952 / 1,942
ごめんなさい!
しおりを挟む
食事マナーなどの話で盛り上がり、サンが咀嚼音がうるさいタイプの人間に度が過ぎる制裁を加えた話で盛り下がった。そういえば以前椅子の背もたれを握り割っていたりしたなぁ、と俺は後から思った。
「そうだ、ロシアにはどんなマナーあるの? 聞いてみてよセイくん。セイくんどこ? 居る?」
「ぁ、い、居ますっ……すぐ聞く……」
突然指名を受けたセイカは戸惑いながら、ハルの視線を気にしながらもアキに質問をしてくれた。
「外に出た時は深呼吸をしちゃダメなんだって」
「へぇ……?」
「それは無礼だったり下品だったりするのかな? 僕達の感覚からすると不思議だよ」
「一気に冷たい空気吸うと肺が凍るからだってさ」
「…………それマナーじゃなくない?」
しばらくは口を噤んでいたが、ツッコミをせずにはいられなくなったようでハルが俺も言おうとしていたことを言った。
「でも、秋風が」
「翻訳ミスなんじゃないの? マナーってのは礼儀、作法、行儀とか、そういうのなんだけど?」
間延びしていないハルの話し方はレアだ。けれど萌えより恐怖が勝つ、これは完全にクラスのイケてる女子が陰キャへの苛立ちを露わにしている時の恐怖と同じ種類のものだ。胃がキリキリしてきた。
《……ぁ、秋風っ、箸の持ち方とか……目上の人を先に部屋に入れるとか、部屋の奥に座らせるとか、そういうの……聞きたかったんだって。何かある?》
《礼儀作法っつーのはつまりその場で生き抜くための知恵だろ? 下っ端はお偉いさんをキモチよ~くしなきゃ生きれねぇんだからそりゃ部屋に先に入れたりしなきゃならねぇ訳だ。だが! 俺は向こうじゃ社会から爪弾きにされてたからな、属するもんがねぇ、その場合対応すべきは自然環境……つまり寒さとの付き合い方だ》
「……人付き合いなかったから、自然との付き合い方しか知らない。的なこと言ってる」
「いや今絶対もっと長々と話してたじゃん! ちゃんと全部教えてよ!」
「ハル、セイカはちゃんと分かりやすいように要約もしてくれてるから……」
「本当に? 別のこと言ってる可能性もあるじゃん、今とか長さ全然違ったし! なんでそんな信用出来んの」
「だから要約もしてくれてるから長さが違うんだってば。なんでって……彼氏なんだから信用するに決まってるだろ。それに、翻訳の内容真実から変えて何にになるんだよ、カタコトと身振り手振りでも俺達が矛盾に気付くタイミングは絶対あるわけで……そのリスクを背負ってまでセイカが嘘をつく理由は? ないだろ?」
よし、上手く論理的にセイカへの信用を説明出来たぞ。セイカはこれを聞いて喜んたりしてくれただろうか。
「理由なんか……いらないじゃん、昔……みっつんに酷いことしたヤツなんか、何にも考えずに嘘ついたりもするよ」
「ハル……セイカは今はいい子だ。昔もいい子だった、ただちょっとストレスのはけ口がなかったり俺の無自覚煽りだったり……俺が、セイカをちゃんと見てなかったりしたから、ああなっただけで」
「ストレスとかみっつんには関係ないじゃん! 虐めたヤツが全部悪いの!」
「……ありがとうな、俺の味方してくれて……あの時欲しかった。でもなぁハル、昔昔って言うならお前はどうなんだよ……パパ活ママ活して荒稼ぎしてたんだろ?」
少々心が痛むが、ハルの正義感と愛情由来の攻撃性を下げるにはこれしか思い付かない。
「そっ、それは、言わないでよっ、みっつん受け入れてくれたじゃん……! ホテルとかは行ってないし、ちょっとカフェでお茶とかしてっ、話とかしただけで……!」
「そんな方法で金稼いでたヤツの自分は処女です発言にどれだけの価値があるんだよ」
「……信じてくれてなかったの?」
「信じてるよ、彼氏だもんな。中学生を金で釣って、あわよくば……なんて考える大人が全部悪い! 俺はハルの過去なんて気にしてないよ」
「みっつん……」
「同じだよ、セイカは彼氏だ、俺は信じてる。もう過去はいい……許したんだ、俺にも悪いところがあったから。だからもう、セイカに何も言わないでやってくれよ。被害者の俺がこんなに言ってるのに、加害者にまだ石を投げつけるような真似……優しいハルならしないよな?」
「……昼間なんて、あんなに泣いてたのに」
「…………恥ずかしいからやめてくれ。大丈夫なんだって本当に……そりゃたまにぶり返すことはあるけど、許してるんだよ本当に。ほら、ハルが俺のこと安全だって分かってても怖がっちゃうのと一緒。頭とトラウマは別」
「それ言われちゃうと分かるしかなくなるー……」
「分かってくれたか、俺の克服の邪魔しないでくれよ」
「……分かった」
納得いっていなさそうな表情だが、了承はしてくれた。もうセイカに威嚇したりセイカを叩いたりはしないだろう……しないよな? しないでくれよ? 空気がピリピリしているのが一番疲れるんだから、険悪な雰囲気の旅行なんて最低なんだから。
「まぁ……うん、理由なく嘘つくでしょとかは、酷かったかな~……それは、うん……叩いたのも、あの時は関係なかったし……泣かせたのこのめんだし~」
「そっ、それはそうっすけどぉ、俺はっ……雑談してただけでっ」
「だからぁ~……色々ぉ~………………ごめん、なさ~い……」
謝った!?
《お前そんな寒いとこ住んでたの? ロシアって大陸性気候だろ? 夏はそこそこ暑いよな》
《知らね。とにかく冬場はめちゃくちゃ寒かったぜ》
聞いてない!?
「…………ごーめーんーなーさーい! せーいーかぁーくーん!」
「へっ? あっ……う、うん……別にそんな……俺が、悪いんだし」
《っていうかスェカーチカ微妙に汗臭いぜ、ムラつくから今はそういうアプローチは勘弁して欲しいな。マナーマナー言うならそっち先に気にしろよ》
「へっ!? ごっ、ごめん! すぐお風呂っ……」
アキに何を言われたのか、突然走り出そうとして転びかけたセイカを支える。アキが襟首を掴んだため俺の腕にはほとんど体重がかからなかった。
「……お風呂入りたいのか? そっかぁ! そろそろ行こっか、おいで~」
「へっ? ぁ、わっ……」
しかしアキは俺が腕を突き出したのを見てすぐに手を離したので、俺に支えられるしかなくなった彼を抱き上げた。
《兄貴もスェカーチカも居ねぇとなると……犬……犬? 居ねぇじゃん。ぁー……何しよ、ボンボンに色目使って遊ぶか》
お姫様抱っこにしたセイカを連れて行く最中、アキの退屈そうな呟きを聞いた。
「そうだ、ロシアにはどんなマナーあるの? 聞いてみてよセイくん。セイくんどこ? 居る?」
「ぁ、い、居ますっ……すぐ聞く……」
突然指名を受けたセイカは戸惑いながら、ハルの視線を気にしながらもアキに質問をしてくれた。
「外に出た時は深呼吸をしちゃダメなんだって」
「へぇ……?」
「それは無礼だったり下品だったりするのかな? 僕達の感覚からすると不思議だよ」
「一気に冷たい空気吸うと肺が凍るからだってさ」
「…………それマナーじゃなくない?」
しばらくは口を噤んでいたが、ツッコミをせずにはいられなくなったようでハルが俺も言おうとしていたことを言った。
「でも、秋風が」
「翻訳ミスなんじゃないの? マナーってのは礼儀、作法、行儀とか、そういうのなんだけど?」
間延びしていないハルの話し方はレアだ。けれど萌えより恐怖が勝つ、これは完全にクラスのイケてる女子が陰キャへの苛立ちを露わにしている時の恐怖と同じ種類のものだ。胃がキリキリしてきた。
《……ぁ、秋風っ、箸の持ち方とか……目上の人を先に部屋に入れるとか、部屋の奥に座らせるとか、そういうの……聞きたかったんだって。何かある?》
《礼儀作法っつーのはつまりその場で生き抜くための知恵だろ? 下っ端はお偉いさんをキモチよ~くしなきゃ生きれねぇんだからそりゃ部屋に先に入れたりしなきゃならねぇ訳だ。だが! 俺は向こうじゃ社会から爪弾きにされてたからな、属するもんがねぇ、その場合対応すべきは自然環境……つまり寒さとの付き合い方だ》
「……人付き合いなかったから、自然との付き合い方しか知らない。的なこと言ってる」
「いや今絶対もっと長々と話してたじゃん! ちゃんと全部教えてよ!」
「ハル、セイカはちゃんと分かりやすいように要約もしてくれてるから……」
「本当に? 別のこと言ってる可能性もあるじゃん、今とか長さ全然違ったし! なんでそんな信用出来んの」
「だから要約もしてくれてるから長さが違うんだってば。なんでって……彼氏なんだから信用するに決まってるだろ。それに、翻訳の内容真実から変えて何にになるんだよ、カタコトと身振り手振りでも俺達が矛盾に気付くタイミングは絶対あるわけで……そのリスクを背負ってまでセイカが嘘をつく理由は? ないだろ?」
よし、上手く論理的にセイカへの信用を説明出来たぞ。セイカはこれを聞いて喜んたりしてくれただろうか。
「理由なんか……いらないじゃん、昔……みっつんに酷いことしたヤツなんか、何にも考えずに嘘ついたりもするよ」
「ハル……セイカは今はいい子だ。昔もいい子だった、ただちょっとストレスのはけ口がなかったり俺の無自覚煽りだったり……俺が、セイカをちゃんと見てなかったりしたから、ああなっただけで」
「ストレスとかみっつんには関係ないじゃん! 虐めたヤツが全部悪いの!」
「……ありがとうな、俺の味方してくれて……あの時欲しかった。でもなぁハル、昔昔って言うならお前はどうなんだよ……パパ活ママ活して荒稼ぎしてたんだろ?」
少々心が痛むが、ハルの正義感と愛情由来の攻撃性を下げるにはこれしか思い付かない。
「そっ、それは、言わないでよっ、みっつん受け入れてくれたじゃん……! ホテルとかは行ってないし、ちょっとカフェでお茶とかしてっ、話とかしただけで……!」
「そんな方法で金稼いでたヤツの自分は処女です発言にどれだけの価値があるんだよ」
「……信じてくれてなかったの?」
「信じてるよ、彼氏だもんな。中学生を金で釣って、あわよくば……なんて考える大人が全部悪い! 俺はハルの過去なんて気にしてないよ」
「みっつん……」
「同じだよ、セイカは彼氏だ、俺は信じてる。もう過去はいい……許したんだ、俺にも悪いところがあったから。だからもう、セイカに何も言わないでやってくれよ。被害者の俺がこんなに言ってるのに、加害者にまだ石を投げつけるような真似……優しいハルならしないよな?」
「……昼間なんて、あんなに泣いてたのに」
「…………恥ずかしいからやめてくれ。大丈夫なんだって本当に……そりゃたまにぶり返すことはあるけど、許してるんだよ本当に。ほら、ハルが俺のこと安全だって分かってても怖がっちゃうのと一緒。頭とトラウマは別」
「それ言われちゃうと分かるしかなくなるー……」
「分かってくれたか、俺の克服の邪魔しないでくれよ」
「……分かった」
納得いっていなさそうな表情だが、了承はしてくれた。もうセイカに威嚇したりセイカを叩いたりはしないだろう……しないよな? しないでくれよ? 空気がピリピリしているのが一番疲れるんだから、険悪な雰囲気の旅行なんて最低なんだから。
「まぁ……うん、理由なく嘘つくでしょとかは、酷かったかな~……それは、うん……叩いたのも、あの時は関係なかったし……泣かせたのこのめんだし~」
「そっ、それはそうっすけどぉ、俺はっ……雑談してただけでっ」
「だからぁ~……色々ぉ~………………ごめん、なさ~い……」
謝った!?
《お前そんな寒いとこ住んでたの? ロシアって大陸性気候だろ? 夏はそこそこ暑いよな》
《知らね。とにかく冬場はめちゃくちゃ寒かったぜ》
聞いてない!?
「…………ごーめーんーなーさーい! せーいーかぁーくーん!」
「へっ? あっ……う、うん……別にそんな……俺が、悪いんだし」
《っていうかスェカーチカ微妙に汗臭いぜ、ムラつくから今はそういうアプローチは勘弁して欲しいな。マナーマナー言うならそっち先に気にしろよ》
「へっ!? ごっ、ごめん! すぐお風呂っ……」
アキに何を言われたのか、突然走り出そうとして転びかけたセイカを支える。アキが襟首を掴んだため俺の腕にはほとんど体重がかからなかった。
「……お風呂入りたいのか? そっかぁ! そろそろ行こっか、おいで~」
「へっ? ぁ、わっ……」
しかしアキは俺が腕を突き出したのを見てすぐに手を離したので、俺に支えられるしかなくなった彼を抱き上げた。
《兄貴もスェカーチカも居ねぇとなると……犬……犬? 居ねぇじゃん。ぁー……何しよ、ボンボンに色目使って遊ぶか》
お姫様抱っこにしたセイカを連れて行く最中、アキの退屈そうな呟きを聞いた。
0
お気に入りに追加
1,213
あなたにおすすめの小説
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
小さい頃、近所のお兄さんに赤ちゃんみたいに甘えた事がきっかけで性癖が歪んでしまって困ってる
海野
BL
小さい頃、妹の誕生で赤ちゃん返りをした事のある雄介少年。少年も大人になり青年になった。しかし一般男性の性の興味とは外れ、幼児プレイにしかときめかなくなってしまった。あの時お世話になった「近所のお兄さん」は結婚してしまったし、彼ももう赤ちゃんになれる程可愛い背格好では無い。そんなある日、職場で「お兄さん」に似た雰囲気の人を見つける。いつしか目で追う様になった彼は次第にその人を妄想の材料に使うようになる。ある日の残業中、眠ってしまった雄介は、起こしに来た人物に寝ぼけてママと言って抱きついてしまい…?
犬用オ●ホ工場~兄アナル凌辱雌穴化計画~
雷音
BL
全12話 本編完結済み
雄っパイ●リ/モブ姦/獣姦/フィスト●ァック/スパンキング/ギ●チン/玩具責め/イ●マ/飲●ー/スカ/搾乳/雄母乳/複数/乳合わせ/リバ/NTR/♡喘ぎ/汚喘ぎ
一文無しとなったオジ兄(陸郎)が金銭目的で実家の工場に忍び込むと、レーン上で後転開脚状態の男が泣き喚きながら●姦されている姿を目撃する。工場の残酷な裏業務を知った陸郎に忍び寄る魔の手。義父や弟から容赦なく責められるR18。甚振られ続ける陸郎は、やがて快楽に溺れていき――。
※闇堕ち、♂♂寄りとなります※
単話ごとのプレイ内容を12本全てに記載致しました。
(登場人物は全員成人済みです)
ポチは今日から社長秘書です
ムーン
BL
御曹司に性的なペットとして飼われポチと名付けられた男は、その御曹司が会社を継ぐと同時に社長秘書の役目を任された。
十代でペットになった彼には学歴も知識も経験も何一つとしてない。彼は何年も犬として過ごしており、人間の社会生活から切り離されていた。
これはそんなポチという名の男が凄腕社長秘書になるまでの物語──などではなく、性的にもてあそばれる場所が豪邸からオフィスへと変わったペットの日常を綴ったものである。
サディスト若社長の椅子となりマットとなり昼夜を問わず性的なご奉仕!
仕事の合間を縫って一途な先代社長との甘い恋人生活を堪能!
先々代様からの無茶振り、知り合いからの恋愛相談、従弟の問題もサラッと解決!
社長のスケジュール・体調・機嫌・性欲などの管理、全てポチのお仕事です!
※「俺の名前は今日からポチです」の続編ですが、前作を知らなくても楽しめる作りになっています。
※前作にはほぼ皆無のオカルト要素が加わっています、ホラー演出はありませんのでご安心ください。
※主人公は社長に対しては受け、先代社長に対しては攻めになります。
※一話目だけ三人称、それ以降は主人公の一人称となります。
※ぷろろーぐの後は過去回想が始まり、ゆっくりとぷろろーぐの時間に戻っていきます。
※タイトルがひらがな以外の話は主人公以外のキャラの視点です。
※拙作「俺の名前は今日からポチです」「ストーカー気質な青年の恋は実るのか」「とある大学生の遅過ぎた初恋」「いわくつきの首塚を壊したら霊姦体質になりまして、周囲の男共の性奴隷に堕ちました」の世界の未来となっており、その作品のキャラも一部出ますが、もちろんこれ単体でお楽しみいただけます。
含まれる要素
※主人公以外のカプ描写
※攻めの女装、コスプレ。
※義弟、義父との円満二股。3Pも稀に。
※鞭、蝋燭、尿道ブジー、その他諸々の玩具を使ったSMプレイ。
※野外、人前、見せつけ諸々の恥辱プレイ。
※暴力的なプレイを口でしか嫌がらない真性ドM。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる