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ご所望はいちゃらぶ
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胸に飛び込んできたレイを抱き締めて、ピンク色の髪を優しく撫でる。相変わらず染髪とは思えない柔らかさとキメ細やかさだ、そこそこの金と手間の気配を感じる。
「なでなで好きっす。せんぱいに撫でてもらうためにケア頑張ってるんすよ」
「柔らかくて指通り良くて、すごく気持ちいいよ。別に触り心地悪かったって撫でなくなったりしないけどな」
「せんぱいに喜んで欲しいんす!」
「ふふ……そっか、可愛いなぁ」
長い後ろ髪はまだ結ばれたままだ、うなじのすぐ上辺りを探ると髪を緩くまとめたヘアゴムを見つけた。
「ぁ……」
ヘアゴムに指を引っ掛け、するんと滑るようにヘアゴムの輪の中から抜けていく髪の動きを見て楽しむ。
「ほどいちゃダメだったか? ごめん、聞くべきだったな」
「そんなっ、もちろんいいっす。その……髪ほどかれると、これからするんだって感じがして……ドキドキするんす」
ドギツいピンク色のヘアゴムを手首にはめ、うなじのすぐ上辺りの髪をくしゃくしゃっと掻き混ぜて結んでいたことで髪についた型を崩していく。
「ふぅん……?」
仰向けにさせることが多いから、後頭部で結んだヘアゴムと髪の塊が邪魔で痛いかもしれないと、俺は行為の際は大抵髪をほどいてきた。昼間のような立ちや座りだけで行える際は別として。
「……くーちゃん、こんなふうに優しく髪撫でてくれなかったから……染めさせたくせに……だから、せんぱいにこうしてもらえるの、新鮮で……すごく、幸せで……あっ、ご、ごめんなさいっす、くーちゃんの話とかして……不快、っすよね?」
「まぁ、な。でも俺が初めてみたいなこともあるんだって分かったからいいよ、プラマイゼロ……ううん、プラスの方が大きい」
「せんぱいが初めて多いっすよ? 監視カメラ気にせず置かせてくれたり、会う度に可愛いとか好きとか言ってくれたり……せんぱいにとっては当たり前のことなんすか?」
真っ黒な瞳が俺を見つめる。俺だけを見つめている。元カレを思い出して生まれたヘドロのような感情がゆっくりと引いていく。
「……レイが特別可愛いからお願い聞いちゃうんだよ、後は思ったことそのまま口に出してるだけ」
「他の彼氏にも言ってるじゃないっすか」
「特別可愛い子を揃えてるんだからそりゃそうだよ。だからまぁ、色々お願い聞いて可愛いって言うのは、レイが特別可愛いからだから当たり前じゃないっちゃ当たり前じゃない。レイみたいな特別可愛い子のお願い聞いて、可愛いよって褒めるのは当然だから、当たり前っちゃ当たり前かな」
「んー……? ややこしいっすね~」
「ふふふ、悩んでる顔も可愛い。特別扱いだよ、その辺のモブには俺はこんなに尽くさない」
「モブって、もぉー、酷い言い方っすねぇ」
くすくすと笑うレイの頬を撫で、もう片方の頬にキスをする。啄むようなキスを繰り返し、次第に唇だけで噛み合うようなキスへと変わり、やがてどちらともなく舌を伸ばし合う。
「んっ……」
空いていた手でレイの顎を支える。頬を撫でていた手で耳の付け根をくすぐる。
「……っ、ん、ぅんっ……」
柔らかく弾力のある舌同士の絡まり合いに挟まる、硬く小さな半球形の何か。邪魔ではなくいいアクセントになっているそれは舌ピアスだ。
「んんっ……!」
つい気になって舌ピアスを舐め転がすのに集中してしまう。レイの舌の動きは次第に鈍り、俺に絡み付く腕の力も抜けていく。
「んっ、ふ、んん……んぅうっ!?」
脱力して開いた口から舌を奪う、舌を吸ってやるとレイは身体を仰け反らせた。
(本当にピアス性感帯なんですな……かわゆい)
そう思うと同時に、やはり嫉妬も湧く。この性感帯を作り上げた男へのどうしようもない憎しみが、胸の奥底からふつふつと湧き上がる。
「ん、んんっ……! は、ぁっ、せんぱい、せんぱぁい……ぇへへ」
「……ふふ」
愛らしい笑顔に俺の頬も緩む。湧き上がったヘドロのような感情がまた胸の奥底に引く。
「んっ……せんぱい?」
頬を撫で、首筋を撫で、耳の根元を撫でる。ピアスだらけの耳を見つめる。
「ピアス触りたいんすか?」
「んー……いや、ちょっとピアスホールの周り赤くなってるから、今日はやめとく」
「痛くないっすよ?」
「うん、でもやめとく」
「……まぁ、せんぱいの好きにすればいいっすけど」
そう言いながらもレイは嬉しそうに笑い、頬を赤らめている。俺が身体を気遣っているのが嬉しいとか、どうせまたそんなとこだろう、彼氏の身体に気を遣うのは当然のことなのに。
「何、ボク触り過ぎた?」
「ゃ、まぁ……大丈夫。傷には全然なってないし」
ピアスのない耳の付け根を撫でくすぐる。レイはくすぐったそうに首を縮め、可愛らしい声でやんわりと嫌がった。
「やだぁせんぱい、くすぐったいっすよぉ」
くねる腰を捕まえて、耳を撫でていた手を脇腹に下ろす。
「これ不思議だなぁ、耳とか臍とかのはまだ分かるんだけどさ……腰って」
骨盤の上からくびれに向かって、銀色の玉が点々と付いている。右に二つ左に六つだ、実は二つの玉で一つのピアスらしいから、正しくは一つと三つ……だったかな?
「皮膚の下通してるんすよ、他のピアスとそんな変わらないっすよ?」
玉と玉の間の皮膚に強く触れるとそれぞれを繋ぐ棒らしき物の存在が分かる。その棒の存在を確かめていると、レイの呼吸が荒くなっていっていた。
「……っと、ピアス弄らないって約束したんだったな」
「んっ……俺はいいのにぃ」
サンが乱暴に触っていた訳でもないから触らない理由なんて大してないけれど、言ってしまったからには守らなければ。となると腰は掴めない、さて、どんな体位にしようかな。
「なでなで好きっす。せんぱいに撫でてもらうためにケア頑張ってるんすよ」
「柔らかくて指通り良くて、すごく気持ちいいよ。別に触り心地悪かったって撫でなくなったりしないけどな」
「せんぱいに喜んで欲しいんす!」
「ふふ……そっか、可愛いなぁ」
長い後ろ髪はまだ結ばれたままだ、うなじのすぐ上辺りを探ると髪を緩くまとめたヘアゴムを見つけた。
「ぁ……」
ヘアゴムに指を引っ掛け、するんと滑るようにヘアゴムの輪の中から抜けていく髪の動きを見て楽しむ。
「ほどいちゃダメだったか? ごめん、聞くべきだったな」
「そんなっ、もちろんいいっす。その……髪ほどかれると、これからするんだって感じがして……ドキドキするんす」
ドギツいピンク色のヘアゴムを手首にはめ、うなじのすぐ上辺りの髪をくしゃくしゃっと掻き混ぜて結んでいたことで髪についた型を崩していく。
「ふぅん……?」
仰向けにさせることが多いから、後頭部で結んだヘアゴムと髪の塊が邪魔で痛いかもしれないと、俺は行為の際は大抵髪をほどいてきた。昼間のような立ちや座りだけで行える際は別として。
「……くーちゃん、こんなふうに優しく髪撫でてくれなかったから……染めさせたくせに……だから、せんぱいにこうしてもらえるの、新鮮で……すごく、幸せで……あっ、ご、ごめんなさいっす、くーちゃんの話とかして……不快、っすよね?」
「まぁ、な。でも俺が初めてみたいなこともあるんだって分かったからいいよ、プラマイゼロ……ううん、プラスの方が大きい」
「せんぱいが初めて多いっすよ? 監視カメラ気にせず置かせてくれたり、会う度に可愛いとか好きとか言ってくれたり……せんぱいにとっては当たり前のことなんすか?」
真っ黒な瞳が俺を見つめる。俺だけを見つめている。元カレを思い出して生まれたヘドロのような感情がゆっくりと引いていく。
「……レイが特別可愛いからお願い聞いちゃうんだよ、後は思ったことそのまま口に出してるだけ」
「他の彼氏にも言ってるじゃないっすか」
「特別可愛い子を揃えてるんだからそりゃそうだよ。だからまぁ、色々お願い聞いて可愛いって言うのは、レイが特別可愛いからだから当たり前じゃないっちゃ当たり前じゃない。レイみたいな特別可愛い子のお願い聞いて、可愛いよって褒めるのは当然だから、当たり前っちゃ当たり前かな」
「んー……? ややこしいっすね~」
「ふふふ、悩んでる顔も可愛い。特別扱いだよ、その辺のモブには俺はこんなに尽くさない」
「モブって、もぉー、酷い言い方っすねぇ」
くすくすと笑うレイの頬を撫で、もう片方の頬にキスをする。啄むようなキスを繰り返し、次第に唇だけで噛み合うようなキスへと変わり、やがてどちらともなく舌を伸ばし合う。
「んっ……」
空いていた手でレイの顎を支える。頬を撫でていた手で耳の付け根をくすぐる。
「……っ、ん、ぅんっ……」
柔らかく弾力のある舌同士の絡まり合いに挟まる、硬く小さな半球形の何か。邪魔ではなくいいアクセントになっているそれは舌ピアスだ。
「んんっ……!」
つい気になって舌ピアスを舐め転がすのに集中してしまう。レイの舌の動きは次第に鈍り、俺に絡み付く腕の力も抜けていく。
「んっ、ふ、んん……んぅうっ!?」
脱力して開いた口から舌を奪う、舌を吸ってやるとレイは身体を仰け反らせた。
(本当にピアス性感帯なんですな……かわゆい)
そう思うと同時に、やはり嫉妬も湧く。この性感帯を作り上げた男へのどうしようもない憎しみが、胸の奥底からふつふつと湧き上がる。
「ん、んんっ……! は、ぁっ、せんぱい、せんぱぁい……ぇへへ」
「……ふふ」
愛らしい笑顔に俺の頬も緩む。湧き上がったヘドロのような感情がまた胸の奥底に引く。
「んっ……せんぱい?」
頬を撫で、首筋を撫で、耳の根元を撫でる。ピアスだらけの耳を見つめる。
「ピアス触りたいんすか?」
「んー……いや、ちょっとピアスホールの周り赤くなってるから、今日はやめとく」
「痛くないっすよ?」
「うん、でもやめとく」
「……まぁ、せんぱいの好きにすればいいっすけど」
そう言いながらもレイは嬉しそうに笑い、頬を赤らめている。俺が身体を気遣っているのが嬉しいとか、どうせまたそんなとこだろう、彼氏の身体に気を遣うのは当然のことなのに。
「何、ボク触り過ぎた?」
「ゃ、まぁ……大丈夫。傷には全然なってないし」
ピアスのない耳の付け根を撫でくすぐる。レイはくすぐったそうに首を縮め、可愛らしい声でやんわりと嫌がった。
「やだぁせんぱい、くすぐったいっすよぉ」
くねる腰を捕まえて、耳を撫でていた手を脇腹に下ろす。
「これ不思議だなぁ、耳とか臍とかのはまだ分かるんだけどさ……腰って」
骨盤の上からくびれに向かって、銀色の玉が点々と付いている。右に二つ左に六つだ、実は二つの玉で一つのピアスらしいから、正しくは一つと三つ……だったかな?
「皮膚の下通してるんすよ、他のピアスとそんな変わらないっすよ?」
玉と玉の間の皮膚に強く触れるとそれぞれを繋ぐ棒らしき物の存在が分かる。その棒の存在を確かめていると、レイの呼吸が荒くなっていっていた。
「……っと、ピアス弄らないって約束したんだったな」
「んっ……俺はいいのにぃ」
サンが乱暴に触っていた訳でもないから触らない理由なんて大してないけれど、言ってしまったからには守らなければ。となると腰は掴めない、さて、どんな体位にしようかな。
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