冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
上 下
384 / 2,057

靴下は履いていて欲しかった

しおりを挟む
料理が完成して一息ついていると、シャワーと着替えを終えたアキが俺に抱きついた。

「に~に~ぃ、お風呂終わるっす~」

「おぅ、おかえり。今日も可愛いなぁ、明日も可愛いんだろうな」

シュカとのじゃれ合いで何度か射精し、下着を汚したアキはついさっきまでシャワーを浴びていた。洗ったのは下半身、それも腰周りだけだそうだが、湿気た浴室に居ただけで白い髪と肌はしっとり湿っている。

「アキ」

名前を呼ぶとつぶらな赤い瞳が俺を見上げる。

「シュカのこと、好きか?」

「……? ぼく、にーに、好きです」

「ぉふう……いや、シュカは?」

「しゅーか、好きです……? ともだち? です。ぼく、にーに、好きです。にーにぃ」

前戯紛いの触れ合いを行おうともあくまでライク、ラブの意味で好きなのは俺しか居ないと言っているのだろう。

「ふふっ……それ聞いて安心したよ、嬉しい、ありがとうな、好きだよ、アキ」

俺総攻めハーレムがアキ総受けハーレムに置換されてしまうことはなさそうだ。安心した俺は料理をダイニングの机に運び、席に着いて食事を始めた。




念のために七人前用意しておいた料理、炊いた米、少しは余るかと思われたそれらをペロリと平らげたシュカは「腹八分目ですね」なんて言って手を合わせた。

「マジで大食いっすねー……食費大丈夫なんすか?」

「今のところ問題ありませんが、将来自分で自分の食費を稼がなければならないのかと思うと憂鬱ですね」

「俺が稼いでやるよ、シュカは将来の心配より花嫁修業をするべきだな」

言いながら立ち上がり、食器を片付け始めると彼氏達も俺にならう。

「テストで平均点すら取れない男好きがどう稼ぐと……? 顔だけで食べていくにも多少の頭と愛嬌は必要なんですよ」

酷い言い様だが、正論だ。俺には見た目以外に長所がない。将来を思うと憂鬱になるのは俺も同じだ。

「せんぱい一人くらいなら養ってあげられるっすよ」

「ヒモになるのは流石になぁ……ま、適当に就職するよ。母さんコネすごいし」

「……どうかと思いますよ、それ」

嫌な空気を崩したのは「お風呂が湧きました」という機械音声だった。

「俺とシュカはヤってから入るよ」

「俺一番風呂ピリピリするから嫌いなんすよねー」

「ちょっと水月、勝手なこと言わないでくださいよ。私お風呂入りたいんですけど」

「ちょっとは汗かいてるだろ? 嗅いだり舐めたりしながらヤりたいんだよ」

シュカは深いため息をついた後、アキに視線を移した。

「秋風さん、お風呂お先にどうぞ」

「お風呂? 入るするです?」

「私は入りませんよ。秋風さんが、お風呂に、入るんです」

「да」

アキが去っていくとシュカはまたため息をついた。

「秋風さん、疲れますね。言ってること伝わりにくいですし、何言ってるか分かりませんし、何考えてるかもよく分からないし……子供を相手にしてるみたいな接しにくさがあります」

「アキくん目合わせてる間はずっとニコニコしてるんすけど、視線外すとスンッて真顔になるんすよね。いつものは愛想笑いなんすかね」

「外国人って愛想笑いするんですか?」

「赤ちゃんでも愛想笑いするんすよ? 愛想笑いは文化とかじゃなくて本能だと思うっす」

「やめろよそういう陰口みたいなの……」

「あ、違うんすよ、そんなつもりはないんす。俺はアキくんのことかなり好きっすし」

アキは慌てて弁解したが、シュカは何も言わずふいっとそっぽを向いた。

「いや、陰口は言い過ぎた。ごめんな。アキへの接し方は俺も悩んでるよ、時間に頼るしかないんだろうな。アキが日本語覚えて、俺達がアキのこと分かっていって……ってさ」

「じゃ、やっぱいっぱい話した方がいいんすね。俺いつもせんぱい見送った後アキくんとたくさん話してるっすよ!」

だから最近アキの語尾が「っす」になる時があるんだな。

「ま、仲良くしてやってくれ。シュカ、そろそろしようか。待たせてごめんな」

皿を片付け終えたので濡れた手をタオルで拭い、シュカを背後から抱き締めた。手を拭いている最中の彼の腹を撫で、尻に腰を押し付ける。

「……準備してきます。木芽さん、トイレ借りますね」

「準備も俺にやらせてくれよ。時間はたっぷりあるんだしいいだろ? レイ、ソファでしていいか? アキと二人で先に寝ててくれ」

「シート敷くの忘れないで欲しいっす」

「分かってるよ。シュカ、行こう」

今日は前戯をしてもいい気分のようだ。俺は一旦寝室に戻ってローションや玩具などを取ってきて、その間にシュカがソファにペットシートを敷いた。

「寝室までは聞こえないから声我慢しなくていいよ」

二人きりになったリビングで向かい合って立ち、抱き締め、耳元で囁く。シュカはあまり言葉責めが好きではないからそれ以上は言わず、シャツのボタンを外していく。

「……触り方が甘ぇぞ童貞」

ボタンを全て外したシャツを脱がしはせず、肌着の上から脇腹を撫でる。気分を上げるための軽い愛撫はお気に召さないらしい。

「もう何回も抱いてるんだ、童貞呼ばわりは流石にないだろ」

ゆっくりしていくのが嫌ならとシャツを脱がし、ベルトを外す。下着越しの陰茎を手の甲で撫でてみると既に固くなっており、痺れを切らしたシュカは自分で下着を脱いで陰茎をぷるんっと揺らした。

「あっ、靴下は脱がないでくれ」

「はぁ? 別に構いませんが……相変わらず変態ですね」

そう罵倒しながらペットシートを敷き詰めたソファにどかっと腰を下ろした。性器が丸見えなのに恥じる様子はなく、むしろ見せつけるような体勢で俺を煽った。

「裸体を彩る唯一の宝石はメガネか、靴下か……俺は、俺はっ! 両方! 両方選びたい! 欲張りじゃダメですか……!」

「欲張りでも何でもいいのでさっさと手を出してもらえませんかね。というか、私まだ肌着は着てますよ」

肌着の上から身体を撫で回して焦らしたいので、それは脱がさないと今決めた。

「裸メガネ靴下ぁー!」

「そんなに……フェチ? を刺激するものなんですか? 靴下って」

シュカに俺のフェチを押し付けた際、呆れと困惑が混じった顔を見せてくれるのが嬉しい。冷静な優等生の上っ面でも短気な不良の顔でもない、恋愛経験のないシュカという人間の顔だ。

「ちょっと……その口とはもうキスしませんよ」

床に跪き、ソファに座ったシュカの足を手に取り、靴下越しに頬擦りとキスをした。眉を顰めるシュカの顔を見ながら彼の足首を掴み、足の裏に鼻と口を押し付ける。

「……っ!?」

足の指の生え際は少し窪んでいる、そこに鼻をねじ込んで素早く深呼吸をすると、シュカのドン引き顔が見られた。

「…………気持ち悪」

足の匂いを嗅ぎながらベルトを外し、スラックスの中に手を突っ込んで陰茎を扱くとシュカの心底からの罵倒が──いや、感想と言うべきだな──感想が聞けた。

「……ねぇ、私はセックスがしたいんですよ。足を嗅ぎながらオナニーするところが見たいなんて言ってません、私を気持ちよくして欲しいんです。前戯ですらないでしょうこんなもの」

「あぁ……ごめん、裸靴下を見てたらつい我を失って」

「だから肌着着てますって」

足から顔と手を離すとシュカはすぽんっと靴下を脱いだ。

「あっ!?」

「準備したいんでしょう? さっさとしなさい」

「裸メガネオンリーもイイ!」

「コイツ無敵か……?」

シュカは身体を反転させてソファの上で膝立ちになり、背もたれを掴んで尻を俺に向かって突き出した。

「ほら、さっさとほぐしなさい」

片手でピースサインをするようにして割れ目を開き、熟れた縦割れの後孔を俺に見せつける。そんな扇情的なポーズを取られて俺が我慢出来る訳もなく、エサを投げられた犬のように素早くシュカの尻に飛びついた。
しおりを挟む
感想 469

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

処理中です...