冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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忘我の獣

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欠損箇所の切断面にはまだ包帯が巻かれている。早く包帯の下が見たい。

「ひっ……! ぅ……」

独占欲のままに首筋に強く吸い付く。彼氏達の身体には跡を残さないよう気を遣ってきたのに、セイカには早速鬱血痕をつけてしまった。

「……アルコール臭い」

首から胸へとゆっくり舌を這わせていき、一旦顔を上げた。ナメクジが這ったような跡がセイカの身体に描かれていた。

「包帯外した時に拭いてもらったからかな」

「そっか……残念だな、汗臭いの舐めたかったんだけど。まぁ、これはこれで」

寝たきりの老人のような、入院患者らしい匂いだ。病院で行為に及んでいるのだという自覚が深まり、背徳感が増す。

「……っ、ん……」

存在しない胸の谷間を舐め回しているとセイカの乳首がぷくっと膨れ始めた。乳輪を舌先で愛撫し、乳首を咥える。はむはむと唇で噛み、乳首を赤子のように吸う。セイカの乳首は男らしくないサイズだ、しかし開発済みにしては反応が鈍い。

「ん……セイカ、こっちも何かされたのか?」

「さぁ、どうだったかな。引っ張られて痛かったような……よく、覚えてない」

イジメっ子が斡旋した変態買春親父が開発もせず乱雑に引っ張ったから、感度が育たず大きさだけそれらしくなったのか。

「痛くて、臭くて、きもち……わるくて、こわ……い。し、知らなかっ……ぁ、あんな、ふうに……俺にっ、興奮するヤツ……居る、なんて、こわ、い。こ、わ……」

「セ、セイカ? 大丈夫か? ごめん、トラウマ刺激したかな。今日はもうやめて──」

「……っ!? 嫌だっ!」

震え始めたセイカから離れようと身体を起こすと左手で胸ぐらを掴まれた。中学時代の恐怖が蘇って頭を腕で庇った俺の胸に、こつんと頭がぶつけられた。

「記憶っ……消してくれるんだろ? ぶち犯すんだろ!? や、やれよ、ヤれよぉっ、ヘタんな、それ入れろよっ!」

「…………分かった。続ける……でも、もしダメそうなら……すぐ言ってくれ」

ベッドに寝転がったセイカの胸に改めて舌を這わせる。大きさだけは立派な乳首を舌で弾き、吸い、吸いながら舐め、歯を当て、セイカが味わったことのないだろう繊細な愛撫を与えていく。

「……っ、そ、そこは……」

肋骨の凹凸を舌で感じながら腹へと降り、臍に舌を挿す。

「…………ダメか?」

「鳴雷がすることにダメなことなんか何もないけど、その……汚いとこだし」

臍の縁に唇を添わせ、縦長の細い穴をぢゅうぅっと音を立てて吸ってやった。セイカは顔を赤くしながら眉尻を下げたものの、何も言わずに俺を見つめ続けた。続行を望んでいると判断し、臍の中に舌をねじ込む。

「マジ、かよぉっ……んなとこ、舐めるって……ぅうう……変態」

ぴちゃぴちゃと音を鳴らして舐め回し、臍にたっぷり唾液を溜めてやった。次にセイカが身をよじったら俺の唾液が腹に零れるだろう、どんな風に唾液の筋が通るか楽しみだ。

「皮被ってる……」

臍から陰茎へと唇を移す。まだ勃っていないそれは俺の手に収まるほどの大きさだ。

「な、なんだよっ、別にいいだろっ」

「仮性だろ? 普通だよ、八割くらいはそうって聞く。気にしなくていい……俺はこれ好きだよ。ずる剥けより匂い濃いし、感度も高い気がするんだよな」

軽く握って親指で裏筋を揉みながら擦ってやるとセイカの陰茎はむくむくと膨らみ、俺の手からはみ出るサイズになった。露出した亀頭にちゅっと音を立てるキスを何度か行い、セイカの顔が赤くなっていく様を楽しんだ。

「……気持ちぃ?」

「う、うん……でも、なんか……鳴雷に何か、なくていいのか?」

「俺はやりたいことやりたいようにやってるだけ。俺は変態だぞ? 突っ込んで射精するだけなんてもったいない。触ったり舐めたりすると興奮するんだ、興奮したいんだよ俺は」

「そ、そっか……鳴雷がしたいなら、別に……何しててもいいんだ。これ楽しいのかなって気になっただけで……」

セイカの声は次第に小さくなっていった。フェラを嫌がっている訳ではないことに安堵し、亀頭ねぶりを続ける。

「ひっ……! ぅ、あ……そん、な、先っぽ、ばっかぁ……あっ、ぁ……」

亀頭ばかりをじっくりと舐めて焦らしてやると、セイカは右足を半端に曲げてピクピクと揺らした。陰茎を舐められただけで自然とM字開脚が出来るとは才能アリ……としみじみ興奮していた俺の目に、右足と同じように膝を曲げているつもりなのだろう左足の姿が目に飛び込んできた。

「……っ!」

膝上から切断された太腿だけの左足、右足と同じように曲げているつもりで、ピクピク跳ねているとても短い左足──俺は我を忘れた。

「んぁっ……痛っ!?」

セイカの亀頭から左足の内腿へと口を移し、細くて骨の気配が濃いそれに歯を立てた。甘噛みではなく、思い切り噛み付いた。

「な、鳴雷っ……?」

噛み付きながらぢゅゔぅ……と吸って、左手で太腿の外側を揉みしだいた。揉めるだけの肉も脂肪もなかったけれど。

「……っ、はぁ……はぁ…………」

吸い続けるのにも限界がある。息が切れて口を離した俺は、呼吸を整えるために上体を起こした。そして肘下数センチから先のない右腕を見つけ、飛びついた。

「ぅわあっ!?」

セイカに覆い被さって二の腕を掴み、包帯ギリギリの場所にキスをした。また強く吸ってキスマークを付け、大きく息を吸ったら二の腕の内側に噛み付いた。

「痛……ん、鳴雷……何、噛むの好きなの……? ぅあ、硬っ……」

焦らされて痛いくらいに膨らんだ陰茎をほとんど無意識にセイカの股間に擦り付けた。本能のままに腰を揺らす俺は滑稽だっただろう。

「ふぅっ、ふぅっ……ん、んん……!」

セイカの陰茎の根元に擦り付けていてもさほど快感がないことを察した俺は、本能のままにセイカの後孔を探して腰をくねらせた。

「ん……入れたいの? ここだぞ、ここ……」

セイカは右腕を俺に齧らせたまま、左手で俺の陰茎を握り、自らの後孔へと導く。しかし挿入は叶わなかった、セイカに握られた刺激で射精してしまい、後孔の縁にぶっかけただけで終わったのだ。

「…………はっ!」

射精を遂げると俺は我に返り、セイカに噛み付いたことと後孔への前戯なく挿入しかけていた自分を恥じた。

「ご、ごめんっ! 興奮し過ぎて噛んじゃった! 痛かったよな、うわ歯型残ってる……ごめん、ごめんなセイカ」

「歯型? マジ? うわマジだ……へへ、鳴雷の歯型……鳴雷が俺のこと愛してる証拠…………ふふふ、なぁ鳴雷っ、もっと俺が見えやすいとこにつけてくれよっ」

小説や漫画で読む分にはキスマークや歯型を付けるシーンは好きだし、翌日以降も跡が残って困るという展開も好きだ。だが、実際のところただの傷だ、恋人に傷をつけて喜ぶなんてあってはならない。

「手の甲とか……噛みにくいか。手首……? 肘の手前とか」

キスマークなんて言葉の響きに騙されてしまいがちだけれど、漢字にすれば鬱血痕だ。歯型なんて見て分かる通り傷跡だ。やりたくなかったのに……

「鳴雷、ここ。ここがいい、手首と肘の間!」

左手の内側を見せてくるセイカの無邪気な笑顔に負け、俺はシラフのまま彼の柔い肌に歯を立てた。
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