冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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皿洗い中に下ごしらえ

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バイトを終えて駅へと向かう。駅の片隅に黒づくめの真っ白な美少年が立っている。もう二度と彼を驚かせたりなんてしない。

「アキ!」

声を張るとスマホを弄っていた彼が顔を上げる。

「にーにぃ? にーにっ!」

腕に飛び込んできたアキを抱き締め、真っ白な髪を撫でる。サラサラと指通りのいい髪が心地いい。

「おかえり、アキ。ふふ……よしよし」

アキとレイと三人でスーパーに寄り、夕飯の材料を買って帰った。調理中、背後や隣をうろちょろしているアキに見舞いの話を聞いた。

「アキ、セイカどうだった?」

「せーか、ぼく、会うするしたい、言うするしたです! ぼく、勝つするしたです」

セイカに「会いたい」と言わせたから勝ち? アキの発想は可愛らしく、面白い。

「仲直り出来てよかったな」

「……? なかー……?」

「セイカとまた、話す、笑う、出来る。ってこと。アキ、セイカ、好きか?」

「せーか、好きです」

「……うん、面倒臭いヤツだけど嫌わないでやってくれな。心の底から自分を好きなヤツが一人でも居れば、きっと自傷や自殺なんてしない…………俺じゃ、ダメだ。アキじゃなきゃ」

俺のセイカへの好意には憎しみが混じっている。思い出しては吐き気を催し、稀に殺意まで抱く。こんな感情ではセイカは救えない。

「せーか、ぼく、好き、言うするしたです。明日、行くです」

「セイカが好きって言ってくれたのか? 明日も行く? そっか……仲良くなれてるみたいでよかった。セイカもそのうち普通に会話出来るようになってくよな」

言いながら俺は心の奥底に溜まった独占欲という汚泥から芽生えた嫉妬心が育つのを感じていた。カンナがリュウの背に隠れた時も、アキが歌見を「兄さん」と呼んだ時も、ここまで醜い感情を持ちはしなかった。

「ほら、アキ、今から火ぃ使うから離れてな。危ない」

素直に離れていくアキを見送り、深いため息をつく。セイカの心身の健康を願っているように振る舞いながら、俺は心の奥深くでセイカは今のままがいいと思ってしまっている。

(……面倒臭くて、厄介で、目をかけていないとすぐに死んでしまいそうな、弱々しいセイカ様……完璧だったあなたが堕ちた姿はとても美しいのです。私の他に好きな人が出来てしまったら、もう私に「行かないで」なんて言ってくれない、私の腕の中で泣きじゃくってくれない……それは少し、嫌ですな)

味噌汁に入れる豆腐を切りながら、イジメっ子だったセイカと現在の弱りきったセイカの姿を交互に瞼の裏に浮かばせる。

(セイカ様には私だけを待って、私にだけ笑って、私にだけ泣いて、私にだけワガママを言って、私にだけ甘えて、私にだけ頼って、私のことだけを考えていて欲しい)

ぼちゃぼちゃと鍋の中に落ちる豆腐を見送り、またため息をつく。

「…………どうかしてる」

「せんぱい? 元気ないっすね」

「……っ!? ぁ、レイ……どうしたんだ?」

「お茶の用意しようと思って。そしたらなんかせんぱい元気なかったんで……なんかあったんすか?」

「あー……今日もプールあったからさ、まぁ、疲れてるんだよ」

レイは俺の適当な誤魔化しに納得してくれたらしく、後でいいものを用意するなんて言いながらコップをダイニングに運んでいった。

「……疲れてる、うん、疲れてるだけ。寝て起きたらまともなセイカの幸せ考えられる……大丈夫、私はそこまでカスじゃない」

ブツブツと呟きながら夕飯を完成させ、二人の「美味しい」と笑う顔に癒されながら楽しい時間を過ごした。



食べ終えると二人は寝室に行ってしまい、俺は一人寂しく皿を洗った。

「ふぅ……コーヒー飲んでまったりしますぞ。うーむ、ミルク七割コーヒーは美味ですな」

コーヒーを片手にスマホを持ち、メッセージアプリを開き、彼氏達と俺の十二人で構成されたグループトークを少し覗く。テストの勉強について話していたようなので、少し遡ってメッセージを見てみた。

『またテスト前に勉強会しよー来週』

『ええで』

『うん』

『時雨さん全教科教えてください』

『うん』

アイコンを見ずに文章だけを見ていても結構誰が誰だか分かるものなんだな。

『それは僕も行っていいのかな?』

『ザメさん達修学旅行じゃないのー?』

『火曜日からだから月曜日なら大丈夫だよ』

『じゃ月曜日にしよ』
『どこ集まる?』
『俺ん家は無理だしみっつん家も改装中だったよね』

俺はトークに参加していないのに、もう曜日が決まってしまっている。実は俺はそこまで重要視されていないのかもしれない。

『私の家も無理ですよ』

『俺んとこも狭いし無理や』
『しぐん家は?』

『狭い』

カンナ、メッセージアプリ上だとめちゃくちゃ無愛想だな。現実も無愛想と言えばそうなのだが、可愛げがある。

『僕の家においで』

『えっマジ行っていいの行きたい!』

『お菓子出してくれますか?』

『ドレスコードとかありますん?』

『鳥待副会長、図々しいぞ』

『水月くんは居ないのかな?』
『また明日の昼休みに決めようか』
『お菓子は出すよ、アレルギーと好み教えてね』
『ドレスコードなんてないよ』

今はトークに参加する元気がない。アプリを閉じてスマホをポケットに入れ、アキかレイに癒してもらおうと寝室に向かった。

「ぁ、んっ……んにゃああっ……! は、ぁ、あぁあぁーっ……」

扉を開けるとアキの喘ぎ声が鼓膜と心を揺さぶった。喘いでいる原因は彼の後孔に抜き挿しされているアナルパールだろう。

「あっ、お疲れ様っすせんぱい。お皿洗い全部押し付けちゃって申し訳ないっす、その代わり……」

アキの上半身を抱え、アキにしがみつかれながら、アキの後孔をアナルパールで責めていたレイが俺に笑いかける。

「……アキくんの下ごしらえを終わらせておいたっす!」

言いながらアナルパールを一気に引き抜き、白く長い足が跳ねる様を俺に見せた。

「……っ、にゃぁあああっ!?」

球が連なった数珠状の玩具であるアナルパールは球が一つ抜ける度にぬぽんっという淫らな音が鳴る。それがアキの嬌声と共に連続で鳴り、聴覚からも俺を滾らせた。
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