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おまけ

おまけ シゲオンちゃんねる

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1481話 幽霊学? などの火曜日の夜に配信された生放送 ※横書き読み推奨




【雑談(ゲームもやるかも)配信】


「っすどーも、こんばんはー……シゲオンの深夜配信でーす。今回は雑談メイン。でも絵寂しいんでゲーム募集します。二千円以内、すてぃーむで売ってるヤツ……ぁ、タイトルだけで。URLはいいです、怖いんで踏めません……あ、結構来た、どうしようかな……あっ締め切り締め切り。もういいです。えー……じゃあ今回はコレで。他のは、次回配信か……動画でやるかも。やらないかも……やんなくても怒んないでね」


『こんばんはシゲちゃん』
『ゲーム代』2000
『寝ろ病み上がり』
『高校生が夜更かしすんな』


「ミケ氏ゲーム代ありがと~。うるせー毎度毎度寝ろ寝ろ言ってきやがって、夜中こそ俺の時間だっつーの。ん、ダウンロード完了した。音量OK? ちょい小さい? どっち? ゲーム音? 待ってね……ん、声デカい? はいはい。えー……ホラーゲームですね、見ての通り。ゲーム説明は……ふんふん、廃病院の探索。よくある感じね。スケア系嫌いよ俺。ないよね? ない? よし、やろ」


『雑談は?』
『雑談はよ』
『学校行った?』


「そう、学校ね。学校での話したくて雑談枠を…………これどっから入んの? 正門閉まってて、鍵とかじゃなさそう。裏パターンかな。裏回ろ…………うん、学校行ったのよ月曜は。えらい?」


『超えらい。登校手当て』1000
『行くの当たり前だろ』
『月曜はって今日は休んだ感じ?』


「ヒマ氏ありがと~。そ、休んだ。まず前提として俺の体質知ってもらわないとだからー……今来てくれてるの、古株さんばっかじゃないから改めて俺のチャンネルについて説明するんだけど、最初はココ実写メインだったのよ。シゲオンの負け確闘病記つってね、ステージ4の癌で余命宣告ガッツリされた哀れなガキが人恋しさに始めたチャンネル……死ぬと思ってて、何も残んないのやだなって……でもなんか奇跡的に生きちゃったからさ~、ゲーム実況とかメインになって、チャンネル名もシゲオンのみになったってワケ」


『えマジ?』
『あの頃は見てらんなかった』
『もう髪生えた? また顔出しやって欲しい』


「はは……ガリガリハゲよく見てくれたよホント。髪生えてきてるよ。まだカツラ手放せないけど。顔出し、顔出しかぁ……んー、まぁ、ドッキリ系のVRでもやる時とかにしようかな」


『また髪の話してる』
『↑ようハゲ』
『根治祝い改』50000


「うぉっ……カズ氏前に根治祝い二十万くらいくれたろ! 大丈夫なのホント……いやありがとうだけど、俺に金注ぎ込んでどうすんの。あーなんか話逸れたね。そう、俺元大病人でさ、今も激しい運動はキツいワケ。だから体育祭今度あるんだけど当然不参加でさ、練習の時は保健室居んの。普段の体育だったら見学したりするんだけど、今は暑いからね~。熱中症対策熱中症対策」


『実況で参加しないの?』
『赤ガンバレ白もガンバレ的なヤツか』
『対策費』500
『シゲなら赤ガンバってて草って感じだろ』
『嫌な実況……』


「ナガ氏ありがと。対策費……対策費? うーん、スポドリでも買うわ。俺ガンバってて草とか言ったことないよ!? ちゃんと見て! 見返してきて! もー……で、保健室居たらね、同じく体育不参加の人来たの。そのー……なんて言うのがいいのかな? ちょっと手足が足りない感じ」


『手足が足りない??? 何それ』
『身体障害者かな』
『害はひらがながマスト』


「事故で切断とか言ってたかな~。その子いい子でさー! 俺保健室にこっそりゲーム機持ち込んでたんだけど、その子に見られてさ、そしたらその子ゲームの話振ってくれてさ~! 俺ちょっと長文早口やっちゃったんだけどニコニコしてくれててさ!」


『シゲちゃんに恋の予感』
『長文早口草』
『ガチャで推しが来た時以来の嬉し声じゃん』


「いや男子校だっつーの。そう……んでさ、その子は手片っぽないから自分でプレイは出来ないんだけど、知り合い……って言ってたけど多分あの口ぶりは友達だね。その友達がゲームしてんのいつも見てるから詳しくなったって。で、その友達にはゲーム友達が居ないからぜひ一緒に遊んでやって欲しいとかなんか保護者っぽいこと言ってくるワケよ」


『シゲちゃんぼっち脱却の予感』
『いい友達だぁ……』
『ぼっちひねくれ成人にはまぶしすぎる友情』


「練習終わってその子のお迎えが来てさ~、同じクラスの世話係って言うよりは友達って感じかな。そのお迎え……なんっっまらイケメンでさ、んでそのえっげつねぇイケメンゲーム好きでさ、その子が言ってた知り合いのゲーム好きがそのイケメンなのよ」


『シゲちゃんもイケメンだよ!』500
『マスク外したとこ知らないけど』500
『ハゲだけど』1000

「ヒマ氏ナガ氏ミケ氏ありがと! ってハゲじゃないんだって生えてるんだってヅラは被ってるけどさぁ! はぁ……みんなちょっとさ、イケメン想像して? 俳優でもアイドルでも何でもいいから」


『ぉK』
『した』


「そのイケメンの五回りは上のイケメン。が、今話したゲーム好きのイケメン」


『は?? 推しは国宝級イケメンなんだが??』
『カミアより顔のいい男子高校生が居てたまるか』


「カミア? 他の配信者の名前出さないでね」


『国民的アイドルの名前くらい知ってろ高校生』
『雑誌代』1000


「ロコ氏ありがと。アイドルか、ちょっと調べる……うわホントだすっごいイイツラしてる。うーん、カワイイ系だからちょっと比べにくいな……」


『イケメンは比べるもんじゃない』
『カミアはイケメンって感じじゃない』
『並べるものだ!!! アクスタで!!』
『そのイケメンみぃくんよりイケメン?』


「まぁ比べるのはよくないんだけど……ん? みぃくん? 何、俳優? アイドル? 調べるから名前教えてよ」


『誰それ。そんな名前のイケメン居た?』
『推定一般人』
『知らねー』
『カミアの配信に放送事故で映り込んだイケメン』


「またカミアか……放送事故ぉ? やな単語だなぁ、縁起が悪い」


『知ってるそれちょっと前バズってた!』
『アイドルの配信とか知らねーよ』
『今までのイケメン全てを過去にするツラしてる』


「ふーん……? 調べれば出てくるかな」


『カミアがキャプとか消せってめっちゃ言ってた』
『消しちゃったなぁ、推しにあんな顔されたら消しちゃうわ』
『俺持ってる』
『カミアの懇願ガン無視で草』
『消せ』
『消せ消せ消せ消せ消せ消せ』
『消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ』


「ちょっ、やめてよちょっと! コメ欄一人で埋めないで、大人しくしないと追い出すよ! よく知らないけど本人が消してって言ってるんだったら消した方がいいよ……まぁちょっと調べたら普通に出たけど。どれどれ……ぇ、なるっ……! ゃ……えっ、と、はは、うん、これは……やべぇわ。えっと、えーっと……うん! まぁ、これには負けるわウチの学校のイケメンくんも!」


『国宝級の推しが二人に負けたんだが』
『消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ』


「まぁ人間の魅力って顔だけじゃないから。立ち振る舞いとかなんか色々あっての国宝っしょ。あと消せの人もう追い出すね。はい……他にも、関係ないコメしたら追い出すからね、もう。キャプの件は外でやって」


『顔は負け確なんだ、推し……』
『シゲも国宝』10000


「カズ氏また五桁! お金大事にしなってばも~……ありがと! 俺国宝にするような国、来年には別の国に吸収されてるって……えーと、で、そのイケメンがね、月曜さぁ、お昼誘ってくれて……イケメンの友達のイケメンほどじゃないけど結構なイケメンも何人か居て最悪だったんだけど、イケメンがずっと俺の傍ついてほぼ俺とだけ喋っててくれてギリセーフでさ」


『コミュ障が“分かってる“イケメン』
『イケメン多過ぎ問題』
『イケメンゲシュタルト崩壊』
『受験の時顔も審査されるタイプの学校』
『神対応イケメンすこすこのすこ』


「そのイケメンさぁ、イケメンだからなのかなんか……セリフの随所が口説き文句なのね。ゲームの話してる時はだいぶキモオタなのに」


『ε=ε=┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐』
『流石イケメン』
『涌いてる涌いてる』


「森、ゃ、腐海に帰れ。いや久々に見たなソレ……」


『┌(^o^┐)┐┌(^o^┐)┐……』
『大人しく帰ってて草』
『┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐┌(┌^o^)┐』
『違う仲間連れてきてる!』


「増えるな! はぁ……そのイケメンとさ、そのー……明日ですね、遊ぶ約束をしました。へへ……放課後に人と遊ぶとか初めて。な、なんか、学生っぽいよねこれっ! 普通の高校生……普通の高校生なれるかなぁ俺! 配信と動画の頻度下がったらごめん! でも俺引きニートな実況者とかじゃなくて友達の居る男子高校生だから!」


『毎秒投稿しろ』
『ランド代』50000
『シゲちゃんに友達が出来て親のように嬉しいけどシゲファンとしては毎日動画見たい。心が二つある~』


「ラ、ランドは行かないよ!? 多分……でもありがとカズ氏。そのうち行くかも、へへへ」


『シー代』50000
『心二つ分かるマン』
『よかったねシゲちゃん……』
『ランド行ってねシゲちゃん』1000
『シゲちゃんが生きてるだけで嬉しい』


「シーに行くって意味じゃないよカズ氏! 行くとしてもさっきのランドの代用出来るし!? えっえっ……ス、スパチャって返せないよね? えぇ……? カズ氏、油田持ってる? おわわ……あ、明日は、えっと、イケメンくんに何か奢っちゃおっかな、へへ。ヒマ氏もありがとう、ランドいつか行きたいなぁ……」


『遊行費』50000
『おわわカワヨ』
『シゲちゃんのへへ笑いからしか取れない栄養がある』
『回らない寿司奢れる金額で草』


「遊行費今もらったんだって! カズ氏!? いい加減にして!? 怖いよもぉ~……カ、カズ氏がこれ以上油田掘らなくてもいいようにする、配信終わります……話したいこと話せたしもう話すことないので…………じゃ! バイバイ! ゲームの続きは明日やります! イケメンくんと遊んだ報告も兼ねて……ね、へへ……えへへへ……ふへへへへ」






配信を終わらせ、伸びをし、その他作業を終わらせて防音室を出る。

「はぁ……早苗ちゃんの話、出来なかったな」

早苗ちゃんに無視されたショックが大きくて、顔を合わせるのが怖くて、また無視されるのが嫌で、今日は学校を休んでしまった。何故早苗ちゃんに無視されたか、視聴者に聞こうと思っていたのに……俺に友達が出来そうなことを喜んでくれたから、なんか、しにくかった。

「保護者風吹かせてるべ……」

闘病チャンネルの頃からの視聴者は俺を自分の子供のように愛でてくれている者も多い、おかげで同接数の割にスパチャ額が多いタイプの配信出来てるんだけども。

「…………つーか鳴雷、アイツ……何してんだよ……」

何とかってアイドルの放送事故に映り込んだ超絶美形の男は確かに鳴雷だった、ハンバーグ食べてた。アイドルと友達なのか? まぁあの顔ならどっかの事務所に所属していてもおかしくない、近々デビューするのかもしれない。

「……今仲良くしとけば、芸能界入り後もコラボしてもらえる? このまま動画投稿と配信で生きてくのは厳しいけど普通に就職とかは更に無理で人生詰んでる死に時逃したって思ってたけどっ……あのレベルのイケメンとコラボ出来たら配信者道イケるかも!? ほっほぅ!」

って、そんな訳ないだろ。

「いや芸能界入りしたら俺みたいな交友関係って真っ先に捨てられるんだって……ぅう、ちくしょう……これだからイケメンは。イケメンはフツメン以下のこと人間だと思ってねぇべさ!」

でも、鳴雷は俺と話してくれて、俺のちょっとした反応を嬉しいとか言ったりして、俺が休んだら寂しいとか言ってきて……

「…………リップサービス乙」

俺なんかにまで使ってしまうほど、口説き文句みたいな話し方が板についているんだ。イケメンだから。

「明日……もう…………なーんもしたくねぇべ……」

遊ぶの、断っておこうかな。でもそうしたらもうきっと二度と誘ってもらえなくなる、お昼にも。会ってもろくに話さなくなって、友達になれそうだった感じは自然に消滅して……でも、遊んでも、どうせ変な空気になって変な感じで終わって、二度と何にも誘ってもらえなくなってメッセージアプリでの会話すらなくなって……

「…………どうせ」

どうせ自然消滅する関係なら、明日の約束なんて断ってしまおう。

「………………っ」

深夜はダメだ。深夜にもの決めちゃダメだ。今何かを決める勇気が出なくて、明日の朝約束を断ることにして、俺はスマホを脇に置いて眠った。
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