冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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初恋の人だから余計に

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十一股交際の許しを得た俺はホッとしながら明日の予定を立て、今日は二人きりで過ごそうとセイカの手を握った。俺はただ楽しく話せればと思っていたけれど、セイカは「セックスしないのか」と聞いてきた。

「えっ、セッ、セ……!? していいのかっ?」

なんでもないような表情から察するに、自分が抱かれたくて言った訳ではないのだろう。ただ先週あったから今日もあるのかと聞いているだけだ、夕飯の献立を聞くよりも軽い気持ちで。

「……今日は予定ないから多分夕飯まで人来ないし、出来そうだなって。俺はどっちでもいいけど……鳴雷は?」

「したいよしたいに決まってる!」

セイカの方から言い出してくれたことを喜びながらベッドを降り、鞄を漁ってコンドームやローションの準備を始める。

「確認するけどさ、セイカって恋愛的な意味で俺が好きなんだよな?」

「……恋ってなんかドキドキすることだろ? 俺鳴雷と居るとホッとするんだよ、時と場合によるけど」

「なるほど……恋の一歩先を行ってるってことだな。嬉しいよセイカ」

「一歩先? そうなんだ……」

「俺の裸見て興奮とかするか? 本当にセックスしたいって思ってくれてるのか? 何かしないとって焦ってるならしたくないんだ」

シャツを脱いで上半身を晒してもセイカの顔は赤くならない。

「……興奮は別にしないけど、古今無双って書いてる服ずっと目に入るよりはマシかな。セックスしたいってのは……ある。鳴雷、したそうだから」

「そっか、よかった。嫌々やってたら悲しいからさ」

「お前本当に優しいよな…………逆に怖い」

相手を喜ばせたいというのは俺もいつも思っているからよく分かる、自分にはあまり性欲はないが相手がしたそうだからさせてあげる……は立派な愛情だ。まだ同性の身体に興奮するのが難しいのなら、快感を教え込んで条件反射的に俺の裸体への興奮を刷り込んでいくしかない。

「……鳴雷、あの……俺、されるばっかじゃ嫌で、でも……よく分かんなくて」

セイカの服を剥いて頬を包むように優しく触れ、首へ胸へとスリスリ撫でながら手を下ろしていく。途中、セイカが話し出した。

「鳴雷が何して欲しいのか教えて欲しい……」

「…………俺を喜ばせたいのか?」

「え? う、うん……」

「捨てられたくなくて焦ってるとか、虐めた償いとかじゃなく?」

「それも、あるかも……? でも、一番は……多分…………鳴雷が、喜ぶとこ……見たい、から」

ほんのりと頬を赤らめながら消え入りそうな小さな声でセイカはそう言った。照れているのだろうか、可愛らしい仕草だ。

「よし、じゃあとりあえずフェラ覚えてもらおうかな」

「……アレ舐めるヤツ?」

「そうそう、嫌ならいいけど……あ、ゴム付けてその上からにするか? ゴム臭いけど初めてなら直よりはマシかも」

「いい、直でイケる」

セイカを引っ張り起こし、俺はその前で膝立ちになる。そうすると足を伸ばして楽に座ったセイカの顔の前にちょうど俺の股間が来る。俺はファスナーを下ろして下着をズラし、勃っている陰茎をぶるんっと飛び出させた。

「デカ……」

「まずは──」

俺好みのフェラの手順を教える前に、セイカは俺の陰茎を握って先端に吸い付いた。亀頭をちゅうちゅうと吸い、舐め、咥え、亀頭を口内に収めるとまた吸った。

「え……」

慣れた口の動きに混乱する俺を他所にセイカはちゅぱちゅぱと音を立てて俺の陰茎を舐めしゃぶる。亀頭しか咥えていないけれど、根元からセイカが咥えている位置までは手で扱いてくれているから陰茎全体に快感がある。

(え、うま……なんでこんな慣れて…………そういやセイカ様イジメの一環で無理矢理売春させられてたとか言ってましたな!? じゃあこれはどこぞのクソジジイが仕込んだ技術……ふざけんな)

舌打ちが聞こえた。俺の陰茎を咥えているセイカは舌打ちなんて出来ないし、彼が目を見開いて俺を見上げ、直後に怯えた目をしたことでようやく俺が舌打ちをしたのだと理解した。

「な、鳴雷……? 気持ちよくなかったか? だからって、舌打ちなんて……そんな、鳴雷優しいのに……そっ、そんなに、俺下手だった?」

どう繕おう。昼食の欠片が口に残ってたとか? 喉が渇いていて口が粘ついてきたとか?

「…………他の男に仕込まれたやり方だろ、それ」

「え、ぁ……うん。上手く出来ないと殴られたりお金もらえなかったりするから、結構上手いと思うんだけど……鳴雷的には微妙?」

上手かったよと言って、でも売春のことは忘れて俺が初めてというていでするのだからと説得して、俺好みのフェラを教えて──頭の中で咄嗟に組み立てた予定が俺自身の手で崩される、俺は何故かセイカの耳を塞ぐように彼の頭を掴んでいた。

「な、鳴雷っ……? ご、ごめ、ごめんなさいっ」

「口開けろ」

震えているセイカの口に陰茎をねじ込み、嗚咽する彼の頭を押さえる。

「んっ、んゔぅ……」

「ちゃんと根元まで咥えて……そうそう、出来てる。じゃあ吸って……吸いながら裏舐めて、裏、そうそう、上手い上手い」

セイカは目に涙を浮かべながら俺をじっと見上げ、喉で陰茎を必死に締め付けている。

「……他の男に仕込まれたようなの俺に使わないでくれ。他にもあるのか? 全部忘れろ、俺が全部一から教えるから」

「んっ……ん、ぅ……」

「お母さんに教えられた価値観も、イジメっ子仲間と習得した人の苦しめ方も全部忘れるんだ。頭の中まで全部俺だけになってくれよ」

セイカは俺の僅かな呼吸の乱れや表情の変化を目敏く見つけ、俺の裏筋の舐め方を学習していく。やはりセイカは頭がいい、その優秀な頭で俺の陰茎の弱いところを覚えていくなんて……興奮する。

「はぁ……気持ちいい、上手くなってきたな、セイカ。セイカ、セイカっ、俺のセイカ、俺だけのセイカ、全部全部全部俺だけになれよセイカっ、手始めは、口だっ!」

腰を突き出してしまう癖を抑えてセイカの頭を遠ざけ、喉奥ではなく彼の口内で射精を遂げた。ふぅふぅと荒い鼻呼吸がセイカの口からはみ出た陰茎にかかっている。

「そのままだ……セイカ、飲むなよ、吐き出すな、そのまま」

勃ったままの陰茎を抜き、セイカの口を手で覆う。彼は俺の精液を口内に溜めたまま俺を見つめ、俺の指示を待っている。

「……まずいか? ごめんな。俺の味を覚えてくれ、他の男の味全部忘れて、俺の味だけ……うがいする時みたいにさ、ぐちゅぐちゅって」

セイカの頬が不規則に膨らむ。俺の指示通り俺の精液で口全体をすすいでいるようだ。

「そろそろ覚えたか?」

「ん、ぅ」

「よし、飲んでいいぞ。痩せ過ぎなんだからしっかりタンパク質取らないとな」

「んん……」

ごくん、と喉仏が動いた。セイカの口から手を離し、口を開けるように言うと空っぽになったそこから精液の臭いが漂ってきた。

「あの、さ…………俺、乱暴だった……よな。ごめん。嫉妬でちょっとおかしくなってた」

「いや、なんか……よかった。お前優しすぎてあんま人間味ないから……意外だったけどなんかホッとしたし、ヤキモチ焼いてんの可愛いし、謝んなくていいよ別に。キレ方も優しかったし……俺のって言われんの、よかった。好かれてるんだなって……へへ」

「…………ありがとう」

「……で? まだ勃ってるみたいだけど、ヤりたい?」

自分の暴力的な一面を自覚して落ち込んでいたが、その一言で全て吹っ飛んだ。
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