冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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二人きりということにして

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食べ物をくれる人に悪い人はいない、とでも思っているのだろうか。ケーキを食べ終え片付けを済ませた後、アキはネザメにも近付くようになり、彼の視線に気付くと微笑むようにもなった。

「あぁ……! ミフユ、ミフユ……! 心臓がもたない……!」

《愛想笑いしてやったらすーぐ目ぇ逸らしやがって、感じ悪ぃぞー?》

アキは顔を背けるネザメの顔を覗き込んでいる。ネザメが頬を赤らめ目を潤ませていると分かったからか、アキはニヤリとイタズラっ子のような笑みを浮かべてネザメの手首を掴んだ。

《照れてんのか? 兄貴の彼氏だもんな、俺の顔も好きか。ハハッ! ジロジロ見るワケだ。ほーら傍で見せてやるよ、どうだ? 超絶美形を間近で見た感想は》

「そんな近くで微笑まれたら僕はもう……!」

《ハグしてやろ~》

力任せにネザメの顔から手を剥がし、彼のガードを解いたアキは素早くネザメを抱き締めた。俺がアキに「好き」と言われて上げるような奇声が聞けないかと期待したが、流石に俺ほど気持ち悪い人ではなかった。

「……っ!? え……? ミ、ミフユ……ミフユ……! ミフユぅ……!」

「仲良くなれてよかったですね」

困ったら年積を呼ぶ癖がついているのか。行為中、絶頂が近くなったら俺ではなく年積の名を叫んだりしないだろうか……それはそれで興奮するな。

「アキくんのハグの破壊力すごいっすよね、可愛すぎてフリーズしちゃうんすよ」

「へぇ……妬けるな、俺はどうなんだ?」

先輩ヅラしてネザメを眺めていたレイを背後から抱き締め、耳に吐息をかけてやる。レイは途端に大人しくなり、ピアスがぶら下がった耳を真っ赤に変えた。

「……ア、アキくんよりは付き合い長いっすから、多少の慣れはあるっすけど……恋人っすから、その、アキくんとは違って、多幸感が……その、ふわふわしちゃうっすぅ……せんぱいの腕の中、すごいっす。お風呂浸かってる時みたいな感じになるっす、なのにすごくドキドキして……ぁうぅ、も、もういいっすよぉ。離して欲しいっす、お腹きゅんきゅんして我慢出来なくなっちゃうっす」

なんて可愛い反応だ、今すぐにでも抱きたい。しかし今日はネザメとの交流の日だ、愚息を落ち着かせなければ。

「また今度、ゆっくりな…………ネザメさんっ、アキばっかり構っちゃ寂しいですよ。俺があなたの恋人なんですからね」

レイを離してネザメの隣に向かう。

「美の極地に挟まれてしまったよ、ミフユ……どうしよう」

「どうぞ堪能してください」

年積は呆れ顔だ。ネザメに声をかけられただけで数日無視されたのが懐かしい、俺もアキも信用してもらえているということだろうか。

《悪ぃ、せっかく呼んだんだしイチャつきたいよな。じゃ、俺部屋に戻るから新しい彼氏で楽しみな、兄貴》

アキの腕がネザメから俺の首へと移り、頬にちゅっと唇が触れさせられた。突然のキスに目を白黒させる俺に微笑むと、アキは寝室へ戻っていった。

「俺もお部屋戻るっす、お仕事あるんで……それじゃ!」

新しい彼氏だからと気を遣ってくれたのか、アキもレイも一人の時間を過ごし始めた。俺は少しの寂しさを覚えた後、俺を見つめて微笑み、俺の頬を撫でているネザメの腰に腕を回した。

「ソファ行きません? 座り心地いいですよ」

「……そうだね」

アキが居なくなるとネザメの表情に余裕が戻った。俺は大したことがないと思われているようで少し腹立たしいが、時間をかけて慣れたのだという年積の話を思い出せばその苛立ちは収まった。

(テンパりんぐなままで来てくださればよかったのに……きっとかわゆすでしたぞ)

俺に気持ち悪がられないよう俺の美顔に緊張せず話せるようになるまで俺をこっそり見つめ続けるネザメを想像し、どうして見られていることに気付かなかったんだと自分の鈍感さを叱咤する。

「確かに、座り心地がいいね」

握りこぶし一つ分空けて俺の隣に腰を下ろしたネザメは俺の太腿をそっと撫でた。触れるか触れないかも曖昧なソフトタッチだ、焦れったくなってくる。

(ネザメちゃまは誘い受けなんですかな~? でゅふふ)

俺も触るべきだろうか? ネザメの真似をして落ち着いて触るか、辛抱たまらなくなった感じで行こうか、悩むな。

「はぁ……美しいねぇ君は。いつまでだって見てられる、瞬きを忘れてしまうよ」

「……ありがとうございます。ネザメさん、俺をゆっくり愛でるためだけにここに来たんですか?」

「と言うと?」

「ご奉仕しますよ、せ、ん、ぱ、い。何なりとお申し付けください」

太腿を撫でていた手を取り、手の甲にキスをする。ネザメは余裕の笑みを崩さず、薬指を揺らして俺の頬を撫でた。

「ふふ……ご奉仕、か。十人も彼氏が居る君のことだ、きっと素晴らしいのだろうね。何をしてもらおうかな……その美しい顔がどこまで美しさを保てるのか調べてみたいよ」

親指が下唇をなぞる。

「オーラルセックスをしよう、鳴雷くん」

「はい、ネザメさんを気持ちよく出来たらご褒美をくださいますか?」

「何が欲しいんだい?」

「名前で呼んで欲しいです。その上品な唇が俺の形に歪むところが見たいんです」

ネザメを真似て飾った言い方をしてみると、ネザメはくすくすと笑って了承してくれた。そんな俺達を年積はじっと眺めている。視線が気になって彼の方を向くと、すぐにネザメに顎を掴まれて彼の方を向かされた。

「ミフユのことは気にしなくていいよ」

「……はい。では……こっちを向いてください」

ソファの上で正座をし、隣に座ったネザメの方を向く。彼もこちらを向き、俺を見つめる瞳に熱を溜めながらゆっくりとベルトを外し、スラックスと下着を脱いでくれた。

「ミフユ」

ネザメが脱いだ服を床に投げ捨てると、ミフユがそれを拾って畳む。

(ミフユたんからするとNTRになりません? うーむ……ま、ネザメちゃまを喘がせてミフユたんを興奮させて3Pに持ち込めたらなーって感じですな)

シャツ一枚になったネザメは伸ばした足の先端を俺の太腿に乗せた。俺はその足に両の手のひらを当て、脛から膝、膝から太腿へと撫でながら土下座をするように上体を倒し、彼の陰茎へと顔を向かわせた。

「……失礼します」

「手は使わないでね」

俺の頭の分だけ開いた足の間に顔をうずめる。まだ勃っていない陰茎の先端を咥え、ちろちろと舌先でくすぐる。

「ん……」

むくむくと膨らみ始めたら咥えるのを一旦やめて、舌を限界まで突き出して裏筋をれろんと舐める。下から上へ、射精時の精液の流れを意識させるつもりで舐める。

「……ふふ、舌を出している君もいいね。じっとこちらを見つめる目もいい、僕の様子を伺っているのかな? 舐めていてもその瞳の輝きには雄を感じるよ、今にも飛びかからんとする獣のようだ」

「ん……それじゃあネザメさんは猛獣の調教師ですか?」

「こんなにも美しい獣を調教させてもらえるのかい? 夢のようだね」

猫にするように顎をくすぐられたかと思えば、その指は喉に向かう。ネザメの底知れぬ瞳が「ここまで入れたい」と言っている。

「まずは何を教えます? 喉の使い方とかですか?」

「ふふ、もう知っていそうだね」

愛撫は今までずっと右手だけだったのに、左手も顔に触れた。いや、優しく頭を掴んでいる。

「咥えて……そう、上手……この奥、入るかい?」

とんっと喉彦を小突かれて嗚咽する。自然と涙と唾液の分泌が増し、低い声が漏れる。

「んゔっ……!」

「綺麗だよ、鳴雷くん……とても綺麗だ。君のその色の薄い瞳が涙で滲んで……ゆらゆらして……とても美しい」

俺の苦しむ顔を見てネザメは頬を赤らめ、半勃ちだった陰茎を最大まで膨らませた。
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