冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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普段は押し殺していられるのに

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痩せた身体を押し倒して首筋に顔を押し付ける。入院患者らしいアルコールの匂いばかりで体臭らしきものはほとんど感じない。

「……っ、セイカ」

顔を上げてセイカの表情を確認する。ほんのりと色付いた頬や、恥ずかしそうに伏せられた瞳から嫌悪感は伺えない。続けよう。

「好きだよ」

「ん……俺も好き。鳴雷、下も……」

愛の言葉と愛撫を丁寧に優しく重ねていく。

「愛してる」

「俺も……鳴雷、はやくお尻……」

「そんなに早く欲しいのか? ふふっ……えっちだなぁ、可愛いよ」

俺の意図ではない解釈なんて出来ないように単純な言葉で、怪我が治ったばかりの身体に痛みを与えないよう慎重に、セイカに愛を伝えていく。

「ん……?」

後孔に入れた指が違和感を覚えた。俺の指をきゅっと締め付けてきたのだ、彼の穴はもっとガバガバだったと記憶している。先週のことだから記憶が曖昧になっているのだろうか?

「な、鳴雷……? どうした? なんか……気に入らないこと、あったか?」

セイカが不安げな顔をしている。大丈夫だよと言って額にキスをし、中指と薬指を根元まで挿入する。やはりガバガバではあるのだが、マシになっている。

「……あのさ、セイカ、思い当たることがなかったら聞き流してくれていいんだけど、一つ聞いていいか?」

「うん……何?」

「…………締まり良くなってる、心当たりあるか?」

セイカはチャームポイントであるジトっとした目を僅かに見開いた後、嬉しそうに微笑んで頷いた。

「ここ一週間、つーか五日間? 指一本だけ入れてぎゅーって締めたりしたんだ。先週抱いてくれた時なんか微妙そうな顔してたし……処女じゃないの悔しがってたの、ゆるゆるで気持ちよくなかったからかなとか思って……思い付きでトレーニングしてみたんだ。自分でもちょっとマシになったの分かったからさ、鳴雷に早く確かめて欲しかったんだ」

「けなかわ……って気持ちよかったよ先週ちゃんと! あぁもう文法おかしくなった。セイカの初めて手に入れらんなくて悔しがってただけ、他の男の証拠残ってんのにムカついてただけ! ちゃんと気持ちよかったから! そこは誤解しないで欲しい」

オナホだったら一往復したところで手コキに切り替えるか迷う程度の締め付けだったが、セイカの顔を見ながらだったし温かいしうねるし震えるしで射精余裕な興奮と快感はあった。

「……そぉ? でも今日のが気持ちぃと思うぞ、早く試せよ」

「試しゅうぅ~!」

「…………ところで、けなかわって何?」

「健気で可愛いの略」

「俺が? 健気? 可愛い? お前現国の成績大丈夫か?」

自分の健気さや可愛さを理解していないのもけなかわポイント高めだ。さて、締め付けが良くなったとはいえゆるっゆるには違いない、ほぐさなくても入るだろう、セイカもそわそわしている様子だし、もう本番に移ってしまおう。

「ちょっと待っててくれ、ローションとゴム取ってくる」

ベッドから降りて鞄を探る。サイズの違うコンドームを一枚ずつと、ポケットティッシュ、ローションとローション注入器を取り出す。

「今日はゴムつけんの?」

「うん、拭くの面倒臭かったから。シーツ汚すのはまずいしな」

ベッドに戻り、コンドームの封を切る。先走りの汁を拭ってから陰茎を薄いゴムの膜に包ませる。

「ふーん…………なぁ、他のヤツとはゴムなし?」

「……まぁ、だいたいは。すぐシャワーとか行けるとこでするから。生にこだわる男っているらしいけど俺はゴムあっても普通に気持ちいいと思うから、気にしなくていいぞ?」

「別に気にしてないけど」

気にしていますと顔に書いてあるんだよなぁ。

「セイカが退院したら家に泊まらせて、妊娠したみたいにお腹膨らむくらい中出ししたいなぁ」

「物理的に無理だろ……俺お前の家行けないし」

「泊まってくれないのか?」

「……お前のお母さん、俺の顔覚えてるだろ?」

母はセイカを嫌っている。俺の肋骨のヒビの治療費などを請求したと言っていた時の態度と表情からして、怒りと恨みが消えていないのは容易に推測出来る。

「俺の家も無理。俺の部屋弟と一緒だし」

「え……そんな、こんな色気たっぷりのセイカが俺以外の男と同じ部屋で寝てるだなんて……」

「聞いてたか? 弟だってば……ぁ、お前弟に手ぇ出してんだっけ。じゃあ何言っても無駄か……ぇ、ちょ、俺もつけんの?」

「セイカも出したいだろ? セイカ出したら俺のより高確率でシーツ汚れるし、つけた方がいいだろ」

「自分で……ぁ……」

陰茎にコンドームを被せられるのが恥ずかしいのか、セイカは俺の手からゴムを奪おうと右腕を俺の方へ伸ばした。しかし、彼の右腕は肘から下数センチのところで切断されている。ゴムを掴むことすら出来ない。

「…………」

セイカは無言で右腕の先端を見つめている。どんなことを考えているのだろうか、話しかけにくい光景なのに萌えてしまう、さっさとゴムを被せて気を逸らそう。

「……ローション入れるぞ?」

「ん……冷たっ、ぁ……ぅ…………腹冷えそう」

「いっぱい擦ってあっためてやるよ」

「…………うん、いっぱい……鳴雷の、好きなだけ」

嬉しそうに口元を緩めたセイカの後孔に陰茎を押し当てる。吸い付きが先週より強い。これはかなり期待出来るぞと舌なめずりをして腰を突き出せば、緩い穴は簡単に俺の陰茎を呑み込んでいく。

「んっ……ん、ぁあっ……!」

「痛くないか? 具合教えてくれ、セイカ」

「なるっ、な、鳴雷のっ……ゆっくりきてっ、ひっ、んんっ……! んっ、ぁ、あったか、ぁっ、俺、俺が、埋まってくっ……!」

ぬるいローションも手伝って簡単に結腸の手前まで挿入出来た。柔らかい肉に包まれている快感に深く息を吐き、呼吸を荒くしているセイカの頭を撫でる。

「なる、かみ、なるかみ、鳴雷っ……」

俺の手に擦り寄り、俺の腕に右手の先端を寄せるセイカの瞳から一粒の涙が零れた。
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