冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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搾り取るモノ

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半ば催眠下にあるように、けれど確かに自分の意思で、頭をふわふわとさせたまま俺は「しゃぶってください」と情けない声で囁いた。

「……承った」

口の端が耳まで吊り上がるような不気味な笑みを浮かべ、ミタマはその場に膝をついて俺の腰に両手を添えた。くつくつと笑いながら裏筋に顔を擦り付け、根元に鼻を押し付けてスンスンと鼻を鳴らし、長い舌を伸ばして陰嚢を舐め転がした。

「はぁ……雄臭いのぅ、たまらん……」

細長い舌の上に乗せられて、飴玉を転がすように弄ばれる俺の陰嚢。陰茎に半分隠れたミタマの顔。先走りの汁がどんどん溢れて金色の髪が汚れていく。

「知っとるか、妖狐は人間の精を渇望しとるのじゃ。雄も雌も関係なく狐は美女に化け男から精を搾り取るのじゃよ」

はむ、と陰茎を唇だけで甘噛みし、ミタマは恍惚とした笑顔を俺に見せつける。

「狐の、えっちさはっ……古今東西、全人類が知ってるよ」

「……ククッ、そうか」

「でもっ、コンちゃんは……付喪神だろ?」

陰嚢ばかり可愛がられて興奮が高まる一方だ、呼吸がブレてまともに言葉が紡げなくなっていく。

「生まれついての狐か、狐となるよう想いを込めて削られ狐として人間に親しまれてきた石像か、どちらがより性愛の偶像としての狐に近いか……その身体で味わうがええ」

ぱくん、と陰茎が咥えられた。他の彼氏達のように嘔吐くことなく、何の引っかかりもなく、ミタマは俺の陰茎を根元まで喉に納めた。

「んっ……くふふ…………ろうじゃ? みっひゃん、わひのくひ、きもひよかろ?」

「……っ、喋んないでぇ……!」

ぬるぬると絡み付く長い舌、吸い付く喉の粘膜壁、それらが声に合わせて微かに震える。あまりにも強過ぎる快感に情けない声で懇願してしまった。

「ん……ぅ、は、ぁっ……気持ちいい、すごいっ……ぁ、だめ、もう出るっ、くっ……! ぅ、ふぅう……」

柔らかく弾力のある肉に絡み付かれ揉みしだかれ、呆気なく射精に至った。ミタマは笑みを保ったまま俺の精液を全て飲み干し、口元を拭いながら立ち上がった。

「ごちそうさま、なのじゃ」

「はぁ、はぁ……ど、どこでこんなフェラテクを……コンちゃん、経験豊富だったりするの?」

「腰砕けになるほどワシは上手かったか? この変化はヌシの好みを占って作ったんじゃ、ヌシは床上手な男が好みなんじゃな」

「まぁ好きだけど……不慣れな子も同じくらい萌えるって言うか。え、何……コンちゃんが経験で得たテクニックじゃなくて、変身すると変身したものに合わせたスキルが手に入る感じなの?」

「……? よぅ分からん話じゃな」

「タピオカ知ってるのにゲーム的な言い方は伝わんないのか……」

サキヒコは現代知識が全くないことが分かっているが、ミタマは「タピる」とか言っていたから分からない。中途半端だ。どこまで話が通じるんだ?

(誰か神社でタピオカミルクティー飲んだんでしょうか)

シャワーを終え、寝台列車で眠れるよう楽な服装に着替え、髪を乾かし、ミタマにぬいぐるみに変化してもらって脱衣所を出た。

「お待たせ~、帰る準備出来たか?」

「ぁ、鳴雷おかえり。準備、出来た……ふわぁ」

「ふふ、眠いか? セイカ」

「んー……」

瞳に傷がつくからと目を擦るのをやめさせ、瞼の上からキスをする。セイカは頬を赤らめ、ジトっとした目をしっかり開いて俺を睨んだ。

「寝台列車だぞ、テンション上がらないか?」

「よく分かんないけど……電車の揺れ、たまに眠くなるから……気持ちよさそう」

眠気でぽやんとしているセイカの緩い返事がたまらなく可愛らしい。

「ミツキ、風呂に入る前に脱いだ服を忘れていないか」

「あっ! 服……ごめんありがとう!」

脱衣所に置きっぱなしにしていた服を取り、部屋中を再度確認して忘れ物がないことを確信してから鞄を閉じた。

「パンパンだ……」

「服ちゃんと畳んでないんじゃないのか」

リュウにもらった身代わり人形がなかなか場所を取っているのだ。服を畳むのをサボったとかじゃない、決して……適当に丸めた服から目を逸らした。

「じゃ、チェックアウトするか。セイカどうする? 歩く? 車椅子乗る?」

「歩く……」

車椅子には荷物を乗せ、俺達はエレベーターに乗って一階に降りた。チェックアウトの手続きを済ませ、夜の街へと一歩踏み出した。

「……なんか夜に外出るのってテンション上がらないか?」

「ちょっと分かる……でも、眠い」

《何も見えねぇ》

「秋風が何も見えないって」

「サングラス外せよ」

「……この辺キラキラしてる看板多いから無理だって」

住宅街の家から漏れる柔い光や街灯とは違い、ホテルから駅までの道は夜も活気に溢れビカビカと下品に輝く看板が目立っている。

「あー……確かに俺でもちょっと眩しいんだから、アキはキツいよなぁ。そっか、じゃあお兄ちゃんと手繋いで行こうか」

手を差し伸べながらセイカの翻訳を待っていると、翻訳を聞き切る前にアキは俺の手を握った。聞き終えると満面の笑顔で「だ!」と返事をしてくれた。

「かわゆいぃ……! アキもう「だ」くらいは俺に伝わるの分かってるよな?」

「はい、いいえ、おはよう、おいしい、ありがとう、この五つは主要な国の言語全部でくらいは分かるようになっといた方がいいぞ」

「ダ、ニェト、おはよう分からん……美味しい、美味しい? ふく……何とか。ありがとうは……えー……すぱしーば? はらしょーは……違うか」

「海外旅行行った時に一番大事なのは「トイレはどこですか」らしいぞ」

「……はは、確かに。初めて来た街で腹壊したら絶望もんなのに、他所の国となりゃあもう、色々と覚悟するよな……人間の尊厳を捨て去ることとか」

そんな話をしているうちに駅に着いた。サングラスをしていても眩しいものは眩しいのか、駅構内でアキはずっと顰めっ面だった。

「一回大阪戻って寝台列車に乗るんだ。京都からも出てりゃよかったのになぁ、寝台列車」

「ふわぁ……わふ…………んん、眠い……ごめん、聞いてなかった……眠くて」

「もうちょっと頑張ってくれ」

「ん~……」

夜遅くに走っている電車は人気が少なく、席に座ることが出来た。荷物を網棚に乗せ、畳んだ車椅子をしっかりと持ち、眠ってしまったセイカに肩を貸す。

「ミツキ、ミツキ大変だ、クマ殿が落ちてしまう!」

「手ぇ足りないよぉ……!」

セイカが抱えているテディベアを支える役目も追加された。休憩でもあるはずの電車移動の時間も俺は忙しかった。
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