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シリコンを流し込みます
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セイカによる手コキで射精を遂げたアキは数秒の休憩の後、セイカを足から下ろし、ティッシュを渡し、自分の足についたものは手で拭って俺の前に屈んだ。
「にーに、ちんちん……硬いする、終わるするです?」
お兄ちゃんのちんちんはいつでもカッチカチだよ! と叫びたいところだが、アキが聞きたいのはそんなことじゃない。
「あぁ、多分……レイ、これもう外して大丈夫だよな?」
「えー……? ぁー……多分、時間的にはもう……」
寝起きのような態度でレイはポケットに入れていたスマホで時間を確認し、気だるげに返事をする。
「よし、じゃあ外し──? どうやって外すんだ? これ」
すっかり硬化したそれは陰茎にぴったりフィットしており、抜けそうにない。股間を見てもらえれば分かると思うが陰茎というのは先端で一時的に少し直径が増すのだ、カリがあるのだ。生えていないという方はキノコを思い浮かべて欲しい、引っかかって抜けなさそうだろ?
「……小さく出来るかい?」
前立腺ではなく陰茎だけでの絶頂だったからか、ネザメはレイより早く復活した。服を着直して俺の隣に腰掛け、つんつんと陰茎を突っ込んでいる筒をつつく。
「そんなつんつんされたらより勃ちますよ」
「おや……そうかい、すまないね。ならどうすれば小さくなってくれるんだい?」
「テンション下げればいいんしょ? うーん……せんぱい! 俺せんぱいのこと嫌いっす!」
脈略がなさ過ぎる&心がこもっていなさ過ぎる、つまり嘘だとすぐ分かる。落ち込んで萎えるまでには届かない。
「……気持ちを落ち込ませたところで縮むものなのかな? 勃起というのは血流によって起こるものだ、締め付けられて血が止まってしまったら気分がどんなに落ち込もうとも関係ないんじゃないかな?」
「えっじゃあ俺このままだと壊死して切断ってことですか?」
いやいや市販品のキットを使ってそんなことにはならないだろう。ならないよな? あ、萎えそう。
「そんな危ないもんじゃないっすよ。ちょっと縮めば楽に抜けるはずっす。せんぱいのがデカ過ぎるのも悪いんすからね」
「俺は確かにデカいけどデカ過ぎるって言われるほどデカくはないよ」
「……鳴雷を嫌な気持ちにさせればいいんだよな?」
義足を外したままのセイカが四つん這いで俺の足元にやってきた。今にも膝に顎を乗せそうな位置に頭がある、可愛い、こんなの勃起の手助けだ。
「そういうことになるねぇ、嫌な言い方になるけれど」
「任せろ、この中なら絶対俺が一番得意……はぁ……この、クズ……死ねよもう……ホンット嫌い」
「先に薬飲んでこい」
「今日の分はもう飲んだ」
イジメっ子の癖してイジメがトラウマになっておきながら、自分で掘り返して落ち込むなんて器用と褒めればいいのかどうすればいいのか……今度は薬の飲み忘れじゃないみたいだし。
「なんだよ、人を薬漬けみたいに……いや、薬漬けだよな、ごめん……薬飲んでないと、ぎゃあぎゃあ喚いて死にたがって……なんで、俺……こんな」
「セ、セイカ……顔上げて」
「……あぁ、そうだ、忘れるとこだった。はい、鳴雷」
「ん? ミ゚ッ」
セイカはアキのスマホを俺に見せた。表示されていたのは、ドアップのセミの画像、それもひっくり返って腹側を見せたセミの画像。
「ギアァァアァアアアッ!?」
「ひゃっ……! ふ、古くなってきた自転車のブレーキ音みたいな悲鳴っすね」
「あぁ、街中でたまに聞くねぇ。びっくりするよね、アレ。事故でもあったのかなって。ふふふ」
ぶか、と取った型が大きな気がして筒を引っ張ると、簡単に取れた。
「ミッションコンプリート」
《ん? いぇーい》
セイカは状況を理解していなさそうなアキとハイタッチをしている。まさか、あの落ち込みようは演技だったのか? アレで萎えなかったから最終手段の虫の画像を使われたのか?
「………………はぁ、バッチリだな俺ってば……なーんも変わってねぇ。鳴雷が嫌がることならすぐ分かる……どうすれば喜んでくれんのか、全然分かんないのに…………最低」
あ、演技じゃなかったっぽい。
《スェカーチカ? どうした? また何か考え込んでんのか? 薄く雲がかかった朧月もオツなもんだが、俺ぁやっぱり俺に笑いかけてくれてるみたいなピカピカ綺麗な月が好きだぜ。夜空を見上げる愚かな人間に微笑みかけちゃあくれねぇか? 俺だけの月、スェカーチカ》
《………………今日は新月でーす》
《ポエミーな俺にツッコミもナシか、本当に営業時間外らしいな。そいじゃ、また月齢を刻み出すまでゆっくり待たせてもらうぜ》
アキは蹲るセイカにテディベアを抱かせ、クッションの上に戻し、シーツを頭から被せ、俺の手元を覗き込んだ。
「にーに、ちんちん、取れるするしたです?」
「恐ろしいこと言うなぁ……うん、取れるするしたよ」
「このめー、次、何するです?」
「え、せーかくん…………えっと、次はっすね、シリコンを流し込んで固めるんすよ。動かさず放っておいたら完成っすよ」
レイは俺の陰茎の型の中にピンクっぽい濁った液体を流し込んでいく。アキはそれをキラキラした目で見つめている。液体と液体を混ぜ合わせたり固めたりといった理科の実験っぽいことは、年齢よりも見た目よりも幼い性格のアキをはしゃがせるようだ。
「……セイカ? 大丈夫か?」
レイに「触っちゃダメっすよ」と言われて「触るするだめっす」と復唱しているアキの可愛さに内心悶えていると、シーツを頭から被ったままのセイカがテディベアを抱いて膝立ちで俺の足元まで移動してきた。膝に顎を置き、俺を見上げる。
「うん……バカみたいだよな、自分で掘り返して落ち込んで……鳴雷もやな気分になったよな、ごめんな」
「いや……セイカ、俺はもうあのことは……許したから、もうそんなに気にしないでくれ」
「…………うん」
了承したとは思えない「うん」だったな。
「秋風の誕生日なのに、何やってんだろ……もう暗い顔したりしない。せめて今日だけは、俺……頑張る」
「……無理はするなよ」
頭を撫でてやるとセイカは演技ではない本物の笑顔を浮かべてくれた。
「にーに、ちんちん……硬いする、終わるするです?」
お兄ちゃんのちんちんはいつでもカッチカチだよ! と叫びたいところだが、アキが聞きたいのはそんなことじゃない。
「あぁ、多分……レイ、これもう外して大丈夫だよな?」
「えー……? ぁー……多分、時間的にはもう……」
寝起きのような態度でレイはポケットに入れていたスマホで時間を確認し、気だるげに返事をする。
「よし、じゃあ外し──? どうやって外すんだ? これ」
すっかり硬化したそれは陰茎にぴったりフィットしており、抜けそうにない。股間を見てもらえれば分かると思うが陰茎というのは先端で一時的に少し直径が増すのだ、カリがあるのだ。生えていないという方はキノコを思い浮かべて欲しい、引っかかって抜けなさそうだろ?
「……小さく出来るかい?」
前立腺ではなく陰茎だけでの絶頂だったからか、ネザメはレイより早く復活した。服を着直して俺の隣に腰掛け、つんつんと陰茎を突っ込んでいる筒をつつく。
「そんなつんつんされたらより勃ちますよ」
「おや……そうかい、すまないね。ならどうすれば小さくなってくれるんだい?」
「テンション下げればいいんしょ? うーん……せんぱい! 俺せんぱいのこと嫌いっす!」
脈略がなさ過ぎる&心がこもっていなさ過ぎる、つまり嘘だとすぐ分かる。落ち込んで萎えるまでには届かない。
「……気持ちを落ち込ませたところで縮むものなのかな? 勃起というのは血流によって起こるものだ、締め付けられて血が止まってしまったら気分がどんなに落ち込もうとも関係ないんじゃないかな?」
「えっじゃあ俺このままだと壊死して切断ってことですか?」
いやいや市販品のキットを使ってそんなことにはならないだろう。ならないよな? あ、萎えそう。
「そんな危ないもんじゃないっすよ。ちょっと縮めば楽に抜けるはずっす。せんぱいのがデカ過ぎるのも悪いんすからね」
「俺は確かにデカいけどデカ過ぎるって言われるほどデカくはないよ」
「……鳴雷を嫌な気持ちにさせればいいんだよな?」
義足を外したままのセイカが四つん這いで俺の足元にやってきた。今にも膝に顎を乗せそうな位置に頭がある、可愛い、こんなの勃起の手助けだ。
「そういうことになるねぇ、嫌な言い方になるけれど」
「任せろ、この中なら絶対俺が一番得意……はぁ……この、クズ……死ねよもう……ホンット嫌い」
「先に薬飲んでこい」
「今日の分はもう飲んだ」
イジメっ子の癖してイジメがトラウマになっておきながら、自分で掘り返して落ち込むなんて器用と褒めればいいのかどうすればいいのか……今度は薬の飲み忘れじゃないみたいだし。
「なんだよ、人を薬漬けみたいに……いや、薬漬けだよな、ごめん……薬飲んでないと、ぎゃあぎゃあ喚いて死にたがって……なんで、俺……こんな」
「セ、セイカ……顔上げて」
「……あぁ、そうだ、忘れるとこだった。はい、鳴雷」
「ん? ミ゚ッ」
セイカはアキのスマホを俺に見せた。表示されていたのは、ドアップのセミの画像、それもひっくり返って腹側を見せたセミの画像。
「ギアァァアァアアアッ!?」
「ひゃっ……! ふ、古くなってきた自転車のブレーキ音みたいな悲鳴っすね」
「あぁ、街中でたまに聞くねぇ。びっくりするよね、アレ。事故でもあったのかなって。ふふふ」
ぶか、と取った型が大きな気がして筒を引っ張ると、簡単に取れた。
「ミッションコンプリート」
《ん? いぇーい》
セイカは状況を理解していなさそうなアキとハイタッチをしている。まさか、あの落ち込みようは演技だったのか? アレで萎えなかったから最終手段の虫の画像を使われたのか?
「………………はぁ、バッチリだな俺ってば……なーんも変わってねぇ。鳴雷が嫌がることならすぐ分かる……どうすれば喜んでくれんのか、全然分かんないのに…………最低」
あ、演技じゃなかったっぽい。
《スェカーチカ? どうした? また何か考え込んでんのか? 薄く雲がかかった朧月もオツなもんだが、俺ぁやっぱり俺に笑いかけてくれてるみたいなピカピカ綺麗な月が好きだぜ。夜空を見上げる愚かな人間に微笑みかけちゃあくれねぇか? 俺だけの月、スェカーチカ》
《………………今日は新月でーす》
《ポエミーな俺にツッコミもナシか、本当に営業時間外らしいな。そいじゃ、また月齢を刻み出すまでゆっくり待たせてもらうぜ》
アキは蹲るセイカにテディベアを抱かせ、クッションの上に戻し、シーツを頭から被せ、俺の手元を覗き込んだ。
「にーに、ちんちん、取れるするしたです?」
「恐ろしいこと言うなぁ……うん、取れるするしたよ」
「このめー、次、何するです?」
「え、せーかくん…………えっと、次はっすね、シリコンを流し込んで固めるんすよ。動かさず放っておいたら完成っすよ」
レイは俺の陰茎の型の中にピンクっぽい濁った液体を流し込んでいく。アキはそれをキラキラした目で見つめている。液体と液体を混ぜ合わせたり固めたりといった理科の実験っぽいことは、年齢よりも見た目よりも幼い性格のアキをはしゃがせるようだ。
「……セイカ? 大丈夫か?」
レイに「触っちゃダメっすよ」と言われて「触るするだめっす」と復唱しているアキの可愛さに内心悶えていると、シーツを頭から被ったままのセイカがテディベアを抱いて膝立ちで俺の足元まで移動してきた。膝に顎を置き、俺を見上げる。
「うん……バカみたいだよな、自分で掘り返して落ち込んで……鳴雷もやな気分になったよな、ごめんな」
「いや……セイカ、俺はもうあのことは……許したから、もうそんなに気にしないでくれ」
「…………うん」
了承したとは思えない「うん」だったな。
「秋風の誕生日なのに、何やってんだろ……もう暗い顔したりしない。せめて今日だけは、俺……頑張る」
「……無理はするなよ」
頭を撫でてやるとセイカは演技ではない本物の笑顔を浮かべてくれた。
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