冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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今日は三人川の字で寝よう

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シャワーを当てながら、ぐぽぐぽと音を鳴らして後孔をほじくる。

「んっ、くぅっ、んんんっ! にーにぃっ、にーにっ、んっ、んぅっ、んっ……ぁあんっ!」

白濁液が後から後から溢れてくる。これだけの量を弟の腹に注いだのか。背徳感が興奮を煽る。

「にーにぃ……すき、です。だいすきー……です。にーに、にぃにっ……」

「……そんなに必死に言わなくても分かってるよ、大丈夫。可愛いなぁアキ……ふふ、俺もアキが大好きだよ」

「にーにすきぃ……」

今日まで俺を遠ざけてきた埋め合わせなのか、二人だけで言葉で気持ちを伝え合うことが出来ないからなのか、アキは必死に拙い日本語を繰り返す。

「うん……そうだよな、アキは俺が好きだよな」

日本に来たばかりで不安な頃に俺と触れ合ったからなんて、洗脳紛いの理由じゃなく、本当に俺が好きなんだよな? 若さゆえの思考力の浅さなんかじゃなく、ちゃんと俺を選んでくれたんだよな?

「……ごめん、ありがとう」

これ以上の疑いはアキに対して失礼だ。



身体を洗い終えて脱衣所に出る頃にはすっかり拘束具の跡は消えていた。ホッと胸を撫で下ろし、湯上がりの彼氏達の色気を堪能する。

「ふわぁ……僕はもう眠るよ」

ふんわりと柔らかいネザメの亜麻色の髪は水分を含んでぺたんと萎んでおり、彼の雰囲気をガラッと変えていた。

「俺はお酒を……」

「ダメだ、旅行中だからって毎晩毎晩何本も開けやがって……お前ももう寝ろ」

コソコソとダイニングに向かおうとしたレイの後ろ髪を掴み、止める。

「でもせんぱぁい、せっかく紅葉さんとかが俺のためにって用意してくれたんすよぉ?」

「身体に悪い! 俺と長生きする気ないのか?」

「ぅー……ずるいー……その言い方ずるいっすー…………寝るっす」

顔を真っ赤にしたレイが寝室に入っていくのを見送り、セイカとアキに向き直る。

「お前らももう寝るよな? おやすみ、アキ、セイカ」

「……にーにぃ、いっしょー……するです」

「え……い、いいのかっ?」

「ぼくー、今日……今日……?」

「誕生日」

「……! たんじょーび! たんじょーびするです、ぼく。ので、にーに、ぼく、欲しいする、聞くする、正解! です!」

誕生日だからワガママを聞いてくれ、と言っているのかな? 誕生日を理由にしなくたってそれくらいのお願いいくらでも聞いてやる。

「もちろんだよアキ! 一緒に寝ような!」

シュカはもう眠っているのだろうか? だとしたら俺が部屋に入ったら目を覚ましてしまうだろうし、多分俺は寝ぼけた彼に殴られる。一人で眠らせるのには少し罪悪感があるが、それはきっと俺の自惚れだ。

「……! にーに大好き、です!」

「可愛いなぁホント可愛いなぁ、よーしよしよしよしよし、よーしよしよしよしよし……」

抱き締めて撫で回して、嬉しそうなアキの表情にまたときめいて撫で繰り回して──呆れ顔のセイカに部屋に入ろうと言われるまでそれは続いた。

「いやぁ悪い悪い……つい夢中になっちゃって」

敷いていたバスタオルは既に片付けたし、シーツも替えた。性の匂いはもうしない。三人でベッドに寝転がり、灯りを消した。ちなみにアキが真ん中だ。

《スェカーチカを抱きながら兄貴に抱かれる! 最高の睡眠環境だな。ちょっと暑いけど》

「……俺抱きながらお前に抱かれんの最高だってさ」

「嬉しそうだもんなぁアキ。一緒に寝るだけでこんなに喜んでもらえるなんて、俺も嬉しくなってくるよ。でもアキ、クマさん忘れてるぞ。テディベア抱いてるセイカを抱いてるアキを俺が抱いてるんだ」

「言わなくていいよ別にそんなこと……」

セイカはテディベアをぎゅっと抱き締めて、そのクマのぬいぐるみで顔を隠した。

「贈り物そうやって大切に使われるのも嬉しいよ」

手を伸ばしてセイカの頭を撫でる。

「…………あると、落ち着くから。鳴雷が……俺のために、高い金出して買ってくれた物だから」

無尽蔵の愛も、他の奉仕も、形には残らない。俺の愛が形になったものといえばセイカにとってはそのぬいぐるみなのだろう。すぐに不安になるセイカには目で見える愛が必要だ、ぬいぐるみを提案したネザメには感謝だな。

「セイカが気に入ってくれてすごく嬉しいよ、でも……学校には持ってけないからなぁ。小さいのならストラップとか言って誤魔化せそうだから、学校では今度作るぬいぐるみ代わりにしてくれるか?」

「……うん。くま……汚れたり、破れたりしたら嫌だし」

高校でイジメを受けたセイカにとって、大切なぬいぐるみなんて物はクラスメイトに破壊される物でしかないだろう。お坊ちゃま学校である十二薔薇高校の民度なら大きなぬいぐるみを抱えていてもそんなからかいには遭わないだろうけど、浮きはする。親友を作れとは言わないしそんなことになったら嫉妬するけれど、クラスメイトとの会話を問題なくこなせるくらいにはなって欲しい。

《うるせぇぜスェカーチカ、兄貴……ずっと何話してんだよ。寝れねぇ》

「あぁ、ごめん……鳴雷、秋風がうるさくて寝れないって」

「あ、ごめんごめん。おやすみ、アキ、セイカ」

改めて挨拶をし、今度こそ口と瞼を閉じた。



翌日、まだ眠っているアキとセイカを置いて一階に下り、ミフユを手伝って朝食を作った。その途中、寝癖をつけたシュカが俺の隣に並んだ。

「シュカ、おはよう。まだ飯出来てないよ、顔洗っておいで」

「……あなた昨日どこで寝たんですか?」

「え? アキとだけど……」

「…………そうですか。顔洗ってきます」

ひょっとして、俺が居なかったのが寂しかったのだろうか。それを口に出したら殴られるんだろうな、と洗面所に行く背中に思った。



顔を洗って戻ってきたシュカに寂しかったのかと尋ね、予想通り照れ隠しのパンチをいただいた。
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