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庇い傷への悔しさと嬉しさ

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正座をし、乳首を挟んだクリップに繋いだ鎖を引っ張って自慰をする以外の行動は禁止。そうリュウに言いつけ、トイレで準備を済ませてきたらしいシュカの腰を抱く。

「俺に準備させてくれてもよかったのに。そんなにすぐ入れて欲しかったのか?」

「はい」

「即答か、シュカらしいな」

シュカは既にズボンも下着も脱いでいる。制服とよく似たシャツ一枚だ、そのシャツも丈が長くはないため、本来隠すべきところが丸見えになっている。

「我慢させたもんな。体位は何がいい?」

右手で尻を揉みながら左手で頬を撫で、超絶美形が映える表情を作ってレンズ越しの鋭い瞳を見つめる。
シュカはやっぱり尻が小さいし、あまり柔らかくない。けれど引き締まった肉質も俺は大好きだし、カンナと違ってあまり揉ませてくれないから、今揉みまくっておく。

「…………シュカ?」

いつもなら尻を揉む手を払って希望の体位を伝えてくるのに、今日は何も言わないどころか俯いてしまった。視線は俺の左腕に注がれている。

「どうしたんだよ、何も言わないならここで駅弁しちゃうぞ?」

「……ダメです。駅弁なんて……絶対に」

「気に入ってなかったっけ?」

「…………腕に力入れたら治りが悪くなるじゃないですか。しばらく左腕は使わないでください」

シュカは俺の右手には触れず、左手だけを優しく下ろさせた。一瞬だけ俺を睨み上げた瞳は潤んでいるように見えた。

(わたくしの怪我を心配してくだすっているのですかなシュカたま! 恐悦至極に存じまするぞ。しかし泣いてしまうのは嫌ですなぁ)

右手でひたすらシュカの尻を揉みながら、俺は彼の頬に一瞬だけのキスをした後、舌を這わせた。シュカが少しだけ顔を上げたら、反対側の頬に頬を擦り寄せた。

「俺はシュカに罪悪感背負わせたい訳でも、恩を着せたい訳でもない。そんな計算出来ないよ。ただ単純にシュカが危ないって思って、飛び出した、それだけだ、その結果がこの傷」

シュカは黙って俺の頬擦りと尻揉みを受け入れている。

「今も後悔はしてない、シュカが痛い思いしなくてよかった、シュカの血を見ないで済んでよかった。シュカは何も気にしなくていいんだぞ、俺の自己満足なんだから。でも、心配は受け取るよ。ありがとう。左手は治るまで使わないようにするよ」

「…………バカなんですか、あなた」

「え……ま、まぁ、バカっちゃバカかも……?」

「……本当、迷惑です。あなたの自己満足、すごく迷惑……バカ。ずっとケツ揉んでくるし……変態のバカ」

珍しくシュカの方から俺を抱き締めてくれた。感激しつつ抱き返し、頭の真横で鳴る鼻をすする音を聞く。

「…………ベッド、行きたい」

泣き顔を他の彼氏達に見られたくないのだろう。

「レイ、ベッド借りていいか?」

「いいっすよ、こっちっす」

俺達を寝室に案内したレイはセミダブルのベッドにペットシートを敷き、毛布を畳んで床に置き、部屋を出ていった。

「……失礼ですね。私……漏らしたりしませんよ」

眼鏡を押し上げて目を擦りながら俺の腕の中を抜け出し、ベッドに寝転がる。

「…………なんでバカとか迷惑とか言っちゃうんでしょうね。自分の可愛げのなさが嫌になりますよ」

「シュカはそういうところが可愛いんだぞ?」

「……変態」

じろ、と俺を睨む目は少し赤くなっていた。目を擦らないように両手を捕まえ、指と指を絡める恋人繋ぎを両手でしてシュカに覆いかぶさり、唇を重ねる。

「ん……水月、あなたに怪我をさせてしまった自分の不甲斐なさが許せません。それでずっとイライラして、あなたに当たって……ごめんなさい、ちゃんと嬉しかったんですよ、私。あなたが時雨さんや霞染さんならともかく、私まで守ってくれるのが……すごく嬉しかった、でも悔しくて…………水月、大好きです、ありがとう」

「…………素直になったシュカも可愛いな。俺の方こそありがとう、可愛いとこ見せてくれて嬉しい。大好きだぞ」

「もう二度とあんなドジ踏みません。私があなたを傷付ける全ての危険を排除しますから、あなたは安全に私のことを守ってくださいね」

「それじゃ俺は騎士ごっこやってるガキだな。ふふっ……でも、頼りにしてるよ。シュカが居なけりゃ乗り込むなんて出来なかった、リュウを助けられたのもカンナの財布を取り返せたのも全部シュカのおかげだよ」

会話の隙間に差し込むキスは次第に水気を増していく。生々しく変わっていくキスの音に興奮し、手を繋いだままシュカの身体に股間を擦り付ける。

「水月、手を……」

手を繋ぐのを辞めるとシュカは俺のベルトを外し、ファスナーを下ろし、下着の中に手を入れて躊躇なく俺の陰茎を掴んだ。

「ズボン越しに擦り付けられるの嫌なんですよ、こっちは下脱いでるんですから……生の肌にはベルトはちょっと」

「ごめん、痛かったかな」

「痛いってほどでもありませんけど……全部出せましたよ。水月の立派なちんぽ……ふふ、本当立派」

骨張った男らしい手が俺の陰茎の太さを確かめるようにぎゅっぎゅっと握る。俺が思わず吐息を漏らすとシュカは楽しそうに微笑んだ。

「よく頑張りましたね水月、私を庇ったこと褒めて遣わします。ご褒美に私に中出しする権利を与えましょう」

本心ではとても気にしているくせに、おふざけをしてくれている。これに乗らなかったらシュカは酷い羞恥に襲われ、落ち込むのだろう。

「……ありがたき幸せ」

シュカは自ら開脚し、掴んだ俺の陰茎を自らの後孔へと導いていた。後は俺が腰を突き出すだけだ。今更躊躇する訳もなく、俺はシュカの中に押し入った。

「んぁああっ! あっ、は、太ぉ……ん、んんっ! はぁ……水月、水月ぃ……好きに動いて構いません、いえ……今日は私のこと好きにしてください。怪我した分しっかり取り返すんですよ」

「シュカ……気にしなくていいって、庇ったのは俺の自己満足で」

「じゃあ感謝も恩返しも私の自己満足です」

「……そっか。なら遠慮なく可愛いシュカの身体を貪らせてもらうよ」

「どうぞ、おバカな変態さんっ、んぅっ! う、あっ……深っ、ぁ、あああっ!」

シュカ自らほぐした後孔はまだ少し硬さが残ってはいるものの、嬉しそうに俺を迎えてくれる。愛おしげな締め付けに負けて早漏になってしまわないよう気を張り、腰を振った。
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