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腕の中にある安眠
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閉め切ったカーテンがぼんやりと光っている。いや違う、朝日が透けているのだ。
「…………ぁ?」
白み始めた窓の外が見えて考えなくても朝が来たと分かる。チュンチュンと鳴く鳥の声が俺を正気に戻した。ゆっくりと起き上がり、腰を引く。
「んっ……」
「ぅ、あっ? ぁ、あ、ひっ……! ぅ、う」
陰茎に絡みつく熱い肉の快感に思わず声が漏れた。俺の身体の下に居るシュカからも喘ぎ声が聞こえる。萎えた陰茎を最後まで抜き切ると、ぽっかりと拡がったままの穴からごぽぽっと精液が溢れ出した。
「うわ、何発分だこれ……」
小ぶりで筋肉質な尻の弾力ある肉を掴み、後孔を更に拡げると湧き水のように白濁液が流れてくる。
「…………シュカ、シュカ」
このまま尻を見ていたら睡姦に突入してしまう。シュカ相手にそんなことをすれば命はない。俺は彼の肩を揺すった。
「ん、ぅ……みつき、と……朝までヤる夢……見た」
「事実だ、もう朝だぞ」
「んぁ……? あー……明るい。オレぁ、別に……灯り消せとか、おぼこいこと言わねぇ……」
「朝なの! 電気消しても点けても明るいの! 寝ぼけてるのはめちゃくちゃ可愛いけどしっかりしてくれ、葉子さんが起きる前にシャワー浴びちゃわないとまずい! 葉子さんは俺の彼氏レイだけだと思ってんだよぉ……」
手をシーツで拭い、着替えを漁る俺の背後でシュカが寝返りを打つ。身体を横向きに寝かせた彼は眉間に皺を寄せて俺を見つめる。
「シュカ、着替えこれでいいかな。パンツは彼氏が泊まった時用に新品用意してあるから心配しないでくれ」
「水月……? 水月が、ブレてる……水月以外も……ぅ、気持ち悪……」
「眼鏡どこに置いてきたんだよ! もぉ~、とりあえず風呂入るぞ!」
俺はシュカの手を引いて立ち上がらせようとしたが、一晩中俺に抱かれ続けた彼の足腰は酷く震えていた。
「膝ガックガク……超エロいよシュカぁ~」
「うるさい……運べ……」
「壁に手つかないと立ってらんないのに態度デカくて可愛いね。抱っこしたげる」
「誰が姫抱きなんかしろっつった! おぶれってっ……!?」
「っぶな! 汗とか精液とかで全身ヌルヌルしてるんだから暴れるなよ危ないなぁ……」
一度落としかけるとシュカは大人しくなり、素直に俺にお姫様抱っこで運ばれてくれた。不満そうな顔はしていたけれど。
「さっさと身体洗っちゃおう。シュカ、一人で出来るか?」
「出来ますよ。あなたが一番奥でばっかり射精したので洗浄がやや面倒臭くはありますが」
「シュカが奥に欲しいって言ったんだよ」
「言ってません、あなたが勝手に奥出ししたんです」
ツンとした態度のままシュカはシャワーヘッドに手を伸ばし、数センチ手前で何かを握るような動作をした。
「シュカ? 届かないのか?」
「……距離感掴めなかっただけですよ」
シュカは傷跡がある方の目を閉じてシャワーを掴み直した。顔を切られた際に眼球まで傷付き、視力が酷く下がったと以前聞かされたが、左右の視力の差で遠近感が狂っている瞬間を見られたのはレアだ。不憫だけれど可愛かった。
「水月、どうせ二人いっぺんにはシャワーを浴びられないんですから洗浄中くらいは出ていってくれませんか? 恥ずかしいので」
軽く汗を流したシュカは足の間にシャワーを持っていく途中で手を止め、素直にそう言ってくれた。
「あぁ、悪い気が利かなくて。先に精液だけ流しといていいか? 部屋の片付けしておくから、終わったら俺の部屋戻ってきてくれ」
「聞き分けがいいですね、見せろと騒ぐかと思っていましたよ」
渡してくれたシャワーで陰茎や内腿に付着した精液を洗い流す。乾いた分には爪を立てた。
「見たいんだけどな、シュカ相手に駄々こねても通ること少ないから、シュカが素直に言ってくれた時くらいは引き下がろうかなって。何より、今日は急いでるし」
「今日だけでなく普段からそうするといいですよ」
からかうようにそう言ったシュカにシャワーを返し、ひとまず浴室を出て身体の水気を取り、腰にタオルだけ巻いて自室に帰った。
精液が染み込んだシーツを剥がし、マットが湿ってはいないことを確認したら部屋全体に消臭スプレーをかける。シーツを洗面所で洗って洗濯機に入れ、一息ついた。
「……サキヒコくん居る?」
返事はない。ミタマと共にアキの部屋に居るか、散歩中かのどちらかだろう。俺は独り言を言ってしまった恥ずかしさを抱えたまま、部屋でシュカを待った。
「さっぱりしました」
壁に手をついてゆっくりと歩いてきたらしいシュカは、ぷるぷるとチワワのように足を震わせて風呂の感想を簡潔に語った。
「消臭剤臭いですね」
「さっきかけたからな。これでイカ臭くなくなったろ。じゃ、俺風呂入ってくる」
「……ええ、行ってらっしゃい」
俺の部屋着に身を包み、ベッドに腰を下ろしたシュカは、片目を閉じたまま手を振った。
「本当に眼鏡どこに置いたんだ?」
「場所は分かってますからお気になさらず」
「ならいいけど……気を付けろよ」
「はい」
手を振り返し、浴室へ。髪と身体を完璧に清めて部屋に戻ると、シュカはシーツもまだ敷いていないベッドに身を横たえていた。近付けば寝息が聞こえてくる。
「……ふふ」
思えば昨日から眠いと語っていた。朝まで付き合わせて悪かったかな。
「おやすみ、シュカ」
隣に寝転がり、くったりとした身体を抱き寄せる。腕枕をしてやり、頭を撫で、俺も目を閉じた。
「水月……?」
眠ろうと目を閉じてしばらく、シュカが目を覚ました。
「…………水月」
返事が欲しい訳ではなさそうだ。とはいえ可愛いので自然と腕の力が増す、シュカをより強く抱き締める。
「水月……」
シュカの腕が背に回る。俺の胸に頬を擦り寄せたシュカは噛み締めるように俺の名を呼んだ。ほどなくしてまた規則的な寝息が聞こえ始める、俺の腕の中で安心して眠ってくれている喜びに自然と頬が緩んだ。
「…………ぁ?」
白み始めた窓の外が見えて考えなくても朝が来たと分かる。チュンチュンと鳴く鳥の声が俺を正気に戻した。ゆっくりと起き上がり、腰を引く。
「んっ……」
「ぅ、あっ? ぁ、あ、ひっ……! ぅ、う」
陰茎に絡みつく熱い肉の快感に思わず声が漏れた。俺の身体の下に居るシュカからも喘ぎ声が聞こえる。萎えた陰茎を最後まで抜き切ると、ぽっかりと拡がったままの穴からごぽぽっと精液が溢れ出した。
「うわ、何発分だこれ……」
小ぶりで筋肉質な尻の弾力ある肉を掴み、後孔を更に拡げると湧き水のように白濁液が流れてくる。
「…………シュカ、シュカ」
このまま尻を見ていたら睡姦に突入してしまう。シュカ相手にそんなことをすれば命はない。俺は彼の肩を揺すった。
「ん、ぅ……みつき、と……朝までヤる夢……見た」
「事実だ、もう朝だぞ」
「んぁ……? あー……明るい。オレぁ、別に……灯り消せとか、おぼこいこと言わねぇ……」
「朝なの! 電気消しても点けても明るいの! 寝ぼけてるのはめちゃくちゃ可愛いけどしっかりしてくれ、葉子さんが起きる前にシャワー浴びちゃわないとまずい! 葉子さんは俺の彼氏レイだけだと思ってんだよぉ……」
手をシーツで拭い、着替えを漁る俺の背後でシュカが寝返りを打つ。身体を横向きに寝かせた彼は眉間に皺を寄せて俺を見つめる。
「シュカ、着替えこれでいいかな。パンツは彼氏が泊まった時用に新品用意してあるから心配しないでくれ」
「水月……? 水月が、ブレてる……水月以外も……ぅ、気持ち悪……」
「眼鏡どこに置いてきたんだよ! もぉ~、とりあえず風呂入るぞ!」
俺はシュカの手を引いて立ち上がらせようとしたが、一晩中俺に抱かれ続けた彼の足腰は酷く震えていた。
「膝ガックガク……超エロいよシュカぁ~」
「うるさい……運べ……」
「壁に手つかないと立ってらんないのに態度デカくて可愛いね。抱っこしたげる」
「誰が姫抱きなんかしろっつった! おぶれってっ……!?」
「っぶな! 汗とか精液とかで全身ヌルヌルしてるんだから暴れるなよ危ないなぁ……」
一度落としかけるとシュカは大人しくなり、素直に俺にお姫様抱っこで運ばれてくれた。不満そうな顔はしていたけれど。
「さっさと身体洗っちゃおう。シュカ、一人で出来るか?」
「出来ますよ。あなたが一番奥でばっかり射精したので洗浄がやや面倒臭くはありますが」
「シュカが奥に欲しいって言ったんだよ」
「言ってません、あなたが勝手に奥出ししたんです」
ツンとした態度のままシュカはシャワーヘッドに手を伸ばし、数センチ手前で何かを握るような動作をした。
「シュカ? 届かないのか?」
「……距離感掴めなかっただけですよ」
シュカは傷跡がある方の目を閉じてシャワーを掴み直した。顔を切られた際に眼球まで傷付き、視力が酷く下がったと以前聞かされたが、左右の視力の差で遠近感が狂っている瞬間を見られたのはレアだ。不憫だけれど可愛かった。
「水月、どうせ二人いっぺんにはシャワーを浴びられないんですから洗浄中くらいは出ていってくれませんか? 恥ずかしいので」
軽く汗を流したシュカは足の間にシャワーを持っていく途中で手を止め、素直にそう言ってくれた。
「あぁ、悪い気が利かなくて。先に精液だけ流しといていいか? 部屋の片付けしておくから、終わったら俺の部屋戻ってきてくれ」
「聞き分けがいいですね、見せろと騒ぐかと思っていましたよ」
渡してくれたシャワーで陰茎や内腿に付着した精液を洗い流す。乾いた分には爪を立てた。
「見たいんだけどな、シュカ相手に駄々こねても通ること少ないから、シュカが素直に言ってくれた時くらいは引き下がろうかなって。何より、今日は急いでるし」
「今日だけでなく普段からそうするといいですよ」
からかうようにそう言ったシュカにシャワーを返し、ひとまず浴室を出て身体の水気を取り、腰にタオルだけ巻いて自室に帰った。
精液が染み込んだシーツを剥がし、マットが湿ってはいないことを確認したら部屋全体に消臭スプレーをかける。シーツを洗面所で洗って洗濯機に入れ、一息ついた。
「……サキヒコくん居る?」
返事はない。ミタマと共にアキの部屋に居るか、散歩中かのどちらかだろう。俺は独り言を言ってしまった恥ずかしさを抱えたまま、部屋でシュカを待った。
「さっぱりしました」
壁に手をついてゆっくりと歩いてきたらしいシュカは、ぷるぷるとチワワのように足を震わせて風呂の感想を簡潔に語った。
「消臭剤臭いですね」
「さっきかけたからな。これでイカ臭くなくなったろ。じゃ、俺風呂入ってくる」
「……ええ、行ってらっしゃい」
俺の部屋着に身を包み、ベッドに腰を下ろしたシュカは、片目を閉じたまま手を振った。
「本当に眼鏡どこに置いたんだ?」
「場所は分かってますからお気になさらず」
「ならいいけど……気を付けろよ」
「はい」
手を振り返し、浴室へ。髪と身体を完璧に清めて部屋に戻ると、シュカはシーツもまだ敷いていないベッドに身を横たえていた。近付けば寝息が聞こえてくる。
「……ふふ」
思えば昨日から眠いと語っていた。朝まで付き合わせて悪かったかな。
「おやすみ、シュカ」
隣に寝転がり、くったりとした身体を抱き寄せる。腕枕をしてやり、頭を撫で、俺も目を閉じた。
「水月……?」
眠ろうと目を閉じてしばらく、シュカが目を覚ました。
「…………水月」
返事が欲しい訳ではなさそうだ。とはいえ可愛いので自然と腕の力が増す、シュカをより強く抱き締める。
「水月……」
シュカの腕が背に回る。俺の胸に頬を擦り寄せたシュカは噛み締めるように俺の名を呼んだ。ほどなくしてまた規則的な寝息が聞こえ始める、俺の腕の中で安心して眠ってくれている喜びに自然と頬が緩んだ。
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