上 下
915 / 2,014

惚れている証明

しおりを挟む
相変わらずタオルケットを被っているカンナの頭から背を撫で下ろし、頬にキスをし、カンナから離れてリュウの元へ向かう。

「ドロッドロだな……」

「飲ませてあげようと思ったんだけど少し外れてしまってね、舌を口の中に戻せないから舐め取ることも出来ないようでこのままさ。ウェットティッシュ、要るかい?」

「ゃ、大丈夫です」

ネザメは微笑んで頷き、ベッドから降りて立ち上がった。細く長い足を使って歩く姿はやはり美しい。

「ミフユ、そろそろ反省出来たかな?」

「ネザメ様……はい」

「正座、やめていいよ」

ミフユはゆっくりと足を伸ばし、声を漏らした。どうやら足が痺れているようだ。少し離れたところに座っている歌見はミフユ達を気にしている、俺達には相変わらず背を向けているけれど。

「ぁあぁっ……はぁ、も、申し訳ありません。情けない声を……その、足が痺れてしまって……あぁああっ!?」

「……ふふっ」

ネザメはミフユの足を撫で、痺れているそこに刺激を与えている。酷なことをするものだ……俺も前リュウにやったなぁ。

「うわ~……やだな~アレ」

「痺れた足触られるの嫌っすよね……」

ハルとレイには絶対にしないようにしよう。

「リュウ」

「……ぃ、ひゅき」

「俺以外の男の精液の味はどうだ? 美味いか? ずっと舌に乗ってて、口の周りべっとりついてて……飼い主以外の男に嗅覚も味覚も犯されて、どんな気分なんだ?」

「ぅ、あ……」

「…………寄越せ」

顎から頬にかけてをゆっくりと舐め上げる。ネザメの精液は既に固まり始めていた。

「ん……」

濃い。苦い。臭い。最高だ。
リュウの顔についたネザメの精液を全て俺の唾液に入れ替えたら、次はリングから飛び出させられた舌を咥える。

「うっ!? ぅ、あぅっ、うぅう……!」

精液まみれの舌をぢゅう~っと吸ってやるとリュウは情けない声を漏らした。ネザメの精液を全て奪った後もしばらく吸い、気が済んだらリングからリュウの口の中へと舌を押し込んだ。

「ぅうっ、ゔ……!? う、ぁ……」

硬いリングと柔らかいリュウの舌の感触の差がなんとも言えない心地良さを演出している。リングの内側で二枚の舌が重なっているのもいい、普段のキスでは味わえない窮屈さがたまらない。

「ぁ、う……ふっ、ぅう……ぅ、あぅ、う……」

キス中は目を閉じるものらしいが、俺は今回ずっと開きっぱなしだ。リュウは目を閉じてはいるが、開きかけているのか……あるいは開こうとしているが閉じてしまうのか、睫毛が震えていて可愛い。

「……ふ、ぁっ……はぁ……」

ネザメの精液の味がしなくなってもしばらくリュウの口内を蹂躙し、彼の腰から力が抜けた頃に舌を抜いた。

「……ぃひゅき」

背に腕を回して支えてやり、ようやく開いた目と目を合わせる。

「間抜けな呼び方だな」

「ふ、あん……」

「…………すまん?」

リュウは人差し指を俺に向けた。正解と言いたいのだろう。

「なぁ、リュウ。俺が許可したとはいえ別の男にマーキングされて興奮してるのはどうなんだ? よくないよな?」

「ぅ……」

「お仕置き……いや、証明しろ。お前が俺に惚れ込んでることを」

「ぁいひはええん?」

何したええん? と言ったのかな? カンナやアキのおかげで相手の言いたいことを察する力は鍛えられている。

「カンナとシュカとレイと……後、機嫌直してくれたら歌見先輩。良ければミフユさんも。みんなを抱いて、ハルの尻ちょっと弄って、サンとイチャついて、ネザメさんとも何かしたいな……」

「僕と? ふふ、光栄だね、そう言ってもらえるのは嬉しいよ」

余裕の微笑みを浮かべてそう返したネザメは、俺から視線を外してからゆっくりと顔を赤くしていき、顔を両手で隠して蹲ってしまった。

(可愛いなぁあの人! どう手ぇ出したもんでしょう)

俺とのベッドの中での触れ合いを少し想像しただけで照れて蹲ってしまう彼は、自分を客観的に理解する能力に欠けていて、俺を抱きたいだの自分がタチがいいだのと無茶を言う。互いに譲らない俺達は付き合って結構経つのに未だに手コキやフェラから先に進めないでいる。

「……ほいえ?」

ほいで? だな。察し力高い系彼氏である俺でなくとも分かる。

「それが全部終わった後、お前を最後に抱いてやる」

「……! んへへ……」

「だらしねぇ笑顔しやがって。ただの放置だと思ってるな? いいか、お前を最後に抱く。但し、お前が玩具を落とさなかった場合のみだ」

頭上に疑問マークを浮かべたリュウを置いて俺はカンナの腰を抱いた。尻を鷲掴みにして揉みしだき、尻肉をつかんで割れ目を開き、挿さりっぱなしだったディルトを抜いた。

「んんぅうっ!」

「リュウ、お前は俺のよりちょっと小さめのこのディルドを、その意地汚ぇケツに咥えて、今から俺が言う通りのポーズを取るんだ」

頷いたリュウの後孔に少し温かめのローションをたっぷり流し込み、ディルトを挿入してやった。大量の潤滑剤のおかげで簡単に入っていった。

「ん、ぁあああっ……! はっ、ぁ、いひゅき、いふきぃ……」

「立て」

リュウをベッドから下ろして立たせた。

「膝を曲げて足を……いや、長時間その姿勢はそもそもキツいか。足開くだけでいいぞ、肩幅より広く……そう」

肩幅より広く足を開かせて立たせる。ちゃんと意識して締めなければローションまみれの穴の中をディルドは滑り落ちていくだろう。

「俺が可愛い彼氏達とヤってる間、その玩具を落とすな。俺が好きなら俺の言うこと聞けるよな? ちゃんと出来たら抱いてやるよ。分かったか?」

リュウは唾液と荒い吐息を漏らしながらコクコクと何度も頷いた。

「よし……カーンナっ、お待たせ~」

ベッドに踵を返し、低い声をやめて甘ったるい声を出す。彼氏達が一瞬驚いたような顔になった気がした。
しおりを挟む
感想 450

あなたにおすすめの小説

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・不定期

コンビニごと異世界転生したフリーター、魔法学園で今日もみんなに溺愛されます

はるはう
BL
コンビニで働く渚は、ある日バイト中に奇妙なめまいに襲われる。 睡眠不足か?そう思い仕事を続けていると、さらに奇妙なことに、品出しを終えたはずの唐揚げ弁当が増えているのである。 驚いた渚は慌ててコンビニの外へ駆け出すと、そこはなんと異世界の魔法学園だった! そしてコンビニごと異世界へ転生してしまった渚は、知らぬ間に魔法学園のコンビニ店員として働くことになってしまい・・・ フリーター男子は今日もイケメンたちに甘やかされ、異世界でもバイト三昧の日々です!

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。

とうふ
BL
題名そのままです。 クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います

たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか? そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。 ほのぼのまったり進行です。 他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。

処理中です...