冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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二日ぶりの彼氏達

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昨晩は危なかった。アキをオカズにシコってアキにバレかけて──カタカナ多いなこの文、いやカタカナ率なんてどうでもいい。とにかく危なかった、アキが居てはおちおち自慰も出来ない。しばらくは外で性欲を解消して来なければ。

「ママ上~……改築っていつ頃しますん? 同じ部屋で寝泊まりしてちゃシコれませんぞ。ラブコメでよくある両片思いみたいな男女が同居しちゃう展開ってアレ男側絶対EDでそ」

「アキくん狙ってんならヤっちゃえば?」

「わたくしは純愛派なんでそ! 口説き落として同意取ってしっかり開発してからヤるんでそ!」

「あー、穴広げなきゃいけないのね。ちんぽ持ちは大変ね」

「親子でする会話じゃねぇでそ……」

「今更? あ、ちなみに改築はすぐにやるわよ。部屋増やしちゃえば葉子も出ていくなんて言いにくくなるでしょうし、今日業者さんが家見てくれるわ。着工はいつ頃かしらねぇ……始まったらアンタしばらく彼氏の家泊まりなさい、仮住まいが安上がりよ」

改築がすぐに始まるのは嬉しいが、テスト中に家がゴタつくのは嫌だ。いや、弟が来たことや改築が始まったことを歌見に説明すれば平均点以上という基準を下げてもらえるかもしれない。

「あ、おはようアキくん」

「おはようです」

買ったばかりのスリッパを履いてアキがやってきた。朝食が完成し、母が義母を呼び、四人で机を囲む。

「朝からカツ丼?」

「水月、今日から中間テストなのよ」

「受験なら分かるけどテストって勝つって言うかなぁ」

《めっちゃ美味い。こっち来てから美味いもんばっか食ってる。アンタ料理下手だったんだな》

《唯乃が上手過ぎるのよ! スペック過剰なの! 私別に下手じゃないもん!》

朝からカツ丼なんて食べたら胸焼けするという人も居るが、俺は元デブだし現役男子高校生、胸焼けなんて縁遠い。

「アキ、いい食べっぷりだな。おいしいか?」

「да! おしい、です」

アキはいい笑顔なのに義母が落ち込んでいる様子なのは何故だろう。



朝食を終えて支度も終えて、テストへの心構えも整えて、いざ出発。

《兄貴ー、今日テストなんだってな》

靴を履いているとアキが来てくれた。お見送りだろうか?

《ちゃんと祝福してやんよ》

また十字をかいている。見送りの際にもするものなんだな。

《ん、終わり。まぁ俺みたいなのがやっても意味ねぇんだろーけどよ、プラセボ効果くらいはあんじゃね? いい点取れたら褒めてやんよ、ダメだったら慰めてやる。テストなんか実力次第だわな。行ってらっしゃい》

「…………あ、お祈り終わりか? ありがとな。行ってきます」

「いって、らしゃい。にーに」

抱き締めたくなる気持ちを抑えて家を出る。今日は忙しくて見送りに行けないとレイからメッセージがあったので、駅に着くまでに気にするなと返信しておいた。

「お、水月ぃー、おはようさん」

「朝っぱらからお前の顔見るなんて今日の運勢は最悪だな」

改札を抜けるとリュウに手を振られた。考えておいた最低発言をしつつ彼と共にホームへ。

「ぅへへ……あ、今日はアレ入れてきてないねん。テストは流石に集中したいし。一応持ってきとるから水月がどうしても言うんやったら……ええけど」

「ディルドの話か? 流石に今日はいいよ」

「……そか。今日テスト何やったっけ?」

「現国、現社、古文、だな」

テストに合わせて提出する課題があるので時間割を間違えて覚えていたらテストの点はもちろん提出物の評価まで落としてしまう。何度も確認したので俺は間違えていないはずだ。

「ほーか……今日は捨て教科しかあらへんな。数学はいつや?」

「えーと、明日は総理、コミュ英、数Aじゃなかったか? んで明後日が総英と数1でちょっと短め、その日にカラオケだったな」

「ぉおー……よぉ覚えてんなぁ」

「一年はまだ選択科目ないんだよなぁ……リュウはやっぱり理数行くのか?」

「行かんかったら割引消されるかもしれんやん、そら行くわ」

特待生の学費免除を割引扱いはどうかと思う。

「あ、水月ら普通科か。えークラス離れるやん、嫌やなぁ」

「ハルは文系行きそうなんだよな。シュカはどうするんだろ」

「普通科でも芸術どっち選ぶかでクラス変わるんやろ?」

「あぁ、うん。音楽か美術かだろ? 俺はどっちでもいいからシュカとカンナに合わせようかなって」

ふと気になったので合流後二人に聞いてみた。

「買わされる画材が高そうなのでリコーダー一本買えばいいだけの音楽にするつもりです」

「あぁ……一年の間は画材レンタルだけど、二年からはガッツリ課題出るから購入だもんな」

「音楽との差額二万くらいやろ? ケチやなぁ」

「二万あれば肉まん何個買えると思ってるんですか? 絵の具で制服汚れるかもしれませんし、絵を描く趣味すらないのに美術なんてやりませんよ」

母は俺の買い食いを防ぐために小遣いをくれないが、この名門校に通わせてくれたことから分かるように学習に関する金銭は惜しまない。塾や習い事もやりたかったら言えと幼い頃から言われてきた、怠惰な性格なので何もしていないけれど。
っと、前置きが長くなったな。つまり美術を選ぼうと俺には金銭問題はないという話だ。

「カンナはどっちにするんだ?」

「ま、だ……きめて、な……」

「そっか、カンナ歌上手いし音楽でもいいと思うけどな。それなら三人一緒だし」

「え、しぐ歌上手いん? 俺それ知らんで」

俺はまた失敗したのだろうか。前髪で顔が見えないと分かっていても怖くてカンナの方を見られない。

「みーくん」

「な、なんだ? カンナ」

「……気を、つけ……ね。いろ、いろ」

このままではカンナと繋いでいる手が汗でぐっしょり濡れてしまう。俺は何を緊張しているんだ。リュウに対するSっ気溢れる対応はカンナの本性などではなくリュウへのサービスなのだから、カンナは怖い子などではなく骨の髄まで可愛いはずだ。緊張なんてするな。

「テストでいっちゃんええ点取ったもんが優勝、覚えとるやろな」

「ええ、優勝賞品って決まってましたっけ?」

「んー……水月に何やしてもらう」

「なんでも言うこと一つ聞いてやるよ」

平均以上の成績を残せば歌見に褒美をもらえる。浮かれていたのか俺はその褒美を丸々パクった。

「……ほんま?」

「なんでも、ですね?」

「…………内臓売れとかはダメだぞ!?」

「そんなこと言いませんよ! しかしそれがボーダーラインならかなりのワガママを言えそうですね」

「……あんまり高い金使うこととか、怪我することはダメだぞ」

シュカとリュウは揃って「それなら大丈夫だ」と笑ってテストへのやる気を見せた。俺の最低基準はクリアしているようだが、不安だ。カンナかハルが優勝するように祈っておこう。
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