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恥ずかしくって仕方ない

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ぐったりしているハルを脱衣所へと運び、服を脱がし、腕の中の裸体をまじまじと眺める。ハルはいつも露出度は高いけれど裸は見慣れていない。

「ん……」

浴場への扉を開けて、ゆっくりと屈む。

「みつき……」

「ん?」

「……ごめん、寝ちゃってたかも」

「大丈夫、起きてたよ」

「そぉ? よかった……気持ちよくて、その……なんか、よく分かんなくなって…………うん」

じわじわと顔を赤くし、耳まで赤くなったハルは俯いて黙った。

「下ろすよ」

「あっ、うん! ごめんいつまでも……」

鏡の前でハルを下ろし、照れ隠しに髪をくるくると指に巻く彼を横目にシャワーを持つ。

「ハル」

「なっ、何っ?」

「中出ししちゃったから掻き出さないと」

「え、ぁ……そ、そだね、ぬるぬる……してる、もん。ど、どうするの? その……なんか、刑務所の検査みたいに……四つん這いでお尻突き出すとか?」

刑務所のドキュメンタリーとか意外と見るのかな。

「こっち向いていいよ、そっちのがハルは安心出来るだろ?」

「……うん」

「膝ついてこっち向けるか?」

「う、うん……」

膝立ちになって向かい合い、また緊張している様子のハルに微笑みかける。緊張をほぐせないかと思ってやったことだが、余計に照れさせてそっぽを向かれてしまった。

「ハル」

「ひゃいっ!?」

「……大丈夫か?」

「だだっ、だいじょぶ……」

「肩、掴まれるか?」

「ぁ、うんっ……えっと、こう?」

「そうそう、腰突き出して……力抜いててくれ」

シャワーから出る湯の温度を確認し、ハルの腰にかける。尻を撫でながらハルの緊張が和らぐのを待ち、きゅっと入り続けていた力が抜けたら割れ目を開き、後孔の少し上にシャワーを当てる。

「ひゃっ……!?」

湯気で曇った鏡にシャワーをさっとかけ、機能を取り戻させる。羞恥に震えるハルの顔越しに鏡を見て、ハルの後孔からとろとろと零れていく白濁液を確認する。

「ぅう……」

「指入れるよ」

「えっ? ひゃんっ……! そ、それしなきゃダメぇ……?」

「うーん、ごめんな? 思ったより深くまで入っちゃって」

ちゅうちゅうと俺の中指をしゃぶる後孔にシャワーを当てながら、中に溜まった精液を掻き出していく。

「拡げるよ……」

ある程度掻き出せたら後孔を指で拡げ、直接シャワーを当てる。湯が穴の中に注がれていく。

「ひゃあぁ……!?」

「……よし。じゃ、ハル。きばって」

「…………へっ?」

「きばってお湯出してくれ。トイレ行った時みたいに」

「ぅうぅ……もぉ~…………超恥ずいぃ~……」

恥ずかしがりながらもハルは素直に溜まったお湯を吐き出した。タイルの上を流れていく湯にはところどころに白濁液が混じっているが、かなり少ない。

「うん……多分大丈夫かな。もういいよ」

最低でももう一回はやってもらおうと思っていたが、ハルの真っ赤な顔を見ていたら無理はさせられなくなった。

「恥ずかしかったぁ~……お尻見せる感じじゃなくてよかったぁ。そっちだったらマジで恥ずか死ぬ……」

鏡で確認していたことは墓場まで持って行くべきだろう。

(ここまで恥ずかしがりだとは思いませんでしたな……今日は失念していましたが、ハルどのとする時は今度からゴム必須ですかな)

「……ねぇみっつん」

「はいっ、ぁ、何?」

「はいって、ふふ……あのね、俺向こうで身体洗ってきていいかな……? 恥ずかしくて、なんか、その……みっつんの傍だと、顔とか熱い……」

「え……あぁ、もちろん……ハルの好きにしてくれていいけど」

そう返事をしつつも俺はショックを受けていた。恥ずかしいからと言ってはいるが、セックス直後に恋人が離れていくって……色々と嫌な想像をしてしまう。

(……実は嫌だったとかじゃありませんよな?)

初セックス、気に入らなかったのかな。最中のハルの様子を思い返しながら、一回戦だけでは物足りないと屹立した陰茎を慰めた。



脱衣所でもハルとの距離は空いていた。寝間着に着替えてダイニングに行くと、成人済みの三人が酒盛りをしていた。いや、歌見が飲んでいるのはよく見るとジュースだ。

「……ん? 水月? と……誰?」

「霞染だ。おかえり……ってのも違うか、お疲れ様……?」

「お疲れ様最悪っすよ歌見せんぱい。ゆうべはお楽しみでしたねって言ってくる宿屋の主人くらい嫌っす」

レイの前に並んだチューハイの空き缶は三本。今飲んでいる分で最後にさせるべきかな。サンが飲んでいるのは日本酒か?

「飲むか?」

「ありがとうございます。ハル、ハルも飲むよな?」

「ぁ……うん」

歌見が飲んでいた瓶のリンゴジュースを一杯ずつ分けてもらった。

「ぷはっ……あ、ありがとナナさん。俺……もう寝るねっ、おやすみ! みんなおやすみなさい!」

一気にジュースを飲み切るとハルは走って寝室に戻った。階段を駆け上がる音の後、ゆっくりと扉が閉まり、犬用ベッドで丸まっていた白と黒の毛の塊がもぞもぞと動いた。

「……失敗したんすか?」

「してないよ! してないと思いたいよ!」

「なんか様子おかしかったね~」

恥ずかしがっているだけだと思いたい。ハルの様子を細かく離して彼氏達に相談しようかとも思ったけれど、あんなにも恥ずかしがっていたハルのことを話すなんてやっぱり出来ない。とりあえずこの一晩は一人で悩んで、明日もう一度ハルの様子を確認しよう。

「……水月」

「あれ、シュカ? 居たのか」

「このままソファで寝ようと思っていたんですが……あの様子なら私もベッドで眠れそうですね」

シュカはソファに寝転がってスマホを弄っていたようだ。欠伸をして、メガネをズラして目を擦って、眠そうにしている。

「…………俺もう寝ようかな」

「寝ます? じゃあ私も一緒に行きます」

「おやすみなさいっす」

「おやすみ」

「おやすみ~」

まだ眠くはないけれど、このままだと悩み続けてしまいそうなので早めに寝ることにした。

「おやすみなさい」

「おやすみー……」

三人に挨拶をし、犬の横を通り過ぎて扉を開ける。突然肩がズンっと重くなり、悪寒が走る。

「……っ!?」

「水月?」

「や、大丈夫。行こう」

体調不良というほどではない。俺は笑顔を浮かべてシュカを安心させ、彼と共に寝室に戻った。
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