冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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強制的に笑わせる

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猫じゃらし型の道具をまだ使っていないので、今度はこれを使ってみようと思う。

「はぁ……リンゴ丸ごと飲んだ気分や」

エノコログサという名の雑草と同じ形をしている。素材は……なんだろう、とても柔らかい毛が生えた生地だ。動物らしさは感じない、アクリル系だろう。ビビットピンクが人工物であることを証明している。

「再開するぞ」

「ん」

休憩は必要だったが、身体だけでなく気分まで冷めてしまったように見えるリュウを温めるため、まずは素手で彼の頬に触れた。ふにふにと揉み撫で、リュウの頬に赤みが差したら首を伝って左手はそのまま右手を下ろしていく。胸の真ん中を通り、腹をさする。すべすべの肌と麻縄の硬さが手のひらを楽しませてくれた。

「……水月の手ぇあったかい」

緩んだ笑顔のあまりの可愛らしさに、気付けば俺は彼の唇に口付けていた。唇の柔らかさを楽しむうちにS役が口を使うのはと思い直し、入れようとしていた舌を引っ込めて顔を離した。

「…………へへっ」

嬉しそうに笑顔を浮かべたままのリュウの腹を猫じゃらしで撫でる。人工の柔らかい毛が薄く白い皮膚をくすぐる。

「んっ、ふ……」

緩んで開いていた口が閉じた。猫じゃらしをピンク色を含んだ絵筆に見立てて、白い腹に色を塗るような気分で手を動かす。

「……っ、ふふっ、ふっ……腹、あかんっ……めっちゃこしょばいっ、あかんんっ……!」

リュウは明るい性格に反して運動があまり好きではなく、インドア派だ。しかしカンナのように肌を隠さず、ハルように日焼けを忌避していない肌は登校などで焼け、腕や顔はほんのりと濃くなっている。

「ひっ、ぁ、あっ、ふぁあっ……!? 脇腹あかんっ、こしょばっ、ぁ、あぁっ、ひっ、ぃいぃ……」

日焼けした肌と同時に日に晒されず白いままの腹や太腿を見ると、裸を見ているのだという実感が強く、より背徳感が湧く。それも赤い縄で縛られていれば尚更だ。

「……亀甲縛りをしたままだとくすぐりにくそうだね」

「ですね、でも見た目が綺麗なのでこのままで」

亀甲縛りをした上で椅子に拘束したリュウの腹は赤い縄で飾られている、縄はそこまで太くないし密集もしていないから問題なくくすぐれるのだが、道具ではなく指でくすぐっていたらかなり邪魔だっただろう。

「ふっ、ふぅっ、んっ、んんんっ……!」

くるくると円を描くように猫じゃらしで臍の周りをくすぐる。くすぐったいよりも快感の方が強いのか、リュウはビクビクと震えながらも拘束された身体を必死に反らして腹を突き出している。

「んんぅ……んひっ!?」

縦長の臍を猫じゃらしでなぞってやると、リュウは仰け反るのをやめた。臍そのものは嫌なのかと不思議に思いつつ、何度も何度も猫じゃらしに臍を往復させた。

「ひっ、ぁ、はぁあっ! ぁっ、ひ、ひぃっ! 臍あかんっ、あかんってぇっ!」

暇をしていた左手に梵天を持ち、同時に脇腹をくすぐる。

「あっひゃあぁあっ!? しょこあかっ、んんっ! んゃっ、ぁあ……ぁ、ひっ、ひひっ、ひっ、ぃいいっ……!」

聞いたことのない甲高い声が震えながら消えていく。

「ネザメさん……」

「ん? どうしたんだい水月くん」

「……くすぐりイキって可能ですか?」

「さぁ……させたことも、したことも、したくもないから……分からないなぁ」

俺はリュウの反応に満足しつつも先程心の中で誓った「くすぐりイキさせてやる」が実現可能なのか不安になっていた。リュウの陰茎は萎えていないし、先走りの汁の分泌も滞っていない。しかしずっと焦らされているだけで射精には至らない……ように見える。

「新しい場所を開発する時は初めから性感帯の部分と同時に刺激して、性感を繋げてあげるのがセオリーじゃないかな?」

「あー……気持ちよさそうだったから敏感にしていくだけでイってくれるかと思ってたんですけど、やっぱり開発要りますか……じゃあもうちょいくすぐったらヤりながらくすぐろうかな」

「はぁ!? ちょっ、水月それはっ、ひぁっ! 脇腹ややってぇえっ! こしょばいっ、こひょびゃいぃっ!」

「俺に逆らうのか? ま、嫌がったところで無駄だ。抵抗出来るもんならしてみろ」

猫じゃらしを羽根に持ち替えてリュウの脇腹を左右ともつぅう~っと撫で上げ、脇に至る。脇に羽根と梵天を触れさせたまま動かさずにいると、次第にリュウの呼吸が早くなっていった。彼の緊張が極限まで高まったと見たら、一気に動かした。

「あっひゃっ、ひっ、ぁっ、あぁっ!? ひゃはっ、はっ、ぁははははっ! はひっ、ひぃっ! ひっ、ははっ、ははははははっ!」

ガタンッ! と椅子が音を立てた。手足を拘束されて椅子を揺らすことも出来ないと言っていたのに、脇をくすぐった瞬間椅子ごと跳ねた。無意識の力というのは強いものだ、椅子ごと倒れるほどではなくてよかったと内心胸を撫で下ろしつつ、構わず両脇をくすぐり続ける。

「ややっ、ぁあっ! あっひぃいっ! ひっ、ひぃぃっ、ひゃっ、ははっ! あっははははっ!? あはっ、ぁひぃっ! 止まりゃっ、あぁーっ!?」

大声で笑うリュウは可愛らしい。くすぐったさから逃げたいだろうに、拘束されていて無防備な脇を隠せないのが可愛い。くすぐったいのはもう嫌だろうに、強制的に笑わされて楽しそうに見えるのが可愛い。

「意思に反して笑っちゃうの、本当にイイ……」

リュウのことだから、縛り付けられて抵抗出来ないまま嫌なことをされているというのでM的な悦びも得ているのだろうと想像し、リュウも望んでいることなのだと自身の欲望を強化していく。

「はっははっ、はっ、ひぃっ! ふっ、ふっ……んっ、ひゃああっ! あっははっ、ははははっ!」

笑い続けるのは苦しいらしく、リュウは時折我慢を試みた。しかしくすぐったいのを我慢して呼吸を整えるなんて彼には不可能で、笑うのを堪えようとすれば息を止めるしかなく、余計に苦しくなってしまっている。なのに何度も我慢しようとしてしまうリュウは愚かで可愛い。

「はっ、はははっ! はっ、ひっ、ひぃっ……!」

時間を忘れてくすぐり続けていたが、リュウの反応が鈍くなり始めると俺の熱中も冷めていった。道具をポケットに差し、手首を軽く振る。

「……水分補給するか」

顔だけでなく身体まで真っ赤にし、ぐったりとしているリュウにストローを咥えさせ、リンゴジュースの残りを飲ませた。
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