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縄シコ
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夕飯を食べ終えた俺はすぐにアキの部屋へ向かい、干していた縄を下ろした。床にビニール袋を敷いて軍手をはめ、ハーブオイルを手袋に染み込ませた。
「にーに、何するです?」
自慰をするように縄を扱いてオイルを染み込ませていると、部屋に戻ってきたアキが俺の肩に顎を乗せた。
「オイル染み込ませてるんだ。アキの綺麗な肌に傷なんか付けられないから、お兄ちゃん今頑張ってるんだよ」
まぁ、買った当初はリュウかミフユをプレイ相手と考えていたけれど。
「かんせー、楽しみするです」
「おぅ、明日には使えるようにするからな」
《縄の何がそんなに魅力的なんだ?》
《イくのに夢中になると暴れちまうからよ、そういうの気にせず兄貴に弄んでもらったらもっともーっと気持ちよくイけると思うんだよな》
「……鳴雷、その……気持ちよくなると暴れちゃうから、縛っちゃえばそういうの気にせず鳴雷にもっとしてもらえるって考えてるらしいんだけど……どう?」
ミフユが普段されているのは手足が自由な、ただ身体を締め付ける緊縛で、昨日ネザメに習ったのもそれだけだ。両手両足の自由を奪う縛り方なんて教わっていない。単にベッドや椅子に手足を縛り付けるだけなら出来るかもしれないが、それは拘束であって緊縛ではない気がする。
「えっ、とぉ……俺が習ったの、そんなに動き制限しないヤツなんだ。身体締め付けて苦しいだけの……」
俺の声に被せてセイカがロシア語を話す。
《はぁ? 身体ギチギチ締められるだけ? んだそりゃ、じゃあいいや。筆下ろしは他のヤツに頼みな、手足縛れるようになったら言ってくれ》
「……じゃあやだだってさ。手足縛れるようになったら言えって」
「はぅっ……ごめんよアキぃ、お兄ちゃんまた習ってくるから……」
アキは縄への興味を失くすと同時に俺に絡む気も失せたらしく、セイカの居るベッドの方へと向かってしまった。義足を外しリラックスしているセイカを軽々と抱き上げて膝に乗せ、ちゅっちゅっと頬にキスをし始めた。
「NTR……!」
「……鳴雷、他に誰か縛る約束とかしてるのか?」
「緊縛プレイやろうねって感じの話はしてるけど、日程とか決めてる感じじゃあないよ」
「せっかく作ったんだしすぐやってみたいよな。やりたいって言ってるヤツ相手に手間取ったりしてもカッコ悪いしさ……お、俺を、練習台に……する、か?」
「緊縛させてくれるのか!?」
「う、うん……鳴雷がよければ。手足込みのは俺じゃ難しいだろうけど、身体は一般的な形のままだから練習させてやれると思うぞ」
「練習なんかじゃないよ本番だよ本番!」
本番と言って思い出した、セイカは体調がまだ万全ではないからセックスを控えているということを。緊縛なんて身体に負担がかかりそうな行為は更に控えるべきでは……?
(でも昨日習ったこと忘れないうちにやっておきたいですし、作った縄すぐに使いたいですし……緩く、緩く縛りまそ。ミフユたんは縛られたまま普通に生活してるんですから、元々そこまで負担がかかるプレイではないはずでそ)
縛ったままセックスに移行したり、天井から吊るしたりするから負担がかかるのだ。縛るだけならキツめの服を着せるのとなんら変わりない。はず。
「よし……覚悟決めとく。首吊りするって遺書書いておくから安心して失敗しろよ」
「失敗しないよう気を張るよ!」
「よく考えろ鳴雷、他の彼氏の時に失敗して絞め殺すより、俺で失敗した方がマシだろ」
トントンと自分の頭をつつくセイカの顔はアキに頬を吸われて歪んでいる。可愛い。
「自分の命の価値を何だと思ってるんだよセイカは!」
「蝉のちょっと上くらい……?」
「俺的には俺より上ぇ!」
吸い疲れたのかアキはセイカの頬をはむはむと甘噛みし始めた。可愛い。
「冗談だよ、絞め殺す寸前で止めてくれ。せめてもう一回お前に抱かれるまでは死ねない」
「俺が抱かなければセイカは不死身……?」
「気持ちの話であって死ぬようなことがあったら死ぬからな…………秋風お前は何がしたいんだよ!」
右頬のほとんどを食われてようやくアキを引き剥がし、大声で怒鳴る。驚いたように目を見開いたアキは口周りの唾液を手で拭うと、同じようにセイカの頬も手で拭った。
「すぇかーちか、可愛いです。だいすきー、です」
「日本語で可愛こぶれば何でも許されると思うなよ、お前俺のケツにチンコごりっごり擦り付けてんだろ顔吸い始めた頃からよぉ! 何がしたいんだよホント……!」
《はは、何言ってるか全然分かんねぇ》
「鳴雷助けて犯される」
「今手油まみれだけどいい……?」
セイカが手を伸ばしてきたので俺も手を伸ばしたが、セイカはサッと手を引いた。手が油で汚れることの方が嫌だったらしい。
「え、何、アキ勃ってるの?」
縄を扱く手は止めず、尋ねる。
「ギンッギンだ。え、何? うん…………鳴雷、お前がその、縄作ってるの見てたらなんか、興奮してきたんだってさ」
「……理解る」
陰茎を扱くのも縄を扱くのも、手の動きはほとんど変わらない。
「セイカが嫌ならすぐやめさせるよ、二度とさせない。どうだ? 本当に嫌か?」
「嫌に決まって……る、けど、まぁ、居候させてもらってる訳だし、ちょっと擦り付けられるくらい我慢してやるよ。我慢だからな、我慢っ」
「セイカに我慢させるのは俺嫌だな。特にそういう我慢はダメだ、やめさせるよ」
「ぁ……ま、待って! その……秋風が俺に腰振ってるの、なんか……優越感、違うな、えっと、必要とされてる感? って言うか……単純に可愛いから、その……なんか嬉しいし、やめさせなくていい」
どうせそんなふうに考えていると思っていた、というのを表に出せばセイカは怒るかもしれないから、ただ「そっか」と言って作業に集中するフリをした。
「にーに、何するです?」
自慰をするように縄を扱いてオイルを染み込ませていると、部屋に戻ってきたアキが俺の肩に顎を乗せた。
「オイル染み込ませてるんだ。アキの綺麗な肌に傷なんか付けられないから、お兄ちゃん今頑張ってるんだよ」
まぁ、買った当初はリュウかミフユをプレイ相手と考えていたけれど。
「かんせー、楽しみするです」
「おぅ、明日には使えるようにするからな」
《縄の何がそんなに魅力的なんだ?》
《イくのに夢中になると暴れちまうからよ、そういうの気にせず兄貴に弄んでもらったらもっともーっと気持ちよくイけると思うんだよな》
「……鳴雷、その……気持ちよくなると暴れちゃうから、縛っちゃえばそういうの気にせず鳴雷にもっとしてもらえるって考えてるらしいんだけど……どう?」
ミフユが普段されているのは手足が自由な、ただ身体を締め付ける緊縛で、昨日ネザメに習ったのもそれだけだ。両手両足の自由を奪う縛り方なんて教わっていない。単にベッドや椅子に手足を縛り付けるだけなら出来るかもしれないが、それは拘束であって緊縛ではない気がする。
「えっ、とぉ……俺が習ったの、そんなに動き制限しないヤツなんだ。身体締め付けて苦しいだけの……」
俺の声に被せてセイカがロシア語を話す。
《はぁ? 身体ギチギチ締められるだけ? んだそりゃ、じゃあいいや。筆下ろしは他のヤツに頼みな、手足縛れるようになったら言ってくれ》
「……じゃあやだだってさ。手足縛れるようになったら言えって」
「はぅっ……ごめんよアキぃ、お兄ちゃんまた習ってくるから……」
アキは縄への興味を失くすと同時に俺に絡む気も失せたらしく、セイカの居るベッドの方へと向かってしまった。義足を外しリラックスしているセイカを軽々と抱き上げて膝に乗せ、ちゅっちゅっと頬にキスをし始めた。
「NTR……!」
「……鳴雷、他に誰か縛る約束とかしてるのか?」
「緊縛プレイやろうねって感じの話はしてるけど、日程とか決めてる感じじゃあないよ」
「せっかく作ったんだしすぐやってみたいよな。やりたいって言ってるヤツ相手に手間取ったりしてもカッコ悪いしさ……お、俺を、練習台に……する、か?」
「緊縛させてくれるのか!?」
「う、うん……鳴雷がよければ。手足込みのは俺じゃ難しいだろうけど、身体は一般的な形のままだから練習させてやれると思うぞ」
「練習なんかじゃないよ本番だよ本番!」
本番と言って思い出した、セイカは体調がまだ万全ではないからセックスを控えているということを。緊縛なんて身体に負担がかかりそうな行為は更に控えるべきでは……?
(でも昨日習ったこと忘れないうちにやっておきたいですし、作った縄すぐに使いたいですし……緩く、緩く縛りまそ。ミフユたんは縛られたまま普通に生活してるんですから、元々そこまで負担がかかるプレイではないはずでそ)
縛ったままセックスに移行したり、天井から吊るしたりするから負担がかかるのだ。縛るだけならキツめの服を着せるのとなんら変わりない。はず。
「よし……覚悟決めとく。首吊りするって遺書書いておくから安心して失敗しろよ」
「失敗しないよう気を張るよ!」
「よく考えろ鳴雷、他の彼氏の時に失敗して絞め殺すより、俺で失敗した方がマシだろ」
トントンと自分の頭をつつくセイカの顔はアキに頬を吸われて歪んでいる。可愛い。
「自分の命の価値を何だと思ってるんだよセイカは!」
「蝉のちょっと上くらい……?」
「俺的には俺より上ぇ!」
吸い疲れたのかアキはセイカの頬をはむはむと甘噛みし始めた。可愛い。
「冗談だよ、絞め殺す寸前で止めてくれ。せめてもう一回お前に抱かれるまでは死ねない」
「俺が抱かなければセイカは不死身……?」
「気持ちの話であって死ぬようなことがあったら死ぬからな…………秋風お前は何がしたいんだよ!」
右頬のほとんどを食われてようやくアキを引き剥がし、大声で怒鳴る。驚いたように目を見開いたアキは口周りの唾液を手で拭うと、同じようにセイカの頬も手で拭った。
「すぇかーちか、可愛いです。だいすきー、です」
「日本語で可愛こぶれば何でも許されると思うなよ、お前俺のケツにチンコごりっごり擦り付けてんだろ顔吸い始めた頃からよぉ! 何がしたいんだよホント……!」
《はは、何言ってるか全然分かんねぇ》
「鳴雷助けて犯される」
「今手油まみれだけどいい……?」
セイカが手を伸ばしてきたので俺も手を伸ばしたが、セイカはサッと手を引いた。手が油で汚れることの方が嫌だったらしい。
「え、何、アキ勃ってるの?」
縄を扱く手は止めず、尋ねる。
「ギンッギンだ。え、何? うん…………鳴雷、お前がその、縄作ってるの見てたらなんか、興奮してきたんだってさ」
「……理解る」
陰茎を扱くのも縄を扱くのも、手の動きはほとんど変わらない。
「セイカが嫌ならすぐやめさせるよ、二度とさせない。どうだ? 本当に嫌か?」
「嫌に決まって……る、けど、まぁ、居候させてもらってる訳だし、ちょっと擦り付けられるくらい我慢してやるよ。我慢だからな、我慢っ」
「セイカに我慢させるのは俺嫌だな。特にそういう我慢はダメだ、やめさせるよ」
「ぁ……ま、待って! その……秋風が俺に腰振ってるの、なんか……優越感、違うな、えっと、必要とされてる感? って言うか……単純に可愛いから、その……なんか嬉しいし、やめさせなくていい」
どうせそんなふうに考えていると思っていた、というのを表に出せばセイカは怒るかもしれないから、ただ「そっか」と言って作業に集中するフリをした。
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