冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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生徒会選挙

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月曜日の朝、昨晩から漬けておいたフレンチトーストを焼きながら深いため息をついた。腰をトントンと叩いているとレイが欠伸をしながらキッチンに入ってきた。

「あぁ、レイ、その野菜ジュース今日までだから全部飲んどいてくれ」

「えー……野菜ジュースあんま好きじゃないんすよねぇ、俺」

アキは何でも食べるのだが、レイは好き嫌いが激しく日々の食事では野菜を残しがちだ。なのでシチューを作ったり野菜ジュースを買ったりと色々工夫はしているのだが──

「あ、おはようございますっすアキくん。野菜ジュース飲むっすか?」

「飲むするです、このめ、ありがとーです」

──こんな調子だ。買ってきた一リットルの野菜ジュースをレイは結局コップ半分ほどしか飲まなかった、それも俺が無理を言って飲ませたものだ。

「せんぱーい、なんか顔色悪くないっすか?」

今度はスムージーでも作るかなと考えていると、野菜ジュースをアキに押し付けたレイが戻ってきて俺の顔を覗き込んだ。傾げた首と上目遣いがたまらない。

「あ、あぁ……ちょっと、腰が」

「そういえば昨日も夜通しアキくんに搾られてたっすねー。せんぱい絶倫っすけど、兄弟だけあってそういうとこも似るんすかね?」

なるほど、母からの遺伝か。ありえるな。遺伝プラス日頃の筋トレ量の違いからくる体力の差、その結果がこの腰の痛みか。

「うん……あのさ、レイ、昼間暇な時間あったら……アキに玩具貸したり、使い方教えてやったりしてくれないかな」

「いいんすか? 分かったっす、手取り足取りナニ取り教えちゃうっすよ~? アキくんせんぱいそっくりで可愛いっすからちょっとちょっかいかけたかったんすよぉ~、手出していいんすね?」

「……本番はダメだぞ?」

「キスと本番はせんぱいだけっす!」

キスなら見たいからしてくれてもいいのだが──っと、そうだ。

「クマの監視カメラって今切ってあるよな」

「はいっす、せんぱいが家に居る間ずっと肉眼で見れてるんで、別にいいかなーって切ってるっす」

「あれでアキ撮ってくれ、お前らの絡み見たい」

「りょーっす! せんぱいNTR趣味あるんすかぁ~?」

「……いや、ないな。あるのは腐趣味。パン焼けたぞ、持ってけ」

三人で楽しい朝食の時間を過ごした。やはり酒は悪だ、朝に弱いなんて言っていたレイも二日酔いがなければ朝から笑顔になってくれる。

「車に気を付けるっすよー」

「いってらっしゃいです、にーに。きをつけるっす」

「あぁ、いってき……口癖伝染ってるな!? 森の住民かよ……うーん、まぁ、いいか……いってきます」

レイと口調が完全に被っても面白くないし、俺がもっと話しかけるか他の彼氏達とも話させるかしないとな。

「おっ……水月ぃ、おはようさん」

リュウ以外で。いや、関西弁は可愛いんだけど、一人でいいからな。



一時間目、全校生徒が体育館に集められ、生徒会選挙の候補者の演説を聞かされる。

「あっ、しゅー来た、しゅー。今日もメイクしたげたんだよ~」

「メイクしとるかこっからやったら見えへんわ」

「……み、くん……は?」

「みっつんは選管だから~……手前の方に集められてるんじゃない?」

そう、俺は選挙管理委員なのでクラスごとの列には入らず、舞台の近くに集められているのだ。シュカの勇姿が間近で見られるのはいいが、傍に美少年が居ないのはなぁ……

(やる気出ませんなー)

選挙管理委員には投票権がない、演説を聞いている意味もさほどない。シュカと年積とネザメの分だけは聞こう、美少年の声というだけで価値がある。

(ネザメちゃまにやる気がないことに苦言を呈しましたが、実際のところわたくしの方がないんですよな)

全員の演説が終わると教室に帰り、投票を行った。俺が教壇に立って教卓に置いた投票箱に一人ずつ投票用紙を入れてもらうのだ。

「集計大変そうだなぁ……デジタル化しません? 先生」

「予算と機械音痴のお上さんがどうにかなったら、かな」

「少なくとも在学中には無理、と」

投票箱は一旦委員会室に運び、昼休みに開票、六時間目に公表という手筈になっている。

「だから俺これ食べたら行かなきゃなんだ。今日もヤれないよ」

「選挙の流れくらい分かってますよ。こんな日に限って移動教室だの体育だので休み時間が潰れて……明日! 明日絶対抱いてもらいますからね」

「もちろん。俺も最近シュカを抱けてないのを大いに不満に思ってるからな」

「ふん……あぁそうだ、霞染さん、メイク直しお願いします。六時間目にはまた壇上に上がりますからね」

「まだ通っとるか分からんやろ」

「私の他の候補者の演説を聞いた上でそう言っているのなら、あなたは世間ズレを自覚するべきですね」

ご無沙汰なせいで苛立っているらしく、シュカはこのところリュウと口喧嘩が絶えない……っていつものことか。

「ほんま嫌味なメガネや……そーいや水月ぃ、病院の子どないなん?」

「病院の子? 何それ」

「あぁ、話してなかったっけ。ごめん、開票行かなきゃだから五時間目に話すよ」

「五時間目って……」

「音楽ですね。そこの金髪豚だけならまだしも水月までグループ練習の時間を自由時間だと勘違いしているとは、全く情けない」

「誰が豚や誰が! 俺をプレイ中以外で豚言うてええんは水月だけやぞ!」

「俺もう行くぞ、仲良くしろよ!」

購買で買ったパンの包装ビニールを雑に丸め、俺は一人委員会室に走った。美少年が居ない中の開票作業は苦痛だった。

「生徒会長、紅葉 寝覚。二年生副会長、年積 三冬。一年生副会長、鳥待 首夏。書記……」

俺の彼氏と彼氏候補の三人は無事当選したようだ。選挙管理委員として選挙結果の情報漏洩は厳禁だが──

「水月、おかえりなさい。結果……どうでしたか? 私通ってましたよね」

「あぁ! おめでとうシュカ! いや、鳥待副会長!」

──不安そうな顔の彼氏に聞かれては仕方ないだろう。俺は選挙管理委員である前にシュカの彼氏なのだから。

「やった……! って、そんな大声で……いけませんよ、情報漏洩は」

「ふふ、そうだな。おめでとうの肩車は放課後かな」

「しなくていいですよそんなこと……あなた自分が怪我人ってこと覚えてますか?」

シュカの呆れた視線とため息、投げ捨てるような声色の敬語が大好きだ。



五時間目は音楽、五人ずつのグループに別れて合唱曲を練習する時間が与えられ、俺は練習しているフリをしつつセイカのことを話した。

「飛び降りてみっつん下敷きにしたヤツと付き合っちゃったのぉ!? うっそぉ……みっつんがおかしいのは知ってるけど、そいつも相当……人の肋骨折っといてどういう神経してんだって感じぃ~」

「いやだからな? 俺の肋骨は折れてないし、俺がスライディングしてアキの着地邪魔したからなんだって」

「秋風さんが三角飛びが出来るって話がそもそも怪しいんですよね」

「いやマジなんだよホントに壁キックしたんだよ!」

セイカは俺に怪我を負わせた者という印象が強いようだ、彼が退院してくるまでに彼の印象をよくしなければ。
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