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人前では難しい
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ミフユがとっくに俺に抱かれる気になってくれていたのは、改めて告白してもらった時の文言からも読み取れた。それなのにミフユ次第だなんて、俺は男として情けない。
「……ミフユさん、今度俺の家……レイの家ですけど、俺の家に泊まれる日を教えてください。平日でも休日でも構いません」
「と、泊まれる日か……分かった。しかし、鳴雷一年生、自分は鳥待副会長から一日譲ってもらえればそれでいいのだが」
「お泊まりは嫌ですか?」
「嫌ではない! ただ、迷惑ではないかと……な」
「迷惑なんかじゃありません! 学校でというのも昂りますが、初めてだけでもベッドの上で大切にしたい……ただそれだけです」
「……ミフユは生娘でもないというのに、ふふ……やはり貴様に愛されるのは心地いいな」
いつも眉間に皺を寄せていたミフユが柔らかい微笑みを浮かべた。ネザメにとってもレアな表情のようで彼も俺と同じように驚いていた。
「…………もういいですかぁー?」
先輩だからと一応遠慮をしていたのか、会話の途切れを見計らってシュカが声を発した。俺はすぐに立ち上がってベルトを外しながらシュカの前に立った。
「ごめんごめん、忘れてた訳じゃないんだけど」
「言い訳なんていりません。私が欲しいのは一つだけです」
「俺からの愛情?」
スラックスと下着を下ろしたらシュカの足を掴んで持ち上げる。膝の裏に手を添えて開脚させ、後孔に陰茎を押し当てる。
「はっ……分かってるくせに。ちんぽですよっ、んっ、ぁ、あぁあっ! は、んっ……やっぱり、分かってた……ぁ、んっ! あぁっ!? ひ、ぁっ、はげしっ、いつもと、ちがっ、ぁ、あぁっ!」
「俺にっ、好かれて、喜んでるくせにっ! 愛してるって言われんのも撫でられんのも嬉しいくせにっ、体目当てぶるな!」
「なにっ、怒ってぇっ……ゃ、ああっ!? 奥っ、待ってぇ、今日は奥はぁっ!」
身体をよじって逃れようとするシュカの腰を強く掴んで引き寄せ、結腸にまで進んでやると彼は大きく身体を反らせた。
「……っ!」
「よすぎて声も出ないか? 可愛いよ。このまま奥で出してやるからな」
「ゃ……あぁあんっ! ん、ひっ!? ひゔっ! ゔっ、ぁああっ!」
結腸口にしゃぶらせるように深く激しく突き上げる。俺の射精よりも前にシュカは絶頂を迎え、いつも以上に大きな声で喘いだ。
「……っ、ふーっ…………シュカ、大丈夫か?」
最奥に放った精液が漏れ出してきてもいいようにティッシュをシュカの後孔に押し当て、少し屈んで視線を合わせる。
「…………セックスとしては最高でしたよ。時間と場所と場合を考えると最悪ですけどね……腰が、もう……五時間目以降どう過ごせって言うんですか、バカ」
「ご、ごめん……」
「悪いと思ってるなら膝乗せてください」
俺とシュカの服を整え、ソファに座ってシュカを膝に乗せる。学校でこんなふうに甘えてくれるなんて、分からセックスに挑んだ甲斐があったな……としみじみ思っているとシュカに頬をつねられた。
「いふぁいいふぁいいふぁいいふぁい! 何すんだよ!」
「……ヘラついてるのがムカついたので」
「結構痛かったぞ……もう、じゃじゃ馬だなぁ」
「………………私が素直になれないの分かってるんだから、あんなに怒らなくてもいいじゃないですか」
シュカは俺の肩に顔を押し付けながら小さな声でボソボソと呟いた。
「え?」
「なんでもないです」
「……怒ってた訳じゃないよ。誕生日の次の日泊まってくれた時に甘えてくれた記憶が新鮮だからさ……素っ気ないのに慣れらんなくて子供っぽく拗ねちゃっただけ。ごめんな」
「地獄耳ですね……」
深いため息をついたシュカはおもむろに立ち上がり、覚束無い足取りで扉へと向かった。
「水月、表に出ろ」
「怖……」
怯えながら生徒会室を出て扉を閉めた瞬間、シュカは俺に抱きついてきた。驚きつつも抱き返し、レンズ越しの瞳と目を合わせた。
「膝の上に乗らせてもらって試してみたんですけど、やっぱり人前だと難しいですね」
「甘えるのが?」
「察しが良くて助かります」
センター分けの前髪を優しく撫でて、露出しっぱなしの額に唇を吸いつかせる。
「恥ずかしがり屋なんだな」
「……ちょっと違います。他人に弱みを見せたくないんですよ、多分……皆さんを信頼してない訳じゃないんですけど」
「甘えるのって弱みか?」
「…………あなたを人質に取られたら、私は動けない。あなたには人質の価値はないと……いざとなれば切り捨てられる身体だけの関係だと、示しておきたい……ん、ですかね。自分でもよく分かりませんけど」
俺の彼氏達は多分みんなシュカが俺をちゃんと愛していることを知っている。俺に人質の価値がないだなんて示せていない、シュカもそれに気付いているはずだ。それでも態度を変えられないほどの環境に身を置いていたんだなと悲しく思い、より強く抱き締めた。
「誰かを人質に取られたことなんてないのに……あなたが、その……た、ぃ……せつっ…………過ぎ、て……変なこと、考えちゃうんです。あの時私を庇って怪我したのも理由の一つなんですからね、全部水月のせいなんですから」
「ふふ……うん、俺のせいだな」
「……もう怪我しちゃ嫌です。あなたはずっと幸せそうなアホ面かまして男抱いてりゃいいんです。俺が守る庇うって男らしい顔なんてしなくていいんです」
「…………ありがとうな」
想像以上に深いシュカからの愛情を嬉しく思い、顎に手を添えて唇を重ねる。舌を唇に押し付けて──
「あっ、みっつーん! しゅー! なんで廊下出てんの~?」
「……っ!?」
──舌を入れる寸前、シュカにみぞおちを殴られた。
「ここ太陽めっちゃ射し込むから部屋のが涼しいのに……ってみっつん!? ちょっ、しゅー! 今あんま見えなかったけどみっつん殴ったっしょ! すぐ手出すのよくないよホント! みっつん大丈夫~? どーせすっごい変態的なこと言ったりしたりしたんでしょ~」
「心外……」
「どーせ照れ隠しかなんかやろ」
シュカをからかおうとしたリュウまで殴られ、廊下に座り込んだ俺とリュウとそれぞれを心配するハルとカンナ、そんな中素知らぬ顔で仁王立ちをしているシュカ。生徒会室を出てきたネザメがいつもの余裕ぶった微笑みを崩すのには十分過ぎる異様な光景だった。
「……ミフユさん、今度俺の家……レイの家ですけど、俺の家に泊まれる日を教えてください。平日でも休日でも構いません」
「と、泊まれる日か……分かった。しかし、鳴雷一年生、自分は鳥待副会長から一日譲ってもらえればそれでいいのだが」
「お泊まりは嫌ですか?」
「嫌ではない! ただ、迷惑ではないかと……な」
「迷惑なんかじゃありません! 学校でというのも昂りますが、初めてだけでもベッドの上で大切にしたい……ただそれだけです」
「……ミフユは生娘でもないというのに、ふふ……やはり貴様に愛されるのは心地いいな」
いつも眉間に皺を寄せていたミフユが柔らかい微笑みを浮かべた。ネザメにとってもレアな表情のようで彼も俺と同じように驚いていた。
「…………もういいですかぁー?」
先輩だからと一応遠慮をしていたのか、会話の途切れを見計らってシュカが声を発した。俺はすぐに立ち上がってベルトを外しながらシュカの前に立った。
「ごめんごめん、忘れてた訳じゃないんだけど」
「言い訳なんていりません。私が欲しいのは一つだけです」
「俺からの愛情?」
スラックスと下着を下ろしたらシュカの足を掴んで持ち上げる。膝の裏に手を添えて開脚させ、後孔に陰茎を押し当てる。
「はっ……分かってるくせに。ちんぽですよっ、んっ、ぁ、あぁあっ! は、んっ……やっぱり、分かってた……ぁ、んっ! あぁっ!? ひ、ぁっ、はげしっ、いつもと、ちがっ、ぁ、あぁっ!」
「俺にっ、好かれて、喜んでるくせにっ! 愛してるって言われんのも撫でられんのも嬉しいくせにっ、体目当てぶるな!」
「なにっ、怒ってぇっ……ゃ、ああっ!? 奥っ、待ってぇ、今日は奥はぁっ!」
身体をよじって逃れようとするシュカの腰を強く掴んで引き寄せ、結腸にまで進んでやると彼は大きく身体を反らせた。
「……っ!」
「よすぎて声も出ないか? 可愛いよ。このまま奥で出してやるからな」
「ゃ……あぁあんっ! ん、ひっ!? ひゔっ! ゔっ、ぁああっ!」
結腸口にしゃぶらせるように深く激しく突き上げる。俺の射精よりも前にシュカは絶頂を迎え、いつも以上に大きな声で喘いだ。
「……っ、ふーっ…………シュカ、大丈夫か?」
最奥に放った精液が漏れ出してきてもいいようにティッシュをシュカの後孔に押し当て、少し屈んで視線を合わせる。
「…………セックスとしては最高でしたよ。時間と場所と場合を考えると最悪ですけどね……腰が、もう……五時間目以降どう過ごせって言うんですか、バカ」
「ご、ごめん……」
「悪いと思ってるなら膝乗せてください」
俺とシュカの服を整え、ソファに座ってシュカを膝に乗せる。学校でこんなふうに甘えてくれるなんて、分からセックスに挑んだ甲斐があったな……としみじみ思っているとシュカに頬をつねられた。
「いふぁいいふぁいいふぁいいふぁい! 何すんだよ!」
「……ヘラついてるのがムカついたので」
「結構痛かったぞ……もう、じゃじゃ馬だなぁ」
「………………私が素直になれないの分かってるんだから、あんなに怒らなくてもいいじゃないですか」
シュカは俺の肩に顔を押し付けながら小さな声でボソボソと呟いた。
「え?」
「なんでもないです」
「……怒ってた訳じゃないよ。誕生日の次の日泊まってくれた時に甘えてくれた記憶が新鮮だからさ……素っ気ないのに慣れらんなくて子供っぽく拗ねちゃっただけ。ごめんな」
「地獄耳ですね……」
深いため息をついたシュカはおもむろに立ち上がり、覚束無い足取りで扉へと向かった。
「水月、表に出ろ」
「怖……」
怯えながら生徒会室を出て扉を閉めた瞬間、シュカは俺に抱きついてきた。驚きつつも抱き返し、レンズ越しの瞳と目を合わせた。
「膝の上に乗らせてもらって試してみたんですけど、やっぱり人前だと難しいですね」
「甘えるのが?」
「察しが良くて助かります」
センター分けの前髪を優しく撫でて、露出しっぱなしの額に唇を吸いつかせる。
「恥ずかしがり屋なんだな」
「……ちょっと違います。他人に弱みを見せたくないんですよ、多分……皆さんを信頼してない訳じゃないんですけど」
「甘えるのって弱みか?」
「…………あなたを人質に取られたら、私は動けない。あなたには人質の価値はないと……いざとなれば切り捨てられる身体だけの関係だと、示しておきたい……ん、ですかね。自分でもよく分かりませんけど」
俺の彼氏達は多分みんなシュカが俺をちゃんと愛していることを知っている。俺に人質の価値がないだなんて示せていない、シュカもそれに気付いているはずだ。それでも態度を変えられないほどの環境に身を置いていたんだなと悲しく思い、より強く抱き締めた。
「誰かを人質に取られたことなんてないのに……あなたが、その……た、ぃ……せつっ…………過ぎ、て……変なこと、考えちゃうんです。あの時私を庇って怪我したのも理由の一つなんですからね、全部水月のせいなんですから」
「ふふ……うん、俺のせいだな」
「……もう怪我しちゃ嫌です。あなたはずっと幸せそうなアホ面かまして男抱いてりゃいいんです。俺が守る庇うって男らしい顔なんてしなくていいんです」
「…………ありがとうな」
想像以上に深いシュカからの愛情を嬉しく思い、顎に手を添えて唇を重ねる。舌を唇に押し付けて──
「あっ、みっつーん! しゅー! なんで廊下出てんの~?」
「……っ!?」
──舌を入れる寸前、シュカにみぞおちを殴られた。
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