冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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ハンバーガーショップでお喋り

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像の修理に時間がかかり、昼食を食べ損ねてしまっていたので今食べようとハルの要望に合わせてハンバーガーショップへ向かった。

「ハル、そんなに食べて夕飯大丈夫か?」

昼食を食べるべきだった時間よりも夕飯の時間の方が近いので、俺は小さめのバーガーだけを頼んだが、ハルは二段のバーガーと多めのポテト、それからデザートとしてチョコパイも頼んでいる。

「大丈夫大丈夫、大丈夫じゃなかったら晩ご飯減らすし」

「ハンバーガーより夕飯優先しろよ……」

「だってばぁちゃんの飯、味めっちゃ薄いんだもん。俺和食ってあんま好きじゃないし……それならみっつんと一緒に楽しく幸せに食べれるバーガー増やすよ」

「そう言ってもらえると悪い気はしないけどさぁ」

「みっつんこそそれだけで足りるの?」

「朝食がバイキングで結構食べたからな……夕飯も夜景の見えるところでロマンチックにご馳走をって感じだし、昼は抜いてもいいくらいだったんだ」

「ふーん……みっつんゴツいのに意外と食べないよね」

太りやすいから常に食事制限中なんだ。と正直には言えない。カロリー管理を母にやってもらっているということも含めてカッコ悪い。

「…………あんまり運動しないからかな?」

「筋肉あるじゃん」

「筋トレはしてるから」

「なんか違うの~?」

痩せている子は家の中でもいちいち立って動いたりするし、そもそも姿勢がいい。俺は部屋では基本寝転がっているし、ゲーム機やティッシュを取る時も寝転がった姿勢のままだ。寝返りを打って移動し、限界まで腕を伸ばす。そして腕や足を攣って叫ぶ……

「違うと思うなぁやっぱり。一日何十分かだけ集中的に鍛えるのと、サッカーやバスケやってる子みたいに何時間も走りっぱなしじゃ、さぁ?」

「ふ~ん……そういえばみんな部活入ってないよね~」

「そうだなぁ……」

「しゅーはどこでカロリー使ってんのかな? 部活入ってないし、いっぱい食べてるけど太んないし」

親の介護だろうか。

「……そういう体質なんじゃないかな?」

「なんかズル~。アキくんもいっぱい食べるよね?」

「あの子趣味が筋トレだからな。一日中暇してるし」

「なる~。ってかみっつん、晩ご飯ホテルで食べるんだよね?」

「うん」

正確にはホテルの最上階にあるレストランだ。宿泊客は優先的に予約出来るのだが、母が気を回して窓際の席を取ってくれている。ありがたい話だ。

「夜景見ながらロマンチックにとか言ってたっけ~? いいなぁ~……俺もそこで食べたい……」

「三人で予約してるからなぁ……当日で席取れるかな、結構人気らしいし」

「……ダメなのは分かってるよ~。そもそも夜中に家出してもらえないしぃ~……みっつん泊めるのもダメとかさぁ~……ほんと、もぉ~、やな家~!」

歴史ある名家らしいし、厳しいのだろう。

「まぁそう言うなよ」

「近所の人みぃ~んな俺のこと知っててぇ~、霞染さんとこの嬢ちゃんって声掛けてくるし~……東京帰りた~い」

「やっぱり昔から同じとこずっと住んでると近所付き合い濃密になってくものなんだな」

「みっつん近所付き合いとかしたことないっしょ」

「いや、ついこの間引っ越してきたシングルファーザーが居るんだけどさ、その子供預かったりしたよ」

「へ~……? 男の子?」

「子供? あぁ、男の子だけど……それが何だ?」

そういえばノヴェムは今頃どうしているだろう。母は昼間居ないし、義母はもうノヴェムの面倒を見ようともしないだろうから、ノヴェムは昼間は一人寂しく過ごしているのだろう。可哀想に思えてきたな……また預かる日が来たらたっぷり遊んでやらないと。

「みっつんに男の子預けるとかヤバくない……?」

「人を犯罪者みたいに言うなよ!」

「え~……だってぇ、みっつん……手ぇ出すでしょ?」

「出さないよ! 俺ショタコンじゃないぞ……!? 確かにあの子めちゃくちゃ可愛いけど俺小学生には手ぇ出さないから!」

「必死になるところが怪しいなぁ~」

「必死にならなかったらならなかったで「えっ手ぇ出すの」ってなるだろ!?」

どうすれば疑いを晴らすことが出来るのだろう。

「なるけど……」

「出さないから! 俺のストライクゾーン同い歳からプラマイ1くらいだからな!?」

「え~? ナナさんとかは~?」

「歳はストライクゾーンじゃなかったけど見た目がゴリゴリストライクゾーンだったからな」

「……ほらぁ、歳関係ないんじゃん」

「上に行く分にはいいだろ! 年齢は歳上が気にするべきことであって、歳下はガンガンモーションかけてっていいだろ! 歳上が俺に靡くかどうかじゃん……!」

「まぁ上な分にはいいか……でもみっつんさぁ、フユさんに手ぇ出してるじゃん」

「ミフユさんは歳上!」

前にも似たようなことを叫んだ覚えがある。

「ちっちゃいからって子供扱いしちゃ失礼だぞ、俺だってちっちゃいから手ぇ出してる訳じゃないんだから」

ランドセルを背負わせてのプレイもしたことがあるけれど、本物の小学生がランドセルを背負っている至って普通の光景とは違って、高校生なのにランドセルを背負っているのはなんかこう……インモラルで興奮する。

「う~ん……みっつんが本当に手ぇ出してないか気になるから、今度その子預かる日言ってよ。みっつん監視しに行くから」

「……ちっちゃい子見たいだけだろ」

「…………バレた? アキくんでも可愛いのに小学生とか絶対めっちゃ可愛いじゃ~ん。俺ちっちゃい頃ずっと姉ちゃん達の着せ替え人形でさぁ、姉ちゃんあの頃楽しかったとか言ってたからさぁ~、ちっちゃい子と遊んでみたいんだよね~」

「はぁ……それだけなら変な疑いかけないでくれよ、心臓に悪い……」

早鐘を打っていた心臓がようやく落ち着き始めた。

「心臓に悪いってことはやっぱり」

「やめてくれってば! 俺は今の彼氏に一途なの。いや十五股しといて言うのもアレだけどさ」

「まぁみっつんが一途なのは意味分かんないけどなんか分かる気も……ん? 十五……? 増えた……? ゃ、十五人だっけ……」

指を折りながら俺の彼氏を数え始めたハルを見ながら俺は、関係を秘密にすることを約束したヒトと、俺とリュウ以外には存在すら知らせられない幽霊のサキヒコまで数に含めてしまったことに焦り、再び心拍数を上げていた。
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