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楽しく過ごしたいんだ
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サンの背中や腰を胸と腹で洗い、肉厚な尻を手で洗う。しっかりと割れ目に指を差し込んで、くちゅくちゅと音を立てる。
「……お尻触ってるとちょっとカードリーダー思い出すんだよね」
「カードシュッてやるヤツ? よく分かんないなぁその感覚」
「分かんない? そっかぁ……」
「残念そうだね? 残念がる感覚もよく分からないよ。自分にない感覚がある人、ボクはすごく好きだ。自分と同じ感覚を持ってるなら、そんなの自分だけでいいからね。だから感性がボクに似てない水月と兄貴がボクは大好きだよ」
芸術家らしい考え方だ。小市民の俺はどうしても共感を好んでしまう、けれど自分と違うものにこそ惹かれるのは本能でもある、俺の彼氏達は全員俺に似ていない。類は友を呼ぶの真逆だ。
「……ありがとう、サン。俺もサンが大好き」
「俺もサンちゃん好き~、みつきも」
ふふふ、へへへ……と照れた笑い声が浴室に響く。素晴らしい時間だ。
「あれ……じゃあサン、ヒトさん嫌いってことは、サンとヒトさんは感性似てるってことになるの?」
「アイツは感性がないんだよ。何かに対して美しいと思ったりしないんだ。他人にマウントを取りたいだけのくだらない人間だからね」
めちゃくちゃ嫌いじゃん……
「で、でもサン、ヒトさん爬虫類とか好きらしいし……何かに対して美しいって思うことはないは言い過ぎじゃないかな? 感性なかったら好きな動物とかないとおもっ」
ドンッ! と大きな音が鳴り、思わず身を縮める。心臓が早鐘を打ち、肺に空気が入らなくなる。
「…………ヒトの話はやめにしようよ」
落ち着いた声が逆に怖くて顔を上げられないでいると、俺が俯いているのなんて見えていないはずなのにサンは的確に俺の顔に触れ、頬を撫でながら顔を上げさせた。
「ね? 水月。楽しく過ごしたいんだ、ボク。楽しくない話はやめよう? ね? 水月、分かるね?」
声が出なくて、俺は激しく首を縦に振った。俺の顔に触れていて俺の頷きが分かったサンは優しい微笑みを浮かべて俺を抱き締め、頭を撫でた。
「怖がらせちゃったかな? ごめんね」
付き合い始めの頃、鎖で繋がれ監禁され包丁を突きつけられたことを思い出した。
(あぁ……そうだ、そうでした、サンさんはこういうお人でそ……)
俺は物を殴って大きな音を立てられたり、舌打ちをされたりすると心臓が騒ぎ出すけれど、フタはそうでもないらしく両手で水鉄砲を作って湯船の水を壁に飛ばして遊んでいた。
(癒されますな……)
誰かと話しているように頷いたり笑ったりしているから、サキヒコと遊んでいるのかもしれない。
「……サン」
「ん?」
「不快な思いさせて、ごめんなさい」
「分かればいいんだよ」
また頭を撫でられて気持ちと鼓動が落ち着いていく。二度とサンの前でヒトの話はしない、そう脳内メモに記した。
「水月、ほら、身体の前側も洗ってよ」
「あっ……う、うん! うへへへっ」
性欲が落ち込んだ気持ちを吹き飛ばし、俺は再びサンに抱きついた。今度は身体の前側同士を擦り合わせる。
「やっぱり後ろより好きかも」
「そう? ふふ、俺も顔を雄っぱいに擦り付けられるから前のが好きかも。でもサンの背中カッコイイからなぁ」
「男の子だもんね」
「ん……?」
大きい雄っぱいが好きということだろうか。俺はちっぱいも好きだが。
「ドラゴン好きなんだろ?」
「……あ、あぁ! 倶利伽羅龍? いや、たくましくてカッコイイなぁって話だったんだけど、ふふ……確かに刺青もカッコイイよね」
「水月も入れる?」
「えっ」
「冗談。やめときなよ」
入れる際に痛い上にタトゥーシールのように模様を変えたり出来ない刺青は俺にとって魅力が低い。一生変えたくないほど好きな模様なんてないから。
「ぁ……サンも、勃ってるね」
「恋人とこれだけ触れ合ってればね。兜合わせだっけ、してよ。兄貴とはしたんだろ?」
「あっ、したい? よかった。俺もしたかったんだ……腰の高さ合わないね」
「座るよ。水月ボクの膝に乗りな」
浴室用の椅子を蹴りどかしたサンはその場に胡座をかいた。俺は遠慮しつつサンの上に腰を下ろし、陰茎を押し当てあった。
「……水月のが硬いね」
「俺のが前から勃ってたからね!」
「なんで得意げなんだか。で、どうするんだっけ? 兄貴、教わったんだろ? 言ってみてよ」
「え? えー……スマホ取ってきていい?」
「ダメ」
「いじわる~……分かんねぇよ」
フタは浴槽の縁に両腕を寝かせ、その上に顎を乗せ、不服そうに顔を歪める。可愛い。
「水月、教えたげて」
「うん。フタさん、さっきやったでしょう? こうして、んっ……擦り、合わせてぇ……ふっ、ぅ……」
「刺激足りないから手でもしてよ水月」
「あ、うんっ……」
サンの陰茎を握る。曲がり具合だとかは違うけれど、フタと太さが同じ気がする。兄弟とはこんなところまで似るものなのか。
「はぁー……気持ちいい。あ、水月もしたげるね」
「あっ、いや、俺はいっ……ぅっ」
ぎゅっと大きな手に握られた瞬間、精液が噴き出した。
「…………ずっと、興奮しっぱなしだったし、サンにだいぶ擦り付けてたから、その、早漏とか、思わないで……欲しいなぁ」
「あははっ! 分かってるよ、可愛いなぁ。ほら、俺のも出させて」
サンの陰茎を握った手にサンの手が重なる。サンの手の温かさと陰茎の熱に挟まれた自分の手に嫉妬してしまう。
「……っ、くぅ……! ふっ……ふぅ……ふふ、ありがと水月」
「もっかいお腹と足洗わなきゃ……ごめんねかけちゃって」
「いいよいいよ」
シャワーの温度を下げて精液を洗い流し、床に膝をついて立ったサンの足を洗いながら、間近に陰茎を眺めながら、尋ねる。
「サン、3Pは嫌とか言ってたけど、兜合わせとかフタさんに見られるのはいいの?」
「別に……」
「そうなんだ……フタさんは?」
「んぁー……? なんか、えーっとぉ……なに……?」
サンは彼氏達の前で脱ぐのもあまり恥じらっていなかったしなぁと納得しつつフタに話を振るも、彼はボーッとしていた様子だ。いや、これは──
「……フタさん?」
──のぼせているんだ! 俺とサンは慌ててフタを湯船から引っ張り出し、脱衣所に出した。
「そんなに長い間浸からせちゃってたかなぁ……」
「ごめんね兄貴」
「んー……」
「まぁ兄貴はしばらく休ませれば大丈夫だから、水月、髪洗って」
「えぇ……意外と薄情」
大した介抱もせず浴室に戻ったサンを見送り、とりあえずフタをバスタオルで包んだ。
「……お尻触ってるとちょっとカードリーダー思い出すんだよね」
「カードシュッてやるヤツ? よく分かんないなぁその感覚」
「分かんない? そっかぁ……」
「残念そうだね? 残念がる感覚もよく分からないよ。自分にない感覚がある人、ボクはすごく好きだ。自分と同じ感覚を持ってるなら、そんなの自分だけでいいからね。だから感性がボクに似てない水月と兄貴がボクは大好きだよ」
芸術家らしい考え方だ。小市民の俺はどうしても共感を好んでしまう、けれど自分と違うものにこそ惹かれるのは本能でもある、俺の彼氏達は全員俺に似ていない。類は友を呼ぶの真逆だ。
「……ありがとう、サン。俺もサンが大好き」
「俺もサンちゃん好き~、みつきも」
ふふふ、へへへ……と照れた笑い声が浴室に響く。素晴らしい時間だ。
「あれ……じゃあサン、ヒトさん嫌いってことは、サンとヒトさんは感性似てるってことになるの?」
「アイツは感性がないんだよ。何かに対して美しいと思ったりしないんだ。他人にマウントを取りたいだけのくだらない人間だからね」
めちゃくちゃ嫌いじゃん……
「で、でもサン、ヒトさん爬虫類とか好きらしいし……何かに対して美しいって思うことはないは言い過ぎじゃないかな? 感性なかったら好きな動物とかないとおもっ」
ドンッ! と大きな音が鳴り、思わず身を縮める。心臓が早鐘を打ち、肺に空気が入らなくなる。
「…………ヒトの話はやめにしようよ」
落ち着いた声が逆に怖くて顔を上げられないでいると、俺が俯いているのなんて見えていないはずなのにサンは的確に俺の顔に触れ、頬を撫でながら顔を上げさせた。
「ね? 水月。楽しく過ごしたいんだ、ボク。楽しくない話はやめよう? ね? 水月、分かるね?」
声が出なくて、俺は激しく首を縦に振った。俺の顔に触れていて俺の頷きが分かったサンは優しい微笑みを浮かべて俺を抱き締め、頭を撫でた。
「怖がらせちゃったかな? ごめんね」
付き合い始めの頃、鎖で繋がれ監禁され包丁を突きつけられたことを思い出した。
(あぁ……そうだ、そうでした、サンさんはこういうお人でそ……)
俺は物を殴って大きな音を立てられたり、舌打ちをされたりすると心臓が騒ぎ出すけれど、フタはそうでもないらしく両手で水鉄砲を作って湯船の水を壁に飛ばして遊んでいた。
(癒されますな……)
誰かと話しているように頷いたり笑ったりしているから、サキヒコと遊んでいるのかもしれない。
「……サン」
「ん?」
「不快な思いさせて、ごめんなさい」
「分かればいいんだよ」
また頭を撫でられて気持ちと鼓動が落ち着いていく。二度とサンの前でヒトの話はしない、そう脳内メモに記した。
「水月、ほら、身体の前側も洗ってよ」
「あっ……う、うん! うへへへっ」
性欲が落ち込んだ気持ちを吹き飛ばし、俺は再びサンに抱きついた。今度は身体の前側同士を擦り合わせる。
「やっぱり後ろより好きかも」
「そう? ふふ、俺も顔を雄っぱいに擦り付けられるから前のが好きかも。でもサンの背中カッコイイからなぁ」
「男の子だもんね」
「ん……?」
大きい雄っぱいが好きということだろうか。俺はちっぱいも好きだが。
「ドラゴン好きなんだろ?」
「……あ、あぁ! 倶利伽羅龍? いや、たくましくてカッコイイなぁって話だったんだけど、ふふ……確かに刺青もカッコイイよね」
「水月も入れる?」
「えっ」
「冗談。やめときなよ」
入れる際に痛い上にタトゥーシールのように模様を変えたり出来ない刺青は俺にとって魅力が低い。一生変えたくないほど好きな模様なんてないから。
「ぁ……サンも、勃ってるね」
「恋人とこれだけ触れ合ってればね。兜合わせだっけ、してよ。兄貴とはしたんだろ?」
「あっ、したい? よかった。俺もしたかったんだ……腰の高さ合わないね」
「座るよ。水月ボクの膝に乗りな」
浴室用の椅子を蹴りどかしたサンはその場に胡座をかいた。俺は遠慮しつつサンの上に腰を下ろし、陰茎を押し当てあった。
「……水月のが硬いね」
「俺のが前から勃ってたからね!」
「なんで得意げなんだか。で、どうするんだっけ? 兄貴、教わったんだろ? 言ってみてよ」
「え? えー……スマホ取ってきていい?」
「ダメ」
「いじわる~……分かんねぇよ」
フタは浴槽の縁に両腕を寝かせ、その上に顎を乗せ、不服そうに顔を歪める。可愛い。
「水月、教えたげて」
「うん。フタさん、さっきやったでしょう? こうして、んっ……擦り、合わせてぇ……ふっ、ぅ……」
「刺激足りないから手でもしてよ水月」
「あ、うんっ……」
サンの陰茎を握る。曲がり具合だとかは違うけれど、フタと太さが同じ気がする。兄弟とはこんなところまで似るものなのか。
「はぁー……気持ちいい。あ、水月もしたげるね」
「あっ、いや、俺はいっ……ぅっ」
ぎゅっと大きな手に握られた瞬間、精液が噴き出した。
「…………ずっと、興奮しっぱなしだったし、サンにだいぶ擦り付けてたから、その、早漏とか、思わないで……欲しいなぁ」
「あははっ! 分かってるよ、可愛いなぁ。ほら、俺のも出させて」
サンの陰茎を握った手にサンの手が重なる。サンの手の温かさと陰茎の熱に挟まれた自分の手に嫉妬してしまう。
「……っ、くぅ……! ふっ……ふぅ……ふふ、ありがと水月」
「もっかいお腹と足洗わなきゃ……ごめんねかけちゃって」
「いいよいいよ」
シャワーの温度を下げて精液を洗い流し、床に膝をついて立ったサンの足を洗いながら、間近に陰茎を眺めながら、尋ねる。
「サン、3Pは嫌とか言ってたけど、兜合わせとかフタさんに見られるのはいいの?」
「別に……」
「そうなんだ……フタさんは?」
「んぁー……? なんか、えーっとぉ……なに……?」
サンは彼氏達の前で脱ぐのもあまり恥じらっていなかったしなぁと納得しつつフタに話を振るも、彼はボーッとしていた様子だ。いや、これは──
「……フタさん?」
──のぼせているんだ! 俺とサンは慌ててフタを湯船から引っ張り出し、脱衣所に出した。
「そんなに長い間浸からせちゃってたかなぁ……」
「ごめんね兄貴」
「んー……」
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