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兄とオタク

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レイが持ってきたローションは常温のままだったので、俺の温め過ぎたローションに少しだけ混ぜて温度を調節し、人肌の温かさになったローションにまみれた指をカンナの後孔に押し込んだ。

「んっ……!」

「熱くないよな?」

「ぬる、ぃ」

「よかった……続けるよ」

指に吸い付く柔らかい肉をかき分けて奥へと進む。くちゅ、ぐちゅっ、と響く音に興奮を高めていく。

「ここもたれて」

枕を二つ折りにし、身体を反らせていくカンナの背中とベッドの隙間に挟んだ。頭からタオルケットを被り、上半身は鉄壁の守りを崩さぬまま、下半身は淫らに開脚して後孔を全員の目に晒している姿は、俺を興奮の熱でグラつかせた。

「……ぁむっ」

先程まではカンナの頭や背を撫でていた、カンナが枕にもたれてからは暇を持て余していた左手を、誰かが握った。その上中指を咥えた。視線をそちらに移すと金髪が揺れていた。

「んっ、ん……んむっ!?」

頭を揺らして指フェラに勤しむリュウの口内で中指を曲げ、舌をぐっと押さえ付けた。

「指舐めていいって言ったか? 駄豚」

「ひぁっ……!? みぃくんっ……」

おっと、ついカンナの方にも力が入ってしまった。右には力を込め過ぎす、優しく愛撫するのを心掛けよう。

「よしよし……ゆっくりしていくからな、カンナ。おい、舌出せ。躾の効かねぇだらしねぇ舌出せっつってんだよさっさとしろ」

タオルケットを握り締めて引っ張って顔を全て隠してしまっているカンナの腸壁を優しく撫でて、押して、少しずつ蕩かしていく。同時にリュウの口から指を引っこ抜き、突き出させた舌を人差し指と親指でぎゅっと掴んだ。

「んゔぅっ!」

「レイみたいに……いや、レイよりデカい穴空けるか? で、お前の口を開いたよりも長い棒を刺す。そしたらお前は今回みたいに勝手に俺の指をしゃぶったり出来ないし、いつもみたいにベラベラうるさく喋ったり出来ない。最高だろ?」

「ん、ふゔ……ゔぅゔ……」

「リングギャグ着けてみるかい?」

ネザメが視界に割り込む。彼の手には金属の輪に黒いベルトのような物が付いたような物があった。どうやらミフユがベッドの下の収納から取り出したようだ、引き出しを戻し、めくれた布団を戻したミフユが再びベッドに乗った。その手には他の拘束具や玩具がある。

「……ネザメさん」

「ギャグは分かるかい? 口枷だよ。これはリング……この輪っかを噛ませて、口を開いたままにする上にこの輪っかから舌を突き出させてしまう素晴らしい道具さ」

「へぇ……いいな、お前にぴったりじゃないか。ネザメさん、俺は手塞がっちゃってるんでネザメさんが着けてやってくれませんか?」

後孔に突っ込んだローションまみれの手で口に入れる物を触るのはと躊躇った俺は、リュウを軽んじているとも取れる解決法を思い付き、口に出した。

「はぁっ……み、水月ぃっ」

「勝手に俺の指しゃぶった罰だ。しばらく黙ってろ」

「はーい天正くん、あーん……そうそう。勝手に舌が出てしまうね、涎も止められないだろう? 恥ずかしいねぇ、同じ人間とは思えないよ、まるで犬だね」

「う、ゔぅ……」

「興が乗ったならそのまま責めてやってくださいネザメさん。みんなも、俺の手は二本しかないから溢れちゃったら自分で玩具使ったり他の子と楽しんだりしてくれよ。可愛い姿が見えたり声が聞こえたりしたら、俺そっち行っちゃうかもだからな」

タオルケットを掴んでいたカンナの両手が俺の右手首に移る。自身の後孔をほじっている手を掴む姿はとても淫猥に見えて、つい指の動きが激しくなった。

「んぁっ、あっ!? んっ……んぅうっ、ひぁっ……みぃ、くんっ、みぃくんっ……!」

「可愛いことしてくれるなぁカンナ、そこまでされちゃあ俺ときめき過ぎて心臓どうにかなっちゃうよ。心配しなくても途中でどこか行ったりはしないよ」

左手が暇だ。カンナの太腿をさすったり陰茎を扱くのに使ってもいいのだが、せっかくの複数プレイなのだからどうせなら二人以上の美少年を一気に責めたい。誰か居ないかな……

「一人でする気分じゃないなぁー、他の子……誰かボクとしない?」

「では私立候補してもいいですか?」

「えっと、シュカくんだっけ? もちろんいいよ」

ペアを組む者、一人で玩具を選ぶ者、照れや戸惑いで何も出来ずに居る者、様々だ。誰もこちらに来てくれなければ呼ぶしかないが──とベッドの上を見回していると、ハルが俺の左肩に顎を乗せた。

「ねぇ~……みっつん」

「ハル? どうした?」

「しぐしぐとちゃんと仲直り? じゃないけど~……なんか、そんな感じのしたくて~……隣いい?」

「……カンナはちょっと不安になっちゃっただけだから、そこまで思い詰めなくていいぞ? な、カンナ」

「ぅ、ん……ごめ、ね? はるくん……」

ハルは遠慮がちにカンナの隣に膝をついた。ベッドの上にもう一つあった枕を引き寄せ、身体を横向きにもたれさせた。

「しぐ~……俺ちょっと無神経だったかも。でも~……ほんとに……俺、大丈夫な自信あるから。見せろって意味じゃなくて、そんなに気ぃ張らなくていいよって言うかぁ~……んー、なんて言えばいいんだろ。分かんない……」

「…………こ、こね」

「うんっ、そこ何?」

前髪に触れながらカンナが話し出すと、ハルはすぐに反応した。

「みぃくん……が、好きな……とこ。熔け、てて、ぞんびって……ばけもの、て……昔、たくさ、言われた、けど……今は、好き。ぼくの……個性、なの」

「うん、そうだね……みっつんは傷跡も可愛いって言ってくれたんだ? よかったね」

「みぃくん、だけのとこ……だから、はるくん……ばけもの、言わなくても……見ちゃ、だめ。みぃくん、せんよ……だから」

「……あははっ、そっかぁ、みっつん専用かぁ~……ふふ、そっかそっか。じゃあ俺も見ないように……髪とか服めくったりしなきゃいいんだよね~? 前髪カチカチだし俺が何にもしなきゃ、そんなに気を付けなきゃいけないって訳でもないよね?」

「たぶ、ん?」

「…………一応気を付けとくね!」

「ぅん……あり、がと」

髪を触っていたカンナの手がハルの方へ伸びる。ハルは嬉しそうに笑い、カンナの手に手を重ねた。指を絡め、きゅっと握り合う様には嫉妬すら覚えた。

「はるくん……」

「ん? なぁに、しぐぅ」

「…………だいすきっ★」

蚊の鳴くような普段の声とは違う、ハッキリとした言葉。

「カミっ……ァ……の声、まんまなんだけどぉ……もぉお~……さい、こうっ……」

ハルはカンナの手を強く握りながら崩れ落ち、カンナに覆い被さった。

「さー、びす、成功……」

カンナはハルと繋いでいない方の手で俺に向かってピースサインをした。
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