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気を取り直して放置解除

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ぽかんとしているミフユを抱き起こし、安全性を意識した優しい微笑みを見せる。ミフユは無意識下で俺への警戒を緩めたのか、自分を抱き締める腕の力を抜いた。

「水月くん? どうしたんだい? 急に抱けないなんて……そうは見えないけれど」

ネザメは俺の顔を──いや、股間を覗き込んでそう言った。

「……っ、そ、そうだ鳴雷一年生、何を急に……据え膳食わぬは男の恥という言葉を知らないのか! 他の男は散々抱いておいて、それでも物足りなさそうにしているくせにっ、自分に何の不満がある!」

「そうだよ水月くん、ミフユが欲しいって言ってたじゃないか」

「…………だからくれようとしたんですか?」

ネザメに悪気はないのだろう。でもだからこそ、ミフユの気持ちを鑑みない無神経さに腹が立つ。

「あなたが命令したんじゃないですか? ミフユさんに……俺に告白して、俺に抱かれろって。俺は大好きなミフユさんに言い寄られてすごく嬉しくて、舞い上がってしまって深く考えられなかったけど……冷静になると、ミフユさんの意思をあまり感じない。ミフユさんからの好意が感じられないんです。なのに抱けなんて……そんな、無茶なことはないでしょう」

「な、何を言う鳴雷一年生っ……自分は貴様にならと身体をだな……!」

「……喜んでくれると思ったんだけどな。もういいよ、ミフユ」

「ネザメ様!? だ、大丈夫です! このミフユ、ネザメ様の命令は必ず遂行してみせます! 鳴雷一年生何をしている、早く自分を抱け! そんなに自分を惨めにさせたいのか!」

俺の肩を掴んで揺さぶるミフユの顔は必死なもので、どこか痛々しく見えた。ネザメはそんなミフユの腕を掴んで俺を離させた。

「……嫌なら嫌と言ってくれないと分からないよ。ごめんね、ミフユ」

「ネザメ様……?」

「ミフユにも恋の楽しさを知って欲しかった、水月くんはいい子だから仲良くして欲しかった、それだけなんだよ、僕の願いは。嫌々抱かれろなんて命令したつもりはないんだ」

「……す、すいませんっ! 自分はとんだ勘違いを……し、しかし、ネザメ様……自分は」

「ちょっと二人でゆっくり話し合ってください」

「あぁ、すまないね。ミフユ、こっちへおいで」

寝室の隅へ向かった二人を見て、彼らは元々彼らだけで完結していたんじゃないのかと自分の間男らしさを感じて嫌な気持ちになった。

(……それはそれとして主従BL尊いですな!)

もうネザメもミフユも俺を居ないものとして扱って欲しい、イチャイチャを傍で見させて欲しい。壁もしくは空気になりたい。

「リュウ」

気を取り直してずっと待ってくれていたリュウの元へ。ずっと自分の乳首を弄っていた彼の顔は真っ赤になっている。

「外してやるよ」

「ぁ、ありがとうございますぅっ……ぅ、あっ、あぁああっ……!」

陰茎と陰嚢を締める三つの輪が連なった形状のコックリングを外すと、彼の陰茎はビクビクと跳ねながら精液を吐き出した。

「外しただけでイきやがって、俺からのご褒美はいらないのか?」

「い、いるっ、いりますぅっ……」

「……立てよマゾ豚、ベッドに上がれ」

正座をしていたリュウは足が痺れているようで、ベッドに上がるのに腕を使っていた。抱き上げてやりたくなる気持ちを押さえ、もがく様子を眺めた。

「ケツ上げろ」

「はぁい……」

うつ伏せになったリュウは猫が伸びをするように腰を上げ、太めのバイブを咥え込んだ後孔を俺に見せつけた。バイブの持ち手を握ると期待したのか後孔がきゅっと締まるのが見て分かった。

「はっ……はっ、ぁ、水月、水月ぃ……」

ただバイブを抜こうと思って握ったのだが、熱っぽい声を聞いているうちにイタズラ心が湧き、バイブを前後左右に揺らしてぐちゅぐちゅと音を立てさせてしまう。

「ひゔぅっ!? ゔっ、ぁ、あぁんっ! んゃ、ぁ、水月っ、ひっ、イくっ、またイってまうぅっ……!」

「結構太いのも入るようになったな。これ以上は拡げんなよ? 俺のを上手く締められなくなるだろ?」

「はっ、ひゃいっ、分かっ、ぁ、あぁあっ! イくぅゔぅぅぅっ……!」

とろとろと勢いのない射精が可愛らしい。

「ぅあぁああっ!? あっ、あぁー……」

バイブを引っ張ると後孔の縁がめくれ上がり、抜ける瞬間にはぬぽんっと淫猥な音を立てた。

「はぁっ……はぁっ…………みつ、き」

バイブの形に拡がった後孔はヒクヒクといやらしく震えている。

「こっち向けよ」

肩を掴んでひっくり返し、リュウを仰向けにさせる。俺を見つめる濡れた瞳に誘われるがまま覆い被さって唇を重ねた。

「んっ……ん、ぅ……水月ぃ」

「……はは、顔あっつ」

キスを終えて頬に触れるとリュウの顔の熱が伝わってきた。

「水月ぃ……俺ええ子で待ってたやろ? もう焦らさんと……なぁ? ええやろ?」

「んー……? ふふ、可愛がって欲しいんじゃないのか?」

髪をくしゃくしゃと撫でてやるとリュウは眉尻を下げて微笑んだ。

「いけずぅ……抱いてぇや、十分拡がってるやろ?」

「正直に言えてえらいな」

散々焦らした後だ、多少可愛がっても「虐めろ」なんて文句を言ってきたりしないだろう。俺はリュウの太腿の裏に手を添えてゆっくりと持ち上げ、M字開脚をさせた。

「……そういえばベッドの上でちゃんと正常位って初めてだな?」

「ぅ……言わんといてぇや、なんか恋人みたいで恥ずぅなってきたわ」

「ただの犬だのオモチャだのペットだの言ってるけどさ、恋人なんだから「みたい」はないだろ「みたい」は」

「へへ……せやね。水月、きて……んっ、ぁ、あっ、ん、んんっ……!」

リュウと身体を重ねるのはこれで二度目だ。太めのバイブでほぐれた腸壁は柔らかく、俺の陰茎に絡み付いてくる。

「あっ……ぅんっ! んん……ほんま、デカいわぁ……さっきまで入れとったバイブも、渡された時こんなもん入らんわ思たくらいやのに……水月のん、それよりデカい……」

「この上ない褒め言葉だな。もう少し入れるぞ」

「まだあるんやっけ……んぁっ! あっ、ぁ、水月ぃっ、待っ、ぁ、あっ! そこあかんっ、入れたあかんってぇっ!」

「前入れただろ? ほら、手握ってやるから」

手のひらを合わせて指を絡める、いわゆる恋人繋ぎ。それをしてリュウの両手を頭の横に押さえてみると、快楽に歪む表情の中に確かに嬉しそうな笑顔が混じった。

(手温かい……これいいですな! 正統派って感じですし、リュウどのたまに腕で顔隠しちゃうんでそれも防げまそ)

未だに手を繋ぐくらいでもときめいてくれるようで、手を握る力を強くすると後孔の締め付けが強まる。初体験が青姦の変態のくせに、こういうウブなところがあるのもリュウの魅力だ。
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