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おなかいっぱい食べたら勉強
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様々な料理が机の上に並ぶ。参考書を閉じたシュカは目を輝かせ、まちがいさがしをクリア出来なかったリュウとカンナは少し疲れた様子で、各々フォークやナイフを持った。
「カミアはまた後ね、みっつん」
「あぁ、ありがとうな」
「……ミ、ア……て、たの?」
「昨日の配信見てたんだ~、しぐしぐもう見た? カミア超ゲーム上手くなっててさぁ、神回だから絶対見て!」
「き、の……!?」
カンナは顔を真っ赤にして俯き、小さく切り分けたチーズインハンバーグを口に詰め込んだ。
「……本当、上手かったよな。コメントってアレどこに表示されてるんだろ、ゲームやりながら読んで返事するとか常人には出来ないよ」
「カミアは神とアイドル兼任だからね、そんくらい余裕っしょ!」
カンナにぺちんっと太腿を叩かれた、彼は心配になるほど顔を真っ赤にしている。これ以上昨日のゲーム配信についてイジるのはやめてあげよう、アレはカミアだったんだ、それでいいじゃないか。
「なぁ、リュウ。お前の喉は食べ物には反応しないのか?」
「ん?」
「今日は何時間もずーっと喉をごりごり調教してやっただろ? ちょっとくらい敏感になってるかと思ったんだけど、あの程度じゃやっぱりまだダメかな」
「…………言わんといてぇや」
咀嚼していたサイコロステーキを飲み込んだ後、リュウは自らの喉に手を当てて頬を赤らめた。
「意識してもうた。あかん……もう何も食われへん」
「いいじゃないか、食いながらでも感じてろよ。お前は人間のフリしてるだけのマゾ豚なんだから、飯食う時に人前で気持ちよくなるなんて恥ずかしくて情けない真似も出来るだろ?」
リュウはポテトを一本だけ口に運んだ。咀嚼は最低限に、すぐに飲み込んだ。そして喉仏を自らさすり、俺を見つめて緩んだ笑顔を浮かべた。
「……出来ましたわ」
意識して視線を冷たく鋭くしてやるとリュウは悦び、腰をくねらせて食事のペースを早めた。しかしそれでもシュカの方が食べるスピードが早い、彼は別に咀嚼が足りない訳でも、急いで食べている訳でもない。しっかり味わって美味しそうに食べているように見えるのにとても早いのだ。
「……シュカ、フードファイターとか向いてるんじゃないか?」
「よしてください、私は一度に五人前以上は食べられませんし、同じ味の物ばかり何キロも食べる根気強さはありません」
「しかしシュカの腹なんて掴める程度なのに、どこにそんなに入ってるんだろうな」
「…………よしてくださいよ、意識してしまいます」
「みっつーん……ご飯中にセクハラやめてよー」
ハルに注意され、軽く謝る。本当に意識しているようでリュウに続いてシュカの口数も減り、俺も何だか変な気分になってくる。
「みっつんまだカルボナーラ食べてないよね?」
「あぁ、まだだな」
「よーし、初春さんが食べさせてあげちゃう!」
ハルはスプーンを添えてフォークで麺を巻き取り、クリームソースをたっぷり絡めたそれを俺に食べさせてくれた。
「あ~ん」
「あーん、んっ……ありがとう、美味いよ」
「えっへへー、あーんは夢だよね~。みっつんも俺にやってよ」
「あぁ、何食べさせようかな……」
ソーセージも頼んでおけばよかったなとオヤジ臭いセクハラを思い付いて悔やみつつ、切り分けたデミグラスハンバーグを一口食べさせる。ハムスターのように膨らんだ頬がもぐもぐと動く様子は見ていて楽しい。
「……ん、デミグラスもたまにはいいかも。みっつん、人が食べるとこそんなにじっと見て楽しい?」
「可愛い彼氏が美味しそうにもの食べてるところ見ないバカは居ないよ」
「んもー……照れることサラッと言うなぁ」
綺麗な言い方をしているが、俺は美少年が食事をする様はエロいと思っているから視線を注いでいるに過ぎない。
眼前の食事のために開く口、ぱくんと閉じる口、油に濡れた唇やもぐもぐと動く口周り、ゴクリと食べ物を通す喉など、性的な連想をしてしまう部位が多過ぎる。
(まぁわたくしがエロいこと考えない部位などありませんがな)
女装ではない制服のままハルが隣に居るという新鮮さも俺の視線を奪う理由だ。もちろんハルにばかり集中して他の彼氏の最高の瞬間を逃しては意味がないから出来る限り視線をバラけさせてはいるけれど。
(あー、目ん玉5000兆個欲しいでそ)
性感帯になりつつあるらしい喉を気にしてゆっくり食べているリュウや、もりもり食べているシュカ、たった今アーンを要求してきたカンナ……見所が多過ぎる。
机に並んだいくつもの料理が平らげられると、目も耳も口も足りない贅沢な時間も一旦終わる。たくさん食べたシュカに多めに支払ってもらい、基本は割り勘。ファミレスを出たらまず伸びをする。
「あー美味しかったぁ、一口ずつ色々食べれるって最高じゃん」
「この後は水月の家に行くんですよね」
「ぼく、はじ……めて」
みんなの前だからカンナは服を脱げないし、シュカも恥ずかしがってベタベタ甘えてきたりはしないだろう、案外と真面目に勉強会が出来るかもな──なんて考えた俺がバカだった。
「水月、ほぐしたいのでローション貸してください」
「水月ぃ、何やくれる言うてたけど何くれるん」
「みっつーん、カミアの配信の続き見よー?」
少なくとも彼らには真面目に勉強しようなんて気はなかったようだ。
「お前らなぁ、今日は勉強会だぞ。真面目にテスト勉強するんだ、いいな。ほら、こっち来い」
ぶーたれる彼氏達をダイニングに案内し、椅子に座らせる。二人家族だが母が稀に恋人を連れ込むため、四脚の椅子がセットになったテーブルがあるのだ。しかしそれでも一脚足りない。
「俺の分は他のところから探してくる、お前ら先に勉強しとけ」
「待ってください水月、足りないならちょうどいいじゃありませんか。交代で使いましょう」
「……交代?」
「一人一時間ずつ水月とヤるんです、三時間勉強出来るなら勉強会としては上々でしょう」
俺は彼氏を変えて四時間ずっと性行為に耽けるのか? 俺は勉強出来ないじゃないか。
(ダメだ、真面目に勉強しろ……と言うのでそ)
「いいなそれ、一番手は誰だ? シュカか?」
「私は二番手がいいので、一番は他に譲ります」
「あ、ほな俺一番がええ」
あっさりと欲望に負けた俺はリュウと共に私室に戻った。
「カミアはまた後ね、みっつん」
「あぁ、ありがとうな」
「……ミ、ア……て、たの?」
「昨日の配信見てたんだ~、しぐしぐもう見た? カミア超ゲーム上手くなっててさぁ、神回だから絶対見て!」
「き、の……!?」
カンナは顔を真っ赤にして俯き、小さく切り分けたチーズインハンバーグを口に詰め込んだ。
「……本当、上手かったよな。コメントってアレどこに表示されてるんだろ、ゲームやりながら読んで返事するとか常人には出来ないよ」
「カミアは神とアイドル兼任だからね、そんくらい余裕っしょ!」
カンナにぺちんっと太腿を叩かれた、彼は心配になるほど顔を真っ赤にしている。これ以上昨日のゲーム配信についてイジるのはやめてあげよう、アレはカミアだったんだ、それでいいじゃないか。
「なぁ、リュウ。お前の喉は食べ物には反応しないのか?」
「ん?」
「今日は何時間もずーっと喉をごりごり調教してやっただろ? ちょっとくらい敏感になってるかと思ったんだけど、あの程度じゃやっぱりまだダメかな」
「…………言わんといてぇや」
咀嚼していたサイコロステーキを飲み込んだ後、リュウは自らの喉に手を当てて頬を赤らめた。
「意識してもうた。あかん……もう何も食われへん」
「いいじゃないか、食いながらでも感じてろよ。お前は人間のフリしてるだけのマゾ豚なんだから、飯食う時に人前で気持ちよくなるなんて恥ずかしくて情けない真似も出来るだろ?」
リュウはポテトを一本だけ口に運んだ。咀嚼は最低限に、すぐに飲み込んだ。そして喉仏を自らさすり、俺を見つめて緩んだ笑顔を浮かべた。
「……出来ましたわ」
意識して視線を冷たく鋭くしてやるとリュウは悦び、腰をくねらせて食事のペースを早めた。しかしそれでもシュカの方が食べるスピードが早い、彼は別に咀嚼が足りない訳でも、急いで食べている訳でもない。しっかり味わって美味しそうに食べているように見えるのにとても早いのだ。
「……シュカ、フードファイターとか向いてるんじゃないか?」
「よしてください、私は一度に五人前以上は食べられませんし、同じ味の物ばかり何キロも食べる根気強さはありません」
「しかしシュカの腹なんて掴める程度なのに、どこにそんなに入ってるんだろうな」
「…………よしてくださいよ、意識してしまいます」
「みっつーん……ご飯中にセクハラやめてよー」
ハルに注意され、軽く謝る。本当に意識しているようでリュウに続いてシュカの口数も減り、俺も何だか変な気分になってくる。
「みっつんまだカルボナーラ食べてないよね?」
「あぁ、まだだな」
「よーし、初春さんが食べさせてあげちゃう!」
ハルはスプーンを添えてフォークで麺を巻き取り、クリームソースをたっぷり絡めたそれを俺に食べさせてくれた。
「あ~ん」
「あーん、んっ……ありがとう、美味いよ」
「えっへへー、あーんは夢だよね~。みっつんも俺にやってよ」
「あぁ、何食べさせようかな……」
ソーセージも頼んでおけばよかったなとオヤジ臭いセクハラを思い付いて悔やみつつ、切り分けたデミグラスハンバーグを一口食べさせる。ハムスターのように膨らんだ頬がもぐもぐと動く様子は見ていて楽しい。
「……ん、デミグラスもたまにはいいかも。みっつん、人が食べるとこそんなにじっと見て楽しい?」
「可愛い彼氏が美味しそうにもの食べてるところ見ないバカは居ないよ」
「んもー……照れることサラッと言うなぁ」
綺麗な言い方をしているが、俺は美少年が食事をする様はエロいと思っているから視線を注いでいるに過ぎない。
眼前の食事のために開く口、ぱくんと閉じる口、油に濡れた唇やもぐもぐと動く口周り、ゴクリと食べ物を通す喉など、性的な連想をしてしまう部位が多過ぎる。
(まぁわたくしがエロいこと考えない部位などありませんがな)
女装ではない制服のままハルが隣に居るという新鮮さも俺の視線を奪う理由だ。もちろんハルにばかり集中して他の彼氏の最高の瞬間を逃しては意味がないから出来る限り視線をバラけさせてはいるけれど。
(あー、目ん玉5000兆個欲しいでそ)
性感帯になりつつあるらしい喉を気にしてゆっくり食べているリュウや、もりもり食べているシュカ、たった今アーンを要求してきたカンナ……見所が多過ぎる。
机に並んだいくつもの料理が平らげられると、目も耳も口も足りない贅沢な時間も一旦終わる。たくさん食べたシュカに多めに支払ってもらい、基本は割り勘。ファミレスを出たらまず伸びをする。
「あー美味しかったぁ、一口ずつ色々食べれるって最高じゃん」
「この後は水月の家に行くんですよね」
「ぼく、はじ……めて」
みんなの前だからカンナは服を脱げないし、シュカも恥ずかしがってベタベタ甘えてきたりはしないだろう、案外と真面目に勉強会が出来るかもな──なんて考えた俺がバカだった。
「水月、ほぐしたいのでローション貸してください」
「水月ぃ、何やくれる言うてたけど何くれるん」
「みっつーん、カミアの配信の続き見よー?」
少なくとも彼らには真面目に勉強しようなんて気はなかったようだ。
「お前らなぁ、今日は勉強会だぞ。真面目にテスト勉強するんだ、いいな。ほら、こっち来い」
ぶーたれる彼氏達をダイニングに案内し、椅子に座らせる。二人家族だが母が稀に恋人を連れ込むため、四脚の椅子がセットになったテーブルがあるのだ。しかしそれでも一脚足りない。
「俺の分は他のところから探してくる、お前ら先に勉強しとけ」
「待ってください水月、足りないならちょうどいいじゃありませんか。交代で使いましょう」
「……交代?」
「一人一時間ずつ水月とヤるんです、三時間勉強出来るなら勉強会としては上々でしょう」
俺は彼氏を変えて四時間ずっと性行為に耽けるのか? 俺は勉強出来ないじゃないか。
(ダメだ、真面目に勉強しろ……と言うのでそ)
「いいなそれ、一番手は誰だ? シュカか?」
「私は二番手がいいので、一番は他に譲ります」
「あ、ほな俺一番がええ」
あっさりと欲望に負けた俺はリュウと共に私室に戻った。
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