冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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夜には多分出来ないから

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再び俺の自室で歌見と二人きりになった。けれど今回も歌見はベッドを背もたれにして座っている、ベッドに座らないのは無言の否定……枕のNOと書かれた方を表にするのと同じ行為だ。

「ぱーいせんっ」

本番は夜に、という意思は固いようだ。しかし俺は諦めない。太腿を撫で摩り、歌見の目を見つめる。

「……お前がさっき酔ってる俺にめちゃくちゃしたから、乳首も……その、ちんこの先も、服に擦れるのも嫌になるほど敏感なんだぞ」

「それは申し訳ないことですなぁ」

内腿を撫でているだけだが、歌見は何やらもじもじしている。自身の服を掴んで引っ張り、乳首に触れないよう浮かせている。

「なんか、太腿とか腹筋とか背筋とか妙に疲れてるし……」

「イって反っちゃうとどうしてもそうなりますよな。太腿なでなでしてあけまそ~」

歌見が重点的に鍛えているのは胸筋や腹筋のようだが、太腿も十二分にたくましく触れれば筋肉の形が分かる。カンナやリュウのように凹凸のない太腿や、セイカやハルのように骨の気配を感じる太腿とは、違う。別の良さがある。

「……っ、ん」

内腿側の足の付け根をつまみ、ふにふに揉む。歌見は目を伏せて口を手で隠した。

「相変わらずモロ感ですなぁ」

「か、感じた訳じゃない!」

顔を真っ赤にして否定する歌見の内腿を少し強めに掴んだ。

「んぁっ! あっ……ぁ」

「そんな切なげな顔して、感じてないは無理ありますぞ?」

手の甲でぐっと股間を押す。陰茎が硬くなっていく過程を感触で知れたのは僥倖だった。

「ね、パイセン、夜になったらママ上とアキのおかーたまが帰ってきますよ。本当に、本番……夜中にしたいんですか? 声抑えられます?」

酔っていた時とは違い、口を閉ざした歌見の股間を手の甲でぐりぐりと刺激しつつ、もう片方の手でタンクトップ越しに胸を鷲掴む。歌見はビクッと身体を跳ねさせ、目を閉じた。

「ま、わたくしのママ上は事情知ってますからな、あらあら元気ねぇで済ませてくれるでしょう。しかしアキきゅんのおかーたまはハーレム事情なんざ知りません、絶対受け入れてくれないタイプの方ですからな……しかもホモフォビア感までありまそ、パイセンの雄味たっぷりな雌喘ぎなんて聞かせた日にはアキきゅん連れて家出しかねませんぞ」

手首を細かく揺らしてタンクトップ越しに乳首を手のひらで擦る。ただ揉むよりも歌見には効くだろう、呼吸がかなり乱れてきている。

「アキきゅんと離れ離れなんてわたくし耐えられませんぞ、アキきゅんもきっと「にーに、にーに」って泣いちゃうんでしょうなぁ。セイカ様も落ち込みまそ、お薬の量増えちゃうかもしれませんな」

「……っ、脅すな」

ようやく話してくれた。久しぶりに開いた目は潤んでいる。

「脅してなんておりませんよ。夜にヤったらこうなりますぞって話してるだけでそ。ちなみに今日はやっぱりやめとくとか言っちゃったら、わたくし……パイセンは嘘つきで約束破る方って覚えちゃいますな」

「…………分かった」

「何がお分かりに?」

「……っ、今からするって言ってるんだ! そう言いたいんだろ、いや、言わせたかったんだろお前! なんて意地の悪い……夜だと親が居るから今にしないかって素直に言ったらどうだ」

「パイセンが酒飲まなきゃ拗れなかったんでそ」

「根に持ってるな……その件については悪かったよ、本当に……反省してる」

「後でアキきゅんにお酒の感想言ってあげてくだされ、それでチャラにしまそ」

俺の恨みは今ネチネチ言ったことでスッキリ消えた。

「…………感想」

「プレゼントの感想は欲しいもんですからな」

「あぁ……そうだな、他のみんなからのプレゼントはちゃんと後日メッセージでお礼と感想を言っておいた……けど、その……正直、味がよく分からなかった」

「あんなに上機嫌に酔ってらしたのに」

「匂いがすごくて、それで……一口飲んでちょっとしたら頭がグラッとして、ふわふわして、ゆるくなった感じ……」

「味の情報がひとつもない」

それは酩酊の感想であって酒の感想ではない。

「…………後で酒飲みの人のブログとかSNS調べる」

「自分の言葉で語りなされ、パクリはいけませんぞ」

「二十歳になったばかりのガキにブランデーの味なんて分かんないんだよぉっ……! クソ……帰ったらちゃんと水と混ぜて味わってみる、その後改めて感想を考える! それでいいか?」

「わたくしは構いませんが」

「よし……じゃ、じゃあ、その……しようか。お母さん方が帰ってくる前にシャワーまで済ませておきたいし、早めにな」

「わっほいほーい! ではパイセン、ベットにお上がりくだされ」

歌見は照れて俯いたままベットに座った。腕をだらんと垂らし、足もベットの端から垂らし、リラックスを装っているが、ガチガチに緊張しているのは見て分かる。

「……お前に任せていいんだな?」

「お任せくだされ、リード致します。したいこととかされたいことがあれば遠慮なく仰ってくだされ」

俺はベッドの前に立ち、小さく頷いた歌見の頬を両手で包み込む。耳や顎の端まで指を伸ばし、すりすりと優しく撫でる。

「ぁ……」

頬周りの産毛が逆立っている。やはり歌見は感度が高い。

「……水月」

歌見の両手が顔に迫る。同じことをし返したいのかなと彼の手のひらに頬を寄せると、頭を両手で挟むように掴まれて引き寄せられた。

「キスですかな? ちゃんと言ってくれないと分かりませんぞ」

唇が触れ合う寸前で踏ん張り、そう囁く。歌見は迷うような素振りを見せた後、自らの頭を俺に近付けて俺の唇を奪った。

「ん……んんっ!? んぅっ、ん……ん……」

舌をねじ込むと歌見は一瞬驚いたような声を上げたが、すぐに力を抜いて俺の愛撫に身を任せてくれた。

「……っ、ふ、ぁ…………水月ぃ」

頬の内側を丁寧に舐め回し、全ての歯に触れ、上顎を舌先でくすぐり、舌を絡め合い──思い付く舌での愛撫を全て行ってから口を離し、顔を離して歌見の表情を楽しむ。

「あぁ……歌見先輩、とっても可愛いです」

キスだけでとろんと蕩けた歌見はとても可愛らしく、弱々しく俺を呼ぶ声は下腹部に響いた。
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