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各部屋で起きていること
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ミフユのまさかの功績が明らかになった。後はもうホットミルクを飲ませて眠らせるだけだそうなので、俺はミフユに手を振って別の部屋を覗いた。
(お次はアキきゅんとセイカ様……セイカ様わたくし達がゲームしてる間に寝てましたし、もう電気消えてますかな)
虹彩の色素がないアキに合わせて薄暗くはされているものの、灯りは点いていた。セイカはベッドの上でテディベアを抱いて眠っているようだが、アキは起きている。床に片手をついてもう片方の手を背に回し、逆立ち腕立て伏せを行っていた。
《ふぅ……汗かかない程度にしとくか、気軽にシャワー浴びれねぇからここに居る間は筋トレ風呂の前にしねぇと……ぁー、生活リズム崩れる》
もう終わりか。俺が来るまでに何分くらいやっていたんだろう? 呼吸は乱れていないし汗もかいていない。すごいな。
《ぁん……? 視線……あぁ、兄貴。覗きか? えっち。相手はしねぇがズリネタの提供くらいはしてやるよ》
アキって独り言多いんだな。なんか今目が合った気がするけど、こっちに来ないし何も言ってこないし気のせいだろう。そう思っているとアキが突然ズボンを脱いだ。
(ひょっ……!?)
どうやらズボンを後ろ前に履いているような気がしただけのようだが、尻にくい込んだ下着を直す姿や下着の裾から見える尻と太腿の境目などの素敵な光景をたっぷり拝ませていただいてしまった。
(眼福眼福~)
ズボンを履き直したアキは何故か得意げな顔をしている。俺に覗かれているとも知らず可愛いヤツだ。
《喜んだかな? 単純で可愛い兄貴だぜ》
そろそろアキも眠るのかなと思って眺めていると、ベッドから手が生えた。いや、セイカが手を真っ直ぐ上に伸ばしているようだ。
「ぅ……あっ……ぅぅ……!」
《……スェカーチカ?》
アキがセイカの異変に気付いた直後、セイカが飛び起きた。そして蹲り、また跳ね起き、頭を引っこ抜くように力強く抱え込んだ。
「ぁ……あっ、あぁっ!? ごっ、ごめっ、ごめんなさっ、ぁあぁああっ!? ゃ、あっ、鳴雷っ、嫌ぁああっ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃっ!」
《スェカーチカ! スェカーチカ! 落ち着け!》
「ごめっ、ごめんなさっ、嫌っ、いやぁっ! 鳴雷……鳴雷ぃ……ぁ、あっ? 秋風? え……? ぁ…………ゅ、め……なんだ、夢、また夢……ごめん、秋風……ここは、あぁ……紅葉の別荘だっけ。はぁ……あぁ……ごめん、寝る、から。ちゃんと寝る……ごめんな」
アキはセイカを抱き締めて名前を叫び、悪夢を見て飛び起きたらしい彼を落ち着かせた。セイカはテディベアを抱き締め直すと失神するようにすぐに眠りに落ちた。
《スェカーチカ……何日ぶりだ? ここまで荒れるの。ハルと揉めたのが効いてんのか、兄貴とヤった時になんかあったのか……ま、どうでもいいか。理由なんざどうでも……俺に出来ることなんか一緒だしな》
アキは疲れたように、そして愛おしそうに独り言を呟きながら灯りを消してベッドに潜り込んだ。セイカを抱き締めたようだ。
「おやすみなさい、です。すぇかーちか……にーに、ドア閉めるするです、おやすみなさいです」
「……っ!? お、おやすみ~…………びっくりしたぁ」
いつから気付いていたんだろう。独り言が多いように思えたのは俺に語りかけていたからなのだろうか。まぁいいや、次。
(最後は歌見どのとレイどのとサンさんのお部屋ですな、予想が付きませんぞ)
扉を少しだけ開けて、そっと覗く。
「今ドア開いた?」
もう気付かれた。サン、勘良すぎない? いや、耳か?
「え? いや……開いてないと思います」
「開いてる感ないっすよ、隣の部屋の出入りの音とかじゃないっすか?」
「そう……? まぁいいや、続き話そ」
よかった、少ししか開けていないから視覚でしか確認しない二人には気付かれずに済んだぞ。さぁ自然な姿を見せてくれ。
「ナナくんって今日はしなかったみたいだけど、いつもは水月に抱かれてるんだよね?」
「い、いつもって訳じゃないですけど、まぁ……そこそこ」
「ふぅん……どう? 気持ちいい?」
「えっ、は、はい、まぁ……」
「……水月、どう? 楽しそう? 可愛がってくれる?」
酷い質問攻めだな、歌見の顔はもうとっくの昔から真っ赤じゃないか。レイは何をやっているんだ? ペンタブを持っているな、仕事中かな。息抜きの落書きかな。
「自分でこれ言うのも恥ずかしいんですけど……まぁ、はい、楽しそうですね。可愛がっても……くれます」
「そう……他の子より弱めとかある?」
「え、いや……負けず劣らず強火ですよ。これ言うのめっちゃ恥ずかしいんですけど、水月……特に俺の胸が好きで、それはもうホント……すごい興奮のしようで」
なんか俺も恥ずかしくなってきた。
「……そっか。ボクの胸も吸ってたよ。大丈夫かな、水月、ボクちゃんと抱けるよね? 萎えないかな。水月がゴツい男好きでもボク女の子みたいに髪長いし……どっち寄りでも勃つけどどっちかに振り切ってないとダメって訳じゃないんだよね?」
「さっきから恥ずかしい質問してくると思ったらそんなこと気にしてたんですか? 大丈夫ですよ、水月はド変態です。安心して手出してくるのを待っててください」
「でも……ボクとバックでヤったら多分龍と目合うよ?」
「な、なら正常位でって言えば……いいんじゃないですか?」
「なくないっすよ! そんなガッツリ刺青入ってるのにバックで抱かないとかないっす、もったいないっす! 髪長いってのもバックでヤりたい要素らしいっすしね」
レイは俺をよく分かっているなぁ。
「ってかサンさんは男っぽいとか女っぽいじゃなくて、人外っぽいっす。八尺様男体化って感じっす。盲目で音と触覚頼りってのもちょっと怪異っぽさあるっすし……」
本当に俺をよく分かっているなぁ!? そうなんだよサン怪異っぽいんだよ、髪が長過ぎるし目が合わないし音に敏感だし力強いしデカいし監禁してくるから!
「おい最後、最後ダメだろ」
「……あっ、ご、ごめんなさいっすサンさん。特にその、なんかアレなつもりはなくて」
「あぁ、いいよ、気にしないで。それより怪異っぽいってさ、どうなの?」
「せんぱい的には……多分、怖いとか萎えるとかじゃなくて、興奮要素だと思うっす」
「あぁ……ポニテ萌えとかメガネ萌えとかと同じだろうな、怪異っぽい萌え……」
歌見もなかなか俺が分かってるじゃないか、その通りだ。カンナには洋モノホラゲーの敵クリーチャーへの萌えが、サンには和モノホラーの怪異萌えがそれぞれ発動している。まぁカンナにはメカクレ萌えとか無口萌えとかの方が大きいんだが、サンもサンで和彫り萌えやデカいのに一人称ボク萌え、そこそこな歳萌えの方が大きいからな。
「……イイの? ボク。水月的に」
「よくなきゃ口説かないと思いますよ」
「きっとめちゃくちゃ愛してもらえるっす! 不安がらなくていいっすよ」
「はい、俺も絶対大丈夫だと思いますよ」
「ただ、サンさんデッカいんで結腸ぶち抜きは無理かもしれないっすね、アレ気持ちいいんすけどねぇ」
何の心配だ。いや、結構重要なのか? サンがみんなは体験しているんだからと結腸責めをねだった場合、更に自前のモノで届かなかった場合には、何らかの玩具を使うことを考えなければ。
(お次はアキきゅんとセイカ様……セイカ様わたくし達がゲームしてる間に寝てましたし、もう電気消えてますかな)
虹彩の色素がないアキに合わせて薄暗くはされているものの、灯りは点いていた。セイカはベッドの上でテディベアを抱いて眠っているようだが、アキは起きている。床に片手をついてもう片方の手を背に回し、逆立ち腕立て伏せを行っていた。
《ふぅ……汗かかない程度にしとくか、気軽にシャワー浴びれねぇからここに居る間は筋トレ風呂の前にしねぇと……ぁー、生活リズム崩れる》
もう終わりか。俺が来るまでに何分くらいやっていたんだろう? 呼吸は乱れていないし汗もかいていない。すごいな。
《ぁん……? 視線……あぁ、兄貴。覗きか? えっち。相手はしねぇがズリネタの提供くらいはしてやるよ》
アキって独り言多いんだな。なんか今目が合った気がするけど、こっちに来ないし何も言ってこないし気のせいだろう。そう思っているとアキが突然ズボンを脱いだ。
(ひょっ……!?)
どうやらズボンを後ろ前に履いているような気がしただけのようだが、尻にくい込んだ下着を直す姿や下着の裾から見える尻と太腿の境目などの素敵な光景をたっぷり拝ませていただいてしまった。
(眼福眼福~)
ズボンを履き直したアキは何故か得意げな顔をしている。俺に覗かれているとも知らず可愛いヤツだ。
《喜んだかな? 単純で可愛い兄貴だぜ》
そろそろアキも眠るのかなと思って眺めていると、ベッドから手が生えた。いや、セイカが手を真っ直ぐ上に伸ばしているようだ。
「ぅ……あっ……ぅぅ……!」
《……スェカーチカ?》
アキがセイカの異変に気付いた直後、セイカが飛び起きた。そして蹲り、また跳ね起き、頭を引っこ抜くように力強く抱え込んだ。
「ぁ……あっ、あぁっ!? ごっ、ごめっ、ごめんなさっ、ぁあぁああっ!? ゃ、あっ、鳴雷っ、嫌ぁああっ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃっ!」
《スェカーチカ! スェカーチカ! 落ち着け!》
「ごめっ、ごめんなさっ、嫌っ、いやぁっ! 鳴雷……鳴雷ぃ……ぁ、あっ? 秋風? え……? ぁ…………ゅ、め……なんだ、夢、また夢……ごめん、秋風……ここは、あぁ……紅葉の別荘だっけ。はぁ……あぁ……ごめん、寝る、から。ちゃんと寝る……ごめんな」
アキはセイカを抱き締めて名前を叫び、悪夢を見て飛び起きたらしい彼を落ち着かせた。セイカはテディベアを抱き締め直すと失神するようにすぐに眠りに落ちた。
《スェカーチカ……何日ぶりだ? ここまで荒れるの。ハルと揉めたのが効いてんのか、兄貴とヤった時になんかあったのか……ま、どうでもいいか。理由なんざどうでも……俺に出来ることなんか一緒だしな》
アキは疲れたように、そして愛おしそうに独り言を呟きながら灯りを消してベッドに潜り込んだ。セイカを抱き締めたようだ。
「おやすみなさい、です。すぇかーちか……にーに、ドア閉めるするです、おやすみなさいです」
「……っ!? お、おやすみ~…………びっくりしたぁ」
いつから気付いていたんだろう。独り言が多いように思えたのは俺に語りかけていたからなのだろうか。まぁいいや、次。
(最後は歌見どのとレイどのとサンさんのお部屋ですな、予想が付きませんぞ)
扉を少しだけ開けて、そっと覗く。
「今ドア開いた?」
もう気付かれた。サン、勘良すぎない? いや、耳か?
「え? いや……開いてないと思います」
「開いてる感ないっすよ、隣の部屋の出入りの音とかじゃないっすか?」
「そう……? まぁいいや、続き話そ」
よかった、少ししか開けていないから視覚でしか確認しない二人には気付かれずに済んだぞ。さぁ自然な姿を見せてくれ。
「ナナくんって今日はしなかったみたいだけど、いつもは水月に抱かれてるんだよね?」
「い、いつもって訳じゃないですけど、まぁ……そこそこ」
「ふぅん……どう? 気持ちいい?」
「えっ、は、はい、まぁ……」
「……水月、どう? 楽しそう? 可愛がってくれる?」
酷い質問攻めだな、歌見の顔はもうとっくの昔から真っ赤じゃないか。レイは何をやっているんだ? ペンタブを持っているな、仕事中かな。息抜きの落書きかな。
「自分でこれ言うのも恥ずかしいんですけど……まぁ、はい、楽しそうですね。可愛がっても……くれます」
「そう……他の子より弱めとかある?」
「え、いや……負けず劣らず強火ですよ。これ言うのめっちゃ恥ずかしいんですけど、水月……特に俺の胸が好きで、それはもうホント……すごい興奮のしようで」
なんか俺も恥ずかしくなってきた。
「……そっか。ボクの胸も吸ってたよ。大丈夫かな、水月、ボクちゃんと抱けるよね? 萎えないかな。水月がゴツい男好きでもボク女の子みたいに髪長いし……どっち寄りでも勃つけどどっちかに振り切ってないとダメって訳じゃないんだよね?」
「さっきから恥ずかしい質問してくると思ったらそんなこと気にしてたんですか? 大丈夫ですよ、水月はド変態です。安心して手出してくるのを待っててください」
「でも……ボクとバックでヤったら多分龍と目合うよ?」
「な、なら正常位でって言えば……いいんじゃないですか?」
「なくないっすよ! そんなガッツリ刺青入ってるのにバックで抱かないとかないっす、もったいないっす! 髪長いってのもバックでヤりたい要素らしいっすしね」
レイは俺をよく分かっているなぁ。
「ってかサンさんは男っぽいとか女っぽいじゃなくて、人外っぽいっす。八尺様男体化って感じっす。盲目で音と触覚頼りってのもちょっと怪異っぽさあるっすし……」
本当に俺をよく分かっているなぁ!? そうなんだよサン怪異っぽいんだよ、髪が長過ぎるし目が合わないし音に敏感だし力強いしデカいし監禁してくるから!
「おい最後、最後ダメだろ」
「……あっ、ご、ごめんなさいっすサンさん。特にその、なんかアレなつもりはなくて」
「あぁ、いいよ、気にしないで。それより怪異っぽいってさ、どうなの?」
「せんぱい的には……多分、怖いとか萎えるとかじゃなくて、興奮要素だと思うっす」
「あぁ……ポニテ萌えとかメガネ萌えとかと同じだろうな、怪異っぽい萌え……」
歌見もなかなか俺が分かってるじゃないか、その通りだ。カンナには洋モノホラゲーの敵クリーチャーへの萌えが、サンには和モノホラーの怪異萌えがそれぞれ発動している。まぁカンナにはメカクレ萌えとか無口萌えとかの方が大きいんだが、サンもサンで和彫り萌えやデカいのに一人称ボク萌え、そこそこな歳萌えの方が大きいからな。
「……イイの? ボク。水月的に」
「よくなきゃ口説かないと思いますよ」
「きっとめちゃくちゃ愛してもらえるっす! 不安がらなくていいっすよ」
「はい、俺も絶対大丈夫だと思いますよ」
「ただ、サンさんデッカいんで結腸ぶち抜きは無理かもしれないっすね、アレ気持ちいいんすけどねぇ」
何の心配だ。いや、結構重要なのか? サンがみんなは体験しているんだからと結腸責めをねだった場合、更に自前のモノで届かなかった場合には、何らかの玩具を使うことを考えなければ。
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