゅー、昨日何したの~? しゅーが自分からみっつんの休み狙うとか~、激レアじゃん! どんなデートしたの~?」
「シ足りなかったのでヤっただけですよ」
「え~……みっつんそうなの~?」
「……あぁ、最高のひと時だったよ」
シュカは昨日のことを隠したがるだろうから、協力しておいてやろう。
「そうそう、シュカバイクの免許取っててさ、見せてもらったよ。黒くてカッコイイの買ったんだよな」
「そうなの~? 見たい見た~い、写真とかないの~?」
「ありません」
「撮ってきてよ~」
俺が金を出したことは黙っていた方がいいだろう。あんな高い買い物、みんなにねだられたら破産する。
「水月ぃ、今日の……えー、三時間目、三時間目や、急に動かしよって……」
「寝てたから起こしてやったんだろ?」
「びっくりしたがな。声押さえんの大変やったし」
「静かだったからなぁ……興奮したんだろ? このマゾ豚」
「……へへっ」
返事変わりの淫らな笑顔。そろそろリュウを抱きたい、いや、まだ焦らすか? 数日バイブだけで、挿入はもちろん愛撫もなし、軽く話す程度でほぼ放置して悶々とさせて寂しくさせて、心身共に熟したところを……!
(うん! イイ! まだまだ余裕がありそうなので、収穫はもう少し待ちまそ~)
下腹の切なさに耐え切れず、リュウの方から俺にねだるようになってからが本番だ。来週以降になりそうだな。
「鳴雷一年生、繰言二年生とは話せたか?」
「メッセージでは一応……っていうかミフユさん、セイカには教えないでって言ったじゃないですか」
「むっ……気付いたか。すまん、やはり数が居た方がいいかと思ってな」
セイカの方から紹介を頼んだことは監視アプリで分かっている。セイカを庇うか、まぁそうするよな、ミフユなら。そういうところが好きだ。
「…………まぁ、別にいいですけど」
「そう妬まずとも狭雲一年生は貴様から乗り換えたりなどせんだろう」
「そういう問題じゃ、ない……」
「……本気で落ち込んでいるようだな。そんなに面倒臭い性格とは思わっ、いや、そんなに傷付けるとは思わなかった。すまない。狭雲一年生、頼んでおいて悪いが……あまり、話さないでやってくれ」
そんなに面倒臭い性格とは思わなかったって言いかけたな、ミフユめ。嫉妬深いのはこの顔には似合わないのだろうか、最近キモオタ感が漏れている気がするし改めてキャラを練り直さないと。
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