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弟と恋人の戯れを眺める幸せ

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髪と顔を汚した白濁液を洗いながら、セイカはアキに太腿を使われた。陰嚢を擦られ、腰をぶつけられ、アキの荒い呼吸を聞いてセイカも興奮してしまったらしく、顔射によってかけられた精液を洗い流し終える頃にはセイカの陰茎もしっかりと勃ち上がっていた。

《……っ、はぁ……スェカーチカの太腿最高。ん……? 何だよスェカーチカ、勃ったんなら言えよなぁ》

《ほ、ほっとけよ、すぐ収まる……ぅあっ! やめ、握っ、ん……揉むなぁ……ばかっ》

《我慢は身体によくないぜ? 一緒に抜こうな、ほら……こっち向けよ》

アキは強引にセイカの背に腕を回し、腰を押さえると、もう片方の手で二本の陰茎をまとめて握った。

(アキきゅんも復活早いですなぁ、私も三発目行っちゃいますかな)

ひたすら自慰を続けながらアキとセイカの様子を観察する。アキは白い肌に紅潮を目立たせ、頻繁に何か囁きながら、心底気持ちよさそうに陰茎を扱いていた。

(……お? セイカ様?)

次第に快感に流されたのか、それともようやく素直になったのか、セイカは右腕をアキの首に回して唇を重ね、左手でアキの陰茎を握った。アキの手はセイカの陰茎へと移り、二人は互いの陰茎を扱きながら亀頭を擦り付け合い出した。

「ん、んっ……は……秋風っ、んんっ……!」

ぴゅるっ、と少量の精液がアキの腹にかかり、程なくしてセイカの腹に多量の精液がかかる。遅れて唇が離れ、また口と口を唾液の橋で繋いだまま二人は見つめ合う。なんか、俺より仲睦まじいって感じ……いやいや気のせいだ。

「秋風ぇ……」

《可愛いなぁスェカーチカ、腹は俺が洗ってやるから休憩してろよ》

「ん……」

三発発射済みのくせにまだまだ元気そうなアキは、何故か唐突に壁に右足を押し付けた。左足と右足の角度は多分直角、床と平行に並んだ長く白い鍛え抜かれた足に一瞬思考が止まったが、すぐに俺の感情は(エロい足だなぁ)に統一された。

《ほれ、座りな》

アキはひょいっとセイカを持ち上げるとその右足の上に彼を座らせた。慣れているのかセイカに焦る様子はなく、アキの肩にもたれてリラックスしている。

(……セイカ様、健康体に戻りつつあるとはいえまだ痩せてる方ですし、手足の分一割くらいは平均より軽いとはいえ……んなこと、出来ます? 一切グラつかず? ええ……)

アキの筋力とバランス感覚に若干引きつつ、足を真っ直ぐ伸ばすだけで膝の裏が痛くなる俺は何なんだと落ち込んだ。

「んっ……ぅ……」

《……ほい、腹もちんぽも洗えたぜ。洗ってるだけなのに可愛い声出てたなぁ?》

アキはセイカを足に乗せたまま俺に向かって「にーにぃ、タオル欲しいするです」と手を伸ばした。バスタオルを渡してやると彼はにっこりと笑って礼を言い、セイカをバスタオルで包んでお姫様抱っこでプールサイドに置いてある簡素なベッドに座らせた。

《着替え取ってくっから自分で拭いといてくれ》

自分の分のバスタオルは自分で取り、アキは軽く水分を拭うと部屋へ戻っていった。俺は出した精液の処理とオナホの洗浄を始めた。

《たっだいま~。ほいよ着替え》

「ありがと……」

洗い終わった。俺もそろそろ服を着よう。



着替えてしばらく待つと、アキとセイカが部屋に戻ってきた。普段自分の髪を乾かすのも面倒臭がってたまに逃げ出すアキが、セイカの前髪を丁寧に乾かしているのを見た時は驚き過ぎてひっくり返った。

《……よし、ふわふわ。くりくりしてて可愛いなぁこれ》

ふんわりとパーマが当てられた髪をくしゅくしゅと撫でて乾いたことを確認すると、アキはドライヤーをその場に置いてセイカを抱き締めた。

《…………秋風はパーマ当ててある方が好き?》

《どっちでもいいかな。くりくりしてなかったらしてなかったできっとスェカーチカは可愛いぜ、なんせスェカーチカは可愛いからな。まぁ前のは適当に切ったみたいな長さバラバラガタガタのボサボサだったからなぁ~……今のが好き》

《好き……? そう……じゃあこれ保つ》

《……んふふ、可愛いなぁスェカーチカ~》

ドライヤーを片付けるよう注意しようとしたけれど、幸せそうな笑顔を浮かべてセイカを抱き締め、頬擦りまでしているアキを見ているとそんな気が失せた。

《お前俺に可愛い可愛いって言うけど顔も中身もお前のがずっと可愛いだろ……》

《……急にそういうこと言うのズルいぜ》

コードを巻いてドライヤーを片付け、改めて二人を眺める。抱きつきに行きたいところだけれど腹が痛いし、百合に挟まる男は馬に蹴られて死んじまえという諺もあることだし……え、そんな諺はない? アキとセイカは百合でもない?

《…………お前こそ、普段から自分は超絶美少年だーとか言ってるくせに、何照れてんだよ》

《言われてきてねぇから自分で言ってんじゃん……》

《お前引きこもりだもんな》

《……俺だって、もうちょい色素がありゃ……もっと、外に》

何を話しているのか突然顔を赤くしたと思ったら、今度は落ち込んでいるように見える。一人で居る時は冷徹にさえ見えるアキの、コロコロと変わる表情は見ていて飽きない。

《落ち込むなよ……悪かったよからかって》

《落ち込んでねぇ》

《俺は秋風のその色の無さ好きだぞ、部屋薄暗くて落ち着くし……外では真っ黒、中では真っ白で目立つからすぐ見つけられるし》

《……そっか》

《うん》

《…………ふふ》

機嫌を直したようだ。アキはベッドに座ったセイカの腰に抱きついて太腿に頭を乗せた。

《……やっぱりお前の方が可愛いよ》

セイカはアキの頭を撫でて慈愛に満ちた表情を浮かべている。

「ぁ…………な、鳴雷……」

「……んっ? 何だ? 何か飲み物でも持ってこようか?」

「ぁ、いや……俺と秋風ばっか話してて、鳴雷同じ部屋に居るのに……俺だったら嫌なのに、すぐ気付けなくて……その」

「あぁ、俺は今二人を観察するために空気になりたいくらいに思ってるから気を遣わないでくれ、俺を知覚するな」

セイカは呆れ切った目で俺をジトっと見つめた後、深いため息をついてアキを愛でるのに戻った。

「秋風は分かりやすくていいなぁ……どっかのオタクと違って……」

嫌味まで言われた。
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